【保育士監修】離乳食に果物が使えるのはいつから?おすすめフルーツの調理法

果物は自然の甘みやさわやかな酸味を楽しめる食材であり、赤ちゃんにも喜ばれる食べ物です。しかし、ママやパパにとって初めての果物を与えるときは、「何から始めたらいいの?」や「どんなことに気をつけたらいいの?」などと不安に感じるものですよね。 この記事では、離乳食初期・中期・後期・完了期に分けておすすめの果物と調理法をご紹介します。あわせて、赤ちゃんが果物を初めて食べる際のポイントや加熱方法、冷凍保存方法もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

離乳食に果物が使えるのは生後5~6ヶ月から

果物は、離乳食を始める生後5~6ヶ月の時期から食べることができます。厚生労働省の離乳食に関する資料によれば、最初はおかゆに慣れてから野菜や果物など種類を増やしていくとよいとされています。赤ちゃんがおかゆに慣れてきたタイミングで、ゆっくりと様子を見ながら果物を与えましょう。

初めての果物を与えるときの4つのポイント

果物に限らず初めての食材を赤ちゃんに与えるときは、「量はどのくらいがいいの?」や「アレルギー反応は出ないかな?」などとママやパパは心配になってしまいますよね。ここでは、初めて果物を与える際に気をつけるポイントを4つの項目に分けてご紹介します。

初めての食材は1日1種類を少量ずつ

いちごをもつ赤ちゃんの手

 

赤ちゃんにとって初めての食材を与えるときは、1日1種類から始めることをおすすめします。なぜなら、赤ちゃんに体調の変化があったとしても、さまざまな食材を食べてしまうことで原因を特定することが難しくなってしまうからです。また、スプーン1さじの量からスタートさせて、赤ちゃんの様子を見ながら徐々に量を増やしていくとよいでしょう。

初めての食材を食べているときは赤ちゃんから目を離さないようにし、その日の皮膚や便の様子を注意深く見ることをおすすめします。

病院が空いている時間帯で試す

赤ちゃんの中には、果物が原因でアレルギー反応を引き起こす子がいるかもしれません。果物を食べたときに体調が悪くなってしまう可能性もありますので、初めての食材を食べるタイミングは、病院受診できる平日の午前中がよいでしょう。かかりつけの小児科が開いている時間を把握しておき、何かあったときにすぐに赤ちゃんを見てもらえるような環境を整えておくと安心です。病院を受診するときは、「いつ」「何を」「どのくらい」食べたのか説明できるようにしましょう。

初めての果物は加熱する

果物は生のままでも食べられる食材ですが、初めて食べさせる際は加熱してから与えるとよいでしょう。加熱してもすべての食品のアレルゲン性が低下するわけではありません。しかし、口腔アレルギーを起こす果物のアレルゲンは熱に弱く、多くの場合加熱することで症状が出にくくなる可能性があります。

赤ちゃんが加熱した果物に慣れてきたタイミングで、生の果物も少量ずつ試していくとよいでしょう。

アレルギー反応が出やすい果物に気をつける

果物の中にはアレルギー反応が出やすいものがありますので、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。食物アレルギー表示対象品目の特定原材料に準ずるもの(20品目)に記載されている果物は、オレンジ・キウイフルーツ・バナナ・もも・りんごです。これらは食物アレルギーを引き起こすことが明らかになっている食品ですので、赤ちゃんに与える際には注意が必要です。

アレルギーの症状には、下記のようなものがあります。初めて食べる食材があるときは、「いつもと変わった様子はないか?」ということに気を配りましょう。

【アレルギーの主な症状】

・かゆみ、じんましん

・唇の腫れ

・まぶたの腫れ

・嘔吐

・咳、ぜん息 など

離乳食で使える果物の一覧

離乳食の時期に使用できる果物を一覧にしてご紹介します。赤ちゃんの成長に合わせて、食べる果物の種類を徐々に増やしていきましょう。

離乳食初期 りんご・いちご・もも・みかん・メロン・すいか・なし・バナナ など
離乳食中期 キウイ・ぶどう など
離乳食後期 柿・レモン など

 

時期別で見るおすすめの果物と調理法

おすすめの果物が分かっていても、「うちの子の月齢だとどうやって食べさせるのかいいのかな?」と調理法に迷う方も多いでしょう。ここでは、果物と一緒におすすめの調理法をご紹介します。それぞれ初期・中期・後期・完了期に分けていますので、赤ちゃんの月齢に合わせて参考にしてみてくださいね。

離乳食初期(5~6ヶ月)

すりりんご

 

離乳食初期から食べられる果物は、りんご・いちご・もも・みかん・メロン・すいか・なし・バナナなどがあります。離乳食初期は、味がまろやかで加工調理しやすい果物を選ぶようにしましょう。

