【管理栄養士監修】離乳食で高野豆腐を使えるのはいつから?赤ちゃんも喜ぶレシピ3選

スポンジのように水分を吸収して、ジューシーな食感を楽しめる高野豆腐。「離乳食で高野豆腐はいつから食べられる?」「市販の高野豆腐におすすめの商品はある?」「離乳食向けの高野豆腐レシピは?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 この記事では、離乳食で高野豆腐を与える時期や赤ちゃんに与える際の1回目安量、下ごしらえの方法や離乳食におすすめの高野豆腐をご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが離乳食初期以降の赤ちゃんにおすすめの高野豆腐レシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!

離乳食で高野豆腐は初期から食べられる食材

離乳食で高野豆腐は、生後5〜6カ月の初期から食べられる食材です。赤ちゃんに初めて高野豆腐を食べさせる場合は、おかゆや野菜類に慣れてきた頃を目安に与えるとよいでしょう。

高野豆腐は水分や調味料と一緒に加熱すると、スポンジのように汁を吸収してくれるのでジューシーな味わいを楽しめます。

離乳食では乾物の高野豆腐をそのまま削って調理することも可能なので、手軽に栄養を補いたい時にもおすすめです。

豆腐よりも鉄分やカルシウムが豊富

凍らせた豆腐を乾燥させて作られる高野豆腐。高野豆腐は豆腐よりも鉄分やカルシウムなど、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。

成分が凝縮されている高野豆腐は、離乳食で栄養をしっかり補いたい時に向いています。カルシウムや鉄分を手軽に補いたい場合は、おかゆやスープなどに高野豆腐を混ぜて使うのもよいでしょう。

また生後9カ月以降の赤ちゃんでは鉄分不足の症状が現れやすい特徴があるので、高野豆腐から鉄分を補うのもおすすめです。

タンパク質を手軽に補える

大豆製品である高野豆腐には、赤ちゃんの成長に必要不可欠なタンパク質が豊富に含まれています。効率よくタンパク質を補いたい場合は、離乳食で高野豆腐を取り入れるのもよいでしょう。

高野豆腐(水煮)は100gあたりにタンパク質が10.7g含まれており、絹ごし豆腐や木綿豆腐よりもタンパク質含有量が多いメリットがあります。

<高野豆腐と豆腐のタンパク質含有量>
・高野豆腐(水煮)100gあたり10.7g
・絹ごし豆腐   100gあたり5.3g
・木綿豆腐    100gあたり7.0g

常温での長期保存が可能

高野豆腐の保存方法は常温保存なので、比較的長期保存が可能な食品です。

一般的な高野豆腐の賞味期限は未開封の場合で約6カ月程度日持ちするので、常備しておくとすぐに使えます。高野豆腐を常備しておくと離乳食でもう一品用意したい時や、手軽に栄養を補いたい時にも便利です。

開封後の高野豆腐は冷蔵庫で保管し、1カ月を目安にして早めに使い切りましょう。

離乳食で使う高野豆腐の1回目安量

離乳食で赤ちゃんに高野豆腐を与える際は、どのくらいの量を与えればよいのでしょうか。赤ちゃんの月齢ごとに、高野豆腐を与える際の1回あたりの目安量を紹介します。

高野豆腐を赤ちゃんに初めて与える際は少量から与えるようにして、月齢ごとの目安量を参考に離乳食作りで取り入れてみてください。

離乳食で使う高野豆腐の1回目安量

 

※上記の表は大豆・大豆製品のうち、1食のうちに使う食材が高野豆腐だけである場合の目安量です。他の大豆・大豆製品と組み合わせる場合は、目安量より減らしてもよいでしょう。

離乳食で使う高野豆腐の下ごしらえポイント

高野豆腐は水で戻すと弾力が増すため、赤ちゃんの月齢によっては食べにくい可能性があります。離乳食で使う際は、赤ちゃんの発達に合わせた形状にしてから与えましょう。

離乳食で使う高野豆腐の下ごしらえポイント

 

離乳食初期や中期の赤ちゃんは上手に噛むことができないので、乾燥のまますりおろした高野豆腐がおすすめです。水や出汁と一緒に加熱すると、なめらかな食感に仕上がります。

また中期以降の赤ちゃんで高野豆腐をすりつぶして使いたい場合は、水で戻して刻んでからすりつぶすと上手につぶせます。

離乳食の高野豆腐はすりおろしてから冷凍が便利

離乳食で使う高野豆腐は冷凍保存が可能です。離乳食で高野豆腐を取り入れたい方は、すりおろしたり水で戻したりしたものを冷凍しておくとよいでしょう。

手軽に高野豆腐を取り入れたい場合は、乾燥の高野豆腐をすりおろしてから冷凍しておく方法がおすすめです。

離乳食で使う高野豆腐を冷凍する際は、冷凍保存容器や冷凍保存袋に入れて密閉してから冷凍しましょう。

離乳食におすすめの市販の高野豆腐

「離乳食で使うならどんなメーカーの高野豆腐がいい?」「市販の高野豆腐でおすすめ商品はある?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高野豆腐には無添加のものや粉末タイプ、極小タイプなど、メーカーによってさまざまな商品が販売されています。今回は離乳食におすすめの市販の高野豆腐を紹介するので、自分が使いやすい高野豆腐を探してみてくださいね。

無添加にこだわった「ムソー 無添加にがり高野豆腐」

出典:楽天市場

「ムソー 無添加にがり高野豆腐」は、国内産有機丸大豆が使用されている高野豆腐です。凝固剤にはにがり(塩化マグネシウム)が使用されているので、無添加のものを選びたい方にも向いています。

