2023年04月17日 12:00
95%以上が水分でできているきゅうりは、離乳食の赤ちゃんにもおすすめの食材。「離乳食できゅうりは生で与えてもいいの?」「1回でどのくらいの量を食べさせればいい?」「きゅうりスティックは冷凍できる?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は保育園管理栄養士で1児の母でもある私が、離乳食できゅうりが食べられる時期や目安量、下ごしらえの方法や電子レンジでの加熱方法、冷凍保存方法や赤ちゃんの月齢別におすすめの離乳食レシピなどをご紹介します。 ぜひこの記事を参考にして、離乳食できゅうりを取り入れてみてください。
離乳食できゅうりは、生後5〜6カ月の初期から食べられる食材です。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養が多く水分量も多い野菜なので、離乳食の赤ちゃんにもおすすめ。きゅうりは生のままだとかたいので、離乳食で使う際は加熱したりすりおろしたりして使いましょう。
ただし、きゅうりには独特の青臭さがあるので、食べさせても口から出して嫌がってしまう赤ちゃんもいます。皮を取り除いたり下ごしらえの工夫をしたりすることで、青臭さを抑えて与えるのもいいですね。
赤ちゃんに生できゅうりを食べさせられるのは、生後9〜11カ月の後期以降です。
きゅうりはそのまま食べさせるとかたいので、初期や中期のうちは噛みきれません。最初のうちは加熱してやわらかくしてから与えましょう。
しかし後期以降であってもまだ歯が生えそろていないため、上手に噛みきれない可能性があります。後期以降に生できゅうりを与える際は、5mm程度の厚さにして刻んで与えるとよいでしょう。
きゅうりの進め方と1回の目安量をご紹介します。きゅうりを与える際は、赤ちゃんの月齢に合わせた形状にしてから与えましょう。
初めのうちはすりおろしてから与え、徐々に薄くみじん切りや千切りにして与えます。後期以降で加熱したものは、スティック状にしてから食べさせるのもいいですね。
※野菜・果物類の中で、1食のうちに使う食材がきゅうりだけである場合の目安量です。他の野菜・果物類と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
皮がかたく種もあるきゅうり。きゅうりを赤ちゃんに与える際は、食べやすいように下ごしらえをしてから食べさせましょう。下ごしらえは、きゅうりが苦手な大人の方にもおすすめです。
「離乳食できゅうりを食べさせると、いつも口から出してしまう」という方は、青臭さを抑えられる下ごしらえをしておくのもいいですね。
きゅうりの皮は、ピーラーなどで剥いてから使いましょう。
きゅうりの皮には小さい凸凹があり、舌触りが悪いので赤ちゃんは嫌がってしまいます。また皮自体も厚くてかたいので、赤ちゃんが上手に噛めるようになるまでは向いていません。
また皮付きのままきゅうりをすりおろすと、青臭さが際立ってしまいます。
後期以降で皮を嫌がらずに食べるようであれば、皮付きのままでも問題ありませんが初期や中期のうちは皮を剥いてから与えましょう。
きゅうりの中心には種があります。舌触りをなめらかにしたい初期や中期のうちは、種を取り除いてから使うのもよいでしょう。
きゅうりを縦半分に切って、スプーンなどでこそぎ落とすと簡単に種を取り除けます。
種は消化も悪く、すりおろすとプツプツとした食感が現れてしまいます。なめらかな舌触りに仕上げたい初期段階では特に、種を取り除いて使うのがおすすめです。
きゅうりの皮には独特の青臭さやえぐみがあるので、板ずりしてから調理するのがおすすめです。
赤ちゃんは青臭さやえぐみを感じると、吐き出してしまう可能性があります。きゅうりを使う前は板ずりをして、皮をむいてから調理するとより青臭さを抑えられるのでぜひ試してみてください。
<板ずりの方法>
1.きゅうりは洗って水気を取る
2.塩小さじ1程度をふってまな板の上で転がす
3.水でしっかりと洗い流す
下ごしらえをして月齢ごとの形状に切ったら、電子レンジでの加熱も可能です。お湯で煮てやわらかくするのはめんどくさいと思う方は、ぜひ試してみてください。
<すりおろしたきゅうり…1回量>
1.皮と種を取り除き、すりおろす
2.耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで40秒加熱する
<刻んだものやスティック状のきゅうり…1回量>
1.下ごしらえをして月齢ごとの形状に切る
2.耐熱容器に1と少量の水を加え、ふんわりとラップをする
3.電子レンジ500Wで1分加熱する”
きゅうりは加熱して冷凍保存ができる食材です。きゅうりを冷凍する際は、月齢ごとの形状に切って加熱し、冷凍保存容器やラップに包んで密閉してから冷凍しましょう。
すりおろしたきゅうりは冷凍保存袋に入れて、1回量ずつ割り箸などで筋目を入れてから冷凍するのもおすすめです。使いたい時に1回量を袋の上からパキッと手で割って簡単に使えます。使わなかった分はすぐに冷凍庫に戻しましょう。
