2024年06月01日 00:00
プリプリの食感がおいしいえびは、子どもから大人まで人気の魚介類。「離乳食でえびはいつから食べられるの?」「えびを初めて与えるときの注意点はある?」「えびを初めて与える際のおすすめレシピはある?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 この記事では離乳食の赤ちゃんがえびを初めて食べられる時期や注意点、1回の摂取目安量や形状などのえびの進め方などを解説します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食完了期の赤ちゃんにおすすめのえびレシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!
離乳食でブラックタイガーや車えび、むきえびなどのえびは、生後1歳ごろの完了期から食べられる食材です。タンパク質やビタミンB12、タウリンなど、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が豊富に含まれています。
ただしえびには弾力があって噛み切りにくい特徴があるので、噛む力が弱い離乳食期の赤ちゃんに無理をして与える必要はありません。
給食や外食時に食べる機会がある可能性もあるので、アレルギーがないか離乳食のうちに確認しておくのもよいでしょう。
海鮮の風味や食感を楽しめるえびは、離乳食のバリエーションを増やしたい方にもおすすめの食材です。
ただし離乳食でえびを初めて与える場合は、赤ちゃんが安全で食べやすいようにいくつかの注意点を理解して取り入れる必要があります。今回はえびを赤ちゃんに与える際の注意点を解説します。
離乳食でえびを初めて与える際は、甲殻類アレルギーに気をつけましょう。甲殻類アレルギーは大人に多く見られるアレルギーで、子供では比較的少ない特徴があります。
ただし重症の場合はアナフィラキシーショックを引き起こす可能性のある食材でもあるので、初めて与える場合には注意が必要です。
離乳食でえびを初めて与える際は、病院を受診しやすい平日の午前中に1さじ程度を与えて食後の様子を観察しましょう。じんましんや呼吸困難などのアレルギー症状が現れた場合は、すぐに病院を受診してください。
えびにアレルギーがあっても、お菓子のえびせんべいを食べられる人は多くいるといわれています。えびを最初に与えるのが不安という方は、赤ちゃん用のえびせんべいを少量与えるところから試してみるのもよいでしょう。
えびを離乳食で取り入れる際は、必ず赤ちゃんの月齢に合わせた形状にして与えましょう。えびは弾力が強いため、しっかり噛んで食べられない赤ちゃんにとっては噛み切りにくい食材です。
噛まずに飲み込んでしまって、窒息事故につながる恐れもあるので気をつけましょう。完了期以降でえびを与える場合はぶつ切りにして与えるのは避け、細かく刻んで歯茎で噛めるかたさにしてから与えます。
えびは刺身としても販売されていますが、離乳食の赤ちゃんに食べさせる場合は必ず加熱したものを与えましょう。
赤ちゃんは細菌に対する抵抗力が弱く、食中毒になると重症化しやすい特徴があるので注意が必要です。刺身用のえびであってもしっかり加熱をして与えましょう。
刺身用のえびを生のまま与える場合は、3歳以降を目安にして与えましょう。
弾力のあるえびを離乳食の赤ちゃんに与えるためには、えびの種類の選び方や1回の摂取量、形状や下処理の方法などの進め方を押さえておくとよいでしょう。
離乳食で初めてえびを与える際の進め方を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
一般的にスーパーで手に入りやすいえびにはクルマエビ、イセエビ、シバエビ、アマエビ、サクラエビ、ブラックタイガー、バナメイエビなどさまざまな種類が存在しています。
どの種類であっても完了期以降の赤ちゃんであれば与えられますが、手軽にえびを離乳食で使いたい場合は、離乳食後期以降から食べられる「桜えび」や「冷凍えび」「むきえび」などがおすすめです。
生後1歳ごろの完了期で与えられる魚介類の目安量は、1回あたり15〜20gです。1回あたり15〜20gというのは魚介類の中で、1食のうちに使う食材がえびだけである場合の目安量です。他の魚介類と組み合わせる場合は、目安量より減らしてもよいでしょう。
完了期の赤ちゃんにとってえびは噛み切りにくい食材なので、ぶつ切りではなく必ず刻んでから与えましょう。細かく刻んだ後に包丁の裏で叩いてから調理すると、赤ちゃんでも食べやすくなるのでおすすめです。
<えびの重量目安>
・ブラックタイガー1尾 12g
・車えび1尾 25g
・甘えび1尾 5〜9g
・桜えび(素干し)小さじ1 1g
えびを調理する際は、生臭さの原因でもある背わたを取り除いてから使用します。表面の汚れや臭みをしっかり取りたい場合は殻を剥いたえびに片栗粉をまぶして、よく揉んでから洗い流して使うのもよいでしょう。
<えびの下処理方法>
