【保育士監修】保育園に行きたくない時はどんなとき?登園渋りの原因と対処法

保育園の新年度が始まると、子どもが保育園に通いたがらなくなることがあります。その様子を見ると、ママやパパは心配になってしまいますよね。しかし、「大丈夫かな」と不安に思う反面、朝の出勤時間が迫ってくると焦ってしまうこともあるかもしれません。 子どもが毎日いつもにこやかに保育園へ向かうためには、登園渋りの原因を明らかにして適切な対応をすることが大切です。この記事では登園渋りの原因と対処法についてご紹介します。子育ての悩みを減らせることで、安心して保育園に通わせることができるでしょう。登園渋りについて知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

これって「登園渋り」?4つの具体的な行動

 

登園渋りとは、子どもが保育園に登園したがらず拒否することを指します。登園渋りの具体的な行動は、以下の通りです。

・「保育園に行きたくない」「保育園いやだ」と言い、登園を拒む

・朝起きることや準備することを嫌がる

・家を出ても引き返そうとする

・保育園に行こうとすると泣く

 

子どもが登園を嫌がる登園渋りは、保育園に入園したばかりの頃や、進級して環境が変わったタイミングで起こる傾向があります。また、長期の休み明けの後にも見られることがあります。

 

保育園に行きたくない6つの原因

 

子どもが保育園に通いたがらない理由や原因は、必ずしもはっきりと分かるわけではありません。しかし、子どもが「保育園に行きたくない」と言い出した場合、耳を傾けその原因を知ろうとすることが大切です。以下では、保育園に通いたがらない原因を6つご紹介します。

 

ママやパパと離れることが寂しいから

子どもにとって大好きなママやパパと、離れることは寂しいことです。特に、お休みの日にお家で楽しい時間を過ごした翌日の登園日は、ますます寂しさを感じるかもしれません。しかし、それは決して悪いことではありません。むしろ、子どもにとって家が安心できる場所であるということを示している証拠です。

登園時は、ママやパパと離れることによって寂しさを感じるかもしれませんが、保育園で楽しい時間を過ごしていることもあるでしょう。また、これから好きな友だちや遊びが増えていくことで保育園が楽しくなるかもしれません。ママやパパは、子どもとたくさんスキンシップをとり、子どもの気持ちを満たしてあげてくださいね。

 

体調が優れないから

子どもは体調不良であっても、上手に言葉で表現できないことがあります。そのため、「保育園に行きたくない」という言葉で体調不良を訴えることもあるでしょう。いつもは楽しく通園している子どもが登園渋りをする時は、熱や便通、食欲、中耳炎など、体調に違和感があるかどうか確認することをおすすめします。

もしも、体調で気になる点がある場合は休ませる、もしくは保育士に様子を伝えておくと安心です。また、登園できたとしても保育園から、「発熱したのでお迎えに来てほしい」という電話があるかもしれません。そのため、子どもの体調が崩れた時のことを想定して、病院に直接行けるよう保険証を持ち歩くなどの準備をしておきましょう。

 

保育園に不安や苦手なことがあるから

大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大きな問題を感じていることがあります。たとえば、保育園で次のようなことを不安に感じているかもしれません。

  • 眠れないためお昼寝の時間が苦手
  • プールで顔に水がかかることが不安
  • 苦手な食べ物があり給食の時間が苦痛 など

 

特に、新しいクラスになる進級時は、生活に変化があるため不安やストレスを抱えやすくなります。また、運動会や発表会など行事前には、緊張や不安を感じることもあるでしょう。さらに、何か生活に大きな変化がなかったとしても、繊細な子どもは日常の音や匂いなどに悩んでいるかもしれません。子どもにとって、感じ方はさまざまですので、寄り添ってあげることが大切です。

 

また、3歳頃は友だちとの関わりが増えてくる時期です。子どもの中には、嫌な気持ちを上手く言葉にできない子や、我慢してしまう子もいます。そのため、「トラブルに悩んでいないかな?」「上手く関われているかな?」と、気にかけるとよいでしょう。

 

イヤイヤ期だから

2歳前後の子どもはイヤイヤ期を迎えている可能性があります。イヤイヤ期は、自我が芽生えて自分の意思を持ち始める成長過程です。「自分でやりたい」と感じることが増える一方で、思うようにできないことや話せないことから「いや」と自己主張することが多くなります。

イヤイヤ期の場合は、子どもが言葉で上手く表現できない感情を代弁するために、「○○だったのね」と話しかけてあげることが重要です。また、時には気持ちを上手く切り替えたり気分を変えてあげたりするような関わりも必要になります。

 

妹や弟が生まれたから

下の子が生まれた時は、上の子が赤ちゃん返りをすることがよくあります。この時期は、ママやパパに甘えたい気持ちが強く、保育園に行きたがらないこともあるでしょう。もしかすると上の子は、「赤ちゃんが家にいるのにどうして僕は保育園に行くの?」と疑問に感じているかもしれません。

