妊婦さんのむくみの原因とは?つらいときにすぐに試せる対策でマタニティー期を快適に

妊娠中に多くの女性が悩まされる「むくみ」 正しい知識を持って対処をすれば、心身の負担が軽減されます。 今回は、マタニティー期にむくみが発生する仕組みや主な原因、つらいむくみを軽減するセルフケアや習慣について詳しく解説します。ぜひ、快適なマタニティー期を過ごすための参考にしてください。

​妊婦さんのむくみはなぜ起こる?主な原因とは

妊婦さんのむくみは、妊娠による生理的な現象であることが多く、過度に心配する必要はありません。しかし、むくみが起こる主な原因を理解しておくことで、安心感を持ったマタニティー期を過ごせるでしょう。

ここでは、妊婦さんにむくみが起きる主な原因について解説します。

​妊娠時にむくみが出やすい時期はいつ?

妊娠中にむくみを感じ始める時期は個人差があります。特に妊娠後期は、赤ちゃんの成長に伴って子宮が大きくなり、骨盤周囲の血管が圧迫されることで下半身から心臓への血液が戻りにくくなります。そのため、ふくらはぎや足首に水分が滞りやすくなり、夕方になると足が重く感じられることが増えてくるのです。

ただし、妊娠初期や中期でも、つわりで食生活が偏ったり水分が不足したりすることで、むくみが生じる場合があります。妊娠期は身体の変化に伴ってむくみの出方も変わりやすいため、むくみの出やすい時期やタイミングには幅があることを理解しておきましょう。

​妊娠で変化する血流・ホルモンの増加が影響

マタニティー期は赤ちゃんに十分な栄養と酸素を届けるため、血液量が妊娠前よりも約30〜50%程度増えるといわれています。血液量の増加は体内の水分バランスを変化させ、余分な水分が皮膚の下に留まりやすくなることから、むくみが生じやすくなるのです。

さらに、ホルモンバランスの変動も体内の水分調整に影響します。特に黄体ホルモン(プロゲステロン)は水分を保持しやすく、体がむくみやすい状況をつくりだしてしまいます。

こうした生理的な変化は、赤ちゃんの成長を支えるうえで必要なことであり、不安になる必要はありません。むくみを軽減するケアを取り入れながら、心穏やかに過ごしましょう。

​姿勢や生活習慣がむくみを悪化させる

マタニティー期のむくみは、姿勢や生活習慣も大きく影響します。例えば、長時間の立ち仕事やデスクワークで座り続ける状態が続くことで筋肉の動きが少なくなり、血液の流れが滞ります。そのため、足先に水分が溜まってむくみが生じやすくなるのです。

むくみは慢性化しやすいため、長時間同じ姿勢でいることは避け、散歩なども取り入れて無理のない範囲で体を動かすようにしてください。

さらに、塩分の多い食生活、不規則な睡眠、運動不足などもむくみを悪化させる原因となります。マタニティー期は身体の巡りが変化しやすいため、必要な栄養バランスを整えた食事やストレッチなどを習慣にしましょう。

マタニティー期のつらいむくみを軽減!すぐに試せるセルフケア

マタニティー期のむくみ対策は、効果を発揮しやすい入浴後や就寝前がおすすめです。体が温まった状態でケアを行うと血流が促されやすく、足が軽くなったり、リラックスできたりなどの効果が期待できるでしょう。

ここでは、妊娠期のつらいむくみを軽減するセルフケアをご紹介します。

入浴後・就寝前におすすめのむくみケア

入浴後は血流が最も促進されやすいため、むくみケアを行う絶好の時間帯だといえます。

まず、足首をゆっくり回して足先からふくらはぎにかけて巡りを促しましょう。時計回り・反時計回りに各10回程度を目安に行ってください。さらに、ふくらはぎを手のひらで下から上へさすり上げるのも効果的です。皮下に溜まった水分がスムーズに流れやすくなります。

また、就寝前は一日の疲れが溜まり、むくみが最も出やすい時間帯です。

寝る前に数分間、太もも裏を伸ばすストレッチや、足を壁に預けて軽く上げる「脚上げポーズ」を取り入れると、むくみが和らいで翌朝の足が軽くなるでしょう。布団に入ってからも、足指を開いたり閉じたりする簡単な運動がむくみの改善に役立ちます。