水分が多いメロンやみかんは、すりつぶして果汁をあげることができます。また、比較的柔らかいバナナはすりつぶし、固いりんごやなしは加熱して柔らかくすることで加工しやすくなるでしょう。さらに、裏ごしすることでなめらかになるため赤ちゃんが食べやすくなります。

離乳食初期に食べられるバナナ・もも・りんごですが、食物アレルギーの表示対象目品になっているためアレルギー反応が出ないか慎重に様子を見ましょう。先述しましたが、初めての果物は加熱してから与えることをおすすめします。

離乳食中期(7~8ヶ月)

キウイヨーグルト

 

離乳食中期から食べられる果物は、キウイ・ぶどうなどがあります。この時期は指先でつぶせるくらいの固さにして、小さく刻んで食べられるようにしましょう。ヨーグルトと混ぜて食べる方法もおすすめです。赤ちゃんに与える量は、1回の食事で野菜と果物を合わせて20~30gが目安です。

酸味がある果物は、酸味が強くなりすぎないように十分に完熟してから与えるとよいでしょう。

キウイは、食物アレルギーの表示対象目品になっているため、アレルギー反応が出ないか慎重に見ることをおすすめします。また、ぶどうは喉に詰まらせる危険性があるので皮や種を取り、必ず刻んでから与えるようにしましょう。

離乳食後期(9~11ヶ月)

離乳食後期から食べられる果物は、柿・レモンなどがあります。柿は、熟して柔らかくなったものが食べやすいためおすすめです。

この時期は荒めのみじん切り程度に刻み、徐々に固形サイズに近い大きさや食感にしていきましょう。離乳食後期はヨーグルトの他にも、食パンに挟んでフルーツサンドにしたり蒸しパンにして食べたりすることもおすすめです。さまざまな調理法で果物を与えることで、赤ちゃんが飽きずに食べることができるでしょう。

与える量は、1回の食事で野菜と果物を合わせて30~40gが目安です。赤ちゃんが成長するにつれて、食べられる量が増えてくるのは喜ばしいことですよね。しかし、安全のためにも初めての食べる果物は少量から始めることを意識しましょう。

離乳食完了期(12~18ヶ月)

離乳食完了期は、歯ぐきでかめる固さが食べられる時期です。赤ちゃんは、口を前後上下左右に動かして、食べ物を噛みつぶして食べられるようになってきます。手づかみで食べたり前歯でかじりとったりすることも上手になるので、徐々に手づかみ食べがしやすい食事形態にしましょう。

赤ちゃんに与える量は、1回の食事で野菜と果物を合わせて40~50gが目安です。普段の食事でとりきれなかった栄養は、おやつの時間に果物を食べることで補ってもよいでしょう。

果物のおすすめ加熱方法

果物のおすすめの加熱方法は、電子レンジです。少量から手軽に加熱できるため、比較的調理しやすいでしょう。電子レンジでの加熱するときは、耐熱容器に果汁やすりおろした果物、カットした果物などを入れラップをしてから温めましょう。

電子レンジの他にも、湯がく・蒸す・オーブンなどさまざまな加熱方法があります。他の調理で加熱するタイミングがあれば、一緒に果物を加熱してもいいですね。赤ちゃんが加熱した果物に慣れてきたら、生の果物を少量ずつ試してみましょう。

果物のおすすめ冷凍保存方法

ジップロックキウイ

 

余った果物は、冷凍保存しても問題ありません。冷凍保存するときは、清潔な容器に入れて保存し1週間ほどで使い切りましょう。容器は、製氷皿やジッパー付き袋がおすすめです。ジッパー付き袋で保存する際は、上から筋を付けておくことで後から使いたい分を割って使用できます。冷凍した果物を使用するときは、自然解凍の状態ではなく、再加熱すると安心です。

余った果物の保存に便利な冷凍保存ですが、一度解凍したものを再冷凍することは食品の品質を悪くしてしまう恐れがあるため控えておきましょう。

まとめ

季節によってさまざまな種類がある果物は、ビタミンや食物繊維が摂れる魅力的な食材です。初めて果物をあげるときのポイントは、①1日1種類を少量であげる②病院が開いている時間帯に試す③初めての果物は加熱する④アレルギー反応が出やすい果物に注意しようの4点です。

離乳食を準備するときに、「何からあげよう・・・・・・」「どうやって調理しよう?」と悩んだ際には、紹介した果物と調理法を参考にしてみてくださいね。大事なポイントを押さえておくことで、安心して赤ちゃんの果物デビューができるでしょう。


ライター名:神戸 のどか
保育士として保育園で5年半勤務し、0歳~6歳の子どもたちと関わってきました。現在は、ライターとして主にママ・パパや保育士向けの記事を執筆しています。


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