2024年01月01日 00:00
栄養満点でやさしい甘みがおいしいかぼちゃは、離乳食の赤ちゃんにも向いている食材です。「かぼちゃは離乳食でいつから使える?」「電子レンジで加熱するなら何分?」「かぼちゃの離乳食は冷凍できる?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 この記事では、かぼちゃを離乳食で食べられる時期や1回の摂取目安量、かぼちゃの下ごしらえの方法や冷凍保存方法、離乳食で簡単に取り入れる方法や注意点について解説します。保育園勤務の管理栄養士ママが初期から食べられるおすすめのかぼちゃ離乳食レシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてください!
かぼちゃは、生後5〜6カ月ごろの離乳食初期から食べられる食材です。加熱するとやわらかい食感に変わるかぼちゃは、離乳食が始まったばかりの赤ちゃんにも向いています。おかゆに慣れたあとに与えるとよいでしょう。
素材本来のやさしい甘みがあるので、離乳食で料理に甘みを出したい時に向いています。また青臭さや渋みが強い食材とかぼちゃを組み合わせることで、赤ちゃんでも食べやすくなるのでぜひ試してみてください。
かぼちゃには、βカロテンやカリウム、ビタミンCや食物繊維などの栄養が豊富に含まれています。
βカロテンはかぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれている栄養素で、食事から摂取すること体内でビタミンAに変わる性質があります。ビタミンAは、夜間の視力の維持を助け、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
また食物繊維は、離乳食開始後に毎日のすっきりが出ない赤ちゃんにおすすめです。
かぼちゃは生のままではかたい食材ですが、加熱するとやわらかくなります。離乳食で使う際は、しっかり加熱して赤ちゃんの月齢に合わせたかたさや大きさにして与えましょう。
食材のかたさが口腔機能に合っていないと、うまく飲み込めずにむせてしまったり嫌がって口から出してしまったりしてしまいます。かぼちゃを嫌がるようであれば、かたさや大きさが食べやすいか大人が一度食べてみるのもよいでしょう。
※野菜類の中で、1食のうちに使う食材がかぼちゃだけである場合の目安量です。他の野菜類と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
初期から食べられるかぼちゃは、離乳食向きの食材です。しかし生のかぼちゃはかたく、厚い皮や種があります。
離乳食でかぼちゃを使う際は、赤ちゃんが食べやすいようにいくつかのポイントを押さえておきましょう。かぼちゃの下ごしらえ方法について解説するので、ぜひ離乳食作りの参考にしてみてください。
かぼちゃの皮や種はかたく、消化に時間がかかるので離乳食では取り除きます。ただし生後9〜11カ月ごろの後期以降で赤ちゃんが嫌がらないようであれば、しっかり加熱してやわらかくなった皮をつけたまま与えるのもよいでしょう。
かぼちゃの皮は包丁やピーラーを使って削ぎ落とし、種はわたと一緒にスプーンでくり抜きます。皮は生のまま削ぎ落とすと大変ですが、加熱したあとに取ると比較的簡単に取り除けるのでおすすめです。
かぼちゃを鍋で加熱する場合は、水から10分〜15分程度ゆでます。鍋でゆでるとしっとりとした食感になって、素材本来の甘みをしっかり感じられます。
電子レンジよりもやわらかく仕上がるので、角切りに切ったかぼちゃを舌触りよく仕上げたい時は鍋で加熱するとよいでしょう。
<鍋での加熱方法(かぼちゃ1/4個分)>
1)かぼちゃは皮と種を取り除き、3cm大程度に切る
2)鍋に1)とかぶるくらいの水を加え、強火で加熱する
3)沸騰したら弱火〜中火にして10〜15分程度ゆでる
かぼちゃを電子レンジで加熱する場合は、少量の水を加えてラップをしたものを電子レンジ600Wで6分程度加熱します。電子レンジを使うと短時間でかぼちゃを加熱できるメリットがあります。
しかし鍋でゆでるよりも水分が蒸発しやすく食材の表面が乾燥しやすくなりやすいので、電子レンジでかぼちゃを加熱する際は、ペースト状にしたりつぶして使ったりする方法がおすすめです。
