【保育士監修】妊娠中の変化はこんなにも…旦那に読んでほしい3つのこと

妊娠中におけるママの心と体には、想像以上に多くの変化が起こります。その際にママが感じている「気持ちを読んで寄り添ってほしい」ことがつかめずに悩む旦那さんも少なくありません。 実際に妊娠中はホルモンバランスの変動により、心身の不調が起こりやすくなります。こうしたストレスが積み重なることで、ママの負担や夫婦のすれ違いが生じる場合もあるため、ママが旦那さんに読んでほしい気持ちを理解しておきましょう。 今回は、妊娠中のママが旦那さんに読んでほしい3つのことを詳しく解説します。さらに、忙しい旦那さんでも無理なくサポートできる方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

​旦那さんに知ってほしい!妊娠中のリアルについて

 

女性の心身にさまざまな影響を及ぼす妊娠中のリアルを知ることは、パパとしてスタートラインに立つ第一歩です。ちょっとした知識があるだけでも、ママを思いやる行動や言葉がぐっと変わります。

ここでは、妊娠中における心身への影響やマタニティブルーについて解説します。

​ホルモンバランスの乱れが引き起こす情緒不安定

女性は妊娠をすると、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が一気に増えます。この変化は、赤ちゃんを守り育てるために必要なものですが、同時に自律神経や脳にも影響を与えます。

そのため、些細なことで涙が出たり、今まで気にならなかったことに強くイライラしたりする場面が増えるでしょう。ママ自身も「こんな自分は嫌だ」と思いながら、感情を持て余してしまうことも少なくありません。

こうした感情の起伏は意図的なものではなく、その多くはホルモンによる影響なのだと理解しましょう。

「また怒ってるの?」と責めるような態度をとるのではなく、「今日は疲れてるのかな」と一歩引いて見守ってください。そのひと呼吸が、ママにとって何よりの優しさになるのです。

​身体の変化による疲労や不調

妊娠初期には胎盤を作るために膨大なエネルギーが消費されます。その影響で強い眠気に襲われたり、少し動くだけで疲れたりすることも増えるでしょう。

また、妊娠中期になると体調が安定する女性も増えますが、それでも体の中では血液量が急増し、心臓や腎臓への負担が大きくなっています。動悸が激しくなったり、むくみやすくなったりするのもこのためです。

さらに妊娠後期に入ると、お腹の重みで腰や背中に強い負担がかかり、さらに睡眠の質も悪くなっていきます。寝返りすら苦しい夜が続くこともあるでしょう。

それでもママたちは、「赤ちゃんのために」と耐え続けています。そんな姿を見かけたら、「今日はゆっくりしよう」と労いの言葉をかけるように心がけましょう。

​不安と期待が交錯するマタニティブルー

妊娠がわかると、多くのママたちは新しい命の誕生に胸を躍らせます。しかし同時に、妊娠期や育児への漠然とした不安や、孤独を感じてしまうことも少なくありません。こうした複雑な心の揺れ動きを「マタニティブルー」と呼びます。

一般的にマタニティブルーは、ホルモンバランスの変化が大きな要因とされていますが、それだけではありません。赤ちゃんに会える日を楽しみにする一方で、妊娠・出産という大きなライフイベントに直面し戸惑うこともあります。

日々変化する体調に「これからの生活がどう変わるのか」「育児は本当にできるのか」などの現実的な不安が心に生じることで、ママの心は大きく揺れ動いていきます。

こうしたマタニティブルーから生じる感情の起伏は、心と体が変化に適応しようと頑張っている証でもあります。旦那さんも「大丈夫、一緒にやっていこう」とママに寄り添う姿勢を意識するようにしましょう。

​妊娠中だからこそ!実は旦那に読んでほしい3つのこと

妊娠中だからこそ、ママにとって旦那さんの存在が大きな力になることがあります。互いを思いやる気持ちを忘れず、これから生まれてくる赤ちゃんのために、力を合わせて乗り越えていきましょう。

ここでは、多くのママが感じている旦那さんに読んでほしい3つのことをご紹介します。

「察して」じゃなく「気づいて」ほしい妊婦の気持ち

妊娠中は、今まで平気だったことに疲れを感じるものです。それでも「弱音を吐いてはいけない」と我慢をしてしまうママも少なくありません。そのため、ママの言葉を待つだけでなく、表情や態度のちょっとした変化にも気を配る必要があります。

ママが「何も言わない=大丈夫」とは限りません。むしろ、忙しいパパに気を遣って言葉を飲み込むこともあるでしょう。「言われなきゃわからないよ」と感じることもあるかもしれませんが、妊娠中の女性は自分の気持ちを言葉にすることすら、負担になることもあるのです。

