2022年08月15日 00:00
栄養価の高いたんぱく質でもある卵は、離乳食から与えられる食材です。卵はアレルギー症状を引き起こしやすいため、初めて与える際にはポイントを抑えておく必要があります。 ママ達の中には「卵はいつから食べられる?」「どのくらいの量を与えればいい?」「アレルギーが心配で、なかなか食べさせられない」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 今回は卵の与え方や量、冷凍方法や解凍方法、赤ちゃんの月齢別おすすめ卵レシピについて紹介していきます。卵のアレルギーについても説明していくので、離乳食で初めて卵を与える時の参考にしてみてください。
卵は生後5〜6カ月の初期から食べられますが、初めはアレルギー症状が出にくい卵黄から始めていきましょう。徐々に卵黄の量を増やしていき、アレルギー症状が出なければ卵白に移行していきます。
卵白は卵黄よりもアレルゲンを多く含んでいます。与える際はしっかり加熱をして、卵黄と同様に少量ずつ与えましょう。
※たんぱく質の食材の中で、1食のうちに使う食材が卵だけである場合の目安量です。他のたんぱく質と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
実際に少量ずつ与えるとしても「どのくらいの量を与えればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。卵を与える際のタイミングを、赤ちゃんの月齢別に説明していきます。
卵は与える量や増やし方のポイントを押さえておくと、あまり難しく考えずに進められます。目安になる量も紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
初めて食べさせる卵は、アレルギー症状が出にくい卵黄から始めましょう。与える量に決まりはありませんが、アレルギー症状が現れていないか確認しながら少量ずつ徐々に増やしていきましょう。
卵黄だけを与えるこの時期では「固ゆで卵の卵黄」を使用するのがおすすめです。固ゆで卵を作って卵黄だけを取り出し、つぶしたものを耳かき1杯分から始めて徐々に増やしていきます。初期から中期のうちに、卵黄1個分を目標として増やしていくのもおすすめですね。
<卵黄スケジュールの目安>
1日目 耳かき1杯分
2日目 耳かき2杯分
3日目 小さじ1
4日目 卵黄1/2個
5日目 卵黄1個
離乳食での卵開始時に使える固ゆで卵の作り方をご紹介します。卵黄を取り出す際のポイントも合わせて説明していきます。
①沸騰したお湯に卵を入れて20分ゆでる
②①の卵を冷水にとって、急冷させる
③皮をむく
<卵黄を取り出す際のポイント>
卵黄を取り出すために、包丁を使ってゆで卵を2つに切ると、卵白の部分を通った包丁が卵黄を通過してしまいます。
卵黄を取り出す際には、包丁で卵白の表面に少し切れ目を入れて、両手でパカッと2つに割るのがおすすめです。
卵黄1個分が食べられるようになれば、卵白を開始していきましょう。
卵白を与える時期では、全卵を使った「薄焼き卵」や「卵焼き」として調理して与えるのがおすすめです。中期から完了期のうちに、全卵1個分まで増やすことを目標としてスケジュールを組むと良いでしょう。
<卵白スケジュールの目安>
1日目 薄焼き卵(全卵1個分)耳かき1杯分
2日目 薄焼き卵(全卵1個分)耳かき2杯分
3日目 薄焼き卵(全卵1個分)小さじ1
4日目 薄焼き卵(全卵1個分)1/2
5日目 薄焼き卵(全卵1個分)全部
離乳食での卵は少量ずつ進めていくので、全て使いきれずに残ってしまいますよね。固ゆで卵の卵黄や薄焼き卵、卵焼きなどの調理済みの卵は冷凍保存が可能です。赤ちゃんが美味しく卵を食べるためにも、解答方法をしっておくことが大切です。
ここでは、冷凍方法や電子レンジを使用した解凍方法について紹介していきます。上手に保存して簡単に卵を離乳食に取り入れてみてください。ただし、冷凍した卵は1週間以内に使いきりましょう。
固ゆで卵の卵黄は、つぶした後1回量ずつラップに包んで、冷凍保存袋に入れ密封して冷凍します。
ゆで卵の卵白は、冷凍するとゴムのような食感になってしまうので、冷凍には向いていません。卵白を冷凍したい場合は「薄焼き卵の冷凍方法」や「卵焼きの冷凍方法」を参考にしてみてください。
