【保育士監修】赤ちゃんの歯固めはいつからいつまで使う?おしゃぶりとの違いや安全な使い方

赤ちゃん用品売り場でよく見かける歯固め。かわいいものも多くてつい気になってしまいますよね。しかし、この赤ちゃんの歯固めは一見すればただのおもちゃに見えるかもしれません。ママの中には、「本当に必要なの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか? しかし、歯固めは赤ちゃんのお口の健康を守るためには必須と言ってもよいアイテムです。今回はそんな歯固めの役割や使い方、いつまで使うのかなどをまとめてみました。

赤ちゃんの歯固めって?

赤ちゃんの歯固めは、丸みがあったり動物や植物のモチーフだったりとかわいいデザインのものが豊富です。棒状のものやとがっていたり誤飲してしまったりするようなものはほとんどありませんので、赤ちゃん与えても安全なベビー用品です。

そんな赤ちゃんの歯固めは、おしゃぶりと違い、何度噛んでも壊れない丈夫な造りをしています。ひと昔前までは、本当に『赤ちゃんが噛むだけ』というものも多かったですが、最近では音が鳴るおもちゃのガラガラ(ラトル)として使えるものや、水が入っていて冷蔵庫で冷やして触感が変わるのを楽しむものなど、赤ちゃんの好奇心をくすぐってくれる歯固めがたくさんあります。

また、カラフルで赤ちゃんが大好きなデザインのものも多いので、ママもつい迷ってしまうほど楽しんで選べますよ。

今回はそんな歯固めについて、役割や使用する期間、使い方についてお話したいと思います!

歯固めにはどんな役割がある?

赤ちゃんの歯固めには、大きく次の3つの役割があります。
・歯が生える時のムズムズの解消
・乳歯の成長を促す
・カミカミのトレーニング

歯が生える頃は、ムズムズとかゆみや痛みを感じることがあります。赤ちゃんはそんな感覚が気になって仕方がなく、泣いて訴える子もいれば指しゃぶりや周りにあるタオルやおもちゃを噛むということも多いです。歯ぐきに不快感がある時期は「歯ぐずり」と呼ばれ、ムズムズ感が原因で授乳時に乳首を噛んでしまう赤ちゃんもいます。そんな歯のムズムズは、固いものを噛むことで解消できます。

また、歯固めは赤ちゃんの歯茎をマッサージすることもでき、乳歯の成長をサポートする役割もあるとされています。固いものを噛むことであごの力もつき、歯並びにもよい影響が与えられるといわれています。

また、今まで『吸う』ことで栄養を補給してきた赤ちゃんに『噛む』トレーニングをさせるのも、歯固めの役割です。上手に噛めるようになるには、お口の周りの筋肉や舌、唇などへの刺激が必要になります。カミカミのトレーニングは離乳食を進めていくためには欠かせませんので、ぜひ挑戦してみてください。

歯固めを使うのはいつからいつまで?

歯固めの使用に適している時期は、6ヶ月~11ヶ月の約6ヶ月間です。とはいえ、赤ちゃんによって個人差がありますので、もっと早く使い始める子もいれば、大きくなっても使う子もいます。月齢だけではなく赤ちゃんの発達や姿も判断の目安にしてみてください。ここからは、歯固めを使う時期についてさらに詳しく解説します。

■歯固めを使いはじめるのはいつから?

先輩ママにいつから歯固めを使い始めたかを聞くと、「歯が生え始めてから」というママが大半です。一般的には、歯固めを使うのに最適なタイミングは「歯の生え始め」です。

歯が生えるタイミングは赤ちゃんによってまちまちですが、生後6ヶ月~9ヶ月くらいから生え始めます。子どもによっては歯が生え始める時期が早い子もいますので、成長に合わせて使い始めてくださいね。歯固めの種類によっては、生後3ヶ月頃から使用できるものもあります。下の前歯にうっすらと白いものが見え始めたら、そろそろ歯が生える頃。歯茎が膨らんで硬くなってきますので歯固めを与えてあげましょう。

ただし、赤ちゃんによっては歯茎だけの状態でもむずがゆくなって機嫌が悪くなってしまったり、噛み癖がついてしまっていたりする子もいます。歯が見えない状態でも、中では歯が成長して歯ぐずりが始めっているのかもしれません。そんなときには早めに使い始めてもOKです。赤ちゃんの歯が生え始める際に、みられる行動を下記にまとめましたので、参考にしてみてくださいね。

【赤ちゃんの歯が生え始めるサイン】

・ぐずることが増えた

・夜泣きが増えた

・よだれの量が増えた

・口に手を入れることが増えた

・衣服やタオル、おもちゃを噛むことが増えた

・歯茎が膨らんだり腫れたりしている

■歯固めはいつまで使う?