​足ほぐし・骨盤まわりのストレッチで下半身の血流を促進

マタニティー期のむくみ改善には、足ほぐしや骨盤周囲のストレッチを取り入れ、下半身の血流を整えるのがおすすめです。

まずは、足裏ほぐしから始めると下半身の巡りが一気に整いやすくなります。テニスボールや小さめのボールを床に置き、足裏でゆっくり転がすだけでも効果的です。特に、土踏まずの部分をほぐすと血流とリンパの流れがスムーズになり、足の軽さを感じられるでしょう。

また、骨盤まわりのストレッチは、妊娠で前傾しやすい骨盤のバランスを整えるのに役立ちます。例えば、椅子に座って背筋を伸ばし、骨盤を前後にゆっくり動かす「骨盤ロッキング」は安全かつ簡単に行えます。また、横向きに寝て膝をゆっくり左右に倒す動きも、股関節の緊張を和らげて巡りを改善させる方法です。

マタニティー期の体調を維持するうえで、ストレッチはとても有効です。無理のない範囲で続けられるケアを取り入れてください。

​適切な水分補給・塩分コントロールも大事!

マタニティー期のむくみ対策として最も誤解されやすいのが「水分を控えるとむくみが改善する」という考え方です。しかし実際には、体が水分不足を感じると水分を溜め込もうと働くため、逆にむくみが強くなる場合もあります。

そのため、水分補給はこまめに、少量ずつを心がけてください。一度に大量に飲むのではなく、コップ半分程度の水をこまめにとることで、体内の巡りが整いやすくなるでしょう。

また、マタニティー期には塩分コントロールも重要です。

塩分をとりすぎるとナトリウム濃度が上がり、体はそれを薄めようとして水分を溜め込みます。結果としてむくみが悪化しやすい状態になるため、加工食品・インスタント食品・外食の味付けには注意しましょう。

水分と塩分のバランスを整えることは、むくみ予防だけでなく血圧管理にも役立ちます。妊娠中の体を健やかに保つためにも、水分補給や食生活の習慣を見直してみてください。

​妊婦さん必見!むくみ防止に役立つ習慣とは?

マタニティー期のむくみ予防は、ケアと並行しながら生活習慣を整えることを意識してください。体の声に耳を傾けながら、自分に合ったペースで予防を続けていきましょう。

ここでは、朝・昼・夜に意識したい動き方のポイントや環境の整え方について解説します。

朝・昼・夜で意識したい姿勢と動き方のポイント

マタニティー期のむくみを防ぐためには、一日の時間帯ごとに意識すべきポイントを変えると予防効果が高まるでしょう。

朝は寝ている間に滞った血流を整えるため、ゆっくりとした深呼吸や軽いストレッチから始めるのがおすすめです。足首をゆっくり回すだけでも血行が促されるため、1日のむくみ予防に役立ちます。

昼は、活動量が意外と減りやすい時間帯です。長時間の立ち仕事や座っている状態が続くと、むくみが増えやすくなります。可能であれば1時間に一度は姿勢を変える、歩く、つま先立ちをするなど、小さな動きを積極的に取り入れてみてください。

夜は体が冷えやすく、水分を溜め込みやすい時間帯です。ぬるめのお湯で入浴し、全身を温めると巡りが良くなります。また、足を少し高くして休むと体液が心臓に戻りやすく、翌日のむくみ軽減につながるでしょう。

​通勤や家事のスキマ時間を活用したむくみ対策

​マタニティー期のむくみ対策が気になってはいても、時間の確保が難しい場合もあるでしょう。その際は通勤や家事などのスキマ時間を活用するだけでも効果が期待できます。

通勤の際に電車やバスを利用する場合は、足のつま先を上下に動かす「カーフポンプ運動」がおすすめです。ふくらはぎの筋肉が刺激されて血流が促進されます。立っている場合は、かかとを軽く持ち上げて戻す動きをゆっくりと繰り返してみましょう。

また、家事を行いながらむくみ対策を行うことも可能です。例えば、洗い物をするときは片足ずつ軽く前後に揺らして膝の力を抜くと、下半身の緊張が和らぎやすくなります。

また、掃除機をかけている途中で一度ゆっくりと深呼吸をし、肩や骨盤まわりを緩める時間をつくると姿勢が整うため、巡りが良くなるでしょう。

むくみやすい時期は体に優しい環境を整える

妊娠後期など、特にむくみが強く出やすい時期は、体に負担をかけない環境づくりにも意識を向けてください。

室内で過ごす時間が長い妊婦さんにとって、座る環境の調整は欠かせません。

椅子やソファは、深く沈み込むものより、腰が立ちやすい適度な硬さに整えるのがおすすめです。さらに、骨盤が後ろに倒れないよう、背もたれにクッションを置いておくと血流が滞りにくくなります。

