2022年03月15日 00:00
赤ちゃんは繊細で食べられるものが限られているので、ミルク以外の飲み物をいつあげていいのか迷いますよね。また、どんなことに注意すべきか分からないとさらに不安になります。 本記事では赤ちゃんが飲める飲み物の種類や注意点を紹介します。飲ませ方も紹介するので、赤ちゃんの飲み物に関する悩みを解決したい方はぜひ参考にしてください。
赤ちゃんにミルク以外を飲ませるのは「生後6ヶ月以降」にしましょう。生後6ヶ月頃までは母乳やミルクだけで十分な栄養を摂ることができます。
それ以外の飲み物を飲ませるとお腹いっぱいになってしまい、ミルクを飲めず栄養をしっかりと摂ることができません。また、赤ちゃんは味覚が敏感で体の機能も弱く、大人の飲み物は刺激が強いので生まれたばかりの頃は与えないようにしましょう。
赤ちゃんが飲める飲み物の種類を月齢別に分けると以下のようになります。
なるべく薄めた飲み物や赤ちゃん用のジュースを与え、乳児の頃は大人と同じ飲み物は避けるようにしましょう。
水分補給を授乳で行う生後3ヶ月までは、他の飲み物を飲ませないようにしましょう。ミルクや母乳は必要な栄養が含まれており、赤ちゃんの成長に欠かせません。水分補給もミルクだけで十分なので他の飲み物は必要ありません。
発熱や下痢、嘔吐時の水分補給が不安な方は、母乳やミルクの量を増やすのがおすすめ。母乳育児中の方でも粉ミルクを活用することで、十分な水分補給ができます。
ただし、ミルクの調乳量を変えると吸収率が変わり赤ちゃんの胃腸に負担をかけてしまうので、普段と同じ調乳で量を増やすようにしましょう。
麦茶や白湯を与えたい場合は生後4〜5ヶ月頃からにしましょう。ノンカフェインの麦茶や白湯は刺激が少なく、体が成長してきた生後4〜5ヶ月の水分補給にぴったりです。さらに離乳食前にミルク以外の味に慣れてもらうための飲み物としてもおすすめです。
白湯は水を沸かした後、ミルクと同じように人肌程度まで冷ましましょう。お湯に水を混ぜた湯冷ましを飲ませても問題ありません。
麦茶は赤ちゃん用の麦茶か大人用の麦茶を2〜3倍に薄めたものを飲ませる必要があります。普通の麦茶は赤ちゃんにとって刺激が強いのでそのまま与えないように注意しましょう。
離乳食が始まる生後6ヶ月以降は赤ちゃん用のジュースや経口補水液を飲ませても構いません。しかし、果汁入りジュースは赤ちゃんにとって必要な飲み物ではないので与えすぎに注意しましょう。
糖分が多く含まれた甘いジュースはたくさん飲ませてしまうと離乳食やミルクを欲しがらなくなってしまうので、与える量は少量にすることが大切です。
また、赤ちゃん用の飲み物でも薄めて飲ませるものが多いので注意書きをしっかりと確認しましょう。糖質や塩分を過剰に与えると赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまうため、市販の飲み物を飲ませるときは製品情報を確認するなど細心の注意を払いましょう。
生後6ヶ月以降であれば何を飲ませてもいいわけではありません。以下のような飲み物は赤ちゃんのうちは避けましょう。
刺激となりやすい成分が入った飲み物は、体が成長しきっていない赤ちゃんに大きな負担となるので気を付けましょう。
カフェインやタンニンを含む飲み物は避けるのがおすすめです。赤ちゃんはカフェインへの耐性が少ないので、紅茶やココアを与えると興奮しやすくなったり寝つきが悪くなったりしやすいです。
また、鉄分の吸収を阻害するタンニンも貧血や十分な栄養が摂れない原因となります。ノンカフェインでタンニンが入っていない飲み物を選び、赤ちゃんの成長の妨げにならないようにしましょう。
紅茶やコーヒー以外にも以下の飲み物は避けましょう。
一見母乳と同じように思われる牛乳ですが、栄養成分が異なるため乳児には与えないようにしましょう。
牛乳は母乳に比べてたんぱく質やミネラルが豊富に含まれており、腎臓に負担がかかりやすいです。さらに鉄分の吸収を抑える成分が入っているので「牛乳貧血」を起こしてしまう危険性があります。
また、母乳に多く含まれる乳糖が少なく、赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性もあります。
大人用ジュースは赤ちゃんにとって糖分や浸透圧が高すぎるので飲ませないようにしましょう。
果汁入りジュースはアレルギーの原因にもなるので飲ませる場合は必ず赤ちゃん用のものにし、大人用のものは与えないように注意してください。特に、果汁100%ジュースは濃度が高く、下痢を引き起こしたり虫歯になったりすることがあります。
また、乳酸菌飲料やイオン飲料も健康的に感じますが赤ちゃんには刺激が強い飲み物です。
水は余計なものが含まれておらず害がないように感じますが、硬水には注意が必要です。マグネシウムやカルシウムなどミネラル成分が多く含まれる硬水は、赤ちゃんの内臓に負担がかかりやすい飲み物です。
また、一般的な硬水は海外から輸入したミネラルウォーターが多く、赤ちゃんに与えるには不向きです。そのため体調が悪くなってしまう可能性もあります。