離乳食用に冷凍したきゅうりは、1週間を目安に使い切りましょう。
生のきゅうりをそのまま冷凍すると、解凍した際に塩もみした後のような食感に変わります。ゆでたスティックきゅうりなら冷凍保存も上手にできるのでおすすめです。
加熱して赤ちゃんの月齢に合わせた形状に切ったきゅうりは、しっかり粗熱をとって水分を拭き取り、冷凍保存袋に入れたりラップに包んだりしてから密閉して冷凍しましょう。
冷凍したきゅうりは電子レンジでの解凍が簡単でおすすめです。
すりおろしたきゅうりであれば水分も多いので、耐熱容器に移してそのまま加熱するとよいでしょう。ただし薄切りにしたものやスティックきゅうりを電子レンジで解凍する場合は、少量の水を加えてから加熱するとうまく解凍できるので試してみてください。
<電子レンジでの解凍方法>
1.1回量の冷凍きゅうりを耐熱容器に移す
2.少量の水を加えてふんわりとラップをする
3.電子レンジ500Wで1分加熱する
きゅうりは、アレルギー症状を引き起こしやすい特定原材料には含まれていません。しかし赤ちゃんの体質や体調によっては、アレルギー症状が現れる可能性もあります。
初めてきゅうりを食べさせる場合は、平日の午前中に1さじ程度を与えましょう。午前中に与えることで発疹やじんましん、喉のかゆみなどのアレルギー症状が現れてもすぐに病院を受診できます。
すりおろすと色鮮やかで、離乳食の見栄えも華やかになるきゅうり。赤ちゃんが食べやすいように皮を剥いたり、種を取ったりして青臭さを抑えられるレシピがおすすめです。
今回は赤ちゃんの月齢別に、きゅうりのおすすめ離乳食レシピをご紹介します。ぜひ参考にして作ってみてください。
材料(1回分)
・きゅうり 10g
作り方
1)きゅうりの皮をピーラーで剥く
2)縦半分に切って、スプーンで中心の種をこそぎ落とす
3)すりおろし器ですりおろす
4)耐熱容器に3)を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで40秒加熱する
ポイント:きゅうりの皮を剥いて種を取り除くことで、初期の赤ちゃんでも食べやすいなめらかな舌触りのペーストになります。きゅうりのすりおろしは水分量が多いので、パサパサした食感の白身魚と一緒に和えるのもおすすめです。
材料(1回分)
・ツナ(水煮) 15g
・きゅうり 10g
・だし汁 大さじ1
・しょうゆ 数滴
作り方
1)きゅうりは皮をむいて縦半分に切り、スプーンで中心の種をこそぎ落とす
2)1)をすりおろして耐熱容器に入れ、ほぐしたツナも加える
3)2)にだし汁としょうゆを加えてさっと混ぜ合わせる
4)ふんわりラップをして電子レンジ500Wで40秒加熱する
ポイント:きゅうりの青臭さを抑えるためには、だし汁を使うのもおすすめです。ほぐしたツナはボソボソとした食感ですが、水分量の多いきゅうりと和えると食べやすくなりますよ。中期に入ったばかりの赤ちゃんには、片栗粉でとろみをつけてあげるのもいいですね。
材料(1回分)
・きゅうり 1/3本(約30g)
・水 大さじ1
作り方
1)きゅうりは皮をむく
2)3等分して、スティック状になるように切る
3)耐熱容器に2)と水を加えてふんわりとラップをする
4)電子レンジ500Wで1分半加熱する
ポイント:皮を剥いたきゅうりで作るスティック野菜。赤ちゃんが手で持って食べられる長さにしてあげましょう。電子レンジで作れるので、鍋を使う手間もありません◎ラップに包めば冷凍保存も可能なので、前もって作り置きしておくのもいいですね。
材料(1回分)
・じゃがいも 30g
・きゅうり 1/5本(約20g)
・マヨネーズ 少々
・塩 少々
作り方
1)じゃがいもときゅうりは皮を剥いて、やわらかくなるまでゆでる
2)じゃがいもはつぶして、きゅうりは長さ1cmの千切りにする
3)ボウルに2)、マヨネーズ、塩を加えてよく混ぜ合わせる
ポイント:しっかりまとまるので、小さいボール状にするのもおすすめです。多めに作って冷凍保存しておくのもよいでしょう◎
生後5〜6カ月の初期から食べられるきゅうり。初期や中期の赤ちゃんはまだ噛むことが上手にできないので、すりおろしてなめらかにしてあげるとよいでしょう。後期以降で赤ちゃんがしっかり噛めるようになれば、生のきゅうりを薄く切って使うのもいいですね。
しかし実際に離乳食できゅうりをどうやって使えばいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
きゅうりの使い方に迷ったらぜひこの記事のレシピを参考にして作ってみてください。きゅうりを使うコツを押さえておけば、簡単に離乳食できゅうりが取り入れられますよ。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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