2025年12月15日 00:00
栄養豊富な小松菜は、離乳食の赤ちゃんから食べられる食材です。 保育園勤務の管理栄養士ママが完了期以降の赤ちゃんにおすすめの小松菜レシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!この記事を読めば、下ごしらえや小松菜を使った離乳食作りを手軽に用意できるようになります。
小松菜は生後5〜6カ月ごろの離乳食初期から食べられる食材です。クセが少なく調理もしやすいため、離乳食で積極的に取り入れるとよいでしょう。
また完了期ごろの赤ちゃんは体の発達によって必要な栄養素量が増える一方、食事からの摂取が追いつきにくい時期でもあります。小松菜はカルシウムや鉄分など、完了期の赤ちゃんが不足しやすい栄養素を多く含むため、離乳食で取り入れながら栄養バランスを整えましょう。
離乳食で使う小松菜は、新鮮なものを選びましょう。新鮮な小松菜は雑菌の繁殖リスクが低く、葉や茎がやわらかいので赤ちゃんに向いています。
スーパーなどで購入する際は、葉が濃い緑色でみずみずしく、茎が太くシャキッとしているものから選ぶとよいでしょう。しなびたり変色した小松菜は繊維がかたく、口当たりが悪いため、離乳食で使うのは避けておくのがおすすめです。

離乳食で小松菜を与える際は、赤ちゃんの発達や月齢に合わせて食べやすい形状にしてから与えましょう。初期や中期は葉の部分しか与えられませんが、後期以降になってやわらかく加熱すれば茎の部分も食べられるようになります。
あくまでも参考の形状は目安として、赤ちゃんが食べやすいように工夫しながら与えるとよいでしょう。
※上記の表は野菜・果物類のうち、1食のうちに使う食材が小松菜だけである場合の目安量です。他の野菜・果物類と組み合わせる場合は、目安量より減らしてもよいでしょう。
小松菜は栄養価が高く離乳食で積極的に取り入れたい食材ですが、赤ちゃんにとっては食べにくい可能性もあります。離乳食で小松菜を使う際は、赤ちゃんが食べやすいように下ごしらえや調理のポイントを押さえて調理するとよいでしょう。
小松菜は繊維が強いため、少しゆでた程度だと食感が残りやすくなってしまいます。離乳食で小松菜を与える際は赤ちゃんが食べやすいように、たっぷりのお湯で1分ほどゆでてから冷水にさらして使いましょう。
また小松菜は、ほうれん草に比べて苦味を感じやすい特徴もあります。ゆでた後にしっかり水にさらしてアク抜きすることで、苦味が抑えられて赤ちゃんでも食べやすくなりますよ。
小松菜の茎の部分はかたくて消化もしづらいため、初期や中期での使用は控えましょう。後期以降になって赤ちゃんが嫌がらないようであれば、細かく刻んでしっかり加熱してから与えます。
小松菜の茎も離乳食で取り入れると、食感を楽しめたり便通を助ける食物繊維や水分、カリウムなどの栄養素が補えたりします。茎が食べられるようになったら、赤ちゃんが食べやすいように工夫しながら離乳食で取り入れてみてください。
小松菜は食べた後に口の中で繊維が残りやすく、葉や茎は口の中で散らばりやすい特徴があります。赤ちゃんにとっては口当たりが悪く飲み込みにくさを感じやすいため、調理の際は食べやすくする工夫が必要です。
小松菜を使ったレシピはとろみをつけたり、かぼちゃなどの口の中でまとまりやすい食材と組み合わせたりする工夫を取り入れるとよいでしょう。
大人用の料理から離乳食を取り分けたい場合は、味付けする前に小松菜を取り出して炒め煮にするのがおすすめです。だしや水でさっと煮込むと、大人のかたさよりもやわらかくなって栄養を逃さずに食べられます。
取り分け離乳食は調理の手間や時間を大幅に短縮できるため、忙しい離乳食作りの負担を軽減したい方はぜひ活用してみてください。
離乳食で小松菜を使う場合は、食べやすさや食中毒予防を考慮して必ず加熱したものを与えましょう。鍋でゆでたり電子レンジで加熱したりなどさまざまな調理法での加熱が可能です。
多めの量をしっかりやわらかくしたい場合は鍋でゆでる方法、少量を短時間で加熱したい場合は電子レンジでの加熱方法を取り入れるとよいでしょう。
<鍋でゆでる方法>沸騰したお湯で約1〜2分ゆでる。
<電子レンジで加熱する方法>耐熱容器に切った小松菜を入れて、大さじ1の水を加える。ふんわりラップをして電子レンジ600Wで40秒程度加熱する。
一度にまとめて調理した小松菜は、冷凍保存が便利です。下ゆで後に赤ちゃんの発達に合わせた形状に刻み、1回量ずつラップや小分け容器に入れて冷凍保存しておきます。
冷凍した小松菜を離乳食で使う際は、しっかり加熱してから与えましょう。冷凍保存した小松菜は、必要な分だけすぐに使えるので離乳食作りがスムーズになります。
離乳食で小松菜をどのように使えばいいかわからないという方は、赤ちゃん向けの小松菜レシピを参考にしてみてくださいね。今回は完了期以降の赤ちゃんにおすすめのレシピを紹介します。

