2023年09月01日 00:00
身体を温めてリラックスさせてくれるお風呂が大好きだというママは多いものです。でも、妊娠中はお風呂に入ってはいけないと言われることが多いため、「妊娠中は入浴しても大丈夫なの?」と不安になっているママも多いのではないでしょうか?特に、妊娠が分かったばかりの不安定な妊娠初期は気をつけたいポイントがあります。 今回は、妊娠初期に入浴する際に気を付けたいポイントを紹介します。
「お風呂は身体を温めてのんびりできるから好き」という人は多いもの。入浴は、妊娠中の冷えやむくみを予防してくれたり、便秘や肩・腰のコリを解消できたり、妊娠中のマイナートラブル対策に頼もしい存在です。リラックスできるため「ストレス発散になる!」と様々な入浴剤を入れて楽しむこともありますよね。
しかしそんなお風呂には、妊娠中は危険が潜んでいることを知っていますか?とくに、不安定になりがちな妊娠初期には入浴方法やお風呂の環境など注意したいポイントが多くあるため、順番にチェックしていきましょう。
妊娠初期は、身体に負担をかけないよう入浴の仕方に気を付ける必要があります。そこで、入浴時に注意してほしい7つのポイントを解説します。妊娠中でも心地よくお風呂タイムを楽しめるよう、しっかりと意識してくださいね。
妊娠中のお風呂タイムで、最も気を付けなければならないのが転倒です。お風呂の床は濡れており、石鹸などのすすぎ残しで滑りやすくなっています。転んでお腹を打ってしまうと、流産してしまうこともあるため、慎重に歩くようにしましょう。
浴室内をウロウロと歩いていると、転倒のリスクが高まります。歩く距離を短くするため、短時間で入浴を済ませるようにしましょう。洗い場で身体を洗ったあとは、湯船に5〜10分程度浸かって上がるというシンプルな入浴方法がおすすめですよ。
浴槽への出入りは、バランスを崩したり滑ったりする危険があるため、浴槽の縁や手すりを持ってゆっくりと出入りするようにしましょう。とくに、お風呂から出るときにスッと立ち上がると立ちくらみにしやすくなりますので、注意してくださいね。
入浴中にしんどいと感じた場合は、すぐにお風呂から上がって安静にしましょう。
妊娠初期は、つわりに悩まされるという方が多くいるかと思います。
つわりがひどい時も、無理に入浴はしない方が良いでしょう。
ただ、妊娠中は汗や脂も増えて汚れやすいですし、おりもので汚れやすくなります。
そんな時は、湯船には浸からず、シャワーでサッと身体を流したり、タオルで身体を拭いたりするのがおすすめですよ。
妊娠中はホルモンバランスが変化するため汗をかきやすく、水分不足になりがちです。血液中の水分が減るとドロドロになってしまい、血栓ができたり心臓に負担がかかったりと、場合によっては命に関わる状態になる 恐れもあります。入浴の前後は、きちんと水分補給をするようにしましょう。
せっかくお風呂で身体を温めても、入浴後に冷やしては意味がなくなってしまいます。身体は温まると元の体温へ戻そうと熱を放出するため、場合によっては入浴前よりも体温が下がる「湯冷め」が起きることもあります。湯冷めして風邪をひかないよう、お風呂から出たらすぐに温かい服装へ着替えてください。
妊娠初期の入浴をより安全にするためには、環境を整えることも忘れてはいけません。浴室内にものが散らかっていたり、汚れていたりすると、転倒してケガをする恐れがあります。ここではお風呂に入る環境について、チェックしてほしい項目を3つまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
脱衣所や浴室の足元にものを置いていると、つまずきやすくなります。万が一転倒してしまった場合はお腹を打つ可能性があるため、きちんと整理しておきましょう。カビやヌメリが発生していると、滑って転ぶ恐れがあります。お腹の赤ちゃんを守るためにも、体調のよい日にものの整理や風呂掃除を念入りに行ってください。ものを減らすことで、カビやヌメリの予防にもつながりますよ。
お風呂の床だけでなく、浴槽の中も意外と滑りやすいものです。吸盤付きのお風呂マットなど、滑りにくくなる便利グッズを使用すると転倒事故が防げて安心ですよ。
妊娠中も入浴剤は使って大丈夫ですが、次の4つに当てはまるような入浴剤の使用は避けましょう。
浴槽が滑りやすくなってしまい、転倒のリスクが高まるためです。
つわりや気分が悪くなってしまうことがあるためです。
肌が敏感になっている妊娠中は、肌荒れを起こす可能性があるためです。
入浴剤に含まれているアロマの中には、子宮の収縮を促してしまうものもあります。入浴剤によくある香りの一覧は、以下のとおりです。
妊娠中に注意すべきポイントの中で、香りにはなかなか目がいきませんが、香りは薬でも使用されるほど健康に関係していますので、注意してくださいね。
