【FP記事】【計算例あり】出産手当金&育休手当の支給日はいつ?支給日と金額計算方法、申請の流れを解説!

「出産手当金」と「育児休業給付金」(育児手当)は、共働き家庭の産休生活を支える重要な制度です。産休中はママの収入が途絶えるため、手当金の支給を心待ちにしている家庭は多いと思います。 今回は、出産手当金と育児休業給付金の支給条件などの概要から、金額の計算方法やシミュレーション、手続き方法を解説します。

そもそも、出産するともらえる手当は何があるの?

最近は共働きでママも会社員として働いている方が多いと思います。そんな働くママが出産した場合、どんな手当があるのでしょうか?

①出産一時金:出産したことで支給されるお金

②出産手当金:(産前・産後の)産休を対象に支給されるお金

③育児休業給付金:育休中に支給されるお金

上記の3つの給付があります。①出産一時金は一児につき42万円が支給される制度で出産したママなら原則は誰でも支給される制度です。②出産手当金と③育児休業給付金は会社員で働いているママに限定される休業補償となります。

ここでは、主に会社員で働いているママ向けに②と③の制度について詳しく解説します。

出産手当金の支給日いつ?意外と遅い!

出産手当金は、会社員として働くママの特権で、出産のため会社を休んだときに加入中の健康保険(協会や組合など)から、産休日数分の手当が受け取れるものです(※1)。

出産手当金は、指定した口座に直接振り込まれますが、産後すぐに振り込みがあるわけではありません。

一般的に、出産手当金の支給(振込)は、子どもを出産してから2ヶ月半~4ヶ月ほどかかります。

意外と支給される日は遅いですよね!

(※1)産休中に手当金より多くの給与を受け取っている場合を除く

出産手当金の支給日が遅い理由

一般的に、出産手当金の申請をするのはママではなく勤務先の会社です(※2)。

そして、ほとんどの会社では「産休中に給与が支払われていないこと」を証明するため、産休期間終了後に産前・産後期間分をすべてまとめて加入先の健康保険に申請します。

ママが産後すぐ書類を用意して会社に提出しても、会社は産休期間が終わるまでは出産手当金の申請ができないため、どうしても支給日が遅くなってしまうのです。

(※2)会社によっては、出産手当金の申請を社員にゆだねている場合もあります。その場合も、会社による証明は必要です。

出産手当金の手続きと支給までの流れ

出産手当金の手続きと支給までの流れは、次の5つのステップに分けられます。

  1. 出産前に、出産手当金の申請書類を会社からもらう
  2. 出産後に、出産した施設に申請書類の必要事項を記入してもらう
  3. 申請書類を会社へ提出する(郵送で良いかあらかじめ確認しましょう)
  4. 会社が産休期間(産後56日間)終了後に、産前・産後の出産手当金をまとめて加入先健康保険へ申請する
  5. 加入先健康保険から、ママの口座へ出産手当金が支給される(振り込み)

産休期間終了後(産後56日目以降)に、会社がすぐに出産手当金の申請書類を提出してたとしても、健康保険がママの口座へ出産手当金を支給する(振り込む)までには、2週間~1ヶ月ほどの時間がかかります(加入先の健康保険により異なる)。

最短のスケジュールで申請したとしても、支給には産後2ヶ月半ほどかかるということになります。

会社によっては、他の産休社員の分と一緒に申請したり、産休関係の処理は1ヶ月に一度と決めてルーティン化したりしている場合もあるため、担当者の業務ペースによっても申請タイミングは異なります。

2ヶ月半というのは最短でのケースなので、最大4ヶ月ほどはかかると想定し、余裕を持ってお金の計画を立てておきましょう。

出産手当金支給までの流れ

出産手当金を支給してもらう時の流れを、具体的な実例でご紹介しましょう。

  • 2018年11月下旬:産休開始
  • 2018年1月上旬:出産、産後すぐに申請書を記入して会社に提出
  • 2018年2月中旬:産休終了、育休開始
  • 2018年4月上旬:出産手当金支給(育休の給付金も同月に入金)

※健康保険協会に加入

会社で出産手当金を支給してもらうまでには、上記のとおり約3ヶ月かかることが多いです。

出産手当金の支給を早くする手続きはある?

