2025年02月01日 00:00
生後9カ月ごろの離乳食後期以降に始まる朝ごはん。「離乳食の朝ごはんは何時に食べさせればいい?」「朝ごはんの量はどのくらいを与えればいいの?」「忙しい朝でも簡単に作れる離乳食の朝ごはんレシピはある?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この記事では、離乳食で与える朝ごはんの時間や1回あたりの量、おすすめの食材や栄養のある朝ごはんの献立例などについてご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食後期から1歳ごろの赤ちゃんにおすすめの簡単朝ごはんレシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!
離乳食で朝ごはんを食べる習慣が付くと、体内時計がリセットされて就寝時間や起床時間が一定に付くなど、赤ちゃんの生活リズムを整えられるメリットがあります。
朝ごはんは日中の活動に向けて、身体や脳へエネルギーを補給することが可能です。活動量が多くなる生後9カ月以降の赤ちゃんでは、特にエネルギー不足にならないようにしっかり朝ごはんを摂りましょう。
また朝ごはんには消化器官を目覚めさせるメリットもあります。腸が刺激されて排便リズムが付くため、朝ごはんを食べる時間をあらかじめ決めて習慣化させてあげるとよいでしょう。
離乳食の朝ごはんの時間に決まりはありません。ライフスタイルに合わせて、ママやパパが食べさせやすいタイミングで朝ごはんを与えるとよいでしょう。
赤ちゃんの生活リズムを整えるためにも、離乳食の朝ごはんの時間は毎日同じ時間に与えるように意識しておくことが大切です。起きてすぐは上手に食べられない赤ちゃんも多いので、起床後30分〜1時間以内を目安に摂取するのもよいでしょう。
<離乳食後期・完了期の食事の目安時間>
朝ごはんの量は後期と完了期で目安量が違っています。生後6カ月〜1歳ごろの胃の容量は200〜250ml程度です。母乳や育児用ミルクよりも離乳食が主体となってくるものの、1回の食事で必要な栄養素は全て補いきれない時期でもあります。
朝ごはんをあまり食べてくれなくて栄養が足りているか不安な場合は、成長曲線を参考にして体重や身長が増加しているか確認してみるのもおすすめです。
朝ごはんの食べ過ぎは胃腸に負担がかかってしまい、下痢や便秘、嘔吐などの症状が現れる恐れもあるので気をつけましょう。
<離乳食後期・完了期の1回あたりの食事量>
離乳食の朝ごはんには炭水化物やタンパク質、ビタミンやミネラルが補える食事を用意するのが理想的です。忙しい朝でも手軽に用意できる食材を組み合わせるとよいでしょう。
加熱せずに用意できる納豆やチーズ、ヨーグルトなどの食材は、忙しい朝食のメニューにもピッタリです。またママやパパが忙しい時間帯でもある朝ごはんには、赤ちゃんが自分で食べられるように手づかみ食べメニューを取り入れるのもおすすめです。
主食:おにぎり、食パン、蒸しパン、ホットケーキ、オートミール、うどん
主菜:納豆、卵、しらす、豆腐、チーズ、ヨーグルト
副菜:バナナ、キウイ、いちご、みかん など
炭水化物やタンパク質、ビタミンやミネラルが揃った栄養バランスのいい朝ごはんは、どうやって用意すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
栄養のある離乳食の朝ごはんを簡単に用意するためには、食材の組み合わせ方のポイントを押さえておくことが重要です。3つの食品群を意識しながら献立を立ててみましょう。
納豆ごはんとみそ汁、みかんを組み合わせた献立は、朝ごはんに向いています。みそ汁にキャベツやにんじんなどの野菜を入れて作れば、栄養バランスのいい食事を用意できます。
汁物を朝ごはんに取り入れる場合は、あらかじめ多めに作って1食分ずつ冷凍保存しておくのがよいでしょう。解凍するだけで忙しい朝でも簡単に具沢山のみそ汁やスープを用意できるのでおすすめです。
炭水化物:ごはん
タンパク質:納豆、みそ
ビタミン・ミネラル:野菜(味噌汁の具)、みかん
パンがメインの献立を考える場合は、タンパク質やビタミン、ミネラルが補える食材と組み合わせるように意識しておくのがポイントです。オムレツはタンパク質食材の卵や野菜類をまとめて補えるので朝ごはんにおすすめです。
品数が多いと食べさせるのが大変という場合は、パンにツナやしらすなどのタンパク質食材をのせて焼くのもよいでしょう。
炭水化物:食パン
タンパク質:卵、きなこ
ビタミン・ミネラル:野菜(オムレツの具)、バナナ
離乳食の朝ごはんでオートミールを取り入れたい方は、タンパク質やビタミンなどの栄養素を一緒に補えるように心がけておくとよいでしょう。加熱せずに食べられるツナやヨーグルトを組み合わせることで、忙しい朝でも調理の負担を抑えられます。
炭水化物:オートミール
タンパク質:ツナ、ヨーグルト
ビタミン・ミネラル:野菜(オートミールの具)、りんご
せっかく栄養のある朝ごはんを用意しても、赤ちゃんがなかなか食べてくれないこともあります。