細かく刻んだ薄焼き卵は、1回量ずつラップに包んで、冷凍保存袋に入れ密封して冷凍します。
そのまま冷凍保存袋に平らになるように入れて、しっかり密封して冷凍するのもよいでしょう。この方法では、使用したい分だけを手で割って使えます。
卵焼きは、1回量ずつに切ってラップに包み、冷凍保存袋に入れ密封して冷凍します。
さまざまな味のバリエーションを作り置きできるので、試してみてください。解凍する際にはしっかり中まで解凍できているか確認して与えましょう。
1回量ずつに冷凍したもののラップを少し開け、空気の通り道を作ったら電子レンジ500Wで40秒加熱する。
冷凍保存していたものを食べさせる際は、再度しっかり中まで加熱してから与えるように気をつけましょう。
卵はアレルギー症状を引き起こしやすい食材ですが、食物アレルギーの発症を心配して、特定の食物の摂取開始を遅らせてもアレルギーの予防効果があるという科学的根拠はありません。与える際のポイントを抑えて、卵を始めていきましょう。
卵黄や卵白を徐々に増やしている間は、平日の午前中に与えるようにしてください。じんましんなどの皮膚症状や嘔吐、ゼーゼーといった音の鳴る呼吸器の異常が現れた場合は、すぐに病院を受診しましょう。
卵黄が少量のうちは、おかゆに混ぜるだけで簡単に離乳食に取り入れられます。しかし量が増えていくうちに、レシピで悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
離乳食の赤ちゃんにおすすめの基本の卵ペーストや卵黄1個分で作るレシピ、薄焼き卵や卵焼きのレシピを紹介していきます。
材料(卵黄1/2個分)
・固ゆで卵の卵黄 1/2個
・湯冷し 小さじ1
作り方
1)固ゆで卵の卵黄はしっかりつぶす
2)1)に湯冷しを加えてとろとろになるまで混ぜる
ポイント:卵黄はつぶすと、ポロポロとしてしまいます。少量であればおかゆに混ぜてあげるとよいですが、卵黄の量が増えてくるとおかゆと混ざりにくくなってしまうので、ペーストにしてあげるとよいでしょう。
材料(1回分)
・7倍がゆ 40g
・固ゆで卵の卵黄 1個
・育児用ミルク(調乳済み) 40ml
・カッテージチーズ 少々
作り方
1)固ゆで卵の卵黄はつぶして、湯冷しなどを足してペースト状にする
2)鍋に7倍がゆ、育児用ミルクを加えて1分中火にかける
3)2)に1)とカッテージチーズを加えて加熱しながら混ぜ合わせる
ポイント:卵黄1個分をつぶしたものはおかゆに混ぜるとポロポロしてしまうので、あらかじめペーストにしておくのがおすすめです◎
材料(1回分)
・軟飯 80g
・玉ねぎ 15g
・にんじん 15g
・ケチャップ 小さじ1/2
・卵(全卵) 1個
・油 少々
作り方
1)玉ねぎとにんじんは、やわらかくなるまでゆでてみじん切りにする
2)フライパンに油を熱し、溶いた卵を流し入れ薄焼き卵を作る
3)2)をみじん切りに切って皿に移しておく
4)軟飯に1)、ケチャップを加えてしっかり混ぜ合わせる
5)4)をスプーンですくい、3)の刻んだ薄焼き卵の上に一口大ずつ落とす
6)刻んだ薄焼き卵をまわりにまぶしながら丸く成形する
7)上からケチャップ(分量外)を数滴落とす
ポイント:薄焼き卵をまぶすことで、軟飯も成形しやすくなりますよ。
材料(3回分)
・卵(全卵) 2個
・しらす(釜揚げ) 15g
・青のり 少々
・しょうゆ 小さじ1/2
・油 少々
作り方
1)卵をしっかり混ぜたところに、しらす、青のり、しょうゆを加えて混ぜ合わせる
2)卵焼き用フライパンに油を熱し、1)を1/3量を加えて手前に向かって巻いていく
3)2)を同様にあと2回繰り返す
4)厚さ1cm幅のスティック状になるように切る
ポイント:冷凍保存しておくと便利!スティック状にすることで、手づかみで食べやすくなります。
栄養価の高い卵は、離乳食から与えてあげたい食材。赤ちゃんに卵を与える場合は「卵黄から始め、卵白へと移行していく」ことや「少量ずつ量を増やし、進めていく」ことなどのポイントを抑えておくとよいでしょう。冷凍保存もできるので、上手に離乳食で取り入れてみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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