【管理栄養士監修レシピ付】離乳食で牛乳はいつから?進め方やアレルギーついて知ろう

タンパク質やカルシウムが豊富に含まれている牛乳。「離乳食で牛乳はいつから使える?」「離乳食で牛乳をそのまま飲めるのはいつ?」「熱した牛乳はいつから与えてもいい?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この記事では、離乳食で牛乳を与える時期や量、牛乳の進め方や注意点などについてご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが生後7カ月以降の赤ちゃんにおすすめの牛乳レシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!

離乳食で牛乳はいつから飲める?

ほのかな甘みが特徴的で、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれている牛乳。牛乳が飲めるようになるのは、生後7〜8カ月ごろの離乳食中期以降です。

牛乳には普通牛乳や成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳や加工乳、乳飲料などさまざまな種類が存在しています。離乳食の赤ちゃんに与える初めての牛乳は、生乳のみが原料の加熱殺菌された普通牛乳(成分無調整牛乳)から選ぶとよいでしょう。

【月齢別】離乳食で与える牛乳の1回摂取目安量

【月齢別】離乳食で与える牛乳の1回摂取目安量

 

離乳食の赤ちゃんに牛乳を初めて与える際は、加熱したものを少量ずつ与えましょう。赤ちゃんの体調を見ながら徐々に量を増やしていくのがおすすめです。月齢ごとの1回あたりの適量を知って、飲み過ぎないように心がけておきましょう。

離乳食で与える牛乳の1回摂取目安量は中期で55〜70g、後期では90g程度です。完了期になると1回あたり110g程度まで使えるようになります。1歳以降になって牛乳をそのまま飲めるようになれば、1日あたり300〜400gを目安に与えるのもよいでしょう。

※上記の表はタンパク質のうち、1食のうちに使う食材が牛乳だけである場合の目安量です。他のタンパク質と組み合わせる場合は、目安量より減らしてもよいでしょう。

離乳食での牛乳の進め方

手軽に離乳食作りで栄養を補給できる牛乳。牛乳を取り入れると料理のバリエーションが広がるので、離乳食作りがマンネリしている方にもおすすめです。

離乳食で牛乳を使う際は、いくつかのポイントを知っておきましょう。赤ちゃんの月齢に合わせた進め方を理解した上で、離乳食作りの中でぜひ牛乳を取り入れてみてくださいね。

7カ月以降は「料理の材料」として使用可能

牛乳は生後7〜8カ月ごろの中期から与えられる食材です。生後7カ月以降では、料理の材料として加熱した牛乳を与えましょう。

牛乳はおかゆやスープなどにも混ぜ合わせやすいので、離乳食作りにも向いています。

中期では、パンがゆやシチューなどの料理の材料として取り入れるのもよいでしょう。生後1歳以降の完了期では、牛乳寒天やミルクプリンなどのおやつの材料として使うのもおすすめです。

1歳以降は「飲み物」として与えられる

厚生労働省より牛乳を飲み物として与えるのは、1歳を過ぎてからが望ましいとされています。冷たい牛乳をそのまま飲ませる場合は、1歳以降になってから与えましょう。

消化器官が未熟な赤ちゃんは、牛乳をそのまま飲むとお腹が緩くなってしまったり、下痢などの症状を引き起こしてしまったりする恐れがあります。また1歳未満で牛乳を飲みすぎてしまうと母乳やミルク、離乳食の摂取量が減ってしまい、鉄欠乏性貧血の症状を引き起こす可能性もあります。

1歳以降に牛乳を飲み物として摂取できるようになっても、栄養があるからといって飲み過ぎないように気をつけましょう。他の乳製品と組み合わせながら、1日あたり400ml以内になるように調整してコップに入れて与えるのがおすすめです。

離乳食で使う牛乳は電子レンジでの加熱が便利

ホットミルク

 

離乳食で使う牛乳は、少量しか使わないことがほとんどです。1食分を加熱したい場合は、電子レンジを使った加熱方法を取り入れるのもよいでしょう。

<電子レンジでの牛乳の加熱方法>

  1. 牛乳(50ml)を耐熱容器や耐熱カップに移す。
  2. ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで30秒程度加熱する。

長時間加熱したりラップで密閉したりすると、吹きこぼれてしまう恐れがあるので注意が必要です。加熱が足りなかった場合は、数秒ずつ様子を見ながら追加して温めるとよいでしょう。

離乳食で牛乳を与える際の注意点

赤ちゃんの成長に必要な栄養素を手軽に補える牛乳。栄養価の高い牛乳ですが、赤ちゃんの体質や体調によっては、身体に不調を引き起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

今回は離乳食で牛乳を与える際の3つの注意点を紹介します。赤ちゃんに牛乳を与える際のポイントを知って、離乳食で上手に牛乳を取り入れましょう。

牛乳アレルギーに気をつける

牛乳はアレルギー症状を引き起こしやすい特定原材料の食品のうちのひとつです。赤ちゃんに初めて与える場合は、1さじ程度から与えて少しずつ量を増やしていきましょう。

離乳食でヨーグルトやチーズなどの乳製品を食べていたとしても、牛乳アレルギーを発症する可能性はあります。牛乳を飲んだ後にじんましんや喉の痒み、呼吸困難など牛乳アレルギーの症状が現れた場合は、すぐに病院を受診しましょう。

牛乳アレルギーは多くの場合、3〜5歳までに治りやすい特徴があります。専門医に診てもらいながら経過を観察しましょう。

下痢などの症状が現れる可能性も

赤ちゃんの体質や体調によっては、牛乳アレルギーではないのにも関わらず牛乳を飲むと腹痛や下痢などの症状が現れる場合もあります。(乳糖不耐症)

