【管理栄養士監修】離乳食でわかめが食べられるのはいつから?使い方とレシピ3選

海藻の風味が豊かなわかめは、離乳食のバリエーションを広げるのにもおすすめ。「離乳食でわかめはいつから食べられる?」「市販のわかめはどの種類を選べばいい?」「離乳食の赤ちゃんにおすすめのわかめレシピはある?」など気になる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、離乳食で赤ちゃんにわかめを与えられる時期や量、わかめの使い方や注意点などについてご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食後期以降の赤ちゃんにおすすめのわかめレシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!

離乳食でわかめは中期から食べられる食材

 

ほんのりとした磯の香りが楽しめるわかめ。離乳食でわかめを使う場合は、生後7カ月ごろの離乳食中期以降になってから与えましょう。

海藻類のわかめには食物繊維が多く含まれているため、消化器官が未熟な赤ちゃんにとっては消化しにくい食品です。消化不良を引き起こす可能性もあるため、離乳食初期に与えるのは避けましょう。

赤ちゃんの身体に負担をかけないためにも、食べ過ぎには注意が必要です。離乳食でわかめを与える場合は、ごく少量を与えましょう。

わかめに含まれている栄養素

わかめには食物繊維やビタミンK、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多く含まれています。

食物繊維はおなかの調子を整える働きがあるので、離乳食開始後の便秘が気になるときに摂取したい栄養素です。また血液凝固をサポートするビタミンKは、母乳にほとんど含まれていない特徴があるため食品から摂取する必要があります。マグネシウムやカルシウムは、赤ちゃんの丈夫な骨や歯を育てるために必要な栄養素です。

【月齢別】離乳食で与えるわかめの大きさと量

離乳食の赤ちゃんにわかめを与える際は、窒息や誤嚥が起こらないように赤ちゃんの発達に合わせた形状にして与える必要があります。離乳食では加熱したものを、細かくみじん切りにしてから与えましょう。

また食物繊維が多いわかめは食べ過ぎると胃腸に負担がかかってしまうため、赤ちゃんに与える際はごく少量を与えます。生わかめや乾燥わかめを戻した状態で、1回あたり3〜5gを目安にしておくとよいでしょう。

市販のわかめの種類と下ごしらえ

 

市販のわかめには生わかめや乾燥わかめ、塩蔵わかめや茎わかめなど、さまざまな種類が販売されています。

離乳食で使うわかめは生わかめや乾燥わかめ、塩蔵わかめがおすすめです。茎わかめは茎の部分がかたいため、離乳食期の赤ちゃんには向いていません。

離乳食でわかめを上手に取り入れるためにも、それぞれのわかめの特徴や赤ちゃんに与える際の下ごしらえについて知っておくとよいでしょう。

水に戻さず簡単に使える「生わかめ」

わかめ本来の香りや味が楽しめる生わかめ。水に戻す必要がなくそのまま使えるため、離乳食で簡単にわかめを取り入れたい方におすすめです。離乳食では茎に近い部分ではなく、やわらかい葉の部分を使用するとよいでしょう。

ただし弾力が強い特徴があるため、生わかめを使用する際は窒息や誤嚥などを引き起こさないためにも細かくみじん切りにしてから与える必要があります。

<生わかめの下ごしらえ>

  1. 茎の部分を取り除き、しっかりと水洗いする。
  2. 沸騰したお湯でよくゆで、湯通しする。
  3. みじん切りにする。

必要な分だけ少量ずつ使える「乾燥わかめ」

乾燥わかめは使いたい分だけ水で戻して使えるので、少量しか使わない離乳食に向いています。また乾燥わかめは常温でも長期保存が可能なので、いざというときのために常備しておくのもよいでしょう。

<乾燥わかめの下ごしらえ>

  1. ボウルに水と乾燥わかめを入れ、5〜10分ほど戻す。
  2. やわらかくなったら、みじん切りにする。

保存性が高い「塩蔵わかめ」

生わかめに塩を加えて製造される塩蔵わかめ。塩蔵わかめは生わかめに似た食感を楽しめるわかめで、風味がよく保存性も高い特徴があります。

しかし塩分が多く含まれているので、離乳食の赤ちゃんにはあまり向いていません。離乳食で塩蔵わかめを使う場合は、しっかり塩抜きしてから取り入れましょう。

<塩蔵わかめの下ごしらえ>

  1. たっぷりの水に10〜15分ほどつける。
  2. 途中で1〜2回水を替えながら塩抜きする。
  3. 沸騰したお湯で1〜2分ほどゆで、湯通しする。
  4. 葉のやわらかい部分をみじん切りにして使う。

離乳食で使うわかめは冷凍保存が便利

離乳食で使う生わかめは冷凍保存も可能です。冷凍保存したわかめは必要な分だけ解凍して使えるので、手軽に離乳食でわかめを取り入れられるメリットがあります。

生わかめは湯通しして、赤ちゃんの発達に合わせた形状に切ってから冷凍しましょう。製氷皿や冷凍保存容器に入れて、1回量ずつ冷凍しておくのが便利です。

また衛生的に使用するためにも、冷凍した生わかめは1週間以内に使い切りましょう。

離乳食でわかめを与える際の注意点

赤ちゃんの成長に必要な食物繊維やミネラル類を手軽に補えるわかめ。「わかめにアレルギーはある?」「赤ちゃんがわかめを食べ過ぎるとどうなる?」など気になる方もいるのではないでしょうか。

