2022年03月05日 00:00
納豆は炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランス良く含まれている栄養価の高い食材です。 「いつから食べられる?」「付属のたれは使うもの?」など、迷ってしまうママも多いのではないでしょうか。 今回は離乳食での納豆を食べられる時期、使う時のポイントや嫌がる場合の工夫、冷凍保存方法、おすすめのレシピを紹介します。
納豆は、原料の大豆を納豆菌で発酵させた発酵食品。
発酵させることによって大豆よりも消化吸収が良くなり、胃腸が未発達な赤ちゃんにおすすめのたんぱく質です。
納豆菌には腸内環境を整えてくれる働きがあるため、便秘がちな赤ちゃんに食べさせるのもよいでしょう。
たんぱく質の食材の中では比較的早い段階から使える納豆。いつから、どんな形状で、どのくらいの量を与えられるのでしょうか。
離乳食で初めて納豆を与える時期は中期頃。同じ大豆から出来ている豆腐に慣れた後にしましょう。
初期のうちは消化がしにくく、胃腸に負担がかかってしまうため食べさせられません。
納豆は後期食までは刻んで与えたほうがいいため、手軽なひきわり納豆がおすすめです。
※たんぱく源である魚、肉、卵、大豆製品、乳製品の中で、1食のうちに使うたんぱく質が納豆だけである場合の量です。魚や肉など他のたんぱく質と組み合わせる場合は記載されている目安量を減らしてもいいでしょう
出典:厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019年決定版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
納豆は離乳食期で使いやすいたんぱく質の食材ですが、赤ちゃんに与える際は下ごしらえや使う時の注意点があります。食べやすくするためのポイントをつかめば、色々なお料理にも幅広く使え、離乳食のバリエーションにもつながるでしょう。
また、納豆には独特な粘りや匂いがあることから好き嫌いが分かれる食品です。赤ちゃんの様子を見て与えてください。ここでは納豆を嫌がる場合の調理の工夫やママが疑問に思っている事についても紹介していきます。
納豆のおいしさの要素でもある「粘り」は、赤ちゃんにとっては食べにくいため、熱湯をかけて湯通しをしてから与えるようにしましょう。
湯通しをすることで粘りがなくなり食べやすくなります。
付属のたれの原料は、添加物に加えしょうゆや塩、砂糖などが含まれています。
味が濃いので離乳食期にたれを使って納豆を与えるのは避けましょう。
離乳食後期以降であればしょうゆを数滴使用する程度が理想です。
納豆は独特な粘りや匂いがあるため、大人でも好き嫌いが分かれる食材ですね。
赤ちゃんも同じように粘りや匂い、粒感が苦手で食べてくれないことがあります。
納豆は発酵食品であるため、離乳食期に起こりやすい便秘解消のためにも優秀な食材です。
納豆が苦手な赤ちゃんでも食べられるような工夫を4つ紹介します。
納豆の粘りは加熱すると軽減されます。
ゆでたり、炒めたりすることでネバネバがなくなるため、粘りが苦手な赤ちゃんにはしっかり加熱調理した納豆炒飯や納豆おやきなどがおすすめです。
納豆の匂いは納豆菌が作り出すもので、製造日から日がたつにつれて匂いは強くなります。
納豆の匂いを抑えたい場合は、購入時に製造日を確認してなるべく新しいものを選ぶと良いでしょう。また、臭いの少ない納豆も販売されていることもあるので、スーパーなどで確認してみてください。
赤ちゃんの口の中はまだまだ未発達で、粒状でツルツルしている納豆が食べにくい場合もあります。納豆を食べる際、軽くつぶしてあげることで食べやすい食感に。手軽なひきわり納豆もありますが、粒納豆よりも舌触りが硬いため、ひきわり納豆で嫌がるようであれば粒納豆を刻んで与えてあげるといいでしょう。
最近は、納豆の粉末も販売されています。
粉末のものだと刻んだりする工程も必要なく、匂いや粘りが控えめな商品もあるので、納豆が苦手な赤ちゃんも簡単に日々の離乳食に取り入れられます
