【看護師監修】生後1ヶ月ってどんな感じ?赤ちゃんの発達とママの状態

赤ちゃんが生まれてから1ヶ月がたちました。生まれたときと比べて少しずつ表情もしぐさも変わってきて、その様子を楽しまれているのではないでしょうか。 新生児から乳児に変わっていく生後1ヶ月。楽しみな反面、ママが不安になることも増えてくるかもしれません。また、自分自身の身体も徐々に変化をしてきていて、その変化に悩まれているママもいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、生後1ヶ月の赤ちゃんの変化とママの身体の状態について詳しくお伝えしていきます。 気になる情報も盛りだくさん!ぜひ参考にしてみてください。

まずは知っておきたい!生後1ヶ月の赤ちゃんの発達

まずは、生後1ヶ月が赤ちゃんにとってどんな時期なのかを知っておきましょう。赤ちゃんの今を知っておくことで、成長に合わせた育児へとつなげていくことができるのです。

生後1ヶ月の赤ちゃんの発達は次のようになります。

手足をばたばたして活発に!

生後1ヶ月になると身長は生まれたときよりも4~5cmほど大きくなります。体重も1kgほど増え、全体的にふっくらとした印象になり、生まれたときより力もついてきます。そのため、手足をばたばた動かして活発になる子も増えてきます。

手足をばたつかせるという行動には、さまざまな意味があります。たとえば、うれしいという気持ちを表現する子もいますし、お腹の中で丸まっていた手足が「こんなに動くんだ!」という発見を楽しんでいる子もいるようです。お腹の中で丸まっていた手足を活発に動かす練習のために、ばたばたとさせている子もいます。

手足をばたばたさせる行動にはいろいろな意味が隠れていますので、ぜひ赤ちゃんの表情や他のしぐさとあわせて観察してみてくださいね。

まだパパやママの顔は見えていないけど……

生後1ヶ月ではまだ視力が充分に発達していません。そのため、目で見ただけでパパとママを判別するのはまだ難しい時期。ただ、声や輪郭、雰囲気などでママやパパのことを直感的に判断できるため、のぞき込むと笑ったり、動きを目で追ったりすることはできています。

起きている時間も長くなり始めたことによって、赤ちゃん自身も周囲に対して少しずつ興味が出てきている時期です。授乳中などママが近くにいるときは、ママの表情を見ようとじっと見つめることもあります。ですから、ぜひママは笑顔で赤ちゃんにたくさん話しかけてあげてくださいね。

他にも、赤ちゃんが目にしたものに対して言葉で伝えてあげてみてください。たとえば、ママの顔をじっと見ていたら「ママだよ」と声をかけるだけでもOKです。

知っておきたいママの身体の変化

赤ちゃんの発達や成長だけでなく、ママに気にしておいてほしいのが自分自身の身体の変化です。妊娠、出産を経てママの身体は少しずつ妊娠前の状態に戻ってきています。生後1ヶ月の赤ちゃんを育てるうえで大切にしたいママの身体の変化についてご紹介します。

ママも疲れが出てくる頃

赤ちゃんが生まれてからずっと自分のことは後回しにして、つきっきりでお世話をしてきたママ。そんなママにもそろそろ疲れが出始める時期です。昼夜問わずに泣き続け、さらに頻回の授乳で夜間も起きなければならず、睡眠も十分にとれていないかもしれません。抱っこや授乳の姿勢は背中や肩が凝りやすくなります。産後うつも生後1ヶ月以降から起こりやすくなるといわれていて、約3割のママが産後うつを経験しているそうです。

赤ちゃんのことが気になってなかなか自分のことが手につかないかもしれませんが、パパや家族などに協力をしてもらいながら、まずはゆっくりと睡眠をとってくださいね。お風呂にゆっくりと浸かる時間を作ったり、ときには赤ちゃんをパパに預けてマッサージに行ったりして、自分の身体を思いっきりいたわって休む時間を作ってあげてください。

母乳育児中のママは乳腺炎に悩むことも

生後1ヶ月頃は授乳回数が頻回です。そのため、乳腺炎に悩まされるママも少なくありません。乳腺炎とは、赤ちゃんが飲み残した母乳や、分泌されていたのに赤ちゃんが飲まなかった母乳が乳腺に溜まることで炎症を起こすもの。腫れや痛み、赤みなどをともない、高熱が出ることもあります。