今回は離乳食でわかめを与える際に、気をつけたい注意点についても解説します。

初めて与える際は平日の午前中に

わかめは特定原材料に含まれていないため、アレルギー症状を引き起こしにくい食品です。しかし赤ちゃんの体質や体調によっては、発疹やじんましん、呼吸器の異常などのアレルギー症状を引き起こす可能性もあるので気をつけましょう。

初めてわかめを与える場合でアレルギー症状が心配な場合は、すぐに病院を受診できるように平日の午前中に少量から与えるのもよいでしょう。

食べ過ぎによる下痢に注意

わかめには水溶性食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると下痢を引き起こす可能性があります。赤ちゃんは大人に比べて体内の水分量が多く、下痢になると脱水状態に陥るリスクもあるので気をつけましょう。

わかめに多い水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収し、ゼリー状になって便をやわらかくする性質があります。赤ちゃんにわかめを与える場合は毎日多量に与えるなどの使い方は避けて、少量をたまに与えましょう。

喉に張り付きやすい

わかめの表面には、水溶性食物繊維のフコダインが付着しているため粘り気があります。よく噛まずに飲み込むと、喉に貼り付いてむせてしまう可能性があるので気をつけましょう。

またわかめには弾力があるため、誤嚥や窒息のリスクが高い食品でもあります。赤ちゃんにわかめを与える際は、しっかり加熱してやわらかく調理したり、食べやすいようにみじん切りにしたりする工夫を取り入れましょう。

ヨウ素の過剰摂取に気をつける

わかめにはヨウ素が多く含まれているため、食べ過ぎると甲状腺機能に悪影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。離乳食でわかめを取り入れる際は、ヨウ素の過剰摂取にならないための対策を意識しておくとよいでしょう。

<ヨウ素の過剰摂取にならないための対策>

・週1~2回など、間隔を空けて摂取する

・わかめを使う際は少量にする

・ゆでこぼしや塩抜きをしっかり行う など

離乳食におすすめのわかめレシピ3選

磯の香りを楽しめるわかめは、普段の離乳食のバリエーションを増やしたい方にもおすすめの食材です。

わかめはいろんな食品と組み合わせやすいので、ぜひ離乳食作りで取り入れてみてくださいね!今回は離乳食後期以降の赤ちゃんにおすすめのわかめを使った離乳食レシピを3つ紹介します。

【後期】しらすとわかめの炊飯器わかめご飯

 

材料(2〜3回分)

・米       1/2合

・水       130ml

・乾燥わかめ   0.2g

・しらす     15g

・にんじん    20g

・しょうゆ    小さじ1/2

作り方

1)米は洗って水気を切る。乾燥わかめは水で戻してみじん切りにする。しらすはお湯をかけて塩抜きする。にんじんはみじん切りにする。

2)炊飯器に1と水、しょうゆを加えて軽く混ぜる。

3)通常モードで炊飯する。

ポイント:赤ちゃんの成長に必要なカルシウムとタンパク質を一緒に補えるレシピ。炊飯器で炊くだけなので、忙しいときの離乳食作りにもおすすめです。多めに作って冷凍保存しておくのもよいでしょう。

【後期】わかめと豆腐のとろみ和え

 

材料(1回分)

・乾燥わかめ    0.2g

・絹ごし豆腐    30g

・白菜(葉)    10g

・水        大さじ2

・水溶き片栗粉   適量

作り方

1)乾燥わかめは水で戻してみじん切りにする。豆腐と白菜は5mm角に切る。

2)耐熱容器に1と水を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で1分加熱する。

3)一度取り出して、水溶き片栗粉を加えて混ぜる。

4)再度ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で30秒加熱する。

ポイント:電子レンジで簡単に作れるので、手軽に離乳食を用意したいときにもおすすめのレシピです。とろみがしっかり付いているので、後期食へ移行したばかりの赤ちゃんにもおすすめ!

【完了期】手づかみOK!わかめうどんおやき

 

材料(1回分)

・ゆでうどん   80g

・乾燥わかめ   0.2g

・にんじん    20g

・卵       1個

・片栗粉    大さじ1と1/2

・しょうゆ   小さじ1

・サラダ油   小さじ1

作り方

1)うどんは1cm幅に切る。水で戻した乾燥わかめとにんじんをみじん切りにする。

2)ボウルにサラダ油以外の材料を全て入れ、よく混ぜ合わせる。

3)フライパンに油を熱し、2の生地をスプーンで小判形に落として成形する。

4)少量の水(分量外)を加えて蓋をし、中に火が通るまで蒸し焼きする。

ポイント:炭水化物とタンパク質、ミネラルが揃ったバランスのよい一品メニュー。自分で持って食べられるので、手づかみ食べを好む赤ちゃんにもおすすめです。

まとめ

生後7〜8カ月ごろの離乳食中期から食べられるわかめ。赤ちゃんにわかめを与える際は、わかめの種類や大きさに気をつけながら使いましょう。

「離乳食でわかめはどうやって使えばいい?」と疑問に感じるママやパパは、ぜひこの記事を参考にしながら離乳食でわかめを取り入れてみてくださいね。

磯の風味を楽しめるわかめを上手に活用すれば、赤ちゃんが喜んで食べてくれるかもしれません!


ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。


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