無添加のものを選ぶようにすると良いでしょう。
こな納豆/匂い粘りひかえめ 50g
出典:Amazon.co.jp
納豆の原料である大豆は政府が発表している「アレルギーが出やすい28品目」の食品の中に含まれています。
消費者庁 食品表示基準 別添アレルゲンを含む食品に関する表示
初めて納豆を与える時はまずは1さじから始めてみましょう。可能であれば納豆を与えるのを平日の午前中などににし、アレルギー症状が出ても病院に行けるようにしておくと安心です。
納豆は冷凍できる食品です。納豆を湯通しした後、月齢ごとの形状に刻み冷凍保存容器かラップに1回量ずつ包んで保存しましょう。ラップに包んだあと、さらに冷凍保存袋に入れて保存することで、酸化が抑えられ鮮度が良い状態で保存が可能です。
冷凍保存した場合は10日以内に使い切るようにしましょう。
耐熱容器に納豆を入れ、小さじ1/2程度の水を加えてふんわりとラップをし、電子レンジ500Wで2分加熱します。
納豆の粘りを生かしたレシピや、手づかみをしてもベタベタしないレシピなどを紹介します。
ごはんに乗せて納豆ごはんとして食べるだけではなく、肉や野菜、大豆製品など他の食材とも組み合わせて使ってみてはいかがでしょうか。
材料(1回分)
・たい(刺身用) 1切れ(約10g)
・ひきわり納豆 5g
・キャベツ 5g
・だし汁 大さじ1
作り方
1)たいはゆでて細かくほぐす
2)納豆は湯通しする
3)キャベツはしっかりゆでてみじん切りにする
4)納豆、キャベツ、だし汁を和えてよく混ぜ合わせる
5)1)を盛り付けて上から4)をかける
ポイント:納豆を使うことで、パサパサしがちな魚にとろみが付くため赤ちゃんが食べやすくなります。
材料(1回分)
・じゃがいも 20g
・ひきわり納豆 5g
・青のり 少々
・片栗粉 大さじ1
・サラダ油 少々
作り方
1)じゃがいもはしっかりゆでて、フォークの裏でつぶす
2)納豆は湯通しする
3)1)に刻んだ納豆と青のりを混ぜて丸型に成形する
4)フライパンにサラダ油を熱し、両面焼き色が付くまで焼く
ポイント:手づかみができるおやきに、納豆を加えることでたんぱく質も摂れます。加熱しているので、そのまま食べさせるよりも粘り気が少なく、手づかみ食べの後片付けも簡単
材料(1回分)
・ゆでうどん 1/3玉(約70g)
・ひきわり納豆 20g
・長芋 1cm幅(約10g)
・焼きのり 少々
・しょうゆ 数滴
作り方
1)納豆を湯通しする。長芋は厚めに皮を剥き、すりおろす
2)ゆでうどんは8mm幅に切る
3)鍋にゆでうどん、納豆、長芋、だし汁を加えしっかり加熱する
4)しょうゆ数滴で味付けをして、上から焼きのりを細かくちぎって乗せる
ポイント:長芋は食べた後、口の周りがかゆくなったり、かぶれたりすることがあります。これは長芋の皮付近に含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。皮を厚めに剥き、しっかりと加熱することで和らげられます。
材料(1回分)
・ごはん 80g
・ひきわり納豆 20g
・ひじき(乾燥) 少々
・にんじん 10g
・サラダ油 少々
・しょうゆ 数滴
作り方
1)ひじきは水に戻して軽く刻む。にんじんはしっかりゆでて5mm角に切る
2)ひきわり納豆は湯通しする
3)フライパンにサラダ油を熱し1)、2)を弱火〜中火で炒める
4)ごはんを加えて炒め合わせ、しょうゆ数滴で味付けする
ポイント:炒めるため、納豆の粘りが軽減されます。おにぎりにして冷凍しておくと間食としても使えるのでおすすめ
納豆は1年中スーパーで手に入れやすい食材。肉や魚など、他のたんぱく源と比べると安価なので、離乳食期にストックしておきたい食材のうちのひとつですね。
我が家も子供が離乳食の時期は納豆にたくさんお世話になりました。
冷凍保存をうまく活用しながら、日々の調理に使ってみてはいかがでしょうか。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
あわせて読みたい