「新生児」っていつまで?大変な時期を乗り越えるための心構え

おむつ替えや授乳の回数が多い新生児の子育ては、初めて育児をするお母さんにとっては非常に大変ですよね。 しかし、新生児の期間や子育てのコツを知っていれば、気持ちも少し楽になるかもしれません。 そこで今回は、大変な新生児期を乗り越えるコツを紹介します。初めて新生児の子育てをするお母さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

新生児は「出生後28日未満」まで

 

新生児とは「出生後28日未満まで」の赤ちゃんのことです。誕生日を0日としてカウントし、生後4週間未満までは新生児と呼び、それ以降は乳児や幼児と呼び方が変化します。これは母子健康法という法律で定められているものです。

出典:母子保健法「第一章総則 第六条」

新生児のほか、新産児(しんさんじ) や初生児(しょせいじ)などさまざま な呼び方があります。

生後7日未満の赤ちゃんは早期新生児と呼ばれ、産院で看護を受けながら胎外に適応するための期間といわれています。早期新生児の呼び方も、緑児(みどりご)や嬰児(えいじ/みどりご)などさまざまです。

また、これらは未熟児や早産児など赤ちゃんの状態に関係なく適用されます。

乳児や幼児との違い

新生児・乳児・幼児は、主に「年齢の違い」で呼び分けられます。また、赤ちゃんの成長は非常に早く、それぞれ身体や心の成長にも違いがあります。

以下のような年齢の違いで呼び分けられています。

  • 新生児:生後0~28日未満
  • 乳児:生後28日~1年未満
  • 幼児:1歳~小学校就学前まで

乳児

乳児は「生後28日〜1歳未満」の赤ちゃんを指します。乳児期は最も成長が早く、月齢ごとに大きく成長します。

この時期は寝返りやハイハイ、お座りなどを覚えるとともに、視覚や嗅覚といった五感も発達するのが特徴です。感情表現も豊かになり、泣く以外に「笑う」「怒る」「寂しい」などさまざまな感情を表すようになります。

また、スキンシップを通して愛されたり大切にされたりすることで、人への信頼感を育むのもこの時期です。

幼児

幼児は「1歳〜小学校就学前 」までと年齢幅が広いです。乳児期 と同様に周囲の環境に反応し、さらに認識力や社会性を発達させていきます。子ども同士で遊ぶ機会が増えるため、自分の感情を表現したり相手の気持ちを考えたりと道徳性も育まれます。

また、2〜3歳の頃は自己主張が最も激しく、自分勝手な行動が目立つ時期です。ただ、 抑える気持ちもゆっくりと発達していくので、焦らずに様子を見てあげることが大切です。

食事・排泄・睡眠など生活習慣を身につけ始めるのもこの時期で、やり方はもちろん基本的なスケジュールも覚えていくのが特徴です。

新生児の特徴

新生児は心身ともに未発達で周囲の環境に敏感です。また、刺激を受けて筋肉が勝手に反応する「原始反射」があるのも新生児の特徴です。

新生児の特徴を次の3つにわけて紹介します。

  • 身体的な特徴
  • 五感の特徴
  • 原始反射

新生児の特徴を知ることで、赤ちゃんの予想外の動きにも冷静に対処できるようになるでしょう。

身体的な特徴

新生児の身体は以下のようになっています。

新生児の身体的特徴
頭・顔周辺 ・頭頂部が柔らかい

・筋肉が発達しておらず首が揺れやすい

・口周りの筋肉が強く母乳を吸う力がある

手・足 ・爪が鋭く触れると赤ちゃんの肌が傷つきやすい

・曲げる力の方が強いため、曲げた状態が自然

・手足をよく動かす

・股関節が柔らかく外れやすい

お腹・おへそ ・生後1週間程度でへその緒の残りが取れる

・消化機能が弱くおしっこやうんちの回数が多い

・胎脂と呼ばれる脂肪分がついている

・生後2~3日で皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わる

・皮脂の分泌が多く「新生児ニキビ」 ができやすい

呼吸 ・1分に30~60回の呼吸を行う

・腹式呼吸でお腹をふくらませたりへこませたりする

体温 ・平熱が36.5~37.5度と高く汗をかきやすい

・体温調節が上手くできない

 