また、フットレストや小さな踏み台を置き、膝より少し高い位置に足を乗せられるように整えておきましょう。下半身の巡りが保たれやすくなり、むくみが軽減できます。

さらに、体の冷えもむくみを悪化させるため、室内の温度管理も意識してください。

夏場は冷房の風が直接足元に当たらないよう風向きを調整し、ひざ掛けやレッグウォーマーも準備しておくと安心です。冬場は加湿器を併用し、乾燥による体温低下を防ぐことで巡りが保ちやすくなるでしょう。

マタニティー期のむくみと上手につきあうために

マタニティー期は心も体も揺らぎやすい時期ですが、むくみと上手につきあうコツを知っておくことで、毎日がもっと過ごしやすくなります。自分をいたわりながら、この特別な時間を快適に過ごしましょう。

ここでは、マタニティー期に注意すべきむくみや、安心感につながる意識の持ち方について解説します。

​妊娠期に注意が必要なむくみのサインとは?

妊娠中のむくみの多くは生理的なものですが、中には注意が必要なむくみもあります。

まず気をつけたいのは、むくみが急に強くなった場合です。朝起きたときに手足がパンパンに腫れている、あるいは前日と比べて明らかにサイズが変わるようなむくみは、注意が必要です。また、指で押した跡がなかなか戻らない圧痕性のむくみも医師への相談を検討してください。

日常的なむくみのセルフチェックとしては、毎日同じ時間帯に足首や指の太さを観察する方法があります。むくみの強さや左右差、皮膚の色の変化などを把握しておくと異変に気づきやすいでしょう。

むくみが長引くこと自体は珍しくありませんが、「いつもと違う」「急に強くなった」と感じたときは、早めに医療機関へ相談してください。

​安心につながる「頼る・休む・リラックス」を意識して

妊娠中は体だけでなく、心にも負担がかかりやすい時期です。むくみが出ると不安を感じることもありますが、その際は無理をせず休むことが症状の軽減につながります。

家事や育児がある場合は、できる範囲で家族に任せることも大切です。子どもの送迎や買い物、重い荷物の運搬など、妊娠中の身体に負担のかかる作業は家族やパートナーにお願いしましょう。

また、むくみが強い日は、体が「無理をしないで」と伝えるサインだといえます。短時間でも横になる、椅子に座って足を伸ばす、足を少し高くするなど簡単な休息を心がけることで巡りは整い始めます。家の中に「すぐに休めるスペース」をつくっておくのもおすすめです。

さらに忘れてはならないのが 、リラックスする時間をつくることです。

気持ちが張り詰めると血流も悪くなりやすいため、深呼吸や軽いストレッチ、温かい飲み物などを楽しめるとリラックスできます。音楽や香りの力も活用しましょう。

​続けやすい対策でマタニティー期を快適に

マタニティー期のむくみ対策は、「続けやすさ」を意識することが効果を高めるコツです。 例えば、朝の歯磨き中につま先立ちを数回行う、テレビを見ながら足首を回す、キッチンでの待ち時間にふくらはぎを軽く伸ばす、などの日常動作に紐づけることで無理なく継続できるでしょう。

また、むくみ対策は即効性がある日もあれば、変化がゆっくりと現れる日もあります。自分の体調や気分に応じて「今日はストレッチだけ」「今日は水分補給をがんばる」など、スモールステップを心がけるとストレスが軽減できるでしょう。

マタニティー期は体調の波があり、思うようにできない日があるのは当然です。今日の小さな一歩が明日の快適さにつながると考え、無理のないペースでむくみ対策を行っていきましょう。

まとめ

妊婦さんに起こるむくみは、赤ちゃんの成長を支えるために身体が変化をしている過程でもあります。むくみの仕組みや注意すべきポイントを理解し、対策を行うことは必要ですが、最も大切なことは「自分の身体の声に気づき、寄り添う姿勢」を持つことです。

マタニティー期は心身の状態が大きく変化するため、同じ対策でも効果を感じる日とそうでない日があります。その際はできたことを一つ見つけて少しでも気持ちが軽く感じられたら、それだけでも十分です。

日々のケアを自分のペースで積み重ねて、快適で安心感のあるマタニティライフを過ごしてくださいね。


ライター名: Masayo.M
修士(教育学)
熊本大学大学院教育学研究科 修士課程 修了
保育者として保育園をはじめ、幼稚園や認定こども園において15年以上の勤務経験があります。
子育て世代のママに向けて、笑顔や価値につながる記事執筆を心がけています。


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