歯応えがしっかり感じられる高野豆腐ですが、離乳食初期から使用が可能。すりおろしたりつぶしたりして使う時におすすめです。

粉末タイプで便利な「みすず 粉とうふ」

 

出典:楽天市場

「みすず 高野豆腐」は高野豆腐が粉末状になっているため、料理に混ぜるだけで簡単に使えます。

高野豆腐を水で戻したり刻んだりする必要がないので、離乳食で手軽に高野豆腐の栄養を補いたい方や離乳食初期や中期でなめらかな形状にしたい時におすすめです。

完了期以降におすすめ「信濃雪 極小こうや」

出典:楽天市場

国内産大豆を100%使用した「信濃雪 極小こうや」は、1切あたり約7mm×5mm×5mmの極小サイズにカットした高野豆腐です。

膨軟剤が使われていないので、添加物不使用の高野豆腐を選びたい方や離乳食用として使いたい方にも向いています。

離乳食完了期以降で高野豆腐を角切りにして使いたい場合や、大人用のみそ汁の具材として使いたい場合にもおすすめです。

離乳食で高野豆腐を使う際の注意点

タンパク質やカルシウム、鉄分など、赤ちゃんの成長に必要な栄養素を補える高野豆腐。高野豆腐を離乳食で取り入れる際は、アレルギーや窒息予防についての注意点を知っておきましょう。

大豆アレルギーに気をつける

高野豆腐は原料が大豆である豆腐から作られているため、大豆アレルギーに注意が必要です。

大豆はアレルギー症状が比較的現れやすいといわれている「特定表示原材料 27品目」のうちのひとつです。離乳食開始後の赤ちゃんで豆腐などの大豆製品を今までに食べたことがない場合は、少量から与えることが大切です。

初めての大豆製品として高野豆腐を与える場合は少量から与え、食事中や食後にじんましんや呼吸困難などのアレルギー症状が現れていないか確認しましょう。

子ども用高野豆腐は対象年齢を確認する

高野豆腐には、子ども用として販売されている商品も存在しています。市販の子ども用高野豆腐を使用する際は、対象年齢を確認してから取り入れましょう。

子ども用高野豆腐はキャラクターのイラストが焼印されていたり、粉末調味料が付いていたりするため手軽に高野豆腐を取り入れたい方に人気です。

しかし赤ちゃんに与える高野豆腐は小さく刻んだり調味料をほとんど使わなかったりするため、離乳食で子ども用高野豆腐をそのまま使うのはあまり向いていません。子ども用高野豆腐を使用する際は、赤ちゃんの月齢に合わせた形状にしてから与えましょう。

離乳食でおすすめの高野豆腐レシピ3選

高野豆腐は煮物として用いられることが一般的ですが、実はさまざまな使い方ができる食材です。

ここでは保育園の管理栄養士ママが離乳食におすすめの高野豆腐レシピを紹介します。どんなレシピを取り入れればよいか迷った方は、ぜひ参考にして作ってみてくださいね。

【初期】高野豆腐の出汁煮

【初期】高野豆腐の出汁煮

 

材料(2回分)
・高野豆腐(すりおろし)  小さじ2
・だし汁          小さじ3

作り方
1)すりおろした高野豆腐とだし汁を耐熱皿に入れる
2)ふんわりとラップをして、電子レンジ500Wで40秒加熱する
3)しっかり混ぜ合わせる

ポイント:おろし器ですりおろした高野豆腐とだし汁の相性はピッタリ。電子レンジで加熱するだけで、離乳食初期の赤ちゃんから食べられる高野豆腐の煮物が出来上がります。

【中期】ブロッコリーと高野豆腐の和え物

【中期】ブロッコリーと高野豆腐の和え物

 

材料(1回分)
・高野豆腐(水で戻したもの) 10g
・ブロッコリー(穂先)    20g
・だし汁           100cc
・しょうゆ          数滴

作り方
1)水で戻した高野豆腐とブロッコリーをみじん切りにする
2)鍋に1)とだし汁、しょうゆを加え、弱火でやわらかくなるまで煮込む
3)2)をすり鉢ですりつぶす

ポイント:水で戻した高野豆腐をあらかじめみじん切りにしておくことで、すりつぶす時に簡単につぶせます。

【後期】高野豆腐のチーズおやき

【後期】高野豆腐のチーズおやき

 

材料(2〜3回分)
・高野豆腐         大さじ1
・じゃがいも        中1個
・片栗粉          大さじ1
・粉チーズ         少々

作り方
1)高野豆腐はおろし器ですりおろしておく
2)じゃがいもはやわらかくなるまで茹でてつぶす
3)ボウルに1)と2)、片栗粉と粉チーズを加えてしっかり混ぜ合わせる
4)フライパンを熱して、丸く成形した3)を両面焼く

ポイント:チーズの風味が楽しめる高野豆腐のおやきです。やわらかい食感なので、赤ちゃんが手で持って食べられる一品を用意したい時に向いています。

まとめ

タンパク質やカルシウム、鉄分など栄養素が豊富な高野豆腐は、離乳食の赤ちゃんにおすすめの食材。離乳食で高野豆腐を初めて与える場合は、生後5〜6カ月ごろの初期以降を目安に取り入れてみるとよいでしょう。

しかし実際に離乳食で高野豆腐を使いたいと思っても、どうやって調理すればいいのかわからないという方も多いですよね。

高野豆腐を離乳食でどうやって使えばいいか迷った方は、ぜひこの記事で紹介した高野豆腐の離乳食レシピを参考にして作ってみてください。


ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。


あわせて読みたい

関連リンク:離乳食に 栄養豊富な豆腐を取り入れよう!豆腐で作る離乳食レシピ5選