新生児は外からの刺激に敏感で身体も未発達なため、優しく扱ってあげることが大切です。

五感の特徴

新生児は五感も大人と異なります。

新生児の五感の特徴
視覚 ・視力は0.01~0.05と非常に弱く、明るさの判別しかできない

・生後6週間ほどで少しずつ顔を認識できるようになる

聴覚 ・生まれたときから音に反応する

・生後1ヶ月頃には大きな音に驚くようになる

触覚 寒さ、暑さ、冷たさ、熱さ、痛みなどを感じる
嗅覚 ・母乳の匂いを感じる

・お母さんの匂いもわかる

味覚 ・甘みとほかの味覚を判別できる

・母乳とミルクの違いはまだわからない

 

原始反射

原始反射とは、外からの刺激に対して無意識に身体が反応してしまう反射動作のことです。新生児の原始反射には、次のようなものがあります。

新生児の原始反射

 新生児の原始反射
歩行反射 足が床に触れると、勝手に足を動かして歩くような動作を行う
哺乳(ほにゅう)反射 探索(たんさく)反射

・唇や頬に何かが触れると、触れた方向に顔を向ける

捕捉(ほそく)反射

・唇に何かが触れると、唇や舌がとらえるように動く

吸啜(きゅうてつ)反射

・何かをくわえると、吸うような動作を行う

把握(はあく)反射 手のひらに何かが触れると手を握る

足も同様で足の裏をギュっと握る

モロー反射 外からの刺激を受けると驚いたように両手を広げ、何かに抱きつくような動作を行う
ガラント反射 背骨の片側をなぞると下半身を曲げる
非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ) 頭を片側に曲げた時、曲げた方の手足は伸び反対側は曲がる

 

新生児の子育てで大変なこと

心身ともに未熟な新生児の子育ては、幼児や乳児に比べて大変です。特に大変なポイントは、以下の4つです。

  • おむつ替え
  • 授乳
  • 寝かしつけ
  • あやす

子育てで大変なポイントを理解しておくことで、回数の多いおむつ替えや授乳に対しても冷静に対処できます。

10回以上のおむつ替え

新生児はおしっこやうんちの回数が多いので、10回以上のおむつ替えが必要です。

出典:「毎日のおむつ替え事情、教えて!【先輩ママ1332人のリアルな声】|アカチャンホンポ」Q2アンケート調査より

実際、アンケートでは新生児期のおむつ替えの回数は10〜15回が半数を占め、15回以上と合わせると全体の8割以上が10回以上になります。

また、おしっこやうんちをしていなくても長時間同じおむつをつけ続けていると、肌のかぶれやムレにつながります。お風呂上りや起床後などにこまめにおむつを替えてあげることが大切です。

特に、初めての子育てはわからないことだらけ。 その中で頻繁におむつ替えをしなければいけないので、心身ともに負担がかかりやすいのです。

2~3時間おきの授乳

新生児は2〜3時間おきに授乳を行う必要があります。夜中や早朝でも授乳しなければいけないので、睡眠不足になりやすく大変です。赤ちゃんによっては1〜2時間おきに泣き出す子もおり、一日中授乳しなければいけないことも。

また、授乳が遅くなると大声で泣き出してしまうことがあり、ストレスにつながることもあります。

ミルクの場合でも授乳頻度は変わらず、3時間おき、1日約7回を目安に与える必要があります。

寝かしつけ

新生児は一度にまとまって寝る時間が短いので、寝かしつけが大変です。新生児の1日の睡眠時間は16〜18時間と多いものの、2〜5時間ずつしか寝ないのでよく起きてしまいます。

