【保育士監修】保育園の連絡帳がひどい?温かい言葉のやり取りで成長を共有しよう

連絡帳は家庭と保育園の様子を伝え合う大切なコミュニケーションツールです。しかし、保育園の子どもの様子がわかることがうれしいと思う一方で、毎日書くことが辛いと感じるママやパパも多いでしょう。ときには、保育士が書いた連絡帳を読んで「どうしてこんな言い方をするの?」や「ひどい……」と感じたこともあるかもしれません。 この記事では、保育士からのコメントの受け取り方や、連絡帳の書き方のポイント、連絡帳の必要性について解説します。さらに、ママやパパが使えるおすすめの例文も紹介していますので、連絡帳について不安を軽減させられるでしょう。

保育園の連絡帳がひどいと感じる瞬間

連絡帳

 

連絡帳のやり取りではお互いに顔を見ることができないため、「どうしてこんなことを書いたの?」と保育士が書いた文章に不満や疑問が生じることがあるでしょう。時には、保育園の様子を読んで、「ひどい」と感じることもあるかもしれません。たとえば、質問や要望に回答してもらえない、内容がネガティブなものばかり、配慮に欠ける文章があったときです。

もしも返事がなければママやパパが書いた文章を読んでもらえているのか不安になり、子どもの短所ばかり書かれたときは落ち込んでしまいますよね。保育士の配慮に欠ける言葉に傷つくこともあるかもしれません。いつもなら受け止められる内容であっても、ママやパパの心が疲れているときは前向きな気持ちで文章を読めないこともあります。

ママやパパは大事な子どもを預かってもらっているため連絡帳への不安が積み重なると、「この保育園で上手くやっていけるかな……」と感じてしまうでしょう。

保育士からのコメントの受け止め方

連絡帳は文章で伝え合うため、書き方ひとつで読み手の受け止め方が変わってしまうことがあります。たとえ同じ文章を読んでも、ママとパパでも受け止め方に違いがでることもあるでしょう。保育士はわかりやすい文章を書こうと思っていても、保護者にとっては理解できない場合もあります。

連絡帳の内容や書き方に疑問を抱いたときは、そのままにせず担当の保育士に直接聞きましょう。もちろん連絡帳に質問してもよいのですが、文章では細かいニュアンスが伝わりにくいことがあります。文章によってお互いに誤解を招くことがあるため、保育士と直接話したほうがわかりやすいこともあるでしょう。

保育士とコミュニケーションをとって解決できればよいですが、「担任の先生には言いにくい……」や「話してみたけど上手くいかない」など連絡帳のことで困ったときは園長に相談してみることをおすすめします。

連絡帳の書き方のポイント3つ

連絡帳を書くことに慣れていない場合は、「何を書こうかな」や「この文章で大丈夫かな?」と不安になるもの。ここでは、連絡帳を書く際に知っておくべきポイント3つご紹介します。家庭と保育園でスムーズなコミュニケーションをとるためにもぜひ参考にしてみてくださいね。

子どもの体調は丁寧に書こう

子どもの体調が優れないときは体温、食欲、睡眠時間、機嫌、病院受診の有無、薬の服用の有無など、わかっていることを丁寧に書くようにしましょう。なぜなら、体調が優れない子どもを保育園で見守るときは、いつも以上に気にかける必要があるからです。保育士は子どもの体調に合わせて、「検温の回数を増やす」や「体力を使う遊びを控えて早めに休めるようにする」など対応できます。

さらに、看護師がいる保育園では、情報を共有しやすくなるでしょう。もしも熱が出て保育園を休んでいたときは、どのくらいまで体温が上がったか、いつ頃下がったのかを記入すると伝わりやすくなります。

また、熱や咳、鼻水などの症状がなかったとしても、いつも子どもを見ているママやパパは、「子どもの様子が何かいつもと違うな」と思うこともありますよね。家庭での小さな気づきを知らせてもらえることで、子どもの様子を見守るときにとても参考になります。気になることがあるときは、「少し元気がなく、ぼーっとしていることが多いです」のように小さな変化も伝えておきましょう。

