離乳食の完了期に知りたい食べられる食材や子どもが楽しめる食べ方

初めてのひとさじから始まった離乳食も、1歳のお誕生日を迎えるころにはシフトチェンジが必要になります。ここから18か月までが「離乳食完了期」。体も心も成長する時期の食材や子どもが楽しめる食べ方についてご紹介しましょう。

離乳食の完了期って?

離乳食の完了期とは、月齢12~18か月を指し、「パクパク期」ともいいます。この時期は、前歯が生えそろい、奥歯も生えはじめるころ。運動量が増え、お腹を空かせて食べものを欲しがったり、好き嫌いが出たり、さらに手づかみ食べも始まります。あと少しで離乳食も卒業です。健やかな成長を願って、成長に合わせた離乳食を食べさせてあげましょう。

完了期の食材は?

ほとんどの食材が食べられるようになります。ただし、注意が必要な食材もあるので確認しましょう。

こんな食材が食べられるようになります

初めて食べる食材は、様子をみながら少しずつ食べさせ、だんだん量や種類を増やしていきましょう。

  • 主食

軟飯、ごはん、食パン、バターロールなど、ほとんどのものがOKです。

麺類やコーンフレークも食べられるようになります。

※コーンフレーク/砂糖・添加物不使用のものを選び、牛乳にひたしてやわらかくします。

  • 肉・魚

ほとんどのものがOKです。肉は、脂身が多すぎる部位・骨付き肉以外はOK。魚は、白身、赤身、青魚など、ほとんどの魚がOKでツナ缶も食べられます。

  • 大豆製品

豆腐、豆乳、高野豆腐、納豆、きなこなど、ほとんどのものがOKです。

※油揚げや厚揚げ/油抜きしてから調理しましょう。

※ゆでた大豆/やわらかくゆでて、つぶしましょう。

  • 乳製品

ヨーグルト、ヨーグルトドリンク、チーズはOKです。

1歳をすぎれば、牛乳を飲み物として与えられます。

  • 野菜

ほとんどの野菜、きのこがOK。やわらかく加熱調理しましょう。後期になったら生野菜も少しずつ始めましょう。

※ごぼう、たけのこは、しっかりアクを抜き、つぶれるくらいやわらく煮ればOKですが、後期になってから始めましょう。

※にんにく、しょうがは刺激が強いので、後期にほんの少しから始め、食後の様子に気をつけましょう。

  • いも類

じゃがいも、さつまいも、さといもはOKです。

※山いも/生は避け、加熱調理しましょう。

  • 乾物

海藻、お麩、切り干し大根は、やわらかく調理して食べやすく切ればOKです。

  • フルーツ

アレルギーのリスクがあるもの以外は、食べられます。缶詰もOKです。

こんな食材は避けましょう

完了期の後期でもダメなNG食材、後期になれば少しずつ始められる食材を一覧表にまとめました。

離乳食完了期のNG食材と注意食材

アレルギーの

可能性がある食材

そば・ピーナッツ・マンゴー・パイナップル・パパイヤ、ドライフルーツ 初めて食べるときは病院が開いている時間帯に、ほんの少し食べさせ、食後の様子に注意すること
はちみつ・黒砂糖 一歳をすぎたら少しずつ始める。食後の様子に注意すること
脂肪が多い食材 オリーブ油・ごま油 まれなケースだがアレルギーの可能性もある。完了期の後期に少しずつ始める
生クリーム・アイスクリーム 脂肪が多いので後期になったら少しずつ始める。砂糖は控えめにすること

濃い味の調味料・食材

ケチャップ・マヨネーズ・ウスターソースなど 完了期の後期になったらOKだが、料理の上からかけるのはNG。味つけに少しずつ混ぜて始める。
塩分の濃い干物・ベーコンなど肉加工品 胃腸や腎臓などに負担がかかるので、後期になったら少しずつ始める

食中毒の可能性
がある食材

刺身、おすし、イクラ、生肉、生卵 同席する祖父母や親戚にも「与えないで」と注意する。
 大人の器から手づかみして食べてしまうので注意する
のどに詰まりやすい食材 もち・こんにゃく この時期も食べさせない。
かまぼこ・ちくわなど 後期になったら細かく切って少しずつ始める
ピーナッツ・アーモンド 粉状にするか、ペーストにして食べさせる。
プチトマト・ぶどう 丸ごと食べさせない。切って食べさせる。
消化の悪い食材 玄米・雑穀・麦類 後期まではNG。18か月をすぎたら、しっかり煮てやわらかいおかゆにして少しずつ始める。

調理法・味つけの注意点

この時期のやわらかさの目安は「バナナ~肉団子くらい」。スプーンでラクに切れればOKです。初期は煮たり蒸したりして、後期には炒め物や揚げ物も少しずつ始めましょう。

また、塩分は3.0g(1日あたり)より少なくしましょう。大人用の1/2~1/3を目安にするとよいでしょう。

完了期に食べさせる量は?

