【管理栄養士監修】離乳食のにんじんはレンジ調理が便利!作り方の基本とおすすめレシピ

βカロテンやカリウム、食物繊維など赤ちゃんの成長に必要な栄養が豊富なにんじん。「離乳食で使うにんじんは電子レンジで加熱できる?」「どのくらい加熱すればいい?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、離乳食で使うにんじんを電子レンジで加熱する際の作り方や加熱時間、電子レンジで調理する際の注意点や冷凍保存の方法について解説します。 保育園勤務の管理栄養士ママが電子レンジで作るにんじんの離乳食レシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてください。

離乳食で使うにんじんは電子レンジ調理がおすすめ

加熱するとやわらかくなって甘みも増すにんじんは、離乳食の赤ちゃんにも向いている野菜。にんじんを離乳食で簡単に取り入れたいという方には、電子レンジ調理がおすすめです。電子レンジ調理は火を使わずに作れるので、鍋を使う必要がなく短時間で済ませられます。

ただし鍋調理よりも均一に加熱するのが難しいというデメリットもある調理法です。免疫力の低い赤ちゃんに電子レンジで離乳食を作る際は、食中毒につながらないように加熱できているか確認してから与えましょう。

にんじんは生後5〜6カ月の初期から食べられる

離乳食でにんじんは、生後5〜6カ月の初期から食べられる野菜です。そのままではかたい食感の根菜類なので、やわらかくなるまでしっかり加熱したものを与えましょう。

<離乳食で使うにんじんの大きさの目安>

初期:すりおろしてペースト状にする

中期:つぶしたものやみじん切り

後期:加熱して5〜7mm角やスティック状に切る

完了期:加熱して8mm角やスティック状に切る

電子レンジでのにんじんの作り方と加熱時間

電子レンジでにんじんをやわらかく調理する際は、赤ちゃんの月齢に合わせた形状に切ってから加熱しましょう。にんじんの電子レンジでの作り方や加熱時間について、赤ちゃんの月齢や使うシーンに合わせてご紹介します。

※加熱時間は600Wを基準にしています。参考にする際は、ご家庭の電子レンジのワット数を確認してから加熱時間を調整してください。

「まるごと加熱」するなら600Wで5分加熱

にんじんをまるごと加熱したい場合はヘタや皮をむいた後水で洗い、ラップで包んでから電子レンジ600Wで5分程度加熱しましょう。

加熱後のにんじんはとても熱いので、ラップをしたまま放置して、粗熱が取れから加工すると安心です。

1)にんじんのヘタを切り落とし皮をむく

2)にんじんを洗って、1本をまるごとラップで包む

3)耐熱皿に置いて、電子レンジ600Wで5分加熱する

初期は「ペーストにしてから加熱」

生後5〜6カ月の初期でにんじんを使う場合は、電子レンジで加熱してからブレンダーやすり鉢を使ってペースト状にするのがおすすめです。生のまますりおろして電子レンジ加熱する方法もありますが、にんじんの繊維が残ってしまいます。赤ちゃんによっては嫌がる可能性もあるので、裏ごしてから使用するのもよいでしょう。

<加熱してからペースト状にする作り方>

1)にんじん(40g)は洗って皮をむく

2)大きめの輪切りにする

3)耐熱容器に2)とひたる程度の水を加える

4)ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで5分加熱する

5)粗熱が取れたらブレンダーやすり鉢を使ってペースト状にする

 

<生のまますりおろして加熱する作り方>

1)にんじん(40g)は洗って皮をむく

2)すりおろし器ですりおろす

3)耐熱容器に2)と水80mlを加える

4)ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで40秒加熱する

中期は「加熱後にフォークでつぶす」

生後7〜8カ月の中期でにんじんを使う場合は、電子レンジで加熱してからフォークなどでつぶして与えましょう。

みじん切りにしたにんじんを与えたい場合は、輪切りに大きく切って加熱したあとにみじん切りにするのがおすすめです。みじん切りにしてから加熱するよりも、やわらかくなりやすいので赤ちゃんに向いています。