子どもの様子は些細なことで大丈夫

連絡帳には子どもの様子を毎日記入するスペースがありますが、書くことが浮かばず困ってしまう方も多いですよね。子どもの様子は、イベントやおでかけなど特別なことを書かなくても大丈夫です。たとえば、保育園の帰り道での子どもとの会話や夕食での様子、寝る前の絵本タイムなど些細なことで十分です。家庭でお気に入りの遊びを楽しんでいるのであれば、「今日も〇〇をして遊んでいました」のように、同じ内容で書いてもよいでしょう。

また、文章は長くなくても問題ありません。文章が苦手な場合はイラストで表現してもよいでしょう。連絡帳は大事なものですが、ママやパパの負担やプレッシャーにならないようにしてくださいね。ママやパパに余裕がないときは、「元気です」の一言で子どもの様子を伝えましょう。

ありのままを書こう

日によってはママやパパの余裕がなくなってしまい、子どもと思うように関われなかったことがあるかもしれません。そんなときは、「余裕がなく子どもを怒ってしまいました」や「兄弟がケンカばかりで疲れてしまいました」と思っていることをそのまま書いても問題ありません。実際に、上記のような内容を書く保護者もいらっしゃいます。

また、子育てをしていると楽しいことだけではなく、上手くいかないことやモヤモヤすること、不安なことなどがありますよね。保育士にとって、子どもの状態だけではなく保護者の様子を把握できることはありがたいことです。保育士は連絡帳の内容を把握することで、しっかりママやパパに寄り添えるでしょう。連絡帳はよい面ばかりではなく、ありのままを書いてみてくださいね。

連絡帳に書く具体的な内容の例

連絡帳に保護者が書くコメントは子どもの様子や連絡などさまざまですが、具体的にどのようなことを書くべきか迷うこともあるでしょう。連絡帳に書くとよい内容は下記の通りです。

【連絡帳に書く内容の例】

・家庭での子どもの姿

・最近のブームやお気に入りの遊び

・最近できるようになったこと

・子育てについて心配なことや悩み

・保育園に連絡しておくこと

・保育園への質問や要望

・保育士のコメントへの返信

子どもの心配ごとや子育ての悩みがあるときは、連絡帳に書いてみましょう。保育士は、保育園での子どもの様子を重点的に伝えてくれたり、アドバイスしてくれたりするはずです。

連絡帳で使えるおすすめの例文

書くまま

 

連絡帳に書くコメントに困ったときや、どのように書くべきかわからないときは下記の例文を参考にしてみてくださいね。

【子どもの様子】

・「ちょうだい」の仕草ができるようになりました。

・お兄ちゃんとおもちゃの取り合いをして、朝から機嫌が悪いです。

・最近のブームはボール遊びです。ボールを追いかけて、一生懸命両手で持ち上げようとしています。

・音楽をかけると手や足を曲げたり伸ばしたりして一生懸命踊ってくれます。音楽が終わると、「もっかい」とアピールします。

・昨日は家族で近くのショッピングモールに買い物へいきました。お気に入りのキャラクターを見つけては大興奮していました。

・保育園で教えてもらった「魚がはねてピョーン」の手遊びを披露してくれました。

・「今日は○○ちゃんとパン屋さんごっこをしたよ」と話してくれました。パン屋さんの帽子を被れたことがうれしかったみたいです。

【体調面】

・今日はいつもよりも食欲がないようで、朝ご飯を半分残しています。他に体調で気になることはありませんが、何かありましたら母に連絡してください。

・水曜日に熱で保育園を早退しましたが、金曜日の朝には熱が下がっています。咳が少し残っていますが、他は変わりなく元気です。今週もよろしくお願いします。

・今朝、家の絵本棚におでこをぶつけて少し赤くなっています。

【悩み】

・最近、子どもの寝る時間が遅くなってしまいます。テレビに夢中になってしまい、夕ご飯やお風呂の時間が遅くなってしまいます。

・家で機嫌が悪いとき、ママに叩くことが増えました。保育園ではお友だちに手を出していませんか?

・家でトイレに行きたがらないことが多いです。保育園では自分から進んでトイレへ行っていますか?

