【管理栄養士監修】赤ちゃんはいつからチーズを食べられる?離乳食レシピも紹介

さまざまな種類があるチーズは、離乳食期の赤ちゃんから食べられる食材です。「離乳食でチーズはいつから食べられる?」「何の種類を選べばいいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんがチーズを食べられる時期や種類、離乳食でチーズを与える際の注意点、チーズを使った離乳食おすすめレシピを紹介していきます。

チーズは生後7〜8カ月から食べられる

チーズはたんぱく質や脂質、ビタミンやカルシウムなどの栄養が豊富な食材。離乳食では、生後7〜8カ月の中期から食べられます。

ただしチーズは塩分や脂肪分が多いので、胃腸が未発達な赤ちゃんに与える場合は注意が必要です。中期以降に塩分や脂肪分の少ない種類のチーズを少量から始めてみましょう。

また弾力のあるチーズは、咀嚼機能が未発達な赤ちゃんには向いていません。刻んであげたり加熱してあげたりすることで溶ける種類のチーズがおすすめです。

離乳食に向いているチーズの種類

チーズは大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類があります。

ナチュラルチーズには、カッテージチーズやマスカルポーネ、クリームチーズ、モッツァレラ、ブルーチーズなどさまざまな種類があります。

プロセスチーズは、ナチュラルチーズを熱で溶かして乳化剤を加え、再度固めたものをいいます。スライスチーズやキャンディチーズなどが含まれます。

チーズの種類によって塩分や脂肪分、弾力などが違っているので、月齢ごとにおすすめのチーズの種類を紹介していきます。

中期におすすめカッテージチーズ

生後7〜8カ月の中期では、塩分や脂肪分が少ないカッテージチーズがおすすめです。ナチュラルチーズのひとつでもある生乳から、乳脂肪分を取り除いて作られるチーズです。さわやかな酸味でクセも少ないので、赤ちゃんでも食べやすい特徴があります。

後期以降では少量の粉チーズやピザ用チーズ

粉チーズによく使われている「パルメザンチーズ」や、加熱するととろける特徴のある「ピザ用チーズ」は、生後9〜11カ月の後期以降に与えられます。

ただし粉チーズやピザ用チーズには塩分が多く含まれているので、与える際には少量を与えましょう。

おすすめの市販のチーズは減塩タイプ

後期以降に食べられるようになるチーズには塩分が多く含まれているため、塩分を抑えたい離乳食の時期には減塩タイプのものもおすすめです。

1歳以上の子どもを対象に開発されているチーズもあるのでチェックしてみてください。赤ちゃんの成長に必要な鉄やカルシウムを補いながら、塩分がカットされている商品も販売されています。

 

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出典:楽天市場

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出典:楽天市場

 

冷凍での保存が便利

多く購入してしまった場合や、離乳食用に少量ずつ使いたいときには、冷凍が便利です。使う分量ごとに保存袋などに入れておくと、忙しい時にも重宝します。

冷凍したチーズは、10日以内に使い切るようにしましょう。

【カッテージチーズ】1回量ずつラップに包み、冷凍保存袋へ入れて冷凍。

【スライスチーズ】フィルムは外さないで、冷凍保存袋に入れて冷凍。

【粉チーズ】1回量ずつラップに包み、冷凍保存袋へ入れて冷凍。

【プロセスチーズ】月齢ごとの食べやすい大きさに切り、1回量ずつラップに包み、冷凍保存袋に入れて冷凍。

【ピザ用チーズ】冷凍保存袋にそのまま入れて、空気をしっかり抜いて密封し冷凍。

 

離乳食でチーズを使う際の注意点

チーズにはさわやかな酸味があり、塩分も含まれているので味のバリエーションを豊富にしてくれる役割もあります。馴染みのある食材ですが、赤ちゃんにチーズを与える際には抑えておきたいポイントが3つあります。

離乳食でチーズを使う際の注意点について説明します。

乳アレルギーに気をつける

チーズは生乳から作られています。「乳」は、消費者庁が定めている特定原材料28品目に含まれており、アレルギー症状を引き起こしやすい食材です。

チーズを初めて与える際は、1さじなど少量から始めます。じんましんや湿疹、呼吸器の異常などのアレルギー症状が現れてもすぐに病院へ行けるように、平日の午前中に与えましょう。

