2018年09月27日 17:00
「高齢出産」と聞くと、リスクが高いというイメージがある方も多いのではないでしょうか?リスクが高いと言っても、どのようなものがあるのでしょうか? 今回は、高齢出産のリスクについてまとめてみました。また、そのリスクの原因と軽減させるための注意点も紹介します。
高齢出産は、WHO(世界保健機関)や日本産婦人科学会では「35歳を過ぎてからはじめての出産を迎える人」と定義しています。
また、2人目以降を出産する方に関しては、40歳を過ぎている場合は高齢出産とみなすという考え方もあります。
いずれの場合も、母子ともに病気などのリスクが高まってしまうため、普通の出産とは区別して高齢出産と呼ばれています。
それでは、実際にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
また、そのリスクはどうして起こってしまうのでしょうか?
注意点と合わせて知っておきましょう。
高齢出産のリスクは、大きくわけて大きく4つあります。
それぞれ理由や注意点を見ていきましょう。
年齢を重ねると、老化によって健康な卵子が作られにくなります。
また、運良く精子と受精して受精卵になったとしても、子宮内膜がしっかり分厚くなっていないと、着床ができなかったり育ってくれなかったりすることがあります。
体外受精をした場合でも同様です。
むしろ、流産のリスクが高まる体外受精の場合は、35歳以上の人は施術を断られてしまうことがあります。
でも、35歳を過ぎていたとしても妊娠・出産は諦めなくても大丈夫です。
高齢出産数も、高齢出産の人の不妊治療成功数も、年々増加傾向にあります。
ただ、生み出される卵子の数は限られていますし、卵子の老化が進む前の方が妊娠・出産に繋がりやすいので、少しでも早く病院のサポートや不妊治療を受けるようにしたいですね。
高齢出産は、染色体異常のリスクが高まることがわかっています。
染色体異常を引き起こすのは、老化によって生み出される卵子に含まれる染色体の数が通常と異なっている場合が増えてくるためです。
染色体に異常があった場合は流産のリスクが高まりますし、お腹の中の赤ちゃんがダウン症になる可能性が高くなります。
流産のリスクとダウン症になる確率は次のとおりです。
ダウン症は、25歳と比べると約13倍近くもリスクが高まっていることがわかります。
先天性異常が心配だという方は、妊娠中の検診で明らかにすることもできます。
詳しくは、次の記事を参考にしてみてくださいね。
高齢出産の場合、赤ちゃんだけでなく妊婦さんにもリスクがあります。
特に心配なのが妊娠高血圧症候群というもので、別名妊娠中毒症と呼ばれます。
妊娠中毒症になると、血圧が上がり頭痛やめまい、むくみなどの症状が現れます。
尿のタンパク量が多い場合は要注意で、妊娠高血圧腎症を発症する可能性があります。
妊娠高血圧腎症になると、常位胎盤早期剥離が起こりやすくなり、早産のリスクが高まります。
場合によっては、妊娠高血圧症候群は自然分娩でなく帝王切開になりますが、高齢出産の場合は妊娠高血圧症候群になりやすくなると言われています。
加齢によって血管が老化していたり血栓ができやすくなっていたりするためです。
この妊娠高血圧症候群は、高齢出産の方は6人に1人ほどの割合で発症すると言われています。
塩分を控えるなど、日常の生活習慣を見直すことが妊娠高血圧症の予防に繋がりますよ。
妊娠高血圧症のほか、高齢出産は早産や甲状腺疾患、子宮筋腫、卵巣腫瘍などが起こるリスクも高まると言われています。
高齢出産の場合、20代~30代と比べて産後の回復が遅れたり、体力がないため頻回授乳も苦労してたりしがちになります。
体力的に無理をすることで、ストレスも溜まりやすくなったり、頻繁に体調を崩したりするもあります。
周囲の方や、サービスに頼りながら乗り切るようにしたいですね。
日本での高齢出産の割合は、2009年で年間25%ほどだと言われています。
高齢出産の件数は年々増加傾向にあり、リスクと向き合わなければならない方も増えてきています。
晩婚化や女性の社会進出などが背景にありますが、高齢出産する夫婦の場合、社会基盤がしっかりしているケースが多いです。、
そのため、済的に落ち着いていたり周りの手助けを得やすいなどのメリットがあります。
いかがでしたでしょうか?
高齢出産の概要とリスク、そしてメリットをご紹介しました。
赤ちゃんが欲しいと考えている方は、高齢出産のリスクとともに、メリットもよく理解して妊活に臨むようにしたいですね。