【連絡】

・明日は母の仕事がお休みのため欠席します。

・今日は母方の祖母が16時にお迎えに行きます。

・今週の金曜日は1歳児健診のため、12時半にお迎えに行きます。

保護者に連絡帳を書いて欲しい3つの理由

仕事や育児、家事に追われる忙しい日々を送っている方は、連絡帳を記入する時間を確保することも大変ですよね。ママやパパの中には、「連絡帳は本当に必要なのかな?」と疑問を抱く方もいるはずです。ここでは、保育士が連絡帳を書いて欲しい3つの理由をご紹介します。

子どもの生活リズムや体調を把握するため

連絡帳に書く内容は、子どもが保育園で健やかに過ごすために欠かせない情報です。たとえば、子どもの体温、排便の有無、睡眠時間などの項目によって、子どもの体調を知ることができます。さらに、0歳児クラスでは1日の生活リズムがわかるようにミルクや離乳食の時間なども書くことを求められるでしょう。

保育士は子どもの健康面を把握することで、「睡眠時間が短いからお昼前に眠くなりそうだね」や「排便が少ないから様子を見よう」などと、一人ひとりをしっかり見守ることができます。

特に乳児クラスで記載することが多い「家庭の食事の内容」については、保護者のプレッシャーになることも多いでしょう。食事の内容は、排便で気になることがあったときや嘔吐があったときの手がかりになります。万が一、病院受診したときに医者に正しく必要な情報を伝えることもできるでしょう。

ママやパパは、「毎日同じようなメニューだけど大丈夫かな?」や「他の家庭と比べられないかな?」と不安になるかもしれませんが、ありのままを書いて問題ありません。

家庭や保育園での様子を共有するため

保育園で遊ぶ子供

 

連絡帳は子どもの様子を伝え合うための大事なツールです。保育士と保護者がお互いに子どもの様子を知ることで、子どもを多面的に見ることができます。連絡帳は、子どもを見守る保育士と保護者をつなぐ大切な架け橋ともいえるでしょう。

また、ママやパパは連絡帳に書いてある内容をもとに子どもと会話することもよくあります。たとえば、保育園での様子を知ることで、「今日は虫探しをしたの?虫さん見つけられた?」や「公園で先生と一緒に滑り台をしたのね」など子どもとの会話を楽しめます。子どもはうれしい気持ちをママやパパに共感してもらえたり、知ってもらえたりすることで心が満たされます。連絡帳によって、親子が気持ちを通わせることができるでしょう。

ママやパパの中には、連絡帳ではなく直接話したいという方もいるでしょう。もちろん、保育士と直接話すことはできますが、送迎する朝夕は他の保護者と送迎時間が重なってしまいゆっくり話せないことも少なくありません。また、多くの保育園では保育士がシフト制で勤務しているため、早朝や延長保育の時間は担任の保育士と会えないこともあるでしょう。

子どもが成長した喜びを分かち合うため

連絡帳は子どもの成長を伝え合う機会にもなります。たとえば、家で積み木を何個も重ねられるようになったことを保育士が知ることで、「ブロックの数を増やして、ゆっくり遊べる時間を作ろう」と考えます。また、子どもがボタンの開け閉めに興味を持っていることを知り、「もっと手先を使う遊びを増やしてみよう」と保育のヒントになったりすることもあるでしょう。

子どもの成長については毎日書く必要はありませんが、お互いに成長を喜び合うことで保育士と保護者の信頼関係が築かれます。

まとめ

保育士

 

連絡帳は子どもの様子を伝え合うための大切なコミュニケーションツールです。子どもが健やかに保育園で生活するためにも、健康状態や子どもの様子を伝えることは欠かせません。また、連絡帳でのやり取りを重ねることで、家庭と保育園の間に信頼関係が築かれるでしょう。

とはいえ、忙しいママやパパが、毎日連絡帳を記入することは本当に大変なことです。何を書いたらよいかわからないときは、内容の例やおすすめの例文を参考にしてみてください。連絡帳に書く内容は、些細なことで問題ありません。子どもの様子を伝え合うことが目的ですので、気負わずありのままを書いてみてくださいね。

連絡帳は子どもの様子を伝えるだけではなく、ママやパパが気軽に相談できる場でもあります。連絡帳を上手に活用して、保育園生活をよりよいものにしましょう!


ライター名:神戸 のどか
保育士として保育園で5年半勤務し、0歳~6歳の子どもたちと関わってきました。現在は、ライターとして主にママ・パパや保育士向けの記事を執筆しています。


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