2022年04月01日 00:00
畑の肉ともいわれている大豆を炒って砕き、粉状にした栄養豊富なきな粉は離乳食期でおすすめの食材です。いざ使ってみようと思っても「いつから与えてもいいの?」「1回で与える量はどのくらい?」「加熱は必要?」など気になりますよね。今回は、きな粉を与えられる時期や量、市販のきな粉の選び方、離乳食での使い方やおすすめのレシピを紹介します。
離乳食でのきな粉は生後5〜6カ月の初期から使えます。下ゆでなどの下ごしらえが必要ないので、離乳食の準備が忙しい時やたんぱく質の食材を用意できなかった時にさっと使えて便利です。また、大豆を挽いて製造されているため、煮大豆よりも消化吸収がよく赤ちゃんに向いています。豆腐に慣れた頃に与えるとよいでしょう。
赤ちゃんの身体を作るたんぱく質、骨の成長や神経の働きを調整するために必要なカルシウム、腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富です。また、赤血球を作る鉄分も多く含まれています。
生後10カ月になると、おなかの中にいた頃にママからもらった貯蔵鉄がなくなってくるため貧血になりやすくなります。きな粉は多量に摂るような食材ではありませんが、日頃からこまめに離乳食で取り入れるようにすると鉄分も補給できていいですね。
きな粉にはスタンダードな黄大豆から作られたものとは別に、青大豆から作られた青きな粉や黒豆から作られた黒豆きな粉があります。どれも大豆を炒って砕き、粉状にしたものですが、離乳食ではどの種類を使っても問題はありません。
ただし、青きな粉には着色料が入っている場合もあるので購入する際は無添加のものを選ぶようにしましょう。
初めて与える際は、多くても離乳食用スプーン1杯分程度からにして徐々に増やすようにしましょう。目安としては、1食当たり最大でも大さじ1程度にするとよいでしょう。
多く使いすぎると口の中でモサモサしてしまい飲み込みにくくなります。きな粉自体の量を多く使用するのではなく、肉や魚、他の大豆製品などのたんぱく質と組み合わせて摂るのがおすすめです。
きな粉は大豆の種類によって色が違います。また、砂糖が添加されていたり、着色料が使われている商品も販売されていたりさまざまです。スーパーや通販などで購入する際には、離乳食で使いやすい商品を選ぶといいですね。選ぶ時のポイントを紹介するので参考にしてみてください。
きな粉には、砂糖や香料、着色料が入っている商品もあります。離乳食で使う際は無添加のものを選びましょう。原材料表示に「大豆」のみであればOK。完了期に入り少量の砂糖を混ぜて使いたい場合は、無添加のきな粉に自分で甘すぎないよう調整しながら砂糖を混ぜて作るといいですね。
1袋100g程度で販売されていることが多いきな粉ですが、開封してしまうと風味や味が落ちやすくなります。普段から大人がよく使う場合であれば問題ありませんが、離乳食で使う程度であれば、なかなか使い切れません。きな粉を選ぶ時は小分けパックになっているものを選ぶとよいでしょう。
栄養が豊富なきな粉は離乳食に積極的に取り入れたい食材ですね。いつもの離乳食に少量を加えるだけでも風味が変わり美味しくなります。いざ離乳食できな粉を使う際にママたちが疑問に思う加熱の必要性や使い方、きな粉のアレルギーについて説明していきます。
製造時、既に高温で焙煎されているきな粉は開封後そのまま使えます。離乳食で使う食材は加熱が必要なものがほとんどですが、きな粉のように下ごしらえが必要ない食材をストックしておくと忙しい時の離乳食準備に便利です。
きな粉は粉状で水分が少ないため、多量に使うと赤ちゃんが飲み込みにくくなります。使う際は風味付け程度にしましょう。また、上からふりかるだけだと赤ちゃんが飲み込む際にむせてしまい、誤嚥につながる可能性もあるため他の食材と混ぜてから与えるとよいでしょう。
完了期に近づくにつれて、水分が少ない状態でも食べられるようになってきますが、食材の上から振りかける場合は少量のきな粉を使うようにしましょう。
きな粉の原料である大豆は、消費者庁が発表している特にアレルギー症状が出やすい食品の28品目に含まれています。初めてきな粉を与える時間は平日の午前中に1さじから与え、もしアレルギー症状が出てもすぐに対応できるようにしておきましょう。
加熱の必要がなく簡単に使えるきな粉は、和えたりふりかけたりすることでメニューに変化をつけられます。上からふりかけるものは、赤ちゃんが飲み込む時にむせないよう混ぜながら食べさせてあげましょう。今回は栄養が豊富なきな粉を使ったおすすめのレシピを紹介します。
【初期】さつまいもときなこのとろとろ
材料(1回分)
・さつまいも 10g
・きな粉 小さじ1/2
・湯冷し 小さじ2
作り方
ポイント:甘みのあるさつまいもと香ばしいきな粉の相性は抜群。とろとろのペースト状にならない場合は湯冷しで調節してください。
【中期】きなことバナナのヨーグルトサラダ
材料(1回分)
・バナナ 1/4本
・きな粉 小さじ1
・ヨーグルト(無糖) 大さじ1
作り方
ポイント:離乳食でヨーグルトを使う際は無糖のものを使用しましょう。バナナの甘みで食べやすくなります。全て加熱の必要がなく食べられる食材なので簡単です。
【後期】レンジで簡単きな粉蒸しパン
材料(2個分)
・薄力粉 50g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・きな粉 大さじ2
・砂糖 小さじ1
・牛乳 80cc
作り方
ポイント:電子レンジで作れる簡単なレシピ。牛乳は育児用ミルクや、豆乳で代用しても美味しく出来上がります。加熱後竹串などで生地を刺してみて中に火が通っていないようであれば1〜2分再加熱してみてください。
【完了期】きなこフレンチトースト
材料(1回分)
・食パン8枚切り 1枚
・卵 1個
・牛乳 大さじ1
・きな粉 小さじ1
・バター 少々
作り方
ポイント:スティック状に切ることで手づかみして食べられます。食パンの耳は硬く、赤ちゃんは食べにくいため耳を残したまま作る時はコロコロのひと口大にしてあげるとよいでしょう。
赤ちゃんの成長に必要な栄養がたくさん含まれているきな粉。私自身も娘の離乳食作りでは加熱しなくていいきな粉ヨーグルトや、レンジで作れるきな粉蒸しパンなどよく作りました。普段の離乳食にさっと和えるだけで、簡単にたんぱく質が摂れるので日頃からストックしておくといいですね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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