【保育士監修】赤ちゃんのよだれはいつまで?出る理由と終わる時期の目安について

赤ちゃんに「よだれ」はつきものだと理解はしていても、「いつまで続くの?」と心配になるママも多いのではないでしょうか。特に、スタイの取り替えが頻繁だったり、口周りに肌荒れができたりすると不安に感じることもありますよね。 赤ちゃんの「よだれ」には大切な役割があり、成長とともに自然と減っていくものです。しかし、その時期には個人差があるため、「1歳を過ぎてよだれが出ていても大丈夫?」と悩むママも少なくありません。 今回は、赤ちゃんのよだれが出る理由や注意点、終わる時期の目安について詳しく解説します。

​赤ちゃんの「よだれ」が出る理由とは?

 

赤ちゃんの「よだれ」は単なる水分ではなく、成長において重要な役割を果たしています。特に消化や免疫、口の発達に深く関わっており、赤ちゃんの成長過程のひとつだといえるでしょう。まずは、赤ちゃんとよだれとの基本的な関係性について理解をしておくと安心です。

ここでは、赤ちゃんのよだれが出る理由や基礎知識について解説します。

 

知っているようで知らない「よだれ」の基礎知識

よだれとは、口から出る「唾液(だえき)」のことです。

この「よだれ」は、生後2〜3カ月頃から徐々に増えていきます。

よだれには消化を助ける酵素が含まれており、口に入るものを分解しやすくする働きがあります。特に唾液に含まれる消化酵素である「アミラーゼ」は、でんぷんを糖に分解する働きがあり、赤ちゃんにとってとても重要です。

また、よだれには口の中を清潔に保つ働きもあります。

唾液には抗菌作用があり、口の中に入った細菌や異物を洗い流す役割を果たしているのです。よだれが多いことは悪い事ではなく、赤ちゃんの成長や、免疫を守る大切な仕組みのひとつだと理解しておきましょう。

赤ちゃんのよだれはいつから?なぜ出るの?

生まれたばかりの赤ちゃんは、唾液の分泌が少ないため、ほとんどよだれが出ません。

しかし、生後2〜3カ月頃になると唾液腺が発達し、徐々によだれの量が増えていきます。

よだれが出る主な理由は、赤ちゃんの口の発達です。

赤ちゃんは口の周りの筋肉が未発達なため、大人のように無意識に唾液を飲み込むことができません。そのため分泌された唾液が口の中にたまり、自然と外へ流れ出してしまうため、よだれが多くなるのです。

特に、寝た状態だと飲み込みにくいため、よだれが口からこぼれやすくなります。これも生後数カ月からよだれが増えたと感じる理由のひとつといえるでしょう。

歯の生え始めとよだれの関係

生後6カ月頃から乳歯が生え始める赤ちゃんが多く、この時期に「急によだれが多くなった」と感じることがあります。これは、歯の成長と唾液の分泌が深く関係しているためです。

乳歯が生えるとき、歯茎に違和感やむずがゆさを覚える赤ちゃんは少なくありません。

この不快感を和らげるために指をしゃぶったり、おもちゃを噛んだりすることがあります。これらの刺激が唾液腺を活発にし、よだれの量が一時的に増えることがあるのです。

歯が生え始める時期のよだれの増加は、一時的なもののため、焦らず見守るようにしてください。

よだれはいつ終わる?終わる時期と目安

よだれかけをつけてる赤ちゃん

 

赤ちゃんの「よだれ」には個人差はありますが、その多くが1歳を過ぎると少しずつ量が落ち着いてきます。特に、言葉を話す機会が増えると口の周りの筋肉が鍛えられ、唾液を上手に飲み込めるようになるでしょう。

ここでは、さらに掘り下げて「よだれ」が終わる時期と目安について解説します。

赤ちゃんのよだれが終わる一般的な目安

赤ちゃんの「よだれ」は、成長とともに口の筋肉が発達し、唾液を飲み込む力がついてくることで量も減っていきます。特に、言葉を話す機会が増えると口周りの筋肉が鍛えられ、唾液をうまく処理できるようになるのです。

ただし、1歳半〜2歳頃までは、よだれが多い子も珍しくありません。食事の回数が増え、咀嚼の機会が増えるとともに、唾液の分泌がコントロールしやすくなっていくためです。

よだれが終わる一般的な目安は、2歳〜3歳頃です。2歳頃にはよだれの量が大幅に減り、3歳頃にはほとんど気にならなくなります。

しかし、成長のスピードには個人差があるため、3歳を過ぎてもよだれが多い子もいるでしょう。その場合でも、食事の際に噛む習慣がつき、口の周りの筋肉が鍛えられていくことで、自然と改善していきます。

赤ちゃんのよだれが減るタイミングは?