そのため、一度時間を見つけて、普段よりも少し敏感にママの様子を見守りましょう。

特別なスキルは必要ありません。大事なことは、ママの存在に意識を向けること。その意識こそが、ママが感じている旦那さんに気づいてほしい気持ちに気づく第一歩となります。

​忙しい中でもママに寄り添う姿勢を

どんなに忙しくても、ママに「ひとりじゃないよ」と伝わる寄り添い方ができるかどうかは、二人の関係にとって大切なことです。

妊娠中のママは、ちょっとした不安や体調の変化に敏感になりやすいでしょう。些細なことでも誰かと話しをしたり、ちょっと甘えたくなったりする日が増えてきます。そんなときに、「疲れているから後にして」と言われてしまったら、ママの心は深く傷ついてしまうかもしれません。

もちろん、旦那さん自身も仕事で疲れを感じる日もあるでしょう。それでも、ほんの少しだけママに意識を向けてみてください。ちょっとした会話に耳を傾けたり、買い物を手伝ったりといった、ちょっとしたサポートでもママにとって大きな支えになることがあるのです。

家事や通院のサポートで頼れるパパに!

普段は「ママに家事を任せっきりだった」という旦那さんも、ぜひ今日から一緒に取り組んでみてください。特別なスキルは必要ありません。たとえば、洗い物をしたり、ゴミ出しをしたりするだけでも、ママの負担はぐっと軽くなるでしょう。

また、時間が許せば、妊婦健診への同行も検討してみましょう。

通院はママにとって、楽しみな半面、不安を感じる場面でもあります。たとえば、待ち時間が長かったり、診察で予想外の話を聞かされたりすることも。そんなとき隣に旦那さんがいるだけで、ママは心強く感じるでしょう。

頼れるパパになるために完璧を目指す必要はありません。ママが本当に欲しているのは、完璧さではなく、「自分を大切に思ってくれている」という実感なのです。忙しい日々の中でも、できる範囲で寄り添い、支える気持ちを行動に移していきましょう。

旦那さんにできる妊娠中のサポートとは?

 

​妊娠中は、女性の心身にさまざまな変化が生じてきます。そんなとき、「何をすればいいか」と戸惑うパパも多いことでしょう。しかし、難しく考える必要はありません。大切なことはママの気持ちに寄り添い、思いやる気持ちを少しずつ形にしていくことなのです。

ここでは、ママと一緒に実践できる妊娠中のサポートについて解説します。

家事・育児のプレ練習を始める

妊娠中のママは動きたくても上手く動けなかったり、気分が優れなかったりする日も珍しくありません。そんなとき旦那さんが率先して家事を手伝ってくれると、ママはとても助かります。洗濯物を干す、ゴミ出しをする、簡単な料理を作ることなど、いざ自分一人でやろうとすると、最初は戸惑うかもしれません。だからこそ、ママの出産前に少しずつ練習をしておくとよいでしょう。

また、育児のプレ練習も意識してみてください。たとえば、おむつ替えの方法やミルク作りについて本を読んだり、両親学級に一緒に参加したりするだけでも、知識と心構えが違ってきます。最初から完璧にできる人はいません。まずは「知っておく」「慣れておく」という意識が大切です。

さらに、ママの体調や気分を日々気にかけることも、立派なプレ育児の一環です。「今日の体調はどう?」と声をかけたり、疲れを感じているようなら積極的に休ませたりすることで、赤ちゃんを迎えた後もママの気持ちに寄り添った、自然なサポートができるようになるでしょう。

パパの心配りが伝わる!​妊婦への声かけ・言葉の選び方

​妊娠中のママは体の変化だけでなく、精神面でも敏感になっています。そういう時期だからこそ、旦那さんにはママへの声かけや言葉選びに、少しだけ気を配ってほしいのです。

たとえば、ママが体調の悪さを訴えているときに「大丈夫?無理しないでね」と声をかけるだけでも、安心感を与えられます。逆に、「そんなに辛いの?」「気にしすぎじゃない?」などの言葉は、ママの体調不良を悪化させる要因にもなりかねません。

自分では励ましているつもりでも、言葉選び一つでママの気持ちは大きく変わるのだと心に留めておきましょう。

また、妊娠中は体型の変化も避けられません。たとえ冗談のつもりでも、「太ったね」「体型が大きくなったね」などの言葉は避けてください。ママ自身が一番気にしている部分だからこそ、そっと見守り、必要なら「赤ちゃんが元気に育ってる証拠だね」と温かい言葉をかけてあげましょう。

妊娠・出産について一緒に学ぶ姿勢

妊娠や出産は、ママだけが背負うものではありません。旦那さんも家族を支える一員として、妊娠や出産について一緒に学び、理解を深める姿勢を持つことが大切です。

たとえば、妊娠中に起こる身体の変化や出産に向けて必要な準備、赤ちゃんが生まれた後の生活リズムなどについて、旦那さんも一緒に学ぼうとする姿勢はママに大きな安心感を与えるでしょう。互いに必要な情報を共有することで、出産後の生活もスムーズになります。

