2025年11月15日 00:00
赤ちゃんの寝かしつけに悩むママは、決して少なくありません。授乳を終えても眠ってくれないときや、ようやく寝かしつけても短時間で目覚めることが続くと、ママ自身も疲れてしまうでしょう。 赤ちゃんは、まだ自分で睡眠リズムを整えられないため、授乳のタイミングや環境によって眠りが左右されることもあります。赤ちゃんが安心して眠れる環境づくりや寝かしつけのコツを知っておくことで、安定した睡眠だけでなく、ママ自身の負担も軽減できるでしょう。 今回は、赤ちゃんの寝かしつけに役立つアイデアや注意点、睡眠時間を活用した過ごし方について詳しく解説します。

赤ちゃんの睡眠は、大人とは異なるリズムを持っています。特に生まれて間もない時期は、昼夜の区別がほとんどついていません。こうした赤ちゃんの睡眠の特徴を理解することで、夜泣きや睡眠の途切れにも安心して対応することができるでしょう。
ここでは、月齢ごとの睡眠パターンの違いや授乳と睡眠リズムの密接な関係について解説します。
赤ちゃんの睡眠リズムは、生まれた直後から大人のように整っていません。
特に新生児期は、体内時計が未発達なことから昼と夜の区別がつかず、1日を通して2〜4時間おきに目を覚まします。こうしたサイクルは、成長に必要な授乳や排泄を繰り返すための自然な仕組みであるともいえるでしょう。
また、赤ちゃんの睡眠はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の切り替えが短く、大人よりも浅い眠りであることが特徴です。そのため物音や室温の変化、体勢の不快感などでも目を覚ましやすくなります。
ただし、赤ちゃんの睡眠には個人差があります。大人とは異なる睡眠の特徴があることを理解して、その子のリズムに寄り添いましょう。
赤ちゃんの睡眠パターンは、生後月齢によって変化していきます。睡眠が短時間で途切れたり、夜にまとめて寝てくれないからといって焦る必要はありません。
・生後月齢ごとの睡眠パターンの目安
| 月齢 | 睡眠時間の目安 | 昼夜の区別 | 昼寝の回数 | 特徴 |
| 新生児期(0〜1か月) | 1日14〜17時間 | なし | 4〜6回 | 2〜4時間ごとの細切れ睡眠 |
| 生後2〜3か月 | 1日13〜16時間 | 出始める | 4〜5回 | 夜間にまとまって眠る時間が増える |
| 生後4〜6か月 | 1日12〜15時間 | 定着し始める | 3回 | 夜間5〜6時間連続で眠れるようになる |
| 生後7〜12か月 | 1日11〜14時間 | 定着 | 2回 | 夜間授乳が不要になってくる |
赤ちゃんの睡眠パターンの目安を知っておくことは、発達段階に応じた適切な対応や寝かしつけの悩みの軽減につながります。安心感を持って赤ちゃんに寄り添うためにも、ぜひ理解しておきましょう。
実は赤ちゃんの授乳と睡眠リズムは、切り離せない関係にあります。
生まれたばかりの赤ちゃんは胃が小さく、一度に多くの母乳やミルクを摂取できません。そのため、昼夜を問わず2〜4時間ごとに授乳が必要となり、その間隔がそのまま睡眠パターンにも影響します。
さらに、生後4〜6か月頃になると夜間授乳の回数が減り始め、その多くは授乳後に5〜6時間続けて眠れるようになってきます。ただし、夜間の頻回授乳が習慣化すると、必要以上に赤ちゃんが目を覚ます要因にもなるでしょう。
必要な栄養が日中の授乳で十分に補えている場合は、徐々に夜間授乳を減らすことも検討してください。ただし、月齢や発達段階、体重増加の状況によって対応は異なりますので、夜間授乳を減らしたい場合は自己判断せず、小児科医や助産師に相談しながら進めましょう。
赤ちゃんの寝かしつけに時間がかかると、ママの体力や気持ちにも影響し、負担感が増してしまうことがあります。こうした負担感を軽減するために、これからご紹介する5つのアイデアをぜひ活用してください。それぞれ単独でも効果はありますが、組み合わせることでより高い寝かしつけ効果が期待できるでしょう。
ここでは、新米ママでも気軽に取り入れられる赤ちゃんの寝かしつけアイデア5選をご紹介します。
授乳後の赤ちゃんは、お腹が満たされている一方で、胃の中に空気をため込みやすい状態になっています。この空気を体外に出さないと吐き戻しが起こりやすく、不快感でぐずってしまうこともあるでしょう。
そこで有効なのが、「縦抱き」によるケアです。縦抱きは、赤ちゃんの体をまっすぐに支えることから胃の中の空気が上がりやすく、自然とげっぷを促せます。また、ママにぴったりと触れ合うことで、赤ちゃんはママの心音や体温を感じ、より落ち着いた状態で眠りにつけるでしょう。
