2024年10月03日 12:00
子どもに大人気メニューのオムライス。「1歳の赤ちゃんはオムライスを食べられる?」「1歳の赤ちゃんが食べるオムライスはどうやって作ればいい?」「1歳の完了期におすすめの簡単レシピはある?」など気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、1歳の赤ちゃんに与えるオムライスの作り方や与える際の注意点、オムライスの冷凍保存方法などについてご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食完了期以降の赤ちゃんにおすすめのオムライスレシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!
離乳食でオムライスは、1歳の完了期ごろから食べられます。
オムライスはごはんや卵、野菜が一緒に食べられるメニューなので、自然と炭水化物やたんぱく質、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよく補えます。
ただし、大人のオムライスは味が濃かったり卵が半熟だったりすることがあるので、赤ちゃんに取り分けるのは避けましょう。
1歳ごろの赤ちゃんにとって、オムライスの薄焼き卵は噛み切りにくい特徴もあります。1歳児にオムライスを与える場合は、噛み切りやすくしたり、味付けが濃くなりすぎたりしないようにする工夫を取り入れるのがポイントです。
ふんわりとした卵と優しい味わいのケチャップライスが魅力のオムライス。オムライスは1歳から食べられますが、赤ちゃんが安全に美味しく食べるためには材料の選び方や作り方に工夫が必要です。
オムライスの作り方のポイントを押さえて、赤ちゃん用のオムライスを作ってみましょう。
赤ちゃんによって歯が生え揃うペースは違っていますが、1歳ごろになると上下8本程度の歯が生え揃う子が多くなります。
奥歯がまだ生えていないので、オムライスに使う食材は歯茎で噛み切れるかたさにして与えましょう。肉団子程度のやわらかさであることが目安です。
上手に噛み切れない赤ちゃんには、オムライスに混ぜ込む野菜類を柔らかくゆでて細かく刻んでから使うのもよいでしょう。
薄焼き卵は加熱した際に表面がかたくなりやすく、繊維状の層を持つことから噛み切りにくい特徴があります。
1歳の赤ちゃんはまだ上手に噛みきれない可能性もあるので、オムライスに使う卵は錦糸卵や炒り卵にして使用するのがよいでしょう。
また卵を溶くときに白身を切るようにして混ぜてムラなく均一に混ぜたり、水や牛乳を加えて卵液を薄めて作ったりするのもおすすめです。これらの工夫を取り入れると焼いた後のオムライスの卵がふんわりとした柔らかい仕上がりになるので、赤ちゃんでも食べやすくなります。
1歳ごろになって手づかみ食べをする場合は、オムライスを手づかみできるようにおにぎり状にするのもおすすめです。
離乳食期の手づかみ食べは赤ちゃんの自立心を育み、手指の発達や食べ物への興味を促すメリットがあります。机の下に新聞紙やレジャーシートなどを敷いて、赤ちゃんが汚してしまってもいい環境を作ってあげるとよいでしょう。
赤ちゃんがオムライスの上にのっている卵を嫌がるようであれば、ごはんに卵を混ぜ込んでから焼くのもおすすめです。
1歳の赤ちゃんにオムライスを与える場合は、ケチャップの量が多くならないように注意が必要です。
市販のケチャップには、塩分や砂糖が多く含まれています。1歳の赤ちゃんは大人に比べて臓器が未発達です。塩分を摂り過ぎると腎臓に負担をかけてしまう可能性があるので気をつけましょう。
また薄い味付けは赤ちゃんが素材本来の味を感じ取りやすく、自然な味覚を育てやすくなるメリットもあります。赤ちゃんに与えるオムライスのケチャップには、塩分や砂糖が使われていないトマトピューレやトマトペーストを使用するのもよいでしょう。
ごはんや卵、野菜類などの栄養をまとめて補えるオムライスは、離乳食の赤ちゃんにもおすすめのメニューです。
ただし1歳の赤ちゃんにオムライスを与える際は、アレルギーや食中毒にも注意が必要です。今回は1歳児にオムライスを与える際の注意点について解説します。
1歳の赤ちゃんにオムライスを与える際は、卵アレルギーに気をつけましょう。
卵はアレルギー症状が現れやすい「特定原材料」のうちのひとつです。1歳の赤ちゃんにオムライスを与える際は、卵の全卵が食べられるようになってから与えましょう。
卵を与えたことがない場合は固ゆで卵の卵黄を少量から与えて増やしていき、全卵を少量ずつ与えてもアレルギー症状の問題がなければオムライスを与えましょう。
1歳の赤ちゃんにオムライスを与える際は、半熟卵ではなくしっかり加熱をした卵で与えましょう。