12~18か月は、いよいよ歩き出す時期。この時期の成長と活動量に合った量を食べさせる必要があります。

基本は1日3食+おやつ1~2回

1~2歳になると、1日に必要なエネルギーがグッと増えます(下図)。これを3食に分けると多すぎるので、1食量は下表の目安を参考にしてください。これにおやつを1~2回プラスしましょう。

1~2歳児のエネルギー必要量はこんなに増える!

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

P.84 を参考に作成

 

離乳食完了期 食事の目安量(一食量) 

食材 一食量
主食(ごはん) 80g(軟飯の場合は90g)
タンパク源 15~20g
15~20g
豆腐 50~55g
乳製品 100g
1/2~2/3個
野菜・果物 40~50g

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年)」

https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

P.26 を参考に作成

ミルク(母乳)の量はどうしたらいい?

ミルクは、離乳食を食べたあとに飲ませましょう。先に飲むと、離乳食を食べないことがあります。量は減らす方向ですすめましょう。1日のカロリーの80%以上を離乳食で、ミルクは20%以下を目安にします。

1日のミルク量 = 180kcal分(1日のエネルギー(900kcal)×20%)

※母乳なら300mlくらい。粉ミルク、フォローアップミルクは商品の栄養表示を確認しましょう。

おやつは1日に1~2回

午前中にミルクの場合は午後におやつ1回、夜にミルクの場合は午前中におやつ1回が適量です。ミルクをあげない場合は、午前と午後に1回ずつおやつをあげましょう。

おやつの目安量 = 1回の食事の1/3~1/4量くらい(約60kcal)

おすすめのおやつ

  • おむすび 小1個(約100g)
  • ロールパン 小1個(約20g)
  • 牛乳 100mlくらい
  • ヨーグルト(全脂無糖) 100mlくらい
  • バナナ 1/2本くらい
  • さつまいも(蒸し) 1/4本(100gくらい)

「イヤイヤ」どうしたらいい?

赤ちゃんの味覚は大人よりも敏感で、味や匂いに拒否反応を起こしやすいうえ、初めて食べるものがほとんどなので「イヤイヤされても当然」と考えましょう。

1歳児の「イヤイヤ」は成長の証拠

1歳をすぎると自我が発達して「食べたくない」と意思を示すようになります。また、口の働きも発達し、歯で噛んで舌で味わいを知るようになると、好き嫌いも出てきます。

つまり「イヤイヤ」は成長の証拠なので、あまり悩まずに「また成長した!」と喜んであげましょう。

とはいっても「栄養が偏ったらどうしよう?」と心配になりますよね。

こんな工夫をしてみましょう。

  • 肉を食べてくれない

奥歯が生えそろっていないので、大人が思うより肉は噛みにくいです。薄切り肉を使ったり、片栗粉をまぶして焼いたり、卵とじにしてみましょう。

  • 野菜を食べてくれない

子どもが苦手なのは、匂いが強い(ニラ、セロリなど)、苦みがある(ピーマンなど)、薄くぺらぺらしている(レタス、トマトの皮)野菜です。匂いや苦みをやわらげ、切り方で食感・歯ざわりを変えてみましょう。

  • イヤな経験とセットにしない

食べなかったときのイヤな経験を、その食材とセットにしないよう注意しましょう。「お母さんがイライラした」「うまく飲み込めず吐いた」などの記憶が次の機会によみがえり、一層イヤになってしまいます。

食事のマナーを教えましょう

3食とも大人と同じタイミングで食卓を囲みましょう。食べ始める前は「いただきます」、食べ終わりは「ごちそうさま」を忘れずに。「食事」を意識させることが、これから覚えていくマナーにつながります。

「手づかみ食べ」は大事なプロセス

食べ物を手でつかんだら、むやみに止めないで。「手づかみ食べ」は、口に入る大きさや量を覚える大事なプロセスです。また、カトラリーを使うきっかけにもなります。

食べている様子をしっかりチェック

舌や前歯をしっかり使っているか、丸飲みしていないかを確かめて。うまく噛めていないようなら、大人が噛んでみせ「噛み噛みしようね!」と教えましょう。

食器とカトラリーを選びましょう

まず、食卓で姿勢を安定させてあげましょう。テーブルに肘がつくように椅子の高さを調整し、足は補助台にのせるようにすれば理想的です。

  • 食器・カトラリーの選び方

完了期にはプラスティック、ステンレスなどが使いやすいでしょう。食器やカトラリーを自分で持って食べるようになるので、のどに突っ込んだり、投げたりすることを考え、危険がない形のものを選びましょう。

  • 哺乳瓶をカップに

離乳食用のカップを持つ練習を始めましょう。自分で持って飲めるようになったら、哺乳瓶から切り替えるチャンスです。

まとめ

離乳食完了期は、体も心も一段と成長するときです。赤ちゃんもお母さんも、初めてのことばかりなので、思い通りにいかないことがあるかもしれません。

悩んだり、イライラしたりせず、気長に根気よく食べさせてあげましょう。


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