ただし、縦抱きの姿勢は長時間続けると赤ちゃんの首や腰に負担がかかるため、げっぷが出た後はそっと横抱きやベッドに移し替えて休ませるようにしてください。
おくるみは赤ちゃんの全身を優しく包み込み、まるでママのお腹の中にいるような安心感を与える寝かしつけアイテムの一つです。
特に新生児期は外界の刺激に慣れていないため、急な音や光、モロー反射によってびくっと手足を動かして、目を覚ましやすい時期でもあります。おくるみで優しく赤ちゃんの体を包むことで過剰な動きを防ぎ、眠りの妨げを防ぐことができるでしょう。
ただし、おくるみを使うときは、赤ちゃんの体温も意識してください。厚手すぎる素材は熱がこもる原因になります。季節や室温に合わせて通気性の良いガーゼ素材や薄手のコットンを選ぶようにしましょう。
ホワイトノイズや子守唄は、赤ちゃんの寝かしつけにおいて有効とされる方法です。
ホワイトノイズとは一定の周波数の音が連続して流れるもので、主に扇風機の音や波の音、雨音などがあります。これらはママのお腹の中で聞いていた血流や心音のような環境音に近いため、赤ちゃんを安心させる効果が期待できるでしょう。
また、ママの声で優しく子守唄を歌うことも赤ちゃんに深い安心感を与えます。
声の温かみや一定のリズムが心地よい刺激となり、赤ちゃんを眠りへと導いてくれるでしょう。その際は鼻歌や短いフレーズを繰り返すだけでも十分です。抱っこをしながら、ゆったりとした揺れを加えることで、さらに睡眠を促してくれます。
赤ちゃんの睡眠リズムを安定させるためには、毎日同じ時間帯に就寝へ導く「寝かしつけルーティン」をつくることもおすすめです。
眠る前に決まった手順や行動を繰り返すことで、「これから寝る時間だ」と赤ちゃんが自然に理解できるように促していきます。生まれて間もない時期は、昼夜の区別がついていませんが、毎日決まった手順を繰り返すことで少しずつ体内時計が整い、夜にまとまった睡眠が取りやすくなるでしょう。
ルーティンに取り入れる内容はシンプルで構いません。例えば、お風呂の後に授乳をし、静かな部屋で抱っこしながら子守唄を歌い、そのままベッドに寝かせるといった流れです。
最初は赤ちゃんが思うように眠らない日もあるかもしれませんが、毎日少しずつ続けることで効果が表れ、ママの負担も軽減されていくでしょう。
赤ちゃんの眠りを深めるためには、寝室の照明と室温を適切に整えることも意識しましょう。
赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、周囲の環境に大きく影響を受けやすいものです。少しの温度差や光の刺激でも眠りが浅くなったり、途中で目を覚ましたりします。
まず、照明の光は蛍光灯や白色の強いものは避け、柔らかい暖色系の光を選ぶようにしてください。間接照明や調光機能のあるライトを活用すれば、授乳やおむつ替えの際にも眩しさを抑えられます。
さらに、日中は適度に自然光も取り入れると昼夜の区別がつきやすくなり、赤ちゃんの体内時計を整えてくれるでしょう。
また、室温は季節に応じて、20〜27℃程度が快適とされています。
室温を調整する際には、赤ちゃんの手足が冷えすぎていないか、背中が汗ばんでいないかを確認してください。必要に応じて寝具や衣服も室温に合わせて調整しましょう。
赤ちゃんの寝かしつけは心地よい眠りを促すだけでなく、安全を確保することも大切です。寝かしつけの方法や環境における注意点を理解し、それに応じた対策をとることで、赤ちゃんの睡眠の質と安全性を高められます。
ここでは、赤ちゃんの寝かしつけの際に気をつけておきたい注意点やその対策について解説します。
赤ちゃんは授乳によってお腹が満たされると自然に眠くなりますが、直後に寝かせると吐き戻しやむせ込み、さらには誤嚥(ごえん)の原因になる恐れがあります。特に新生児期は胃の入り口にある筋肉が未発達なため、横になるとミルクが逆流しやすいでしょう。
授乳後は、まず縦抱きにして背中を軽くトントンと叩いたり、優しくさすったりしてゲップを促してください。ゲップが出ることで胃の中の空気が抜け、消化もスムーズになります。ゲップが出にくい場合でも、5〜10分程度は縦抱きや斜め抱きの姿勢を保つことが望ましいでしょう。
こうして授乳後にしばらく時間をおいて赤ちゃんを寝かせることで、吐き戻しによる不快感や呼吸の妨げを防げます。
赤ちゃんを寝かしつける際には、適切な寝姿勢と寝かせ方を知っておくと安心です。
特に生後1年未満の時期は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らすためにも、仰向けで寝かせることが推奨されています。夜間やママが目を離す時間には、赤ちゃんを仰向けに寝かせることを意識してください。
また、寝かせる場所の安全性にも配慮しましょう。柔らかいマットレスや厚みのある枕、ぬいぐるみ、掛け布団などは、顔に覆いかぶさって窒息の危険を招く恐れがあります。
赤ちゃんの寝具用品を購入する際は、硬めで平らなマットレスや軽くて薄いブランケットがおすすめです。ブランケットは胸の下あたりまでに留め、両端をマットレスの下に入れ込むとよいでしょう。
赤ちゃんが寝つけずに泣き止まないときは、不安や焦りを感じやすいものです。しかし、泣くことは言葉を話せない赤ちゃんにとって、自分の状態や欲求を伝える手段であることを理解しておきましょう。
まず、空腹やおむつの濡れ、室温の不快感など基本的な欲求を満たしているかを確認してください。これらは赤ちゃんの泣きの原因として多く見られるものです。また、抱っこや授乳、スキンシップなどを通して安心感を与える方法も試みましょう。
それでも泣きが続く場合や普段と様子が違うときは、体調不良の可能性もあるため小児科に相談するようにしてください。

赤ちゃんを寝かしつけた後は、ママの心身を整えるリラックスタイムにもなります。
赤ちゃんが眠りにつき、ママも心身を休められる…その両方が叶えば毎日の育児がより穏やかで、満たされたものになるでしょう。
ここでは、赤ちゃんの寝かしつけ後を活用したママのリラックスタイムの過ごし方について、ご紹介します。
赤ちゃんが眠っている時間は、ママが自分にご褒美を与えられる絶好の時間です。
たとえば、お気に入りのスイーツをゆっくり味わったり、香りの良いハーブティーを淹れてほっと一息つくなど、短時間でも満足感を得られることから始めてみましょう。
また、普段はなかなかできない趣味に没頭するのもおすすめです。読書や手芸、音楽鑑賞、写真の整理など、好きなことに集中する時間を過ごすことで心が満たされます。
さらに、自分へのご褒美は「未来への投資」として活用することもできます。
オンライン講座でスキルを学んだり、日記やブログを書いて自己表現の幅を広げたりすると、育児以外の充実感も得られるでしょう。少し先の目標を持つことは、日々の生活に彩りを与え、気持ちも前向きになります。
日中は授乳やおむつ替え、家事などで自分の時間の確保が難しいママも少なくありません。だからこそ、赤ちゃんが眠っている静かなひとときを心身のリフレッシュタイムとして活用しましょう。
まずは、自分が心地よく感じることをメモに書いてピックアップしてみてください。好きな音楽を流す、軽くストレッチをして体をほぐすなど、小さなことで構いません。こうした行動は、気持ちを切り替えるスイッチとなり、リラックス効果を高めてくれます。
また、家事を一気に片付けようとせず、優先順位をつけることもおすすめです。
すぐにやらなくてもよいことは後回しにし、自分の時間をできるだけ確保してください。たとえ10分でもソファに座って深呼吸をするだけで、気持ちが落ち着きます。
寝かしつけ後の過ごし方は人それぞれですが、何よりも「自分を労わる意識」を持つことです。赤ちゃんの成長を支えるためにも、ママ自身が笑顔で元気でいることが何よりの土台になります。毎日の小さなリフレッシュを重ねて、心に余裕ある育児を続けましょう。
赤ちゃんの寝かしつけは、授乳との関係や睡眠リズムの特徴を理解しておくことで、余裕を持って取り組めるでしょう。さらに、赤ちゃんの眠りを促す工夫もプラスすると、ママ自身がリラックスできる時間を確保できます。
ときには、赤ちゃんが寝つけないこともあるかもしれませんが、その際には焦らず、まずは赤ちゃんの状態をしっかりと確認してください。そして、その子のペースに合わせて工夫を重ねましょう。
こうした日々の積み重ねが、ママと赤ちゃんの穏やかな生活を支えていきます。
自分らしい寝かしつけスタイルを見つけて、楽しみながら取り組んでくださいね。
ライター名: Masayo.M
修士(教育学)
熊本大学大学院教育学研究科 修士課程 修了
保育者として保育園をはじめ、幼稚園や認定こども園において15年以上の勤務経験があります。
子育て世代のママに向けて、笑顔や価値につながる記事執筆を心がけています。
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