上の子が安心して過ごせるようにするためにも、気持ちを受け止めたりスキンシップをとったりするとよいでしょう。また、上の子の成長を喜び、お手伝いをしてくれた時は、「助かったよ」「ありがとう」など感謝を伝えることも大切です。

 

生活リズムが乱れているから

5歳くらいになるとつい夜更かしをしてしまい、生活リズムが崩れることがあります。しかし、不規則な生活になると、日中眠くなってしまい保育園で疲れやすくなってしまうこともあるでしょう。また、朝起きることが辛くなり不機嫌になりやすくなります。子どもに必要な睡眠時間が確保できるように、生活リズムを見直すことが大切です。

 

子どもが保育園に行きたくない時の対処法5選

 

保育園に行きたくないという子どもに対して、どのように対処すればよいか悩んでしまうママやパパも多いでしょう。以下では、登園渋りをする子どもの対処法を5つご紹介します。子どもによって適切な対処法が異なりますので、合いそうなものから一つずつ試してみてくださいね。

 

「わかるよ」と子どもの気持ちに共感する

まずは、子どもの気持ちに寄り添い、「そうだよね」「ママも分かるよ」と共感してあげましょう。子どもは自分の気持ちを聞いてもらえることで、安心感や満足感を得ることができます。子どもの気持ちを否定せず、話を聞いてあげることを意識してみてくださいね。

 

1日の流れに見通しを持てるようにする

子どもは見通しが持てないことで、不安に感じることがあります。子どもの中には、「ママは迎えに来るのかな?」「いつ迎えに来てくれるのかな?」と疑問が頭をよぎる子もいるかもしれません。子どもには、理解しやすいように簡単なスケジュールを伝えてあげましょう。

たとえば、「午前中は遊んで、給食を食べて、お昼寝をして、おやつを食べたらママがお迎えに行くからね」と繰り返し伝えることで、少しずつ1日の見通しが持てるようになり安心できるようになるでしょう。

 

保育士に相談する

保育園に行きたくない理由が分からない場合は、保育士に相談してみることをおすすめします。保育士は子どもたちとたくさん接しているため、子どもの言動や様子をよく観察しています。もしかしたら、「前日に友だちとケンカしていた」「○○が嫌だったのかも」と原因を教えてくれるかもしれません。また、子どもに合った対応方法を提案してくれることもあるため、一度聞いてみるとよいでしょう。

 

保育園を休ませる

子どもが疲れている時や元気がない時は、休ませることも1つの選択肢です。大人が疲れた時に休むことが大切なように、子どもも同じように疲れた時には休息が必要です。1日休むことで、心も身体も回復させることができます。休む際は、「明日は保育園に行こうね」という約束して、メリハリを持てるようにするとよいでしょう。

 

保育園が楽しみになるような声掛けをする

登園渋りが見られる時は、子どもが前向きな気持ちで保育園に行けるような声かけをしましょう。「家で描いた絵を先生に見てもらおうか」「今日はブロックで何作る?」など保育園に行きたくなるような話題を持ちかけることがおすすめです。

また、「登園中にママとしりとりをしようか」「電車を見てから保育園に行こう」といった登園中に楽しい時間を見つけてあげることも効果的です。子どもを保育園に送り出す時は、笑顔で「お仕事に行ってくるね」と声をかけ、子どもが不安な気持ちにならないように気を配ってあげましょう。

 

パパやママが避けるべき行動

子どもとの関わり方において、パパやママが避けた方がよいことは下記の3つです。

 

  • 子どもに理由を聞かず「行きなさい」と怒る
  • 「これから買い物に行くよ」と嘘をついて保育園に連れていく
  • 「保育園に行かないとお兄さんになれないよ」「鬼が来るかもよ」と不安や恐怖を煽る

 

ママやパパに気持ちの余裕がなくなってしまうと、子どもに強く当たってしまうことがあるかもしれません。しかし、子どもに嫌な思いをさせてしまうことは逆効果です。安心して保育園に通えるようになるためにも、関わり方には気をつけてみてくださいね。

 

まとめ

子どもが保育園に通いたがらないと、「どうしたのかな……」と心配になってしまいますよね。いつまで登園渋りが続くのか分からないと、毎朝辛い気持ちになってしまうでしょう。しかし、子どもにどんな対応をすべきなのか分からず悩んでしまうママやパパも多いはずです。

子どもに登園渋りが見られた時は、まず子どもの気持ちを理解し共感してあげることが大切です。そのうえで、一緒に原因を考え、適切な解決策を見つけていきましょう。子どもによって合う対処法が異なるため、焦らず1つずつ試していくことが重要です。その過程で、子どもとの信頼関係も深まっていくことでしょう。子どもの登園渋りに悩んでいるママやパパやぜひ参考にしてみてくださいね。


ライター名:神戸 のどか
保育士として保育園で5年半勤務し、0歳~6歳の子どもたちと関わってきました。現在は、ライターとして主にママ・パパや保育士向けの記事を執筆しています。


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