材料(1回分)
・ごはん 80g
・小松菜 30g
・ちりめんじゃこ 小さじ1
・ごま油 少々
・しょうゆ 数滴
作り方
1)小松菜はやわらかくゆでて、細かく刻む。
2)フライパンにごま油を熱し、1とちりめんじゃこを炒める
3)しょうゆを加えて味付けし、粗熱が取れたらごはんと混ぜる
4)おにぎりの形に成形する
ポイント:手づかみ食べにもおすすめの小松菜を使ったおにぎりレシピ。じゃこの塩味が加わって美味しく食べられます。

材料(2〜3回分)
・小松菜 1株(約60g)
・絹ごし豆腐 60g
・卵 1個
・だし汁 50ml
作り方
1)小松菜は細かく刻む。豆腐は7mm角に切る。
2)フライパンにだし汁と1を加えて煮る
3)沸騰しているところに溶き卵を加えて蓋をし、火が通るまで煮る
ポイント:彩豊かな卵とじレシピ。だしの風味がしっかり感じられるやさしい味わいで、赤ちゃんでも美味しく食べられます。

材料(1回分)
・ごはん 80g
・小松菜 30g
・ツナ缶(水煮) 15g
・卵(溶き卵) 1/2個
・ごま油 少々
・しょうゆ 数滴
作り方
1)小松菜は細かく刻む。
2)フライパンにごま油と小松菜、ツナ缶を加え炒める。
3)しょうゆを加えて味付けし、ごはんを入れて炒め合わせる。
4)ごはんをフライパンの端に寄せ、溶き卵を加え全体を混ぜ合わせる。
ポイント:大人用も一緒に作りたい場合は、味付け後に離乳食用を取り出してしょうゆや塩を足すのもおすすめです。多めに作っておくと冷凍保存も可能です。

材料(2回分)
・ひきわり納豆 1パック
・にんじん 15g
・小松菜 1株(60g)
・しょうゆ 小さじ1/4
作り方
1)にんじんは千切り、小松菜は細かく刻んでやわらかくなるまでゆでる。
2)ボウルに1とひきわり納豆、しょうゆを加えてしっかり混ぜ合わせる。
ポイント:納豆の粘りがあるので、口の中で散らばりやすい小松菜やにんじんが食べやすくなります。ごはんにのせたりパスタに和えたりしても美味しく食べられます。

材料(2〜3回分)
・小松菜 1株(60g)
・玉ねぎ 1/6個
・だし汁 100ml
・牛乳 50ml
作り方
1)小松菜と玉ねぎはやわらかくゆでて、1cm角にする。
2)1とだし汁をブレンダーにかけてペースト状にする。
3)耐熱容器に移して牛乳を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで40秒加熱する。
ポイント:野菜やタンパク質、カルシウムなどの栄養をまとめて補えるポタージュレシピです。だしの風味と牛乳のまろやかさで青臭い小松菜も食べやすくなります。

材料(2回分)
・小麦粉 30g
・ベーキングパウダー 小さじ1/4
・卵 1/2個
・砂糖 小さじ1/2
・牛乳 30ml
・小松菜 1束(60g)
・みかん缶 30g
・サラダ油 少々
作り方
1)小松菜は細かく刻み、やわらかくゆでる。
2)ボウルに卵と砂糖、牛乳を加えてよく混ぜる。
3)小麦粉とベーキングパウダーを加え全体を混ぜ合わせたら、1と手で半分にちぎったみかんを加えさっくり混ぜ合わせる。
4)フライパンに油を熱し、3をスプーンで落として中に火が通るまで両面焼く。
ポイント:みかんの甘酸っぱさが際立って、小松菜独特の苦味が感じにくくなるパンケーキレシピです。大人でもそのまま美味しく食べられます。
鉄やカルシウムなど、離乳食完了期ごろの赤ちゃんが不足しやすい栄養を手軽に補える小松菜。離乳食で小松菜を使う際は下ごしらえや調理の工夫を知って、冷凍保存を活用しながら手軽に毎日の食事に取り入れてみましょう。ぜひ今回紹介した6つのレシピを参考にしながら、忙しいママやパパの時短レシピとしても役立ててみてくださいね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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