2022年10月01日 00:00
からだを動かすエネルギーとして使われる糖質や、食物繊維、加熱しても壊れにくいビタミンCなどの栄養を多く含んでいるさつまいも。やさしい甘みがおいしく、加熱するとやわらかくなるさつまいもは赤ちゃんにぴったりな食材です。 「さつまいもはいつから食べられる?」「焼き芋は食べさせてもいい?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回はさつまいもが食べられる時期や、離乳食向きのさつまいもの選び方、下ごしらえや冷凍方法、調理のポイント、さつまいもの離乳食レシピについてご紹介します。
さつまいもは生後5〜6カ月ごろの初期から食べられる食材です。おかゆに慣れてきたら与えてみましょう。
離乳食でさつまいもを使う場合は、やわらかくゆでてから月齢ごとの形状に切ったり、つぶしたりして与えましょう。
加熱するとやわらかくなるため、口腔機能が未発達な赤ちゃんの舌や歯茎でも簡単に食べられる、離乳食期におすすめの食材です。
※野菜・果物類の中で、1食のうちに使う食材がさつまいもだけである場合の目安量です。他の野菜・果物類と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
消費者庁が定めているアレルギー症状を引き起こしやすい食材の「特定原材料」にさつまいもは含まれていません。
さつまいもは比較的アレルギー症状が出にくい食材ですが、赤ちゃんの体質や体調によっては、じんましんや呼吸器の異常、下痢や腹痛などのアレルギー症状がからだに現れる場合もあります。
赤ちゃんに初めてさつまいもを与える際は、病院があいている平日の午前中に1さじ程度を与えましょう。
離乳食中や離乳食後に、じんましんや呼吸器症状などのアレルギー症状が現れた場合は、すぐにかかりつけの病院を受診しましょう。
離乳食で使う食材は新鮮なものを選びましょう。さつまいもを選ぶ際には、皮の色が鮮やかでツヤがあるものや、太くてずっしりとしたものを選ぶとよいでしょう。皮の表面に蜜が出ているものは、甘みが強いので赤ちゃんにも向いています。
さつまいもにはさまざまな品種があり、加熱した際の食感や甘みがそれぞれ違っているので、いろんな種類のさつまいもを楽しんでみるものよいでしょう。
「紅はるか」や「安納芋」「シルクスイート」は糖度が高いので赤ちゃんにおすすめです。
さつまいもを使う際は皮を厚くむいて、アク抜きをしてから使いましょう。
さつまいもは繊維が多い食材です。特に先端や皮付近に繊維が多いので、離乳食でさつまいもを使いたい場合は、皮を厚めにむいた真ん中の部分のさつまいもを使うのがおすすめです。
離乳食ではアク抜きをしてから調理しましょう。アクを抜くと、さつまいも独特の苦味や渋みも軽減させられます。
<アク抜きの方法>
1.皮を厚くむいたさつまいもをボウルに移す
2.さつまいもがかぶる程度の水に浸す
3.10~15分ほど水にさらす
さつまいもの下ごしらえをする時間がなかったり、面倒だと感じたりするなら、もっと手軽な方法もあります。
そのまま取り入れられる「焼き芋」や「ベビーフード」なら、アク抜きや下ゆでの必要がなく利用できるのでおすすめです。
離乳食準備の手間を減らせて、おいしいさつまいもを手軽に楽しめます。
さつまいもは冷凍保存が可能な食材です。ゆでてから月齢ごとの形状に切って保存しましょう。前もって加熱してから冷凍保存しておくと、離乳食準備の際にアク抜きやゆでる手間が省けて便利です。
冷凍したさつまいもは、鮮度を考え1週間を目安に使い切りましょう。また、一度解凍したものを再冷凍しないように気をつけましょう。
さつまいもの冷凍に向いている方法をご紹介します。
皮を厚くむきアク抜きをしたさつまいもをゆでて、月齢ごとの大きさに切った後、冷凍保存容器に入れて冷凍する方法です。
冷凍保存容器を使った冷凍方法は、さまざまな形状のさつまいもの保存に向いています。汁気の多いペースト状にしたものや、月齢に合わせた大きさに切ったさつまいもなどは冷凍保存容器での冷凍がおすすめです。
ふたが付いている冷凍保存容器を選んで、しっかり密閉して保存しましょう。
皮を厚くむきアク抜きをしたさつまいもをゆでて、ペースト状やつぶしたさつまいもは、冷凍保存袋で筋目をつけて冷凍するとよいでしょう。