オムライスには、半熟卵が使われているものもあります。加熱が不十分な卵はアレルギー症状が現れやすく、食中毒のリスクもあるので半熟卵のオムライスは与えないように気をつけましょう。
1歳の赤ちゃんに与えるオムライスは、冷凍保存が便利です。多めに作って冷凍保存しておくと解凍して用意するだけなので、離乳食作りの手間が省けます。
オムライスを冷凍する際は、1食分ずつ小分けにして冷凍します。また冷凍したオムライスは、衛生的に食べるためにも1週間以内に使い切りましょう。
オムライスを上手に冷凍するためには、いくつかのコツを押さえておくことも大切です。
オムライスを冷凍する場合、ごはんと卵を一緒に冷凍しておくことも可能です。しかし解凍時のそれぞれの食感や風味を保つためには、卵とごはんの部分を分けて冷凍しておく方法がおすすめです。
卵は錦糸卵や炒り卵にしてから、1食分ずつラップに包んで冷凍保存袋に入れてから密閉して冷凍しましょう。野菜や肉、調味料を混ぜて作ったごはんは、粗熱をとってから1食分ずつ冷凍保存容器やラップに包んで冷凍します。
錦糸卵や炒り卵にした卵は、冷凍すると水分が抜けて食感がかたくなってしまいます。オムライスの卵はマヨネーズを少量加えて作ると、解凍時にふんわりとした柔らかい食感を保てます。
マヨネーズには油分が含まれているので、卵液に混ぜることでしっとりと仕上がります。解凍後のパサつきを軽減するためにも、卵液にマヨネーズを加えて作るとよいでしょう。
1歳の赤ちゃんは手づかみ食べをするなど、自分で食べることの意欲が湧く時期でもあります。赤ちゃんが自分で食べやすいように、工夫を取り入れながらオムライスを作ってみてください。
今回は手づかみ食べができるオムライスを含めた1歳の完了期におすすめの簡単オムライスレシピを3つ紹介します。
材料(1回分)
・ごはん 90g
・卵 1個
・鶏ひき肉 15g
・ミックスベジタブル 30g
・ケチャップ 小さじ1
・バター 少々
作り方
1)卵は水小さじ1(分量外)を加え溶いておく。薄く焼いて細切りにし、錦糸卵にする
2)フライパンにバターを熱し、鶏ひき肉とミックスベジタブルを炒める
3)ごはんとケチャップを加えて炒め合わせ、皿に盛り付ける
4)上から1をのせる
ポイント:卵は錦糸卵にしてごはんの上にのせることで、赤ちゃんでも噛み切りやすいオムライスが出来上がります。ミックスベジタブルを使って野菜を切る手間も省ける基本のオムライス。
材料(2回分)
・ごはん 90g
・ツナ缶(水煮) 1/2缶
・玉ねぎ 20g
・にんじん 30g
・塩 少々
・ケチャップ 少々
・バター 少々
・卵 1個
作り方
1)卵は薄焼きにしてから5mm角に切って、バットに移しておく
2)にんじんは皮をむいてすりおろす。玉ねぎは5mm角に刻んでおく
2)フライパンにバターを熱し、2とツナを加え炒める
3)ごはん、塩を加えて加熱しながら、しっかり混ぜ合わせる
4)粗熱が取れたらひと口大に握って1に入れ、左右に揺さぶり卵を全体にまぶす
5)皿に盛り付けたら上からケチャップをのせる
ポイント:にんじんをすりおろすことで、ケチャップを使わずにご飯がほんのり赤色に色付きます。ケチャップを少量しか使っていなくても、にんじんの甘みで美味しく食べられます。
材料(2合分)
・米 2合
・鶏ひき肉 100g
・にんじん 1/2本
・玉ねぎ 1/2個
・バター 10g
・ケチャップ 大さじ3
・コンソメ 小さじ1
(1人分)
・卵 1個
・牛乳 大さじ1
・バター 適量
(A)
・ケチャップ 小さじ1/2
・水 小さじ1/2
作り方
1)米は洗っておく。にんじんと玉ねぎはみじん切りにする
2)炊飯器に米とケチャップ、2合の目盛までの水を加えて1をのせる
3)炊き込みモードで炊飯する
4)卵は牛乳を加えて溶き卵にしておく
5)フライパンにバターを熱し、4を加えて炒り卵にする
6)皿に3を盛り付け、上から5とAをのせる
ポイント:大人用としても食べられるチキンライスは炊飯器を使うと簡単に作れます。大人には、炊き上がってからコンソメや塩を加えて仕上げるとより美味しく食べられます。
子どもに人気のオムライスは、1歳の完了期ごろの赤ちゃんから食べられます。1歳の赤ちゃんにオムライスを作る場合は、味付けを薄くしたり食べやすいように工夫したりして与えましょう。
オムライスは栄養バランスもよく冷凍保存も可能なので、毎日の離乳食作りの負担を軽減したい方にもおすすめです。
ぜひこの記事で紹介した完了期以降におすすめのオムライスレシピを参考にして作ってみてくださいね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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