妊娠中に使える入浴剤の選び方は以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
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妊婦でも入浴剤はOK?安心できる商品の選び方から入浴のポイントまで
妊娠初期の入浴では、お風呂の温度や入浴時間も重要なポイントです。お風呂で身体を温めすぎてしまうと、お腹の赤ちゃんに影響が出る可能性もあります。そこで次は、ママの身体やお腹の赤ちゃんにかかる負担を軽減しつつ、お風呂タイムを快適に過ごすために意識してほしい4項目をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
熱いお風呂に入ると子宮が温まりすぎてしまい、収縮する場合があるため気を付けましょう。また妊娠中はのぼせやすく、貧血や立ちくらみの原因にもなります。お湯の温度は37〜40℃程度のぬるま湯にすると、貧血やのぼせを防ぎながら身体をしっかり温められますよ。
妊娠中に長風呂をするのは避けましょう。とくに妊娠初期は長くお風呂に浸かると子宮が温まりすぎてしまい、赤ちゃんの発育に影響をおよぼす可能性があります。妊娠後期では切迫早産のリスクを高めるとされているため、入浴時間には注意が必要です。1回の入浴時間は長くとも10分を目安とし、一度湯船から上がってくださいね。
妊娠中の入浴は、身体を温めすぎずにリラックスできる半身浴がおすすめです。
寒い時期はタオルを使用して、上半身が冷えないようにすると良いですよ。
肩まで浸かると心臓に負担がかかりやすくなるので、なるべくなら避けたいところ。
「どうしても全身浸かりたい」という場合は、体調が良い時に、短時間で上がるようにしましょう。
妊娠中はママの免疫力が低下しやすくなるため、なるべく清潔を保つことが大切です。感染症を防ぐためにも、お風呂のお湯を追い焚きして再利用するのは避けるのが望ましいといえます。お風呂に入るたびに浴槽内をしっかり掃除し、毎回新しいお湯を入れてください。ママの身体がしんどいときは、家族にお風呂掃除を任せるなど対策をしましょう。
妊娠中でもママの体調がよければ、温泉に入ることは可能です。環境省が定める温泉法では、温泉への入浴や飲用が身体に悪影響をおよぼす病気や症状を指す禁忌症のなかに、妊娠中(初期・後期)も含まれていました。しかし温泉への入浴による妊婦・お腹の赤ちゃんへの影響が医学的に証明されていなかったことから、2014年に見直しがされ、現在では妊娠中に温泉に入ることは問題ないとされています。
ただし妊娠初期はつわり・急な出血などの身体の変化が起きやすいため、すぐに病院を受診できるよう温泉旅行などで遠出するのは避けたほうがよいでしょう。
また妊娠後期はおなかが大きくなるため、転倒により注意が必要です。体調がすぐれない場合は、自宅でゆっくり過ごすようにしてくださいね。妊娠中に温泉へ入る場合の注意点は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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妊娠中にサウナに入るのはやめておきましょう。サウナは一般的に室温70〜90℃・湿度10〜15%と高温のため、血管の循環がよくなり、老廃物の排出などの効果が期待できます。しかし汗をかきすぎてしまうと、脱水症状を引き起こす可能性があります。脱水症状を引き起こすと、血液の濃度上昇・血圧の低下といった状態になり、酸素や栄養を赤ちゃんへうまく届けられない恐れもあるため、注意が必要です。
またサウナでのぼせて、気分が悪くなることも考えられます。血液量が増える妊娠中は立ちくらみやめまいが起きやすく、転倒するリスクが高まります。おなかが大きくなると身体のバランスも取りづらくなるため、より転ばないよう気を付けなければなりません。
ママの身体・お腹の赤ちゃんともに負担がかからないよう、サウナは我慢してくださいね。
いかがでしたでしょうか?
妊娠初期に入浴で気を付けるべきポイントについて解説しました。
解説したことは、妊娠初期だけに限らず、妊娠中の間ずっと気を付けておきたいことです。
妊娠初期はお腹も膨らんでいないため気を抜いてしまいがちですが、安全には十分気をつけてお風呂タイムを楽しむようにしてください。
また、万が一入浴中に体調が悪くなったり転倒したりした時のために、家族がいる時間に入浴することも大事です。
パパがなかなかお仕事から帰って来ないこともあるかもしれませんが、いる時を見計らってお風呂に入るようにしましょう。