歯固めは、歯がある程度生え揃ってくると使わなくなります。個人差はありますが、タイミングとしては9ヶ月~11ヶ月くらいで、歯ぐずりが落ち着いてきます。

この頃になると離乳食後期に入り、赤ちゃんは普段の食事でちょっとだけ歯ごたえがあるものを食べ始めます。そうなると、歯固めに頼らなくても大丈夫。赤ちゃんが歯固めに飽きてしまったり自分から自然にやめてしまったりという子も少なくありません。
もしやめない場合には、1歳を過ぎても使ってOK。赤ちゃんは、おもちゃの一つとして歯固めに愛着を持っている可能性があります。無理にやめさせず、赤ちゃんが欲しがらなくなるまで持たせてあげましょう。たくさんカミカミのトレーニングができているという、前向きな気持ちで見守ってあげてくださいね。

歯固めの使い方

歯固めの使い方は、基本的に変わったことはなく、『お出かけや普段に赤ちゃんに持たせておく』だけです。

そうすると、赤ちゃんが興味の赴くままにお口に入れてカミカミしてくれます。

また、授乳後に渡してカミカミしてもらうだけで、よだれもたくさん出て歯磨きをしているのと同じような効果が期待できますよ。

ぐずったときに歯固めをカミカミさせて落ち着かせたり、そのまま寝かしつけたりする使い方もあります。

歯固めのお手入れ方法

歯固めは赤ちゃんの口に直接入れるものですので、使用後はお手入れをして清潔を保つことが重要です。お手入れ方法は、素材により異なりますが下記のような方法があります。

【歯固めのお手入れ方法】

・水洗い

・水拭き

・煮沸消毒

・専用の薬剤消毒

・中性洗剤で洗う

歯固めの中には電子レンジで煮沸消毒できたり、食洗器で洗えたりと比較的手軽に手入れできるものもあります。お手入れしやすい歯固めならば清潔を保ちやすく、赤ちゃんに安心して持たせてあげることができます。

素材によっては、水洗いができません。たとえば、木製の歯固めは湿気に弱いため、「乾いた布で拭く」「固く絞った濡れタオルで拭いてよく乾かす」などのお手入れを推奨しています。

歯固めのデメリット

赤ちゃんが歯固めを長時間使っていると、「悪い影響はないのかな?」と不安になりますよね。一般的には、歯固めは長く使用しても発達に影響ないといわれています。ただし、使い方によっては、下記のようなデメリットにつながることもあります。

【歯固めのデメリット】

・使い方によっては誤飲や窒息の恐れがある

・振り回したり、口に入れたまま転倒したりして怪我につながる可能性がある

・手入れが大変なものは、清潔を保ち続けることが難しい

・赤ちゃんの体質によっては、素材が合わずアレルギー反応を起こす可能性がある

赤ちゃんが使うものですので安全な作りになっているものが多いですが、取り扱いには十分気を付けてくださいね。特に、赤ちゃんが使い慣れていないときは、安全に正しく使用できるかよく見守ってあげましょう。

また、よい効果がある歯固めですが、すべての赤ちゃんが使うものではありません。赤ちゃんの中には歯ぐずりを感じていても、初めて見る歯固めを嫌がることがあります。歯固めを使用しなかったとしても、赤ちゃんに悪い影響はありませんので安心してください。興味を示さないときは無理強いする必要はありませんが、いざというときに使えるよう準備しておくとよいですね。

歯固めと似ていますが、おしゃぶりはある程度大きくなったら徐々にやめさせてあげましょう。おしゃぶりは赤ちゃんの気持ちを落ち着かる一方で、歯のかみ合わせに悪い影響を与えるケースがあるからです。両方とも口に入れるものですが、「歯固めは噛むもの」であり、「おしゃぶりは吸うもの」です。役割や目的が違う点は覚えておきましょう。

歯固めを選ぶポイントは?

赤ちゃんの歯固めを選ぶポイントは、
・安全なものか
・握りやすく使いやすいか
・飽きない工夫があるか
などが大事になってきます。

歯固めは赤ちゃんのお口の中に入れるものですので、塗装がはげやすかったり有害物質を使っていたりする商品は避けたいところです。天然素材の木製や食物のお米からできたものなど、素材にこだわるとよいでしょう。ナチュラルなものを取り入れたい方におすすめです。

熱に強いシリコン製は煮沸消毒ができるものが多く、丁寧なお手入れができるのが特長です。簡単に拭けたり水洗いできたりする素材であれば、汚れに気づいたときにすぐ清潔を保てます。歯固めの中には、お手入れ後に乾かしやすいよう、立てて保管できる形状になっているものもありますよ。素材の安全性と一緒に、お手入れしやすさも考慮して選んでみてくださいね。

また、誤飲の危険性がないサイズか、口や皮膚を傷つけない形状や素材ではないか確認しましょう。細かいパーツが使われているものや、割れやすい素材の歯固めは事故につながる可能性があります。

歯固めは赤ちゃんが握りやすかったり使いやすかったりするものを選ぶと、外出中に落としてしまう可能性を減らせます。ストラップがついているものや、クリップやフックで衣服やベビーカーに取りつけられる歯固めもおすすめです。

最近の歯固めには、冒頭でお話したような赤ちゃんの知育になるようなものも多く、赤ちゃんが飽きにくい工夫をしているものもたくさんあります。音が鳴るものや冷やせるもの、複数の感触が楽しめるものなど、赤ちゃんの五感を刺激してくれます。おもちゃとして遊べるような仕掛けがある歯固めは、1歳を過ぎても長く遊べますよ。

赤ちゃんの歯固めの選び方や具体的な商品については、歯固めで赤ちゃんの噛む力をトレーニング。人気アイテム5選でご紹介しています。併せてチェックしてみてくださいね。


ライター名:神戸 のどか
保育士として保育園で5年半勤務し、0歳~6歳の子どもたちと関わってきました。現在は、ライターとして主にママ・パパや保育士向けの記事を執筆しています。


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