赤ちゃんのよだれが減るタイミングには個人差がありますが、大まかな目安はあります。

赤ちゃんのよだれが減るタイミングは、離乳食を上手に咀嚼(そしゃく)できるようになったり、言葉を発する機会が増えたりしたときです。食事やおしゃべりをすることによってさらに口の周りの筋肉が鍛えられ、唾液を飲み込む動作がスムーズになるでしょう。

ただし、食事中や興奮したときなど、一時的によだれが増えることもあります。これは成長の一環であり、特に心配する必要はありません。3歳頃には、ほとんどの子どもが唾液を上手に飲み込めるようになるため、安心して見守ってください。

歯が生えそろうとよだれは減る?

​実際に乳歯が生えそろうことが、直接よだれの減少につながるわけではありません。成長とともに唾液のコントロールが上手になることで、自然と減っていくことがほとんどです。

ただし、歯が完全に生えそろう2歳半〜3歳頃になっても、よだれが多い子もいるため、成長のスピードには個人差があることを理解しておきましょう。

歯が生えそろうことは、よだれの減少と関係はあるものの、必ずしも「歯がそろったらすぐによだれが減る」というわけではありません。赤ちゃんの成長に合わせて徐々に減っていくものなので、焦らず見守りながら、快適に過ごせる工夫を心がけてください。

知っておきたい!よだれによる肌トラブルと病気のサイン

赤ちゃんのよだれは、肌に長時間触れることで肌トラブルを引き起こすことがあります。

また、よだれが極端に増減するなど、普段と違う状態が見られる場合は、体調不良や病気のサインであることも視野に入れておきましょう。

ここでは、よだれによる赤ちゃんの肌トラブルや病気のサイン、対処法について解説します。

赤ちゃんがよだれで肌荒れするのはなぜ?

よだれには、消化を助ける酵素が含まれています。この酵素は食べ物を分解する役割を持っていますが、肌に付着すると刺激になり、炎症を引き起こすことがあるでしょう。特に、赤ちゃんの肌はバリア機能が未熟なため、わずかな刺激でも荒れやすいのです。

また、よだれが肌についたまま乾燥をすると、肌の水分も一緒に奪われ、外部からの刺激を受けやすくなります。赤ちゃんのよだれをスタイやガーゼで拭くことも大切ですが、ゴシゴシと強くこすると肌を傷つける恐れがあるでしょう。

特に、よだれが多い時期は何度も拭くことになるため、肌への負担が積み重なり、肌荒れを助長してしまうことがあります。

気になるよだれの増減!量の変化に注意が必要なことも

赤ちゃんのよだれの増減には個人差があるため、ある程度の変化は自然なものですが、注意が必要なケースもあります。

まず、普段よりも赤ちゃんのよだれが多く出るようになった場合は、口内の炎症や感染症の可能性が考えられます。たとえば、口内炎や手足口病などの病気が原因で、よだれが普段よりも多くなることがあるでしょう。赤ちゃんが頻繁に口の中を触っていたり、発熱や機嫌の悪さが見られたりした場合は、早めに小児科を受診してください。

一方で、よだれが極端に減った場合にも注意が必要です。赤ちゃんが脱水状態になっている可能性があるため、水分補給が足りているかを確認してください。特に、暑い季節や体調不良のときは水分不足になりやすいため、授乳やお茶などで、こまめに水分を与えることを心がけましょう。

赤ちゃんのよだれ対策はこれで0K!スタイの活用と保湿ケア

スタイ

 

赤ちゃんの口元や首周りが「よだれ」で常に濡れていると、肌トラブルの原因になることがあります。そのため、スタイの活用と適度な保湿ケアを取り入れて赤ちゃんの肌を守りましょう。

