2023年07月01日 00:00
加熱するとやわらかい食感で、赤ちゃんにも向いているなす。「離乳食でなすはいつから食べられる?」「なすは皮や種を取り除いたほうがいい?」「なすは冷凍保存ができる?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、離乳食でなすが食べられる時期や赤ちゃんに与える際のなすの下ごしらえ、離乳食でなすを簡単に取り入れる方法やなすの冷凍保存方法などについて解説します。
保育園勤務の管理栄養士ママが、赤ちゃんにおすすめのなすを使った離乳食中期レシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
離乳食でなすは、生後7〜8カ月ごろの中期から食べられる食材です。カリウムや食物繊維が多く、なすの皮にはポリフェノールの一種でもあるアントシアニンも豊富に含まれています。
なすのほとんどは水分でできているため、加熱するとやわらかくなりやすい特徴があります。舌でつぶせる程度のかたさにする必要がある離乳食中期の赤ちゃんにもおすすめの食材です。
なすを購入する際は実がふっくらしていて、ハリとツヤがあるものを選びましょう。
皮や種があるなすは、離乳食でどうやって使えばいいか気になるという方も多いのではないでしょうか。
生後7〜8カ月の離乳食中期で、なすを使う際の下ごしらえについて説明します。下ごしらえのポイントをおさえて、ぜひ離乳食で取り入れてみてください。
中期の赤ちゃんになすを与える際は、ピーラーで皮をむいてから使いましょう。
なすの皮は加熱してもかたく、小さく切ったとしても口の中に残ってしまいます。歯がまだ生え揃っていない離乳食中期の赤ちゃんは、皮を口から吐き出してしまう可能性があります。
生後9〜11カ月の後期以降、赤ちゃんがなすの皮を嫌がらないようであれば、皮をむかずに与えてもよいでしょう。
なすはアクが強い野菜です。切ったあとに10分程度、水にさらしてから加熱して与えましょう。
水にさらしてアクを取り除くことで、なすのえぐみを抑えられます。なすを嫌がる赤ちゃんには、水にさらしてから加熱したものを与えてみてください。
なすのアク抜きは断面に塩をふって置いておくことでもできますが、使える調味料が少ない離乳食中期では水にさらしておくのがおすすめです。
なすの種はやわらかいので、取り除かずに食べられます。
ただし赤ちゃんが種を嫌がるようであれば、加熱後に裏ごしをしてから食べさせるのもよいでしょう。
なすの種が黒や茶色に変色している場合は、鮮度が落ちてきている証拠です。腐っているわけではないので食べられますが、赤ちゃんに与える食材はできるだけ新鮮なものを与えるのがよいでしょう。
中期の赤ちゃんには、加熱したあとにみじん切りにして与えましょう。
みじん切りにしたなすだと口から出してしまう場合は、片栗粉でとろみをつけてあげたり軽くつぶしたりして調理するのもおすすめです。
なすは加熱するとトロトロの食感に変わるので、とろみを出したい料理の際は粗つぶしにして他の食材と和えるのもいいですね。
水分量が多く加熱するとトロトロの食感になるなすは、離乳食で使う食材におすすめの野菜です。
なすを離乳食で簡単に取り入れたいという方は、電子レンジで加熱したり時短調理器具を使ってみたりするのもおすすめです。
毎日の離乳食作りに負担を感じている方は、ぜひ試してみてください。
なすを簡単に加熱したい場合は、電子レンジを利用するとよいでしょう。お湯でゆでる必要もないので、洗い物を減らしたい方にもおすすめです。
<電子レンジでのなすの加熱方法>
1)なす(約1/4本分)は、皮をむいてみじん切りにする
2)耐熱容器に1)と水大さじ2を入れる
3)ふんわりとラップをして、電子レンジ500Wで3分程度加熱する
中期の赤ちゃんに与える離乳食は、舌でつぶせるかたさになるまで加熱してあげましょう。
なすを簡単にみじん切りしたい時は、チョッパーやフードプロセッサーなどの調理器具がおすすめです。
皮をむいてぶつ切りに切ったら、水にさらしてチョッパーやフードプロセッサーにかけて細かく刻みましょう。
チョッパーやフードプロセッサーは少量よりも、たくさんのなすをまとめてみじん切りにしたい時に向いています。
なすをペースト状にしたい場合は、ブレンダーを利用するとよいでしょう。
ブレンダーにはさまざまな種類が販売されていますが、離乳食の少量でも作れるタイプがおすすめです。
固形の食材を嫌がる場合やスープにしたい時は、ぜひブレンダーを取り入れてみてください。
加熱するとトロトロの食感になるなすは、冷凍保存が可能な食材です。毎回離乳食を用意するのが面倒だと感じている方は、下ごしらえして冷凍保存しておくのもよいでしょう。
