2022年10月15日 00:00
普段の料理でも使われることの多い豚肉。「初めて豚肉を与えられるのはいつ?」「どんな部位を使えばいいの?」など気になる方も多いのではないでしょうか。特に赤身部分には、鉄分が多く含まれています。 赤ちゃんは生後6カ月ごろになると、おなかの中にいる間にママからもらった貯蔵鉄が徐々に少なくなり、鉄欠乏を起こしやすいため、鉄の多い豚肉の赤身は積極的に与えたい食材です。 今回は豚肉を初めて食べられる時期や離乳食に向いている部位、調理する際のポイントや離乳食のおすすめ豚肉レシピについてご紹介します。
豚肉は部位によっては、生後7〜8カ月ごろの中期から食べられます。しかし歯がまだ生え揃っていない赤ちゃんにとって、豚肉は繊維が強くパサパサとしていて食べにくい食材。積極的に与え始めるのは、生後9〜11カ月の後期以降がおすすめです。とろみをつけてあげたり、繊維を断つ切り方をしたりするなど、工夫して離乳食に取り入れてみてください。
離乳食で豚肉を使う場合は、脂身の少ない部位を選びましょう。
赤ちゃんは消化機能が未発達なので、脂肪が多いと胃腸に負担がかかります。豚肉を選ぶ際は、できるだけ赤身が多いものを選ぶようにしましょう。ヒレやモモなどの部位がおすすめです。
また脂が多い部位を使用する際は、白い脂は取り除き、一度お湯にくぐらせてから使用することで簡単に余分な脂を落とせます。
赤身の肉は繊維が強いので、かたく感じてしまいます。また脂肪分が少ないことから、パサパサとした食感も特徴です。赤ちゃんに与える際には、繊維に対して垂直に包丁を入れて切ることで食べやすくなります。
またパサパサの食感を抑えるために、調理の際に片栗粉でとろみをつけたり、さつまいもやかぼちゃなど他の食材を使ったりなどしてみるとよいでしょう。
かたい豚肉が口に残ってしまうと、赤ちゃんが吐き出してしまうこともあります。
しっかりと食べてもらうためには、柔らかくすることが大切です。豚肉を食べやすいように柔らかく仕上げるためには、調理の際にひと工夫するとよいでしょう。調理の仕方は、生の豚肉に片栗粉をまぶして、ゆでるだけ。
ゆでると豚肉が柔らかくなるので、一度ゆでてから調理に使うのがおすすめです。
豚肉は、アレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料に準ずるもの」に含まれている食材です。
初めて与える場合は、1さじから始めます。平日の午前中に与えるようにしておくと、アレルギー症状が出てしまっても、すぐに病院へ連れて行けます。
じんましんや吐き気、嘔吐、呼吸器の症状などが現れた場合は、食べさせるのをやめて病院を受診しましょう。
下ゆでしてしっかり火を通したら、月齢ごとの大きさに刻み1回量ずつラップに包みます。冷凍保存袋に入れて密閉して冷凍すると便利です。
解凍時はラップを少し開けて空気の通り道を作ってから、電子レンジ600Wで40秒加熱しましょう。
冷凍した豚肉は日付を袋にメモしておき、1週間以内には使い切るようにしましょう。
生後7〜8カ月ごろから食べられる豚肉。赤ちゃんに与える際は、食べやすいようにとろみをつけたり、パラパラしないようにまとめてくれたりする食材と組み合わせるのがおすすめです。
赤ちゃんでも食べやすいように工夫した豚肉の離乳食レシピをご紹介します。
材料(1回分)
・かぼちゃ 30g
・豚もも肉 5g
・だし汁 大さじ1
・しょうゆ 数滴
作り方
1)かぼちゃは皮と種を取り除き、下ゆでした後5mm角に切る
2)豚肉は下ゆでした後、細かく刻んですりつぶす
3)鍋にかぼちゃと豚肉、だし汁、しょうゆを加えて水分がなくなるまで煮詰める
ポイント:かぼちゃと一緒に煮詰めることで、豚肉のパサパサを感じにくくなります。もぐもぐしやすい形状で中期向けのレシピです。
材料(1個分)
・軟飯 80g
・豚もも肉 15g
・白菜 10g
・にんじん 10g
・だし汁 大さじ1
・しょうゆ 数滴
・砂糖 少々
・水溶き片栗粉 少々
作り方
1)豚肉はゆでて細かく刻む。にんじんは皮をむいて柔らかくなるまでゆでて5mmの色紙切りにする。白菜は柔らかくなるまでゆでて5mm角に切る。
2)鍋に1)、だし汁、しょうゆ、砂糖を加えて煮詰める
3)水溶き片栗粉を加えてとろみをつける
4)軟飯の上に3)を乗せる
ポイント:パラパラとバラつきやすい豚肉も、とろみをつけることで食べやすくなります。
材料(2回分)
・じゃがいも 40g
・玉ねぎ 10g
・豚ひき肉 10g
・油 少々
・パン粉 大さじ1
・ケチャップ 数滴
作り方
1)じゃがいもは、ゆでてつぶしておく。玉ねぎはゆでてからみじん切りに切る。
2)フライパンに油を熱し、豚ひき肉を炒めて火を通し1)と一緒にボウルに移す
3)2)のフライパンを拭き取り、パン粉を加えてほんのり茶色くなるまで炒める
4)2)のタネを4等分にして俵型に成形する
5)パン粉を炒めた3)のフライパンに4)を加えてパン粉をまぶす
6)皿に盛り付けてケチャップを数滴落とす
ポイント:揚げないので離乳食期でも食べられる手づかみコロッケです。
豚肉の中でも赤身の多い部位は、鉄分が多くて脂肪が少ないので赤ちゃんにぴったりの食材。
繊維が強いことから、かたくてパサパサしてしまうデメリットもあるので、食べやすいようにとろみをつけたり柔らかくしたりする工夫を取り入れるのがおすすめです。
ぜひ離乳食で赤ちゃんに豚肉を与えてみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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