まず、よだれ対策の基本として、スタイを上手に活用しましょう。

スタイにはさまざまな素材や形状があります。赤ちゃんのよだれの量や動きに合わせて選んでください。たとえば、よだれが多い赤ちゃんには、吸水性の高いコットン素材や防水加工が施されたスタイがおすすめです。

ただし、湿ったスタイをそのままにしておくと、肌に触れる部分が蒸れてかぶれやすくなります。赤ちゃんのよだれの量に応じて交換し、清潔な状態を保つようにしてください。

また、肌の保湿ケアもよだれ対策には欠かせません。

よだれによって肌の水分が奪われ、刺激を受けることで、赤みやカサつきが生じることがあります。そのため、日頃から肌の保湿をこまめに行いましょう。

赤ちゃんの肌には、刺激が少ないワセリンやベビークリームなどがおすすめです。

柔らかいガーゼや湿らせたコットンを使い、軽く押さえるように肌を拭いた後、口周りやあご、首元に薄く塗ることで、よだれによる刺激を軽減できるでしょう。

保湿は朝晩のスキンケアのタイミングに加え、スタイを交換する際にも意識して行うと効果的です。

焦らないで!赤ちゃんのよだれには個人差がある

​赤ちゃんのよだれの量には個人差があることを理解はしていても、やはり気になるものです。特に他の赤ちゃんと比較して気になることがあっても、必要なケアを行いながら焦らずに成長を見守りましょう。

ここでは、赤ちゃんのよだれを成長の過程として前向きに受け止め、焦らない育児を心がける大切さについて解説します。

やはり気になる!​1歳を過ぎてもよだれが多いのは大丈夫?

1歳を過ぎてもよだれが多いと、「そろそろ減る頃では?」と気になるかもしれません。しかし、1歳を過ぎてもよだれが多いからといって、必ずしも問題があるわけではありません。

よだれは、一般的に1歳前後で少しずつ落ち着いていきますが、中には2歳頃まで多い子もいます。これは、口周りの筋肉の発達や唾液を飲み込む力が個々で異なるためです。こうして発達のスピードには違いがあるため、1歳を過ぎてもよだれが多いのは決して珍しいことではありません。

もし気になる場合は、まずは日常の様子を観察してください。

食事の際に口から食べ物をこぼしやすい、発音が不明瞭、口が開きっぱなしになっているなどの特徴がある場合は、小児科や歯科に相談するようにしましょう。

よだれが終わる時期もそれぞれ!焦らない育児を心がけて

周りの赤ちゃんと比較して「こんなによだれが多いのは大丈夫?」と不安になることもあるかもしれません。しかし、よだれが出る時期や終わる時期には個人差があるため、焦る必要はありません。

赤ちゃんの成長にはそれぞれのペースがあるため、「何歳までによだれは終わるべき」と焦らないようにしてください。よだれが多いこと自体は、唾液の分泌がしっかりと行われている証拠でもあります。こうしたメリットに意識を向けることで、安心して育児に取り組むことができるでしょう。

赤ちゃんのよだれは成長の一環であり、個人差はあってもそれぞれのペースで自然に少なくなっていくことを理解して、赤ちゃんの成長をゆっくりと楽しみながら見守ってくださいね。

まとめ

赤ちゃんのよだれは成長とともに変化していくものです。よだれの量が多くても少なくても、大丈夫。まずは赤ちゃんの個性として受け止めましょう。

ただし、よだれは赤ちゃんにとって成長過程のひとつではありますが、量によっては肌トラブルや体調の変化と結びつくことがあることを忘れないでください。日頃から赤ちゃんのよだれの量や肌の状態をチェックして、適切なケアを心がけましょう。

この記事が、今しか見られない赤ちゃんの可愛い姿を楽しみながら、ゆったりとした気持ちで育児に取り組めるきっかけになることを願っています。


ライター名: Masayo.M
修士(教育学)
熊本大学大学院教育学研究科 修士課程 修了
保育者として保育園をはじめ、幼稚園や認定こども園において15年以上の勤務経験があります。
子育て世代のママに向けて、笑顔や価値につながる記事執筆を心がけています。


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