ペースト状やつぶしたさつまいもを冷凍保存袋に入れて、しっかり密閉してから割り箸などで袋の上から1回量ずつ筋目をつけて冷凍します。
使用する際は、使いたい分だけ袋の上からパキッと割って使いましょう。使わなかった分はすぐに冷凍庫に戻しましょう。
さつまいもは比較的赤ちゃんに人気の食材ですが、さつまいもを嫌がる場合もあります。
渋みが強かったり、繊維が口に残るのが不快だったりと苦手な理由があるかもしれません。渋みを嫌がる赤ちゃんには、甘い品種のさつまいもを使ってみたり、焼き芋で与えてみたり、皮を厚めにしっかりむいてあげるなど、苦味を無くす工夫をしてみましょう。
繊維を嫌がっているようであれば、裏ごしもおすすめです。繊維を裏ごすことで、舌触りがなめらかになっても食べやすくなります。
やさしい甘みがおいしいさつまいも。加熱することでしっかりやわらかくなるので、離乳食初期からおすすめの食材です。
さつまいもの皮は繊維が多く消化に負担がかかるので、離乳食で与える場合は、皮を取り除きましょう。
赤ちゃんに与える際は、さつまいもの甘みや加熱後のやわらかさを生かした調理がおすすめです。パサパサした食材と合わせて調理することで、まとまりがでて食べやすくなるので、ささみやブロッコリーなどと組み合わせるのもいいですね。
甘いさつまいもを美味しく食べられる初期、中期、後期、完了期におすすめのさつまいもレシピをご紹介します。
材料(1回分)
・焼き芋 20g
・育児用ミルク(調乳済み) 大さじ1
作り方
1)焼き芋は皮を取り除いてつぶしておく
2)1)に育児用ミルクを少量ずつ加え、しっかり混ぜ合わせる
ポイント:焼き芋を使うことで、簡単に離乳食でさつまいもを取り入れられます。焼き芋は甘みも強いので、赤ちゃんの好きなミルクと組み合わせることでより食べやすくなります。繊維が気になる場合は、焼き芋を裏ごししてから使うとよいでしょう。
材料(1回分)
・さつまいも 10g
・バナナ 10g
作り方
1)さつまいもは皮を厚くむいて、やわらかくなるまでゆでてつぶし耐熱容器に入れる
2)バナナを粗つぶしにして1)と和える
3)電子レンジ500Wで40秒加熱する
ポイント:さつまいもとバナナをつぶして和えることで、なめらかでもぐもぐしやすいレシピになります。バナナを加熱して使用すると、甘みが増して赤ちゃんもおいしく食べられますよ。
材料(3回量)
・さつまいも 60g
・ツナ(水煮) 1/2缶(約40g)
・片栗粉 小さじ1
・バター 少々
作り方
1)さつまいもは皮を厚くむき、ゆでてつぶしておく
2)ボウルにほぐしたツナと1)を加えてしっかり混ぜ合わせる
3)2)に片栗粉を加え、9個に丸めて成形する
4)フライパンにバターを熱し、3)を加えて弱火で両面焼く
ポイント:赤ちゃんが自分で食べられるおやき。さつまいもだけでなく、ツナを使用しているのでたんぱく質も一緒に補えます。粉チーズやしょうゆなどの調味料を加えてもおいしく食べられます。
材料(1回分)
・米 2合
・さつまいも 1本
・酒 小さじ2
・みりん 小さじ2
・塩 小さじ1
・黒ごま 少々
作り方
1)米は洗って炊飯器に入れる。
2)さつまいもは皮をむいて1cm角に切っておく
3)1)に酒、みりん、塩を加え2合のメモリまで水(分量外)を入れる
4)2)を上からのせて通常炊飯で炊く
ポイント:炊飯器で炊ける簡単さつまいもごはん。離乳食の赤ちゃんに与えるさつまいもごはんはさつまいもの皮をむいて調理しましょう。大人が食べてもおいしい味付けなので、家族みんなで楽しめますよ。
生後5〜6カ月の初期から食べられるさつまいも。
比較的アレルギー症状の出にくい食材で、やさしい甘みがおいしいので離乳食期の赤ちゃんにおすすめの食材です。
手軽に手に入る焼き芋は、下ごしらえが不要でそのまま食べてもおいしいので赤ちゃんにも人気。焼き芋を使って、離乳食のさつまいもレシピを楽しむのもよいでしょう。
上手にさつまいもを離乳食に取り入れてみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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