<電子レンジの加熱方法(かぼちゃ1/4個分)>
1)かぼちゃは皮と種を取り除き、3cm大程度に切る
2)耐熱容器に1)と水大さじ3を加え、ふんわりとラップをする
3)電子レンジ600Wで6分程度加熱する
電子レンジのメーカーによっては加熱時間が足りない場合もあるため、加熱後にまだかたさが残っている場合は、再度やわらかくなるまで数分ずつ追加してみてください。
離乳食が始まった生後5〜6カ月ごろの初期では、食べやすくするために加熱後のかぼちゃを裏ごしするのもおすすめです。裏ごしをするとかぼちゃの繊維が取り除けるので、口当たりがまろやかになって食べやすくなります。
ただし赤ちゃんによっては、裏ごしをしなくてもしっかり食べてくれる場合もあります。
かぼちゃを使った離乳食は、冷凍保存も可能です。加熱して赤ちゃんの月齢ごとの大きさに切ったかぼちゃを1回量ずつ冷凍保存容器に入れて、冷凍庫で保存するとよいでしょう。
またペースト状やつぶしてマッシュ状にしたかぼちゃは、冷凍保存袋に入れて袋の上から割り箸などで1回量ずつ筋目を入れて冷凍しておくのもおすすめです。使いたい分だけ袋の上から手でパキッと割って使い、残った分はすぐに冷凍庫に戻します。
冷凍保存したかぼちゃは、衛生面を考慮して1週間以内には使い切るように気をつけましょう。
皮や種を取り除いたり、加熱したりしてから使う必要があるかぼちゃ。下ごしらえがめんどうで、離乳食で使うのをためらうママやパパも多いのではないでしょうか。栄養価の高いかぼちゃを離乳食で簡単に取り入れる方法を紹介します。
かぼちゃの種を取り除いたりカットしたりする下ごしらえが必要ない冷凍かぼちゃは、離乳食作りに負担を感じている方におすすめです。スーパーの冷凍食品が並んでいる場所で手に入ります。
冷凍かぼちゃは収穫後すぐに冷凍処理をされているため栄養価が高く、冷凍庫に常備しておけば使いたい時にすぐに用意できるメリットがあります。加熱する際も生のかぼちゃよりも短時間でやわらかくなるので、離乳食作りを時短したい方にも向いています。
ただしスーパーで購入できる冷凍かぼちゃは皮付きでカットされているものがほとんどです。離乳食で使う際は加熱してやわらかくなってから、皮の部分を取り除いて与えましょう。
かぼちゃを離乳食で簡単に取り入れたい場合は、ベビーフードを利用するのもよいでしょう。水と合わせるだけで簡単にかぼちゃペーストができるフレークタイプや、そのまま使用できるペーストタイプなどさまざまな商品が販売されています。
ベビーフードは下ごしらえや加熱する必要がないので、離乳食を作れない時や外出時に持ち歩きたい方におすすめです。かぼちゃのベビーフードはヨーグルトに入れたり、おかゆに加えたりするだけでも簡単にかぼちゃの栄養を補えます。
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出典:楽天市場
調味料をあまり使わない離乳食でも、素材本来の甘みで離乳食をおいしく食べられるかぼちゃ。年中手に入りやすい食材なので、積極的に離乳食で取り入れてみてください。
栄養価も高く離乳食開始後から使いやすい食材ですが、赤ちゃんに与える場合には注意しておきたいこともあります。かぼちゃを離乳食で取り入れようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
かぼちゃはアレルギー症状が出にくい食材なので、初めて与える野菜としてもおすすめです。しかし絶対にアレルギー症状が現れないというわけではないので、初めて与える場合は1さじ程度から与えるとよいでしょう。
赤ちゃんの体質や体調によっては発疹やじんましん、下痢などの不調が現れる可能性もあります。かぼちゃを食べてから、からだに不調が現れたらすぐに病院を受診しましょう。
加熱するとやわらかいかぼちゃは離乳食でも人気の食材ですが、赤ちゃんによってはかぼちゃを嫌がる場合もあります。
えずいたり口に入れたかぼちゃを出してしまったりするようであれば、無理に食べさせようとしなくても大丈夫です。
かぼちゃを嫌がるようであれば、渋みのある皮を厚めに取り除き、赤ちゃんの発達に合ったかたさや大きさになっているか確認してみてください。
生後5〜6カ月ごろの離乳食初期から食べられるかぼちゃは、初めての野菜にも向いている食材です。栄養価が高いので、離乳食でも積極的に取り入れてみてください。