使用する量は少量に抑える

カッテージチーズなどのフレッシュチーズには比較的塩分や脂肪分は少ないものが多いですが、粉チーズやピザ用チーズ、プロセスチーズには塩分や脂肪分が多く含まれています。

チーズを与える際は塩分や脂肪分が過剰になりすぎないように、分量に気をつけましょう。チーズを使う際には、そのまま与えるのではなく、塩味やコクを出すために使う調味料の一部として取り入れるとよいでしょう。

ベビーチーズは後期以降に少量を与える

ベビーチーズは名前に「ベビー」が付くので、赤ちゃん用のチーズなのかな?と感じる方も多いのではないでしょうか。

ベビーチーズの「ベビー」は、「切り分けなくても使えるチーズ」という意味で、「ベビー」と名前が付けられています。そのため、赤ちゃんを対象として作られている商品ではありません。ベビーチーズは比較的弾力が強く塩分も多いので、赤ちゃんに与える際には工夫が必要です。

後期以降であれば、ベビーチーズのようなプロセスチーズが食べられます。しかし、ベビーチーズは弾力があって硬いので、しっかり刻んでから少量を与えましょう。

チーズの離乳食おすすめレシピ

さわやかな酸味や塩味がおいしいチーズは、調味料としても活躍します。いつもの離乳食にチーズを加えるだけでも、味の雰囲気がガラッと変わるのでおすすめです。

離乳食でチーズを使用する場合は、月齢に合った種類を選びましょう。今回は、月齢に合ったチーズを使用した離乳食レシピを紹介していきます。ぜひ離乳食作りの参考にしてみてください。

【中期】トマトチーズリゾット

材料(1回分)

・7倍がゆ         40g

・ツナ(水煮)      15g

・玉ねぎ         10g

・トマトジュース(無塩) 小さじ1

・カッテージチーズ    少々

作り方

1)ツナは細かくほぐし、玉ねぎはやわらかくゆでてみじん切りにする

2)鍋に7倍がゆ、1)、トマトジュース、カッテージチーズを加えて火にかける

ポイント:トマトジュースは食塩不使用のものを使えば、離乳食初期から使えます。トマトとチーズで簡単にいつものおかゆをリゾットに変身できますよ。

【後期】豚肉の ミルクチーズうどん

材料(1個分)

・ゆでうどん        1/3玉

・豚もも肉         15g

・ブロッコリー(蕾)    10g

・育児用ミルク(調乳済み) 大さじ3

・ピザ用チーズ       小さじ1

作り方

1)豚肉はゆでて細かく刻む。ブロッコリーはゆでて7mm角に刻む

2)ゆでうどんは長さ5mm程度になるように切っておく

3)鍋に1)、2)、育児用ミルク、水(分量外)大さじ1を加えて弱火〜中火で5分煮る

4)ピザ用チーズを加えて、チーズがしっかり溶けるまで加熱する

ポイント:ピザ用チーズを使うことで少しとろみが出るので、赤ちゃんでも食べやすくなります。

【完了期】ツナチーズ和風トースト

材料(1回分)

・食パン6枚切り(耳なし) 1/2枚

・ツナ(水煮)        10g

・ピザ用チーズ        少々

・刻みのり          少々

作り方

1)食パンの上にほぐしたツナを乗せる

2)1)の上にピザ用チーズ、刻みのりをのせて

3)トースターで4分焼く

4)一口大に切る

ポイント:忙しい朝でものせて焼くだけの簡単レシピ。手づかみで食べられるメニューです。

まとめ

赤ちゃんのからだを作るのに必要なたんぱく質が含まれているチーズ。酸味や塩味を生かして調味料として使うのもおすすめです。

ただし塩分や脂肪分が多い種類のチーズもあるので、赤ちゃんに食べさせる場合は少量を与えるようにしましょう。

普段から冷蔵庫にストックしておくと、味付けのバリエーションが広がります。離乳食にチーズを取り入れてみてはいかがでしょうか。


ライター名:谷岡友梨

保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。

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