乳糖不耐症は牛乳アレルギーとは違って消化不良によるもので、腹痛や下痢、ガスが溜まるなどの症状が現れる特徴があります。

乳糖不耐症が気になる場合も、病院を受診して医師に診てもらうとよいでしょう。

母乳やミルクの代わりとして使わない

栄養価の高い牛乳ですが、母乳やミルクの代わりとして取り入れるのは避けましょう。

牛乳は、母乳や育児用ミルクに比べて鉄分が少ない特徴があります。また母乳や育児用ミルクよりもカルシウムやタンパク質が多過ぎるため、母乳やミルクの代わりとして多量の牛乳を与えると赤ちゃんの胃腸や腎臓に負担をかけやすくなるので注意が必要です。

1歳未満の赤ちゃんには母乳やミルクの代わりとして牛乳を使うのではなく、離乳食の材料として取り入れましょう。

牛乳の冷凍保存にはホワイトソースがおすすめ

ホワイトソース

 

牛乳は冷凍すると水分と油分が分離してしまい、ザラザラとした食感に変わってしまう性質があります。牛乳を上手に冷凍するためには、ホワイトソースに調理したものを冷凍するとよいでしょう。

ホワイトソースにしてから冷凍保存すると、必要な分をグラタンやシチュー、パスタのソースとしてアレンジもしやすいメリットがあります。

牛乳で作ったホワイトソースを冷凍する際は、製氷皿や冷凍保存容器に1回量ずつ小分けにして、密閉してから冷凍するとよいでしょう。また冷凍したホワイトソースは1週間以内に使い切るように心がけておきましょう。

離乳食におすすめの簡単牛乳レシピ

まろやかなコクが特徴的な牛乳は、離乳食のバリエーションを増やしたい時にも向いています。今回は生後7カ月以降の赤ちゃんにおすすめの牛乳レシピを4つ紹介します。ぜひ参考にしながら離乳食で牛乳を取り入れてみてくださいね。

【中期】レンジで作る!ミルクパン粥

【中期】レンジで作る!ミルクパン粥

 

材料(1回分)

・食パン(8枚切り・耳なし) 1/2枚

・水  70ml

・牛乳 小さじ2

作り方

1)耐熱容器に食パンをちぎりながら入れ、水と牛乳を入れる。

2)ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで1分加熱する。

3)スプーンの裏で軽くつぶしながら混ぜ合わせる。

ポイント:電子レンジで簡単に作れるパン粥レシピです。パンの大きさは赤ちゃんの発達に合わせた大きさにスプーンでつぶしてあげるとよいでしょう。

【後期】鮭と白菜のクリーム煮

【後期】鮭と白菜のクリーム煮

 

材料(1回分)

・鮭の切り身     20g

・白菜(中心の部分) 20g

・牛乳        大さじ1

・だし汁       大さじ1

・米粉        小さじ1/2

・しょうゆ      数滴

作り方

1)白菜と鮭をやわらかくなるまでゆでる。白菜は5mm角に切る。

2)白菜は5mm角に切る。鮭は細かくほぐす。

3)鍋に2と牛乳、だし汁を加えて加熱し、水で溶いた米粉を加えてとろみが出るまで加熱する。

ポイント:パサパサしがちな鮭は、とろとろの白菜と合わせて作るクリーム煮がおすすめです。まろやかな風味で美味しく食べられます。

【完了期】ツナのクリームリゾット

【完了期】ツナのクリームリゾット

 

材料(1回分)

・ごはん      80g

・ツナ缶(水煮)  1/2缶

・ブロッコリー   20g

・水        大さじ2

・牛乳       大さじ2

・コンソメ     少々

作り方

1)ブロッコリーは1cm角程度に切る。

2)鍋に1とごはん、水と牛乳を加えて弱火で10分程度煮る。

3)汁気を切ったツナとコンソメを加えて煮る。

ポイント:忙しい時でも簡単に作れるクリームリゾット。牛乳を加えることでまろやかな味を楽しめます。大人はチーズを加えたりブラックペッパーをトッピングしたりするのもよいでしょう。

【完了期】かぼちゃ牛乳プリン

【完了期】かぼちゃ牛乳プリン

 

材料(耐熱カップ2個分)

・かぼちゃ   100g

・溶き卵    1個

・砂糖     小さじ1

・牛乳     100ml

作り方

1)かぼちゃは皮を削ぎ落とし、やわらかくゆでて滑らかになるまでつぶす。

2)ボウルに溶き卵と砂糖、1を加えてしっかり混ぜ合わせる。

3)牛乳を少量ずつ数回に分けて加え、その都度混ぜ合わせる。

4)耐熱カップに3をこしながら流し入れる

5)カップ1個ずつラップをせずに電子レンジ600Wで1分程度加熱する。

ポイント:なめらかな食感で大人でも美味しく食べられるかぼちゃ牛乳プリン。子どもと一緒に作るおやつにもおすすめです。

まとめ

離乳食では生後7カ月ごろから少量ずつ与えられる牛乳ですが、1歳になるまでの離乳食では、加熱した牛乳を料理の材料として取り入れましょう。

とはいえ牛乳はアレルギー症状が現れやすい食材でもあるので、離乳食で牛乳を使う際には病院が開いている時間帯にたべさせるなど工夫をしてみるのもおすすめです。

この記事で紹介した牛乳の進め方を参考にしながら、ぜひ赤ちゃんの離乳食で牛乳を取り入れてみてくださいね。


ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。


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