2021年10月01日 00:00
赤ちゃんが順調に成長しているかの目安として、体重は大切な指標です。もし赤ちゃんの体重が増えていなければ、何が原因なのかパパ・ママとしては心配になりますね。 この記事では離乳食開始前の赤ちゃんを育てているママやパパにむけて、赤ちゃんの体重が増えない原因や対策をお伝えします。また乳幼児の体重増加の目安も記載しているので、赤ちゃんの成長を見守るための参考にしてください。
赤ちゃんの体重が増えない原因として栄養が不足している、消費エネルギーが多い、病気の可能性などが考えられます。
赤ちゃんの体重が順調に増えているのか気になる方は、以下にある体重増加目安の表を参考にしてください。
赤ちゃんの月齢 | 1日の体重増加の目安 |
生後0~3ヶ月 | 25~30g |
生後3~6ヶ月 | 15~20g |
生後6~12ヶ月 | 10~15g |
出典:厚生労働省 乳幼児身体発育評価マニュアル p24表4―1をもとに作成
上記の表より、生後間もない赤ちゃんは体重増加のスピードが速いことが分かります。ですが生後半年頃から体重がぐっと増えてくる赤ちゃんがいるなど、個人差があるので、おおらかに見守りましょう。
体重の増加は毎日同じペースではありませんが、1週間や1ヶ月単位でみても体重が増えない場合、考えられる原因がいくつかあります。
赤ちゃんの体重が増えない原因として母乳やミルクの量が足りていない可能性が考えられます。特に母乳育児の場合は、飲んでいる量が足りているのか分かりにくいですね。
母乳が足りているサインは、以下のとおりです。
産後すぐでママの乳腺が開通しきれていない場合や、疲労で母乳の量が減っている可能性もあります。母乳の量は、赤ちゃんが吸う刺激でママのホルモン分泌が促されることにより、増えていくでしょう。
またミルクで育てている場合、赤ちゃんに必要なミルクの量は、ミルクメーカーが示す標準使用量を目安にしてください。ただし赤ちゃんの機嫌により飲めないことや、飲む量が少ない赤ちゃんもいます。
ミルクが不足している時のサインは以下のとおりです。
赤ちゃんの体重変化や、上記サインの有無をみながら、ミルクの量を調節しましょう。
母乳やミルクの量が足りていても、赤ちゃんが十分に飲めていない可能性があります。乳首から吸って飲み込む動作ははじめてなので、慣れるまで時間がかかる赤ちゃんもいます。
たとえば授乳時の姿勢や乳首のくわえさせ方により、十分に吸えていないことがあります。また必要な量を飲む前に、途中で寝てしまう赤ちゃんもいます。
体重が少な目で生まれた赤ちゃんは、ほほの筋肉が少ないため母乳やミルクを吸う力が弱いことがあります。心配な場合は助産師などに相談してみてください。
赤ちゃんが活発に動き消費エネルギーが多い場合、体重が増えにくいことがあります。赤ちゃんが以下のような様子であれば、問題はないでしょう。
活発な赤ちゃんとは、手足をよく動かす、力いっぱい泣く、寝返りを繰り返すなどよく動く赤ちゃんのことです。
赤ちゃんの体重が増えない原因として、病気の可能性も考えられます。たとえば風邪をひいて鼻づまりがある場合。授乳時は鼻から息を吸うので、鼻づまりがあるとうまく飲めないことがあります。
過敏になる必要はありませんが、活気がない、吐き戻しが多い、吐く量が増えるなど気になる症状があるときは、かかりつけ医に相談してください。
赤ちゃんの体重が増えないときの対策として、授乳姿勢や授乳リズムを見直すことが大切です。また母乳が不足している場合は、ミルクを足す方法があります。
とはいえ原因がよく分からないときもあるでしょう。心配なときは1人で悩まず、医師や助産師に相談してください。
母乳育児をしている方は、まず授乳姿勢を見直してみましょう。姿勢が悪いと、赤ちゃんが吸いにくいだけでなく、ママの乳頭に傷ができる、痛みを感じる可能性があります。
正しい授乳姿勢のポイントは以下のとおりです。
抱き方を変える、クッションで高さを調節するなど試してみるといいでしょう。赤ちゃんもママも楽に授乳できる姿勢を探してください。
次に授乳リズムや回数を見直しましょう。授乳リズムは新生児期で1~2時間ごと、生後3~4ヶ月で3~4時間ごとが目安です。
生後3ヶ月頃になると、母乳やミルクを飲むのが上手になってきますが、もし授乳回数が多い割に哺乳量が少ない場合は、授乳間隔をあけていくのがおすすめです。授乳間隔があくと1回の授乳でたくさんの量を飲めるようになり、リズムが整いやすくなります。