軽度であれば規則正しい食事や睡眠、そして赤ちゃんに乳汁を飲んでもらうことで改善できます。しこりができている場合は搾乳して母乳のつまりをとることで改善できることもあります。

また、母乳外来などでは母乳マッサージを受けられます。乳腺炎の予防や改善ができることもあるので、乳腺炎を予防したい方や乳腺炎で悩まれている方は相談してみてください。

もしも高熱が出てしまった場合には、かかりつけの産婦人科へ連絡して相談し、適切な処置を受けてくださいね。

生後1ヶ月のお世話で知っておきたい2つのポイント

生後1ヶ月の赤ちゃんを育てるうえで多くのママたちのお悩みポイントとなるのが、「授乳」と「赤ちゃんが昼夜を問わずに頻回に泣くこと」です。この2つによって疲労やストレスが溜まってしまうママも少なくありません。

生後1ヶ月の赤ちゃんをお世話するうえで、知っておきたい2つのポイントについてまとめました。

授乳で知っておきたいポイント

授乳には、母乳とミルクという2つのスタイルがあります。どちらであってももちろん赤ちゃんはすくすくと成長していきますので、どのスタイルが良い、悪いということはありません。ただ、母乳とミルクでは知っておきたいポイントが少々異なります。ここでは、授乳で知っておきたいポイントをそれぞれに分けてお伝えしていきます。

 

母乳の場合

生後1ヶ月を過ぎると赤ちゃんの生活のリズムができてくるので、授乳時間も3~4時間おきとなります。母乳の場合は赤ちゃんのペースで、赤ちゃんがほしがるだけあげましょう。そうすることで、授乳の間隔が自然と開くようになるのです。

ただ、赤ちゃんが十分に母乳を飲めているかどうかは目で見てわからないので、ママは不安になるかもしれません。母乳不足のサインは次のようになります。

  1. 赤ちゃんが30分以上乳首をくわえたまま離れない
  2. 母乳を飲んでもすぐ泣く
  3. 体重が順調に増えていない
  4. 尿や便の量や回数が少ない

当てはまるものがある、当てはまらないけど気になるところがあるという方は、助産師外来などを活用して相談してみてくださいね。

 

ミルクの場合

ミルクの場合は飲ませる量や濃度などが決まっているので、そちらを守って飲ませてあげてください。ただし、決まった量を飲まなかったとしても無理に飲ませようと頑張る必要はありません。赤ちゃんもお腹がいっぱいで飲めないということがあります。もしも飲まなかった場合には、無理して飲ませず赤ちゃんの気持ちを優先しましょう。

また、ミルクは時間をかけて飲むのではなく、1回量を10~15分で飲めるのがベターです。乳首の穴、空気穴を調節して、このくらいの時間で飲み切れるようにしましょう。

ちなみに、赤ちゃんを寝かせたままタオルやクッションで哺乳瓶を固定して飲ませるという方もいますが、あまりおすすめしません。特に生後1ヶ月の赤ちゃんは自分で自分の身体をコントロールできていないので、大きな事故につながる可能性もあります。安全のためにも、この時期は必ず抱っこして授乳をするようにしてください。

生後1ヶ月の赤ちゃんが泣き止まない……

赤ちゃんが昼夜問わずずっと泣いていると、どうしていいのかわからなくなってしまうママも多いのではないでしょうか。「どこか具合が悪いのかな」と不安になってしまいますし、赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまうママもいるかもしれません。「自分の育て方が悪いのか」と不安になってしまう方もいるかもしれないですね。

実は、生後1~2ヶ月は泣きのピークであるといわれています。ですから、ママの行動や対応が影響しているということはありません。そして、このピーク時は何をやっても泣き止まないことがほとんどです。ピークを過ぎれば、自然とおさまってくるでしょう。

赤ちゃんはしゃべれないので、泣くのが仕事であり、泣くことが当たり前です。赤ちゃんが泣いているからといって誰も悪いということはありません。ぜひ温かい目で見守ってあげてください。

 