出産手当金の支給を早くするためには、勤務先の業務担当者に相談するのが一番です。

多くの会社では、出産手当金を産休終了後にまとめて申請することになっています。

ただ、実は出産手当金は産前と産後、複数回に分けて申請することが可能ですし、申請書さえそろっていればママが直接申請することもできるのです。

いずれにしても、申出産手当金の申請書には会社の記入欄があり、給与を受け取らなかったという証明が必要ですし、そもそもイレギュラーな対応をしてくれるかは会社と業務担当者次第です。

スムーズに出産手当金を申請をしてもらううえで、業務担当者の協力は必要不可欠ですので、産休前に相談しておくと良いでしょう。

もし複数回申請や自己申請などの対応が不可能でも、会社が申請するタイミングや業務の流れさえ把握しておけば、出産手当金の支給日の目安はつかみやすくなります。

産休前の担当者への相談や根回しは、とても大切ですよ!

出産手当金の金額の計算方法

出産手当金が実際どれくらい支給されるのか知りたい方のために、計算方法と例をご紹介しましょう。

支給額の計算方法

出産手当金の金額は、次の計算式によって計算されます。

【日給(支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額の平均÷30日)×2/3×産休により会社を休んだ回数】

「標準報酬月額」は、会社から労働の対価として受け取った報酬のことで、給与や手当、賞与(年3回以下の賞与は含まれない)だけでなく、通勤手当も含まれます。

税金や社会保険料など、各種控除前の金額ですので、給与明細の「総支給額」という項目を見るのがわかりやすいでしょう。

金額計算例

標準報酬月額が30万円の、出産手当金の支給額を例にとって計算してみましょう。

  • 標準報酬月額:30万円
  • 支給期間(産休期間):96日間
  • 計算式:(30万円÷30日間)×2/3×96日間
  • 支給金額:約63万円

支給金額が63万円だと結果的に、毎月の給与手取り額のおよそ3ヶ月分を受け取ることができます。出産手当金はとても心強く、ありがたい制度ですね。

育児休業給付金(育休手当)とは

育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者が、育児休業を取得した場合に支給されるお金のことです。
ただし、申請できる被保険者、および養育する子どもの年齢などには条件があります。

被保険者の条件

育児休業給付金(育休手当)を受け取るための被保険者の条件は次のとおりです。

  • 雇用保険等に加入し、育児休業を取り、育児休業が終わればその後も働き続けること
  • 育児休業開始前の2年間に、(賃金支払いの基礎となった日数が)11日以上働いた月が、通算12ヶ月以上あること
  • 育児休業中の各1ヶ月ごとに(休業開始前の8割以上の)賃金が支払われていないこと
  • 各支給単位期間ごとに80時間を超えて働いていないこと(下図参照:6月24日に出産した場合)
育児休業給付金支給単位期間

養育する子どもの条件

育児休業給付金(育休手当)を受け取るための養育する子どもの条件は次のとおりです。

  • 原則、1歳未満であること
  • 父母ともに育児休業を取得し「パパママ育休プラス制度」を利用する場合は、1歳2ヶ月未満であること
  • 保育所(※)の入所が決まらない場合は、延長手続きにより、2歳未満であること

※無認可保育施設の場合は対象外です。

育児休業給付金(育休手当)の支給額計算方法

1ヶ月あたりの育児休業給付金の支給金額は、育児休業を開始してから6ヶ月以内と6ヶ月経過後で異なります。

育児休業の開始から6ヶ月間の支給額の計算方法

1ヶ月あたりの支給額=休業開始時の賃金日額×支給日数の67%×30日分

育児休業の開始から6ヶ月経過後の支給額の計算方法

1ヶ月あたりの支給額=休業開始時の賃金日額×支給日数の50%×30日分

※休業終了日の属する月は、当該支給対象期間の日数分支払われます。

育児休業給付金(育休手当)の支給額の上限と下限

育児休業給付金の休業開始時の賃金日額は、事業主が提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」により、育児休業開始前6ヶ月間の賃金を180で割った金額で計算されます。

ただし、この証明書に記載されている金額が必ずしも使われるわけではありません。

なぜなら、賃金月額に対する下限と上限が決まっているからです。

2018年8月1日以降の育児休業給付金の賃金月額の上限と下限は次のように定められています。

  • 上限(月額):449,700円
  • 下限(月額):74,400円

なお、賃金月額に対する上限と下限は、毎年8月1日に変更されます。

そのため、先ほどの計算式に当てはめると、1ヶ月あたりの支給額は下記のようになります。

育児休業の開始から6ヶ月間の支給額

  • 上限:301,299円(=449,700円×67%)
  • 下限:49,848円(=74,400円×67%)