離乳食中期では、みじん切りに切って加熱したなすを冷凍保存容器に入れて冷凍しておくのがおすすめです。
冷凍したなすは、1週間以内を目安に早めに使いましょう。また一度解凍したなすは、再冷凍をすると鮮度や味が落ちてしまうので、解凍した分は使い切るように心がけましょう。
なすは、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性のある食べ物です。
口腔アレルギー症候群とは、花粉症がある人が特定の野菜や果物を摂取した際に現れるアレルギー症状のことをいいます。
なすを食べさせたあとに口の中がかゆくなったり、ピリピリしたりするなどのアレルギー症状が現れた場合はすぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんになすを初めて与える際は、病院を受診できる平日の午前中に小さじ1程度から与えて、アレルギー症状が出ていないか確認してあげましょう。
生後7〜8カ月の中期ごろから食べられるなすは、離乳食の赤ちゃんにも向いている野菜です。
まだ固形の食材が苦手な赤ちゃんには、片栗粉でとろみをつけてあげたりつぶしたなすを使ったりしてあげるといいですね。
今回は保育園の管理栄養士がおすすめする「なすの離乳食中期レシピ」をご紹介します。
材料(1回分)
・なす 1/5本(約20g)
・だし汁 大さじ2
作り方
1)なすは皮をむいて10分程度水にさらす
2)水気を切って、みじん切りにする
3)耐熱容器に2)とだし汁を加える
4)ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで3分加熱する
ポイント:電子レンジで作れるので、洗い物を少なくしたい方や手軽になすを離乳食で取り入れたい方におすすめのレシピです◎だしの風味だけの味付けでもクセのない味わいを楽しめます。なすがかたそうであれば、再度電子レンジで1〜2分加熱してみてください。
材料(1回分)
・なす 1/5本(約20g)
・鶏ひき肉 10g
・水 150ml
・みそ 少量
・水溶き片栗粉 適量
作り方
1)なすは皮をむいてみじん切りにし、10分程度水にさらす
2)鍋に水となす、鶏ひき肉を加え、弱火で火が通るまで加熱する
3)みそを加えて風味付けをする
4)水溶き片栗粉を加えて、とろみがつくまで加熱する
ポイント:おかゆの上にのせても美味しく食べられます◎ひき肉の中では比較的やわらかく、赤ちゃんにもおすすめの鶏ひき肉。片栗粉を使ってとろみをつけているので、赤ちゃんでも食べやすくなっています。大人用も一緒に作りたい場合は、離乳食分を取り出したあとにみその量を増やしたり、砂糖や豆板醤を加えたりしてもよいでしょう。
材料(3回分)
・なす 1/2本(約50g)
・玉ねぎ 1/6個(約30g)
・トマト缶詰(上澄) 大さじ1
・水 200ml
作り方
1)なすは皮をむいてみじん切りにし、10分程度水にさらす。玉ねぎもみじん切りにする。
2)鍋に水気を切った1)、トマト缶詰の上澄、水を加える
3)弱火〜中火で、食材が舌でつぶせる程度のやわらかさになるまで加熱する
ポイント:冷凍保存しておくのにおすすめのラタトゥイユ風スープ。離乳食作りに負担を感じている方は多めに作り置きしておくのもよいでしょう。離乳食で使うトマトの缶詰は無塩タイプのものを選びましょう。
材料(1回分)
・なす 1/5本(約20g)
・キャベツ 10g
・だし汁 80ml
作り方
1)なすは皮をむいてみじん切りにし、10分程度水にさらす
2)キャベツは5mm角程度に切る
3)鍋にだし汁、1)、2)を加えて弱火〜中火でやわらかくなるまで煮る
4)汁気が少なくなったら、フォークの裏で軽くつぶす
ポイント:だし汁でくたくたに煮た食材を、最後にフォークで軽くつぶすことで中期開始後の赤ちゃんでも食べやすくなります。なすでとろみが出るので、片栗粉を使わなくてもなめらかな食感になります。
淡白な味わいでクセがなく、水分量の多いなすは、離乳食中期の赤ちゃんにおすすめの野菜です。
生後7〜8カ月の中期でなすを使う際は、皮をむいて10分程度水にさらしてみじん切りにし、舌でつぶせる程度のやわらかさになるまで加熱してから与えましょう。
電子レンジやチョッパー、フードプロセッサーなどを使うと、簡単に離乳食でなすを取り入れられるのでぜひ試してみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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