赤ちゃんが朝ごはんを食べない理由はさまざまです。栄養不足にならないように、離乳食の赤ちゃんが朝ごはんを食べない時の対処法についても知っておくとよいでしょう。
赤ちゃんが朝ごはんを全く食べてくれなかったり、特定の食べ物しか食べてくれなかったりする場合は、不足した栄養素を昼食や夕食、おやつから補うように意識しておくとよいでしょう。
後期や完了期ごろの赤ちゃんは1食で栄養のある食事をしっかり食べることは難しい時期でもあります。朝ごはんだけでなく数日間の食事内容を観察して、いろんな食材から栄養を補えるように心がけておくことが大切です。
赤ちゃんによっては、目の前に出された朝ごはんの量が多くて食べられない場合もあります。朝ごはんの品数を少なくしたり、お皿に盛り付ける量を少量にしたりする工夫を取り入れるとよいでしょう。
赤ちゃんは気分や体調によっても朝ごはんを食べないことがあります。離乳食の朝ごはんを食べてくれないからといって、無理に食べさせると食事に対してストレスを感じてしまう可能性があります。ママやパパ側も精神的負担がかかってしまうため、無理に食べさせないようにしておくとよいでしょう。
離乳食の朝ごはんは、赤ちゃんの生活リズムを整えるためや、1日元気に過ごすために重要な食事です。朝はママやパパが忙しいタイミングでもあるので、簡単に作れる朝ごはんレシピを取り入れてみるとよいでしょう。
今回は離乳食後期から生後1歳ごろの完了期の赤ちゃんにおすすめの朝ごはんレシピを紹介します。ぜひ参考にしながら、作ってみてくださいね。
材料(1合分)
・米 1合
・ツナ缶(水煮) 1缶
・にんじん 1/4本
・玉ねぎ 1/4個
・いんげん 4本
・しょうゆ 小さじ1
・酒 大さじ1
作り方
1)米は洗って水気を切る。にんじんと玉ねぎはみじん切り、いんげんは5mm幅に切る。
2)炊飯器に1、おかゆの目盛までの水、しょうゆ、酒、ツナを入れてお粥モードで炊飯する。
3)炊き上がったらしっかり混ぜ合わせる。
ポイント:多めに作って小分け冷凍しておくのがおすすめの炊飯器レシピ。1品で炭水化物とタンパク質、ビタミンやミネラルをバランスよく補えるので、赤ちゃんの朝ごはんにもおすすめです。
材料(1人分)
・卵 1/2個
・無調製豆乳 大さじ3
・食パン(8枚切り耳なし) 1/2枚
・焼き芋 40g
作り方
1)食パンは1㎝角に切る。焼き芋は粗つぶしにする。
2)耐熱容器に卵と無調製豆乳、焼き芋を加えよく混ぜ合わせ、食パンを浸す。
3)ふんわりラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱する。
ポイント:さつまいもは甘みがしっかり感じられる焼き芋を使用するのがおすすめです◎市販の焼き芋は加熱する必要がないので、忙しい朝の1品にも向いています。焼き芋はつぶしてから1回分ずつラップに包んで冷凍保存しておくのもよいでしょう。
材料(1人分)
・ごはん 90g
・しらす 小さじ2
・青のり 少々
・しょうゆ 小さじ1/4
・ごま油 少々
作り方
1)ごはんにしらすと青のり、しょうゆを加えてしっかり混ぜ合わせる。
2)ひと口大に成形する。
3)アルミホイルの上にごま油を薄く塗り、2をのせる。
4)トースターで3分焼いたら、裏返してさらに3分加熱する。
ポイント:しらすの塩味と青のりが相性抜群の手づかみレシピ。フライパンは使わずに、トースターだけで簡単に作れます。多めに作って、1回分ずつラップに包んで冷凍保存しておくのもよいでしょう。
材料(1人分)
・サンドイッチ用食パン 2枚
・バナナ 1/2本
(A)
・きなこ 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・水 大さじ1.5
作り方
1)Aを混ぜ合わせておく。バナナは5mm角に切っておく。
2)手のひらでしっかり押して平らにした食パンにAを薄く塗る。
3)バナナを食パンの手前に並べ、手前から奥にかけてくるくる巻いていく。
4)ラップに包んでしっかり型を付けたら、包丁でひと口大に切る。
ポイント:くるくるサンドは、手づかみ食べのメニューの中でも散らかりにくく忙しい朝ごはんのレシピにおすすめです。口の中でパサパサしやすいパンも、きなこペーストやバナナを加えることでしっとり仕上がって食べやすくなります。
活動量が増える離乳食後期以降の赤ちゃんにとって、朝ごはんは重要な役割があります。離乳食で与える朝ごはんは、忙しい朝でも準備しやすく手軽に栄養バランスを整えられるような食材選びを意識しておくとよいでしょう。
また、忙しい朝の時間に食事を作る余裕がない場合は、作り置きや冷凍保存ができるレシピや、時短レシピなどを取り入れてみるのもおすすめです。ぜひこの記事を参考に、朝ごはんの献立を考えてみてくださいね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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