1)にんじん(40g)は洗って皮をむく

2)大きめの輪切りにする

3)耐熱容器に2)とひたる程度の水を加える

4)ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで5分加熱する

5)フォークやすり鉢を使って粗つぶしにする

後期や完了期は「角切りにしてからレンジ加熱」

生後9カ月以降の後期や完了期の赤ちゃんににんじんを与える場合は、月齢ごとの大きさに切ってから電子レンジで加熱するのもよいでしょう。

1)にんじん(40g)は洗って皮をむく

2)後期は5〜7mm角、完了期は8mm角程度に切る

3)耐熱容器に2)とひたる程度の水を加える

4)ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで5分加熱する

手づかみにおすすめの「にんじんスティック」

手づかみ食べが始まる時期の生後9カ月以降の赤ちゃんには、電子レンジで作るにんじんスティックもおすすめです。

多めに作って冷凍保存しておきたい方には、にんじんを1本まるごとかぶつ切りにしたものを加熱してからスティック状に切る方法が向いています。スティック状に切ってから電子レンジ調理するよりもやわらかく仕上がります。

1)にんじん(1本)は洗って、ヘタを切り落とし皮をむく

2)手で持てる長さになるように、3〜4等分のぶつ切りにする

3)2)をひとつずつラップに包む

4)耐熱皿に置いて、電子レンジ600Wで5分加熱する

4)スティック状に切る

離乳食でにんじんを電子レンジ調理する際の注意点

加熱するとやわらかい食感に変わるにんじんは、離乳食にぴったりの食材。電子レンジで調理すると、簡単に離乳食で取り入れられるのでおすすめです。電子レンジ調理で上手に食材を加熱するためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。電子レンジ調理する際の注意点を3つ紹介するので、離乳食でにんじんを手軽に取り入れたい方はぜひ参考にしてみてください。

水を少量加えて加熱する

水分量が少なすぎると焦げついてしまう可能性があるので、耐熱容器に入れて少量の水を加えてから加熱しましょう。また、水を加えることで食品が均一に加熱されるため、加熱ムラを避けるためにもおすすめです。

にんじんをまるごとラップに包んで加熱する際は、少量の水をかけるか水で洗ったあと拭き取らずにラップに包んで加熱すると上手に中まで火が通ります。

ラップはふんわりとかける

離乳食を電子レンジで作る際は、乾燥しないようにふんわりとラップをかけることも大切です。ふんわりとラップをする理由は、食品の飛び散りも抑えられたり、加熱による乾燥から守るためでもあります。耐熱容器に入れて電子レンジ調理をする際は、空気の通り道を作るようにふんわりとラップをかけてから加熱しましょう。

水溶き片栗粉を加えたあとは加熱しすぎない

水溶き片栗粉を加えて加熱すると、簡単にとろみをつけられます。水溶き片栗粉を加えたあとは加熱しすぎないように気をつけましょう。

上手にとろみをつけるためには、水溶き片栗粉を加えてふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで20〜30秒加熱するとよいでしょう。

加熱時間が長すぎるとダマになってしまう恐れがあります。水溶き片栗粉を入れる際は、食品がしっかりやわらかくなってから、とろみをつけるために水溶き片栗粉を少量加えて再度加熱するのがよいでしょう。

また、水で溶かさずに片栗粉をそのまま加えて加熱することも可能ですが、片栗粉が均一に混ざらずかたまりになってしまう可能性があります。そのため電子レンジ調理でとろみをつける際は、水溶き片栗粉を使用するのがおすすめです。

離乳食のにんじんは冷凍保存もおすすめ

電子レンジ調理したにんじんは、冷凍保存もおすすめです。粗熱が取れてから1食分ずつラップに包むか冷凍保存容器に入れて密閉して冷凍しましょう。

にんじんペーストは冷凍保存袋に平らに入れて、密閉してから割り箸などで1食分ずつ筋を入れて冷凍しておくのもおすすめです。使いたい分だけパキッと割って使えるので洗い物も少なく手軽に冷凍保存が可能です。

冷凍保存したにんじんは、1週間以内に使い切るように心がけましょう。

赤ちゃんの月齢別!電子レンジで作るにんじん離乳食レシピ 4選

離乳食を短時間で簡単に作りたい方におすすめの電子レンジ。かたい野菜のにんじんも、電子レンジを上手に使えば短時間でもやわらかくなるのでおすすめです。

今回は赤ちゃんの月齢別におすすめの「電子レンジで作るにんじん離乳食レシピ」を4つご紹介します。ぜひ参考にして作ってみてください。

【初期】きほんのにんじんペースト

【初期】きほんのにんじんペースト

 