また、妊娠中に開催される両親学級や産院でのセミナーにも積極的に参加をしましょう。参加が難しい場合は、書籍を読んだり、ママと一緒にインターネットで調べるだけでも理解が深まります。

出産について学ぶ中で、旦那さん自身も予想以上に不安を感じることがあるかもしれません。出産がいかに大変なことか、命をかけた大仕事であるかを知ったとき、ママへの尊敬の気持ちが自然と湧き上がるでしょう。そうした気持ちが親になることへの自覚にもつながっていくのです。

出産後に夫婦の絆を深める!旦那の心得

赤ちゃんの誕生は、夫婦にとってかけがえのない喜びであると同時に、家庭生活にさまざまな変化をもたらします。特に出産後は初めての経験に戸惑い、生活や育児に余裕を失うこともあるでしょう。そんなときこそ、旦那さんのちょっとした心得ひとつで家庭生活が充実し、ママとの絆をさらに深めることができます。

ここでは、出産後に夫婦の絆を深めたい旦那さんに向けた心得をご紹介します。

「育児はママだけの仕事」じゃないという共通認識を

赤ちゃんが生まれると授乳の必要があるため、どうしてもママ中心の育児になりがちです。だからといって「育児はママだけの仕事」との考えを持ち込んでしまうと、ママだけが負担を抱えることになり、疲労感や育児ストレスを引き起こす要因にもなりかねません。そのため、出産後は「育児は旦那とママの仕事」だと共通認識を持つことが大切なのです。

出産はゴールではなく、家族としての新たなスタートです。旦那さん自身も「自分が父親である」との自覚をしっかりと持ち、一緒に子育てをするという意識を忘れないでください。

妊婦の「頑張りすぎ」を止めるのも旦那の役目!

妊娠中の女性は、心身の変化と向き合いながら家事や仕事、育児の準備などをする中で、つい「自分がしっかりしなきゃ」と無理を重ねることも少なくありません。しかし、こうした頑張りが母体の負担になることがあります。

特に、妊娠中はホルモンバランスの影響もあり、普段なら平気なことでも疲労を感じやすくなります。それにもかかわらず、周囲に頼ることなく、ママ自身が限界まで頑張ってしまうこともあるのです。だからこそ、パパが意識的にママの様子を観察し、小さな変化にも気づくように心がけましょう。

頑張り屋なママほど、「しっかりと頑張らなきゃ」と思いがちです。その思いをほどき、ママが安心して甘えられる空気を作ることが、旦那さんの大切な役目であるといえます。

お互いに「ありがとう」を忘れずに

出産後は赤ちゃんを迎えた生活が始まり、今までにないほど忙しくなります。そんなときこそ大切にしたいのが「ありがとう」の言葉です。たった一言かもしれませんが、この感謝の気持ちを互いに伝えるだけで、夫婦の絆はさらに深まるでしょう。

ママは慣れない育児に加えて、自分自身の体力回復にも努めなければなりません。こうした中でも家族のために頑張っているママに、「いつもありがとう」と旦那さんが感謝の気持ちを伝えることで、ママの心は軽くなり、疲労感も軽減されるでしょう。

一方で、旦那さんも仕事と家庭を両立しようと必死に努力しています。だからこそ、ママからも「いつも頑張ってくれてありがとう」と伝えることで、旦那さんもまた頑張ろうという気持ちになれるのです。

育児や家事に追われると、つい心の余裕を失うこともありますが、そんなときこそ「ありがとう」の言葉を忘れないでください。この一言が何よりも相手を励まし、家庭を温かく包み込んでくれます。

まとめ

妊娠中の女性はホルモンバランスの乱れによる情緒不安定や疲労、不安と期待が入り混じるマタニティブルーなど、目に見えない葛藤の日々が続きます。しかし、時には気持ちを言葉にして伝えなければ、相手がいくら意識をしていても気づかなかったり、伝わらなかったりすることもあるのです。だからこそ、忙しい中でも相手への負担に配慮しつつ、思いきって感じている気持ちを伝えるようにしてください。

育児も家事も完璧である必要はありません。小さな心配りを積み重ねることで、乗り越えられる壁はたくさんあります。だからこそ決して焦らず、無理せず、旦那さんとママが手を取り合い、気持ちを楽にして取り組んでいきましょう。


ライター名: Masayo.M
修士(教育学)
熊本大学大学院教育学研究科 修士課程 修了
保育者として保育園をはじめ、幼稚園や認定こども園において15年以上の勤務経験があります。
子育て世代のママに向けて、笑顔や価値につながる記事執筆を心がけています。


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