①つまようじなどで背わたをとって殻をむく
②ボウルに入れて片栗粉を振りかけてからよく揉み込む
④流水でしっかり洗い流す
⑤キッチンペーパーで水気を拭き取る
下処理をしたえびは、1回量ずつラップに包んでから冷凍保存袋に入れて冷凍するのもおすすめです。使いたいときに解凍するだけで、簡単にえびを離乳食に取り入れられます。
冷凍保存をしたえびは衛生的に使うためにも十分加熱してから与え、1週間以内には使い切りましょう。
離乳食でえびを使うためには細かく刻まないといけなかったり、下処理が必要だったりして大変ですよね。
えびは、ベビーフードに含まれていることもあります。えびを手軽に離乳食の赤ちゃんに与えたいという場合は、えびが使用されているベビーフードを利用してみるのもよいでしょう。
赤ちゃんの月齢に合わせて、えび入りのベビーフードやお菓子をぜひ試してみてください。ベビーフードやお菓子であっても、初めてえびを与える際はアレルギーに気をつけて少量ずつを与えましょう。
完了期の赤ちゃんには、刻んだえびを与えるのが基本です。前歯で噛み取れるものや、手づかみできるえびの離乳食を取り入れてみてください。生後1歳以降の完了期におすすめのえびを使った離乳食レシピを紹介します。
【材料(2回分)】
・ブラックタイガー 3尾(約36g)
・絹ごし豆腐 小さじ2
・玉ねぎ 5cm
・酒 小さじ1
・塩 少々
・片栗粉 大さじ1
・サラダ油 適量
・ケチャップ 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
【作り方】
①えびは背わたを取り除き、水で洗ってキッチンペーパーで水気をふきとる。
②①を細かく刻んで粘りが出るまで包丁の裏で叩く。玉ねぎはみじん切りにする。
③ボウルに②と絹ごし豆腐、酒と塩、片栗粉を加えてしっかり混ぜ合わせる。
④フライパンに油を熱して丸く成形した③の表面に焼き、水(分量外)大さじ1を加えて蓋をして弱火で火が通るまで火にかける。
⑤水気がなくなったらケチャップと砂糖を加えて煮詰める。
ポイント:豆腐を加えることで、やわらかくなって赤ちゃんでも食べやすく仕上がります。ひと口サイズに成形することで、離乳食完了期の赤ちゃんでも美味しく食べられます。
【材料(1〜2回分)】
・ブラックタイガー 3尾(約36g)
・はんぺん 小さじ1
・マヨネーズ 小さじ1
・ピザ用チーズ 少々
・春巻きの皮 1/4枚(正方形)を2枚
・小麦粉、水 各小さじ2
・サラダ油 適量
【作り方】
①えびはゆでて細かく刻む
②ボウルに①とはんぺん、ピザ用チーズ、マヨネーズを加えてよく混ぜ合わせる
③春巻きの皮の手前に②をのせて巻き、小麦粉と水を混ぜ合わせたものでのり付けする
④フライパンに少し多めの油を熱し、揚げ焼きする
ポイント:手づかみ食べができる離乳食のえびレシピ。1歳児の赤ちゃんでもかじって食べられます。
【材料(1人分)】
・ゆでうどん 1玉
・ブラックタイガー 1尾(約12g)
・玉ねぎ 15g
・ブロッコリー 15g
・にんにくすりおろし 少々
・カットトマト缶 大さじ2
・牛乳 大さじ2
・砂糖 少々
【作り方】
①えびはゆでて細かく刻む。玉ねぎは1cm幅の薄切り、ブロッコリーは1cm角に切る。
②ゆでうどんは1cmの長さに切る
③フライパンにサラダ油を熱し、にんにくを加えて①を炒める
④トマト缶、牛乳、砂糖を加えて煮詰め、②を加えて煮込む
ポイント:えびの風味が感じられて美味しく食べられるトマトクリームうどんです。
【材料(2人分)】
・ブラックタイガー 2尾(約24g)
・鶏ひき肉 20g
・しょうゆ 小さじ1/2
・砂糖 少々
・しょうが汁 少々
・片栗粉 大さじ1
・しゅうまいの皮 4枚
・レタス 適量
【作り方】
①えびは背わたを取り除き、水で洗ってキッチンペーパーで水気をふきとる。
②①を細かく刻んで粘りが出るまで叩く。
③ボウルに②と鶏ひき肉、しょうゆ、砂糖、しょうが汁、片栗粉を加えてよく混ぜ合わせる
④バットに千切りにしたしゅうまいの皮を入れ、スプーンを使って③を落とす。バットを左右に揺らして表面全体にまぶす
⑤フライパンにひと口大にちぎったレタスを敷き詰め、④を上にのせる。水(分量外)大さじ3を加えて蓋をし、弱火〜中火で中に火が通るまで蒸す。
ポイント:ひと口サイズで完了期の赤ちゃんでも食べやすいしゅうまいです。鶏ひき肉を使うことで、口の中に残りにくく食べやすくなります。
離乳食完了期になると、普段の料理でえびはほとんど使わないけど、保育園入園前だからえびを食べさせておきたいという方も多いかもしれません。
ただしえびにはアレルギーがあったり弾力が強くて噛みにくい特徴があったりするので、注意点を知って離乳食で取り入れましょう。
離乳食でえびを使ってみたいという方は、ぜひこの記事で紹介した完了期のえびレシピを参考にして作ってみてくださいね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
あわせて読みたい