②育児休業の開始から6ヶ月経過後の支給額

  • 上限:224,850円(=449,700円×50%)
  • 下限:37,200円(=74,400円×50%)

育児休業給付金(育休手当)の支給額のシミュレーション

育児休業給付金の支給額を、賃金月額8万円~44万円の場合で1万円単位でシミュレーションをすると次の表のようになります。

賃金月額 開始時~6ヶ月の

支給金額

7ヶ月~終了時の

支給金額

80,000円 52,000円 40,000円
90,000円 58,500円 45,000円
100,000円 65,000円 50,000円
110,000円 71,500円 55,000円
120,000円 78,000円 60,000円
130,000円 84,500円 65,000円
140,000円 91,000円 70,000円
150,000円 97,500円 75,000円
160,000円 104,000円 80,000円
170,000円 110,500円 85,000円
180,000円 117,000円 90,000円
190,000円 123,500円 95,000円
200,000円 130,000円 100,000円
210,000円 136,500円 105,000円
220,000円 143,000円 110,000円
230,000円 149,500円 115,000円
240,000円 156,000円 120,000円
250,000円 162,500円 125,000円
260,000円 169,000円 130,000円
270,000円 175,500円 135,000円
280,000円 182,000円 140,000円
290,000円 188,500円 145,000円
300,000円 195,000円 150,000円
310,000円 201,500円 155,000円
320,000円 208,000円 160,000円
330,000円 214,500円 165,000円
340,000円 221,000円 170,000円
350,000円 227,500円 175,000円
360,000円 234,000円 180,000円
370,000円 240,500円 185,000円
380,000円 247,000円 190,000円
390,000円 253,500円 195,000円
400,000円 260,000円 200,000円
410,000円 266,500円 205,000円
420,000円 273,000円 210,000円
430,000円 279,500円 215,000円
440,000円 286,000円 220,000円

育児休業給付金(育休手当)の手続き方法

育児休業給付金の手続きは、基本的に会社任せで問題ありません。

必要書類

初回の申請時は、Aの書類が会社から届くので、必要事項を記入しBとあわせて会社に返送しましょう。

  • A:「育児休業給付受給資格確認票」と「育児休業給付金支給申請書」
  • B:「母子健康手帳(出生証明のページ)のコピー」と「給付金を受け取る通帳のコピー」

2回目以降の必要書類

育児休業給付金は2ヶ月に1度、申請する必要があります。

2回目以降は「育児休業給付金支給申請書」のみ、書類に必要事項を書いて会社に提出することになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

出産手当金と育児休業給付金(育休手当)の支給条件、支給金額の計算方法とシミュレーション、手続きの仕方をご紹介しました。

出産は多くの出費が掛かり、金銭的な負担も多くなります。お伝えしたように、出産手当金の支給には産後数ヶ月ほどの時間がかかります。ママの収入が途絶える期間の家計を上手にやりくりするためには、出産前にしっかりと準備をしておくことが重要です。

出産手当金の社内担当者や加入先の健康保険(組合や協会)に支給の流れなどを確認しておけば、支給日の目安をつけることができますし、過去の給与明細から支給額を計算することができます。

また、出産手当金の申請書類の必要事項は出産前にできるだけ記入し、産後の入院中に医療機関に必要事項を記入してもらいましょう。

産後は赤ちゃんのお世話でバタバタするため、睡眠も思うように取れなくなります。

産前に出産手当金に関する準備をできるだけ済ませておき、お金の計画を立てておけば、出産後もゆとりを持って赤ちゃんと楽しい生活を過ごしやすくなりますよ。

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ライター:ブロードマインド株式会社 橋本鉄平

愛知県出身、埼玉在住。ファイナンシャルプランナーとして10年以上の経験を持つ。2児の父で愛犬と4人家族。今年2人目の子どもが生まれたので、人生で初めてマイカーを持ち、ペーパー・ドライバーから脱却中。

■保有資格

・1級FP技能士

・証券外務員1種

・TLC(生命保険協会認定FP)

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン