【管理栄養士監修】離乳食初期に食べられる野菜は?食べさせ方とおすすめレシピ3選

離乳食が始まっておかゆに慣れたころから食べられる野菜類。離乳食初期で与える場合は赤ちゃんに向いている野菜を取り入れましょう。 「離乳食初期におすすめの野菜の種類はどれ?」「初期の赤ちゃんが食べる野菜メニューの作り方は?」「複数の野菜をまとめて茹でるのは大丈夫?」など気になる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、離乳食初期におすすめの野菜や1回摂取目安量、野菜の食べさせ方や加熱方法などについて解説します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食初期におすすめの野菜レシピも紹介するので、ぜひ参考にしながら作ってみてくださいね!

離乳食初期に食べられる野菜

 

生後5〜6ヶ月の離乳食初期では、繊維が少なくやわらかい野菜がおすすめです。またアクが少なく、アレルギーのリスクが低い野菜から選ぶのもよいでしょう。

離乳食初期ではペースト状にすることで、とろみがつきやすいじゃがいもやさつまいもなどの根菜類もおすすめです。上手に飲み込めない赤ちゃんには、とろみがつきやすい野菜をおかゆに混ぜて与えるのもよいでしょう。

<離乳食初期におすすめの野菜の種類>

  • にんじん
  • かぼちゃ
  • さつまいも
  • ほうれん草
  • トマト
  • 小松菜
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • 玉ねぎ    など

 

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離乳食初期に向いていない野菜

生後5〜6ヶ月ごろの赤ちゃんはまだ歯が生え揃っておらず、食材を飲み込んで摂取するため、かたすぎる野菜は避けましょう。

離乳食初期の赤ちゃんは消化機能も未熟なので、繊維が多く消化しにくい野菜は向いていません。またアクの強い食材も、渋みやえぐ味を感じやすいため避けておくとよいでしょう。

<アクが強い野菜>

  • なす
  • たけのこ
  • れんこん   など

<消化しにくい・繊維が多い野菜>

  • ごぼう
  • きのこ類
  • こんにゃく
  • 海藻類    など

離乳食初期に与える野菜の1回摂取目安量

離乳食を開始しておかゆを食べるのに慣れてきたら、ペースト状にした野菜を与えましょう。

1回あたりの摂取量は、ペースト状にした野菜を小さじ1〜3杯程度(約5〜10g)を目安にして与えます。最初のうちは小さじ1杯程度から与え、野菜に慣れてきたら小さじ3杯程度を与えるとよいでしょう。

また野菜は複数の種類を組み合わせても問題はありません。

離乳食初期の野菜の食べさせ方

 

離乳食初期の赤ちゃんは歯が生え揃っていないため、固形物を噛んで飲み込めない時期でもあります。消化器官も大人に比べて未熟なので、生後5〜6ヶ月ごろの赤ちゃんに野菜を与える場合は食べさせ方のポイントを押さえておきましょう。

必ず加熱する

離乳食で使う野菜は食べやすさと衛生面を考慮して、必ず加熱したものを与えましょう。

野菜は加熱するとやわらかくなるので、赤ちゃんでも食べやすくなります。離乳食初期ではペースト状にする必要があるため、加熱してやわらかくした野菜を裏ごしたりすりつぶしたりして使うとよいでしょう。

また離乳食作りの過程で付着したり繁殖したりする恐れのある菌を、殺菌するためにも加熱は効果的です。赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、食中毒を引き起こさないためにも必ず加熱したものを与えましょう。

なめらかなペースト状にする

生後5〜6ヶ月の赤ちゃんは、口の中に入った食材を喉の奥に流し込んで飲み込めるようになります。まだ歯茎や歯で噛んで食べることはできないので、なめらかなペースト状にした野菜を与えましょう。

野菜はやわらかく加熱して、裏ごし器やすり鉢を使ってペースト状にする方法がおすすめです。水分を調整してなめらかな形状にすることで、離乳食開始後の赤ちゃんでも野菜を飲み込みやすくなります。

 

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調味料は使用しない

離乳食初期の赤ちゃんは大人に比べて味覚が敏感な時期です。素材本来の味や、だしの風味のみでも十分美味しく感じられるため、調味料は使用せずに作りましょう。

また赤ちゃんは腎臓の機能が未熟なので、塩分の過剰摂取は身体に負担をかけてしまいます。幼少期に濃い味付けに慣れてしまうと、将来生活習慣病のリスクを高めてしまう可能性もあるので薄味を意識しておきましょう。

離乳食初期の野菜の加熱方法

赤ちゃんのお世話で忙しい生後5〜6ヶ月ごろの離乳食作りでは、手軽に野菜を加熱できる方法を取り入れるのもおすすめです。野菜を加熱する際は鍋で茹でる方法以外にも、炊飯器や電子レンジでの加熱を取り入れてみるとよいでしょう。

炊飯器での作り方

野菜を炊飯器で加熱する方法は、多めの野菜をまとめて加熱したい時におすすめです。火加減を調節する必要がないため、ほったらかし調理ができるメリットがあります。

加熱に必要な時間は40分程度ですが、じっくり火を通しながらやわらかく仕上げたい野菜には炊飯器加熱を取り入れるとよいでしょう。

<炊飯器での野菜の加熱方法>

  1. 野菜の皮やヘタを剥かずに、水でしっかり洗って釜に入れる。
  2. 釜の1/2~2/3程度になるように、野菜が浸る程度の水を加える。
  3. 早炊きモードで炊飯する。
  4. 炊飯が終わったらすぐにスイッチを切り、取り出せる温度になったら釜から取り出す。

電子レンジでの作り方

少量の野菜を加熱したい場合は、電子レンジでの加熱もおすすめです。電子レンジでの加熱方法は、火を使わずに比較的短時間での調理が可能なので手軽に野菜を加熱したい時にも向いています。

ただし中心部は冷たいままで外側が熱くなるなど、加熱ムラが起こりやすいデメリットもあります。上手に加熱するためには途中でかき混ぜたり、ラップを使ったりする方法を取り入れるとよいでしょう。

<電子レンジでの加熱方法>

  1. 野菜(10g)は皮を剥いて、みじん切りにする。
  2. 耐熱皿に入れて野菜が浸る程度の水を加える。
  3. ふんわりとラップをして、電子レンジ500Wで40秒加熱する

 

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離乳食初期の野菜は冷凍保存が便利

離乳食初期で作るペースト状の野菜は、冷凍保存が便利です。製氷皿や冷凍保存容器に1回量ずつ小分けにして冷凍しておくと、使いたい量だけ取り出してすぐに加熱することが可能です。

冷凍保存した野菜は、1週間以内に使い切るように心がけましょう。使い切りたい日付を付箋やシールに書いて、保存容器に貼り付けておくのがおすすめです。

離乳食初期に与える野菜についてのQ&A

「離乳食初期で与える野菜はまとめて茹でるのはいい?」「複数の野菜を混ぜるのは大丈夫?」「赤ちゃんが野菜を食べない時はどうすればいい?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、離乳食初期に与える野菜についてのよくある質問にお答えします。

複数の野菜をまとめて茹でるのはいい?

野菜は比較的アレルギーのリスクが少ない食材であるため、複数の野菜をまとめて茹でるのは問題ありません。

初めて与える食材はアレルギー症状をチェックするためにも1種類ずつ少量から与える方法がよいといわれています。しかし野菜は種類も多く、1種類ずつ試すとなると時間がかかってしまうので、まとめて茹でて与える方法を取り入れるのもよいでしょう。

野菜を混ぜて食べさせてもいい?

赤ちゃんに野菜を与える際は、複数の野菜を混ぜて食べさせても問題はありません。

むしろブロッコリーやきゅうりなどの青臭さが目立つ野菜と、かぼちゃやさつまいもなどの甘みのある野菜を組み合わせることで赤ちゃんが食べやすくなるメリットもあります。

野菜を食べてくれない時の対処法は?

離乳食初期の赤ちゃんが野菜のペーストを食べてくれない場合は、舌触りや味、形状などが発達に合っていない可能性があります。

粒感があると嫌がってしまう可能性もあるので、裏ごし器を使用してなめらかなペースト状になるように意識しておくとよいでしょう。

生まれて初めて母乳やミルク以外の食材を口にする時期なので、焦らずに見守りながら赤ちゃんのペースで離乳食を進めてあげましょう。

 

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離乳食初期の赤ちゃんにおすすめの野菜レシピ

甘みのあるものや青臭さのあるものなど、種類によって味の特徴も違っている野菜。ここでは、管理栄養士ママが離乳食初期の赤ちゃんにおすすめの野菜レシピを紹介します。ぜひ参考にしながら作ってみてくださいね。

野菜だしスープ

 

材料(1回分)

・にんじん      10g

・さつまいも     10g

・水         大さじ3

作り方

1)耐熱容器ににんじんとさつまいもを入れる。

2)水を加えてふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで40秒加熱する。

3)にんじんとさつまいもを裏返し、再度ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで40秒加熱する。

4)裏ごしして全体を混ぜ合わせる。

ポイント:電子レンジを使って簡単に作れる野菜スープ。水分の蒸発が多ければ、水を足して加熱するのもよいでしょう。多めに作って冷凍保存しておくのもおすすめです。

ブロッコリーとかぼちゃのとろとろ

 

材料(2回分)

・ブロッコリー(穂先)    20g

・かぼちゃ(皮なし)     20g

・米粉            小さじ1/2

・育児用ミルク(調乳済み)  大さじ2

作り方

1)ブロッコリーとかぼちゃは茹でて、すり鉢ですりつぶす。

2)耐熱容器に1と米粉、育児用ミルクを入れてふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで40秒加熱する。

3)よく混ぜ合わせる。

ポイント:青臭さが目立ちやすいブロッコリーは、甘みのあるかぼちゃや育児用ミルクと組み合わせることで赤ちゃんでも食べやすくなります。

豆腐じゃがいもペースト

 

材料(2回分)

・豆腐      小さじ1

・じゃがいも   20g

・だし汁     小さじ1

作り方

1)じゃがいもはやわらかくなるまで鍋で茹でて、すり鉢ですりつぶす。

2)豆腐はすりつぶして、だし汁と混ぜ合わせる。

3)皿に2を流し入れ、上からじゃがいもをのせる。

ポイント:じゃがいもと豆腐を混ぜ合わせながら与えると、とろみがついてより食べやすくなります。離乳食初期ではしっかり全体を混ぜ合わせて与えるのがおすすめです。

まとめ

生後5〜6ヶ月ごろの離乳食初期から与えられる野菜類。固形物がうまく食べられない初期の赤ちゃんは、野菜をなめらかな形状にしてから与える必要があります。

どの野菜なら食べられるのかどうやって調理すればよいのか、離乳食開始後のママやパパは気になってしまいますよね。そんな時は、この記事を参考にしながら離乳食で野菜を取り入れてみてくださいね。

炊飯器や電子レンジ、冷凍保存などをうまく活用すれば、離乳食で手軽に野菜を取り入れられますよ!離乳食で野菜を手軽に使える方法を試してみてくださいね。


ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。


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