赤ちゃんに飲み物を与えるときは、次の3点に気を付けましょう。
飲み物は生後6ヶ月以降も基本的にはミルク・麦茶・白湯にし、ジュースや大人用の飲み物の頻度は少なめにしましょう。また、赤ちゃんの表情やおしっこを確認して水分不足を防ぐことも大切です。
ジュースの頻度は少なめにし、基本的にはミルクから栄養や水分を補給しましょう。糖分が多いジュースは、高頻度で飲ませると赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼします。
米国小児科学会でも果汁100%ジュースの基準量について「1日118ml以内」に抑えることを推奨しています。しかし、これはアメリカの基準なので、実際に与えるときは赤ちゃんに合わせて少しずつ飲ませましょう。
大人と同じ飲み物を飲ませる場合は5〜6倍に必ず薄めましょう。慣れてきたら2〜3倍でも問題ありません。ただし、薄めれば何を飲ませてもいいわけではないので大人用のジュースやイオン飲料は濃度に関わらず避けましょう。
大人用の飲み物の中で薄めて飲ませた方が良いものは主に次の4つです。
薄めたものでも赤ちゃんには刺激が強いこともあるため、生後6ヶ月までは麦茶のみがおすすめです。
赤ちゃんは自分の気持ちを言葉にできないので、お母さんは水分不足のサインを見逃さないようにしましょう。
以下に当てはまる場合は水分不足の可能性があります。
尿の様子や赤ちゃんの様子で見極めるほか、汗の量が多かったり下痢や嘔吐をしたりと体調が悪い場合は、よりこまめな水分補給が必要です。
赤ちゃんへの水分補給は適切な「量とタイミング」で行うことが大切です。1日に必要な水分量は以下のようになっています。
新生児 から乳児の1日に必要な水分量 | |
新生児 | 400~500ml(125~150ml/kg) |
3ヶ月児 | 750~850ml(140~160ml/kg) |
6ヶ月児 | 950~1100ml(130~155ml/kg) |
1歳児 | 1150~1300ml(120~135ml/kg) |
出典:西彼杵医師会
また、タイミングはお風呂上がりや外出時など大人と同じです。しかし、赤ちゃんは大人と違って自分では喉の渇きに気が付かないので、様子を見ながらお母さんがこまめに与えましょう。
容器を使い分けて赤ちゃんに飲ませる練習をさせましょう。容器を使って飲む動作はおっぱいを飲むときとは違うので、訓練する必要があります。
最初はスプーンであげますが、生後5ヶ月以降は成長に合わせてスパウトやストローなどを使うのがおすすめです。
生後5ヶ月まではスプーンや哺乳瓶を使い、それ以降はスパウトを使い始めましょう。飲み口が広く硬い素材でできているスパウトは、警戒心が強い赤ちゃんの離乳食やコップへの移行をスムーズにしてくれます。
赤ちゃんは硬い飲み口でも美味しい飲み物が出てくると分かれば、段々飲んでくれるようになりますよ。
生後8〜9ヶ月頃からストローやコップに移行するのがおすすめです。ストローは飲み口の広いものを使い、徐々に細くすることで吸い込むことができるようになります。
また、ストローで練習させるときは、喉や口内に刺さることを防ぐため柔らかい素材のものを選んでください。
コップやストローマグはさまざまな形状があり、赤ちゃんの好みが分かれる場合があります。中々飲んでくれないときは他の形状を試して赤ちゃんのお気に入りを探してみましょう。
水分補給させたくても中々上手く飲んでくれないことがありますよね。赤ちゃんがむせてしまうときは、以下の3つの対処法がおすすめです。
赤ちゃんがむせてしまったら背中をさすってあげましょう。縦抱きにして背中をトントンしてあげると、落ち着くことがほとんどです。
このとき、哺乳瓶やマグは離しておき、咳き込みが落ち着くまでは飲み物は与えないようにしましょう。
むせるのを防ぐためには一口ずつ飲ませることが重要です。お茶や白湯はサラサラした液体なので勢いよく口に入ってしまい、むせてしまいます。
一口飲んだら哺乳瓶やマグを口から離しましょう。
赤ちゃんの口に入る量を一口の目安として、段々飲む量を増やすとむせる回数が減ります。上手く調節できないときはスプーンであげたり哺乳瓶に入れる量を減らしたりすると、一口の量を少なくできますよ。
一口の量が多いことでむせてしまう場合は、哺乳瓶の乳首の穴を小さくしましょう。サイズはSS〜Lサイズと幅広く、赤ちゃんに合ったものを選ぶ必要があります。
生後6ヶ月以降はLサイズにすることが多いですが、むせてしまう場合はSやMなど小さいサイズに替えて様子をみましょう。
また、乳首の素材や形状によっては赤ちゃんが嫌がることがあるので、違う種類の穴を購入してお気に入りのものを見つけてあげてくださいね。
本記事では赤ちゃんが飲める飲み物の種類や水分補給時の注意点を紹介しました。赤ちゃんは味覚や体が未発達のため、刺激にならないように水分補給を行うことが大切です。
成長に合わせて適切な飲み物を選び、安心して育児を行いましょう。
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