今回は保育園勤務の管理栄養士ママが、初期から食べられるかぼちゃのおすすめ離乳食レシピを紹介します。
材料(2回分)
・かぼちゃ 20g
・水 大さじ1
作り方
1)かぼちゃはひと口大に切って皮を削ぎ落とす
2)耐熱容器にかぼちゃと水を加える
3)ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで約2分加熱する
4)すり鉢ですりつぶし、ペースト状にする
ポイント:鍋を使わずに、短時間で作れるかぼちゃペースト。洗い物も最小限に抑えられるので、かぼちゃを離乳食で手軽に取り入れたい方におすすめです。作り終わったら小分けにして、冷凍保存もできるのでぜひ試してみてください。
材料(3〜4回分)
・かぼちゃ 20g
・じゃがいも 20g
・水 100ml
・育児用ミルク(調乳済み) 50ml
・バナナ 1/4本
作り方
1)かぼちゃとじゃがいもは皮をむいてひと口大に切る
2)鍋にお湯を沸かし、1)をやわらかくなるまでゆでる
3)水気を切った2)と水、育児用ミルクを加えて、とろみが出るまですり鉢ですりつぶす
ポイント:育児用ミルクとかぼちゃの甘みがしっかり感じられるポタージュです。じゃがいもを加えることで、とろみがついて赤ちゃんでも飲み込みやすくなります。
材料(1回分)
・10倍がゆ 大さじ2
・かぼちゃ 10g
・昆布だし汁 大さじ1
作り方
1)かぼちゃは皮をむいてすりおろす
2)耐熱容器に1)とだし汁を加える
3)ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで2分加熱する
4)10倍がゆにだし汁ごと加えて、しっかり混ぜ合わせる
ポイント:昆布とかぼちゃの風味を楽しめるおかゆです。かぼちゃは生のまますりおろして加熱するとすりつぶす負担が軽減できます◎繊維が残りやすいので、赤ちゃんが嫌がる場合は裏ごししてあげるのもよいでしょう。いつもどおりのおかゆをなかなか食べてくれない赤ちゃんに、ぜひ試してみてください。
材料(1回分)
・かぼちゃ 10g
・さつまいも 10g
・水 大さじ2
作り方
1)かぼちゃとさつまいもは皮をむいてひと口大に切る
2)鍋にお湯を沸かし、1)をやわらかくなるまでゆでる
3)すり鉢でそれぞれすりつぶし、ペースト状にする
4)皿に2種類の3)を盛り付ける
ポイント:甘みが強く、クセが少ないかぼちゃとさつまいもの組み合わせは、赤ちゃんからも人気◎離乳食開始後で食材を飲み込むのに慣れていない時期では、水分を多くしてあげることで飲み込みやすくなります。慣れてきたら徐々に水分量を少なくしてあげるのもおすすめです。
材料(1回分)
・かぼちゃ 10g
・水 大さじ1
・育児用ミルク(調乳済み) 大さじ1
・絹ごし豆腐 10g
・水 大さじ1
作り方
1)かぼちゃは皮をむいてひと口大に切る
2)鍋にお湯を沸かし、1)と絹ごし豆腐をやわらかくなるまでゆでる
3)2)のかぼちゃと絹ごし豆腐を、それぞれすり鉢ですりつぶす
4)つぶしたかぼちゃに育児用ミルクを混ぜる
5)皿に3)のすりつぶした絹ごし豆腐をのせる
6)上から4)をのせる
ポイント:豆腐ペーストにつぶしたかぼちゃミルクをのせることで、混ぜた時にぽってりとしたヨーグルト状になります。サラサラの食べ物に慣れた頃におすすめです◎離乳食初期で使う豆腐は、なめらかな舌触りの絹ごし豆腐がおすすめです。
皮や種を取り除き、加熱する必要があるかぼちゃは、離乳食で手軽に取り入れられる食材ではありません。育児や家事の合間に作る離乳食は、できるだけ手を抜きたいと思うママも多いでしょう。
離乳食でかぼちゃを使うことに抵抗がある方は、電子レンジを使ったり冷凍かぼちゃを使ったりすることで離乳食作りの負担が軽減されます。
かぼちゃは生後5〜6カ月の初期から食べられて、素材本来のやさしい甘みや口当たりのよさから赤ちゃんにも人気の食材。かぼちゃは栄養価も高い野菜なので、ぜひ毎日の離乳食作りで積極的に取り入れてみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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