2023年04月07日 00:00
タンパク質やイソフラボンなどの栄養が豊富な豆腐は、離乳食の赤ちゃんにおすすめの食材です。「離乳食で豆腐はいつから食べられる?」「離乳食で豆腐はどのくらいの量を与えてもいい?」「豆腐は冷凍保存できるの?変色してしまっても食べられる?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は離乳食で豆腐が食べられる時期、豆腐の進め方や量、豆腐の冷凍保存方法や離乳食で豆腐を使う時の注意点について説明します!管理栄養士ママおすすめの豆腐で作る離乳食レシピも紹介するので、ぜひご家庭で作ってみてください。
豆腐は生後5〜6カ月の初期から食べられる食材です。舌で簡単につぶせるため、固形物を上手に食べられない初期から使いやすいたんぱく質源です。
豆腐にはたんぱく質やカルシウムが豊富で、低脂肪・低カロリーな特徴もあります。消化吸収に時間がかかりにくく、胃腸が未発達な赤ちゃんに向いています。
おかゆや野菜類に慣れたあと、初めて与えるたんぱく質の食材として離乳食で取り入れてみるのもよいでしょう。
「絹ごし豆腐か木綿豆腐どっちの方がいい?」と気になる方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんに初めて豆腐を与える場合は、なめらかな食感の絹ごし豆腐がおすすめです。
絹ごし豆腐はキメが細かいので、ペースト状にもしやすく口当たりもいいので赤ちゃんにおすすめの食材です。離乳食で少量だけ使いたいという方は、小分けパックの絹ごし豆腐を選ぶのもいいですね。
後期以降で固形の食べ物に慣れてきていれば、豆腐の形がしっかり残る木綿豆腐を使うのもよいでしょう。
離乳食で豆腐は、おかゆや野菜に慣れてきた頃に与えます。豆腐を赤ちゃんに初めて与える場合は1さじ程度からにして、徐々に増やしていきましょう。
また赤ちゃんの発達に合わせて食べやすくするためにも、月齢に合わせた形状にする必要があります。豆腐は舌でもつぶせるやわらかさなので、中期以降であればコロコロに切って与えるのもいいですね。
※たんぱく質の中で、1食のうちに使う食材が豆腐だけである場合の目安量です。他のたんぱく質食材と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
豆腐は冷凍での保存が向かない食材ですが、ペースト状にすれば冷凍保存が可能です。離乳食では少量しか使わないので、余ってしまった豆腐はできるだけ早く冷凍保存するとよいでしょう。
ペースト状にした豆腐は冷凍保存容器や製氷皿に1回量ずつ入れて冷凍するか、冷凍保存袋に入れて割り箸などで1回量ずつ筋目を入れて密閉して冷凍するのがおすすめです。
冷凍保存した豆腐は1週間を目安に使い切るようにしましょう。
豆腐は、冷凍すると水分が抜けて黄色くなってしまいます。豆腐の原料である大豆の色で黄色くなってしまいますが、変色しても傷んでいるわけではありません。
一見使えるのか不安になってしまう冷凍豆腐ですが、解凍すると元の豆腐の白さに戻るので、赤ちゃんに与えても問題はありません。
冷凍した豆腐は水分が抜けて「す」が入り、ぼそぼそとした食感に変わってしまいます。
品質的には問題ありませんが、解凍しても冷凍前のなめらかなペースト状には戻りにくいため、赤ちゃんによっては食感を嫌がる可能性があります。
赤ちゃんが冷凍した豆腐の食感を嫌がるようであれば、おかゆに混ぜたり再度裏ごししたりしてから与えるとよいでしょう。
なめらかで舌触りの良い豆腐は、離乳食の赤ちゃんにぴったりの食材。
フォークでも簡単につぶせるので、忙しい時の離乳食作りで大活躍する豆腐ですが、豆腐を使う際には注意点があります。
安全で衛生的な離乳食を作るために、豆腐を使う時の注意点を3つご紹介します。
大人ではそのまま食べられる豆腐ですが、赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いのでしっかり加熱してから与える必要があります。豆腐に限らず離乳食を作る際は、衛生面に気をつけて食材は加熱して使いましょう。
また加熱して与えることで、アレルギーの症状を抑えられる可能性があります。豆腐は大豆アレルギーの症状を引き起こす可能性もあるので、初めて豆腐を与える際はしっかり加熱してから赤ちゃんに与えましょう。
電子レンジで豆腐をそのまま加熱すると、爆発する可能性があります。
必ず爆発するというわけではありませんが、電子レンジ加熱をする際はポイントを押さえておくといいですね。
爆発を避けるためには、ペースト状にしたものを加熱するか、水に浸してふんわりとラップをしてから加熱するとよいでしょう。
電子レンジで豆腐1食分を加熱したい場合は、耐熱容器に入れてふんわりとラップをしてから電子レンジ500Wで40秒加熱するのがおすすめです。
大豆から作られている豆腐は、大豆アレルギーの症状を引き起こしやすい食材です。