よく寝る赤ちゃんの場合、授乳回数が少なくなり体重が増えないことがあります。赤ちゃんを起こして、授乳回数を増やす方法があります。
母乳が不足して体重が増えない場合は、母乳を飲ませたあと、ミルクを追加するのもいいでしょう。
左右のおっぱいを飲ませたあと、まだ欲しそうな様子や泣いている場合、30~40mlを目安にミルクを足します。授乳後の赤ちゃんの様子や、体重が増えてくるか経過をみてください。
ミルクは母乳よりもタンパク質の量が多く、消化吸収に時間がかかるため、腹持ちがいいと言われています。母乳育児を目指す場合はミルクを足し過ぎて母乳を飲む量が減らないよう、ミルクの量を調節しましょう。
赤ちゃんの体重が増えずに心配なときは、医療の専門職に相談しましょう。生後1ヶ月健診の時や、かかりつけ医を受診したときに、医師や助産師に相談するといいでしょう。
また生後3~4ヶ月健診など自治体が行う乳幼児健診では、保健師に発育の相談ができます。1人で悩まず、体重や育児の悩みを話してください。
赤ちゃんの体重の平均値は、厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると以下の表のとおりです。今後の体重増加の目安として参考にしてください。
【乳幼児の平均体重※】
月齢 | 男の子 | 女の子 |
出生時 | 2.98kg | 2.91kg |
生後30日 | 4.13kg | 3.89kg |
生後1~2ヶ月未満 | 4.78kg | 4.46kg |
生後2~3ヶ月未満 | 5.83kg | 5.42kg |
生後3~4ヶ月未満 | 6.63kg | 6.16kg |
生後4~5ヶ月未満 | 7.22kg | 6.73kg |
生後5~6ヶ月未満 | 7.67kg | 7.17kg |
生後6~7ヶ月未満 | 8.01kg | 7.52kg |
生後7~8ヶ月未満 | 8.30kg | 7.79kg |
生後8~9ヶ月未満 | 8.53kg | 8.01kg |
生後9~10ヶ月未満 | 8.73kg | 8.20kg |
生後10~11ヶ月未満 | 8.91kg | 8.37kg |
生後11~12ヶ月未満 | 9.09kg | 8.54kg |
出典:厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査の概況について 調査結果の概要 p2表1、p5表3をもとに作成
生後3ヶ月で出生時体重の約2倍、生後12か月で約3倍に増える赤ちゃんが多いことが分かります。
赤ちゃんの体重の増え方をチェックする方法は、母子健康手帳の「乳児身体発育曲線」に体重を記入することです。成長曲線の帯の中には94%の子どもの値が入ります。
1回の測定値で判断するのではなく、今までの推移をみることが大切です。線でつなげてグラフ化すると分かりやすいでしょう。成長曲線から外れるとき、体重が増えなくなったときは医師や保健師に相談しましょう。
ちなみに筆者の子どもの場合、生後8か月頃より体重が増えなくなり、1歳にかけて体重は減りました。活動量が増えた時期だったので様子をみていたところ、1歳2カ月頃より体重が戻りはじめるという経験をしました。
赤ちゃんの体重の測り方は主に3つあります。
ベビースケールを購入すると、日々の細かい体重変化が分かり役立ちます。ただし使用できる期間が短いためレンタルする方もいます。またデパートやショッピングモールなどの授乳室にあるベビースケールを使用するもの便利ですね。
大まかな体重でよければ、大人が赤ちゃんを抱っこして重さを測り、あとで大人の体重を引く方法があります。
体重測定時のポイントは、なるべく同じ時間に測ることです。母乳やミルクを飲む前、排泄のあとに測るといいでしょう。
この記事では、赤ちゃんの体重が増えない理由や対策、乳幼児の体重増加の目安をお伝えしました。
授乳や泣かしつけなど赤ちゃんのお世話で忙しいと思いますが、1ヶ月に1回は母子手帳の成長曲線に体重を記入しましょう。赤ちゃんが順調に成長していることを確認するため、今後も体重変化の経過を見守ってください。
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