赤ちゃんを泣き止ませるときの注意点

とはいえ、「赤ちゃんが泣いている声で近所迷惑になったらどうしよう」「同居している家族の迷惑になるのでは」と考えて、何とか赤ちゃんを泣き止ませようとする方もいらっしゃるかもしれません。

このときに最もやってはいけないのが、赤ちゃんを揺さぶることです。赤ちゃんを揺さぶると赤ちゃんの脳にダメージが加わります。赤ちゃんの脳は柔らかいので、ダメージを受けやすいもの。さらに赤ちゃんは身体の大きさと比べて頭がとても大きいため、揺さぶることで頭に遠心力や回転力がかかります。こちらが思ったより揺さぶっていなくても、脳にダメージがかかり、歩行障害や言語障害といった後遺症を残してしまう可能性があるのです。

揺さぶったら赤ちゃんが泣き止んだという経験をする方もいるようですが、それは脳のダメージによって一時的に泣き止んでいるだけのことも多いのです。

 

無理に泣き止ませようとしなくてOK

まずは焦る気持ちをぐっと抑えて、赤ちゃんが泣いている理由を探ってみましょう。たとえば、こんな理由が考えられます。

・お腹空いている

まずは、これらを解決できるような対処をしてあげるといいでしょう。

もちろん、いろいろと試してみたけれど泣き止まないという場合もあります。その場合は、赤ちゃんを安全な場所において一旦その場を離れてみるのもいいでしょう。そして少し自分の心を落ち着けてからもう一度赤ちゃんのところに行ってみましょう。この間に赤ちゃんが勝手に泣き止んでいるということもあります。

ただし、発熱や体調不良の可能性もあります。「いつもと様子が違う」「呼吸がおかしい」という場合は、必ずかかりつけ医に相談してください。

生後1ヶ月からママも赤ちゃんもお風呂に入れる!

生後1ヶ月の健診が終わると、赤ちゃんもママと一緒にお風呂に入れます。これがママと赤ちゃんの生活で最も変わったと感じる点かもしれません。とはいえ、首も座っていない赤ちゃんとどうやってお風呂に入ればいいのかと悩まれてしまう方もいらっしゃるかもしれません。そこで、赤ちゃんとママが一緒にお風呂に入るための方法をご紹介します。

赤ちゃんとお風呂に入るときのポイントは?

赤ちゃんとお風呂に入るときには、まず赤ちゃんの入浴準備を済ませ、ママが先に身体や髪を洗いましょう。その間、赤ちゃんは脱衣所にタオルを敷いて寝かせておきましょう。赤ちゃんに何かあったら気になるという方は、浴室の扉を開けておいて赤ちゃんの声が聞こえるようにしておいてもいいでしょう。

ママが洗い終わったら赤ちゃんを浴室に迎え入れ、身体を洗って一緒にお風呂に入ります。お風呂から出るときは、先に赤ちゃんを拭いて着替えを済ませ、最後にママが着替えましょう。

赤ちゃんとお風呂に入るときの注意点

赤ちゃんとお風呂に入るときには、注意してほしいことがいくつかあります。

まずは入浴剤。赤ちゃんの皮膚はまだバリア機能が弱い状態にありますので、大人用の入浴剤は使わないようにしましょう。

また、湯温にも十分気を付け、沐浴のときと同じくらいの温度にしてください。

そして、自分が身体を拭いている間や体を洗っている間など、たとえちょっとの時間でも赤ちゃんをお風呂の蓋の上などには置かないでください。最近では首の座っていない赤ちゃんでも使えるうきわなどもありますが、ママが目を離してしまうときには使わないようにしましょう。

まとめ

新生児よりも大きくなってきているものの、まだまだ大変なことが多い生後1ヶ月。ママも疲労が溜まってくる時期かもしれません。それでも、成長するにつれて少しずつママも楽になってきます。

育児はこれからずっと続いていきます。一人で頑張らずに、パパや家族、地域の支援、助産師やかかりつけの小児科医、産婦人科医に頼りながら、無理せずに育児を続けていきましょう。

 


ライター名:Reeei

看護師資格を所有し、総合病院、クリニック、介護施設で働く。出版社勤務を経てライターとして独立。医療やヘルスケア、子育て関係記事や看護師の転職やライフスタイル関係の記事を中心に執筆。


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