赤ちゃんに豆腐を初めて与える際は、平日の午前中に1さじから与えましょう。病院が空いている時間に合わせて初めての食材を与えると、アレルギー症状が現れてもすぐに病院を受診できます。
初めての食材を与えたあとは、湿疹やじんましん、下痢や嘔吐、呼吸困難などのアレルギー症状が出ていないか観察しましょう。
なめらかな舌触りで、離乳食の赤ちゃんでも食べやすい豆腐。
豆腐はつぶしたりコロコロに切ったりいろんなアレンジができるので、離乳食作りのバリエーションも広がります。
今回は保育園管理栄養士で1児の母でもある私が、赤ちゃんの月齢別におすすめの豆腐離乳食レシピをご紹介します。ぜひご家庭でも作ってみてください。
材料(3回分)
・絹ごし豆腐 18g
・バナナ 1/8本
・水 小さじ1
作り方
1)豆腐とバナナはなめらかにすりつぶす
2)耐熱容器に1)と水を加えて混ぜ、ペースト状にする
3)ふんわりとラップをして、電子レンジ500Wで40秒加熱する
ポイント:加熱することで、バナナの甘みがしっかり感じられて赤ちゃんでも食べやすい1品に仕上がります。ペースト状になるので、余った分は冷凍保存も可能なレシピです。
材料(1回分)
・絹ごし豆腐 6g
・育児用ミルク(調乳済み) 80ml
作り方
1)豆腐はなめらかにすりつぶす
2)1)を耐熱容器に入れふんわとラップをして、電子レンジ500Wで40秒加熱する
3)育児用ミルクを加えてしっかり混ぜ合わせる
ポイント:大豆の風味とミルクの甘みがおいしいミルクスープ。飲み慣れている育児用ミルクを使うことで、赤ちゃんでも食べやすくなります。
材料(1回分)
・絹ごし豆腐 30g
・ほうれん草(葉) 20g
・にんじん 10g
・だし汁 小さじ1/2
・みそ 少々
作り方
1)ほうれん草、にんじんはやわらかくゆでて粗つぶしにする
※ほうれん草はみじん切りにしてからすりつぶすと、しっかりつぶせます。
2)耐熱容器に豆腐を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ500Wで40秒加熱する
3)ボウルに1)、2)、だし汁を加えてよく和える
4)みそで味付けする
ポイント:だし汁とみそを少量混ぜることで、ほうれん草の青臭さも抑えられます。ほうれん草を粗つぶしにする際は、みじん切りにしてからつぶすことでよりなめらかに仕上がります。赤ちゃんがまだ粗つぶしのものを嫌がるようであれば、しっかりつぶしてペースト状にしてあげるのもよいでしょう。
材料(12個分)
・豚ひき肉 100g
・絹ごし豆腐 90g
・玉ねぎ 1/2個
・にんじん 1/2本
・ひじき(乾燥) 少々
・片栗粉 大さじ1
・しょうゆ 小さじ1
・サラダ油 少々
作り方
1)ひじきは水で戻しておく
2)玉ねぎ、にんじんはみじん切りにする
3)耐熱容器に2)を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで2分加熱する
4)ボウルに豚ひき肉、絹ごし豆腐、ひじき、3)としょうゆを加えて、粘りが出るまでしっかりと混ぜ合わせる
5)片栗粉を加えてさらに混ぜ合わせる
6)フライパンにサラダ油を熱し、スプーン2本を使って5)を落とし、楕円形になるように形を整え両面焼く
7)水(分量外)大さじ2を加えて、蓋をして弱火〜中火で5分蒸し焼きにする
ポイント:豆腐を加えることでふわふわの食感になって、歯茎で噛めるかたさに仕上がります。大人用は焼く前に調味料を足して作ることもできます。
材料(1回分)
・ごはん 80g
・豚ひき肉 10g
・絹ごし豆腐 30g
・玉ねぎ 20g
・にんじん 20g
・サラダ油 少々
・だし汁 100ml
・みそ 少々
・しょうゆ 数滴
・水溶き片栗粉 適量
作り方
1)豆腐は1cm程度の角切りに、玉ねぎとにんじんはみじん切りにする
2)フライパンにサラダ油を熱し、豚ひき肉を炒める
3)玉ねぎ、にんじん、だし汁を加えて中火〜弱火で5分程度煮る
4)豆腐、みそ、しょうゆを加えて、さらに1分煮る
5)水溶き片栗粉でとろみをつける
ポイント:口の中で残ってしまいやすい豚ひき肉は、とろみをつけてあげると食べやすくなります。大人は調味料を増やして豆板醤を加えると、麻婆豆腐のようにおいしく召し上がれます。
舌で簡単につぶせる豆腐は、生後5〜6カ月の初期から食べられるたんぱく質。おかゆや野菜に慣れてきたら、初めて与えるたんぱく質として使うのもいいですね。
豆腐はそのままでも食べられる食品ですが、離乳食の赤ちゃんに与える際は衛生面を考慮して、必ず加熱してから与えるように心がけましょう。また大豆アレルギーの症状を引き起こす可能性もあるので、初めて与える場合は1さじからにして、徐々に増やしていくといいですね。
ペースト状にすれば冷凍保存も可能なので、離乳食作りの負担を軽減させたい方や豆腐が余ってしまうことで悩んでいる方はぜひ試してみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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