材料(にんじん1本分)

・にんじん     1本(約100g)

・だし汁      100ml

作り方

1)にんじんはヘタを切り落とし皮をむく

2)にんじんを洗って、水滴がついた状態で1本まるごとラップに包む

3)耐熱皿に置いて、電子レンジ600Wで5分加熱する

4)大きめに切って、ブレンダーかすり鉢でだし汁を加えながらペースト状にする

ポイント:冷凍保存もできるので作り置きしておきたい方にもおすすめ。だし汁以外に調乳済みのミルクで作ると甘さが増して美味しく召し上がれます!

【中期】にんじんとブロッコリーの煮物

【中期】にんじんとブロッコリーの煮物

 

材料(1回分)

・にんじん     20g

・ブロッコリー   10g

・だし汁      80ml

・しょうゆ     数滴

・水溶き片栗粉   少々

作り方

1)にんじんは輪切りにする。ブロッコリーは小房に切る

2)耐熱容器に1)とだし汁、しょうゆを加えてふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで5分加熱する

3)にんじんとブロッコリーを取り出し、フォークやすり鉢などで粗つぶしにする

4)水溶き片栗粉を加えて混ぜ合わせ、再度ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで40秒加熱する

5)とろみが均一になるようによく混ぜ合わせる

ポイント:パラパラしやすいにんじんやブロッコリーは、赤ちゃんが食べやすいように粗つぶしにして、水溶き片栗粉を加えるのがおすすめです。舌の上でまとまりやすくなるので、中期に移行したばかりの赤ちゃんにも向いています。

【後期】にんじんと玉ねぎのオムレツ

【後期】にんじんと玉ねぎのオムレツ

 

材料(1〜2回分)

・にんじん     20g

・玉ねぎ      10g

・水        80ml

・卵        1個

・ケチャップ    数滴

作り方

1)にんじん、玉ねぎは皮をむいてみじん切りにする

2)耐熱容器に1)と水を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで5分加熱する

3)2)に卵を加えてしっかりと混ぜ合わせる

4)再度ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで1分40秒加熱する

5)スティック状になるように包丁で切る

ポイント:手で持って食べられるオムレツが出来上がります。耐熱容器ひとつで作れるので、簡単に離乳食を作りたい方や、洗い物を最低限にしたい方におすすめです。

【完了期】にんじんフレンチトースト

【完了期】にんじんフレンチトースト

 

材料(1枚分)

・食パン(耳なし6枚切り)  1枚

・にんじん          20g

・りんご           1/8個

・豆乳            80ml

・卵             1個

・砂糖            小さじ1

・バター           適量

作り方

1)にんじんとりんごは皮をむいてぶつ切りにし、ブレンダーやフードプロセッサーでペースト状にする

2)食パンは4等分に切る

3)バットに1)と豆乳、卵、砂糖を加えてしっかり混ぜ合わせる

4)食パンを3)の卵液にひたす

5)フライパンにバターを熱し、4)を両面焼く

ポイント:にんじんをたっぷり食べられるフレンチトーストです。にんじんとりんごの甘みがしっかり感じられるので、野菜嫌いの赤ちゃんでも美味しく食べられます◎上手に噛みちぎれる赤ちゃんには、スティック状にしてあげるのもいいですね。

まとめ

 

生後5〜6カ月の初期から食べられるにんじんは、βカロテンやカリウム、食物繊維などの栄養が豊富な食品です。にんじんを手軽に離乳食で使いたい時には、電子レンジ調理がおすすめです。にんじんは1本をまるごと加熱したり、赤ちゃんの月齢に合わせてカットしてから加熱したりするのもよいでしょう。

電子レンジを使用する際は、水を少量加えたりラップはふんわりかけたりといくつかのポイントを押さえて調理すると、離乳食に使いやすいにんじんが出来上がります。普段の離乳食作りの時間をできるだけ短時間で済ませたい方や洗い物を最小限にしたい方は、ぜひ毎日の離乳食作りで電子レンジ調理を取り入れてみてください。


ライター名:谷岡友梨

保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。


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