昼と夜の区別がまだつかないため、夜中でも泣き出したりおっぱいを欲しがったりすることも多いです。

授乳やおむつ替えに加えて、頻繁に寝かしつけをしなければいけないので非常に大変です。

泣いているときに上手くあやす

新生児はよく泣くので、あやすのが大変だと感じることも多いです。特に、授乳やおむつ替えをしているのに大声で泣いているときは、理由がわからずストレスを感じることもあるでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは感情表現が上手くできないので、さまざまな理由で泣いてしまいます。ついイライラしてしまうことも増え、赤ちゃんに優しくできないこともあるかもしれません。

そんな自分が嫌になったり罪悪感を感じたりすると、さらにストレスが増えてしまいます。

大変な新生児期を乗り越えるためのポイント

 

新生児期は常に赤ちゃんのそばにいながら子育てをしなければいけないので、非常に大変です。特に初めての子育てだとわからないことも多く、戸惑いますよね。

新生児期を乗り越えるためには、完璧にこなそうとせず周りに頼ったり家事の手を抜いたりしましょう。1ヶ月と短い期間なので、成長を楽しみながら過ごすのも大切です。

無理に泣き止ませようとしない

赤ちゃんが泣いているときは、無理に泣き止ませようとしなくても大丈夫です。新生児期は泣く回数が多いので、そのたびにすぐに泣き止ませようとするとストレスが溜まりやすくなります。

泣き出しても、意外とすぐに泣き止むことがあります。いろいろな気持ちで泣き出す赤ちゃんですが、時間が経つと落ち着いてくることもあるので、一度様子を見てみてもいいかもしれません。

それでも泣き止まないときは、あやすようにしましょう。焦り過ぎないようにすることで、泣き声に対するストレスを減らすことができます。

育児を完璧にこなそうとしない

新生児の育児を乗り越えるためには、完璧にこなそうとしないことが大切です。

授乳・おむつ替え・寝かしつけなど一日にやるべきことはたくさんあります。全てを完璧にこなそうとすると、疲れやすくなるだけでなくストレスを感じやすくなります。授乳は母乳だけと決めずミルクを活用する、すぐに抱っこできなくても「ちょっと待っててね」と自分の用事を先に済ませる。そんなときがあっても大丈夫です。

赤ちゃんだけでなく、自分の気持ちも大切にすることで、大変な新生児期でも無理なく過ごすことができます。

周りの人に頼る

育児が大変なときはパートナー や両親に頼りましょう。ミルクによる授乳やおむつ替えを全て1人で行うのは非常に大変です。パートナーにも積極的に育児に参加してもらうことで、息抜きの時間を作ることができます。

寝かしつけや夜中の授乳もパートナーにお願いして、睡眠時間を確保する日を作るのもおすすめ。

また、両親に一日預けて自分の時間を作ることで気持ちも楽になりますよ。1人で子育てをしようとせず、周りに頼りながら適度に息抜きをしましょう。

家事は手を抜く

家事は適度に手を抜くのがおすすめです。お弁当を買ったり乾燥機付きの洗濯機を使ったりすることで、家事の時間を短くできます。家事代行サービスを利用したり両親に頼んだりするのもおすすめです。食器洗い乾燥機などの便利家電も惜しまずに使いましょう。

毎日家事と子育てだけをしていると、どうしても疲れ切ってしまいます。子育てはなかなか周りに頼れないという方は、まず家事をパートナーや両親に頼んでみましょう。

リフレッシュする時間を作る

毎日子育てをしているとストレスや疲れが溜まるので、定期的にリフレッシュする時間を作りましょう。

育児中でも軽く運動したりネットショッピングで好きなものを買ったりすると、リフレッシュできます。心身ともにリフレッシュすると、そのあとの大変な育児も頑張ろうと思えるでしょう。

また、ママ友と日頃のモヤモヤを話してストレスを発散するのもおすすめです。なかなか赤ちゃんを預けられない方は、SNSなどで同じ悩みを持つ人と意見交換するのもよいでしょう。

まとめ

 

本記事では、新生児の特徴や大変な育児を乗り越えるコツを紹介しました。未発達な新生児の育児は非常に大変ですが、一度きりの貴重な時間です。定期的にリフレッシュする時間を作り、赤ちゃんの成長を見守りながら楽しく過ごしましょう。


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