2023年01月18日 00:00
搾乳は、乳腺炎の予防や母乳の分泌低下を防ぐために行われることもあり、忙しいママにとって非常に便利です。しかし、搾乳した母乳をどのように保存すればいいのか疑問に思うママもいるのではないでしょうか。そこで、今回は、基本的な搾乳の方法、搾乳した母乳の保存方法について詳しく説明していきます。保存・解凍する際の注意点や、便利グッズを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
何らかの事情で直接赤ちゃんに母乳をあげることが出来ない時はおっぱいを絞って搾乳し、赤ちゃんに与えなければなりません。搾乳は、手で絞る方法と、搾乳機で絞る方法の2つ。それぞれ紹介していきます。
手で絞る方法について紹介します。
1.まず手を洗い清潔にします。
2.片方の手で哺乳瓶を持ち、もう片方の手の親指と人差指でCの字を作ります。
3.乳輪の外側から乳首に向かってつまみながら圧迫し、母乳を排出させます。
4.同じ方向からだけではなく、上、下、右、左など様々な方向から搾乳すると絞り残しがなくなります。
いつでもどこでもすぐに簡単に出来るので、一度コツさえつかんでしまうと活用しやすいと言えるでしょう。
搾乳器には手動搾乳器と電動搾乳機の2種類があります。
手動搾乳器の使用方法を紹介します。
1.まず手を洗い清潔にします。
2.手動搾乳器が清潔に消毒されているか確認します。
3.乳頭を圧迫し、柔らかくしておきます。
4.片手で乳房を持ち上げて固定し、乳頭に対してカップを垂直に当てます。
5.搾乳器のレバーを握ったり離したりして圧を調節しながら搾乳します。
電動搾乳機の使い方について説明します。
1~4.は手動搾乳器に準じます。
5.電動スイッチを入れて圧を調節しながら搾乳します。
手で搾乳するにしても搾乳器で搾乳するにしても、その目的は母乳を保存したい時だけではありません。おっぱいが張って痛い時などは、乳腺炎予防として搾乳することも必要です。赤ちゃんがしっかりと飲んでくれない時は、少し乳房の圧を抜いてあげるだけで楽になりますし、トラブルを防ぐことが出来ますよ。自分の用途に合わせて、手動搾乳器か電動搾乳機か選ぶようにしましょう。
もし、自分にどちらがあっているかわからない時は、気軽に試せる搾乳機のレンタルを検討するのも良いかもしれません。
搾乳した母乳をすぐにあげることが出来ない場合は必ず適切な方法で保存しましょう。母乳は、冷凍保存、冷蔵保存、常温保存の順に長く保存することが出来、いつ使用するかによって、その保存方法を選ぶ必要があります。それぞれの保存の方法や使用期間の目安について紹介します。
赤ちゃんにすぐに飲ませる場合は、常温保存でも可能です。消毒した哺乳瓶や容器に入れ、しっかりと密閉しましょう。健康な成熟児に飲ませる場合は6時間、NICUに入院中の早産児に関しては4時間を超えないようにしましょう。また、常温で保存する際は、25℃以下にし、それ以上室温が超える場合は、冷蔵庫または冷凍庫に保存するようにしてください。
3~5日以内に使用するのであれば冷蔵保存(4℃以下)も可能です。成熟児にあげる場合は5日以内、早産児にあげる場合は、3日以内に使い切りましょう。常温保存よりも長期の保存が可能になるので、母乳パックに入れて保存するようにしてください。保存する際も、外気の影響を受けやすいドアの近くではなく、最も冷えやすい冷蔵庫の奥に入れると安心です。
NICUの入院が長引くなど、長期にわたって母乳を直接赤ちゃんにあげることが出来ない場合は、冷凍保存(-20℃以下)にしましょう。冷凍保存をする場合、母乳パックに入れて冷凍庫で保存します。最大6ヶ月保存は可能ですが、家庭用冷凍庫は開け閉めの頻度が高く、劣化が早くなってしまいますので、3ヶ月程度で使い切るようにしてください。出来るだけ冷凍庫の奥の方に入れて外気の影響が少なくなるようにしましょう。また、母乳は冷凍すると膨張しますので、母乳パックに入れる際は、7分目を目安に入れることをおすすめします。
適切に冷蔵・冷凍保存していたとしても、母乳の成分はどんどん変化します。直接赤ちゃんが吸ったり、絞ったりした直後の成分にまさるものはありません。赤ちゃんには出来るだけ新鮮な母乳をあげたいですね。
搾母乳をすぐに赤ちゃんに与えることができない場合、適切な方法で保存する必要があります。搾母乳は赤ちゃんの栄養になるものなので、保存する際には細心の注意を払う必要があります。保存する際には以下のことに気を付けるようにしましょう。
搾乳前は手をしっかり石鹸で洗い、絞った母乳を入れる哺乳瓶などは洗浄・消毒した清潔なものを使用するようにしましょう。母乳は赤ちゃんの栄養となるものですので、雑菌も繁殖しやすい状態です。出来るだけ雑菌が入らないような工夫をしましょう。
保存する際は、いつまで使用出来るのか必ず把握する必要があります。必ずその日時を明記しておきましょう。常温の場合は、何時の搾乳かを記載し、冷蔵・冷凍の場合は絞った日時をしっかり記載すると安心です。
時間がたった搾母乳を保存したり、赤ちゃんが飲み残したものを保存したりしないようにしましょう。時間がたったものは雑菌が繁殖している可能性があります。赤ちゃんに与えるものなので、必ず絞った直後のものを保存するようにしてください。
保存したものを解凍して使用する際は、時間がたちすぎたものではなく、できるだけ新しいものを与えるようにしましょう。母乳の栄養面や新鮮さから考えても、古いものを与えるのはあまりおすすめしません。
母乳は栄養がたくさんありますので、母乳がついたままの搾乳機を放置しておくと、雑菌が繁殖していきます。搾乳器を使用する際は、必ず毎回洗浄と消毒するようにしてください。生まれたての赤ちゃんは免疫力が未熟です。免疫力は次第に獲得されていきますが、生後3~4ヶ月までは必ず消毒するようにしましょう。搾乳器によって、消毒する方法は変わりますが、煮沸消毒や薬液消毒が一般的です。
NICUなどに運搬する場合は、必ず保冷バックに保冷剤を入れて、低温状態が保つようにして持ち運ぶようにしましょう。凍った状態が続くように、母乳パックに保冷剤を密着させて入れるようにしてください。夏などの暑い時期に持ち運びをする際は、保冷剤・母乳パック・保冷剤とサンドイッチのように挟んで入れると溶けにくくなります。一度溶けたものは再冷凍出来ません。もし、溶けてしまった場合は、4時間以内に赤ちゃんに与えるか、室温が25℃以下で24時間以内であれば冷蔵庫で保存出来ます。
赤ちゃんの栄養となる搾母乳は、適切な方法で赤ちゃんが飲めるようにしないと、その成分が壊れてしまい、栄養分が損なわれてしまう可能性があります。 ここでは赤ちゃんへの適切な搾母乳の与え方を冷蔵保存、冷凍保存に分けてそれぞれ紹介していきます。
冷蔵保存の場合は、40℃以下のお湯で湯煎をしましょう。母乳は冷蔵保存することで、成分が分離してしまいますので、容器を優しく振ってから赤ちゃんに与えるようにしましょう。頻回に湯煎しないといけない場合は、多機能ボトルウォーマーを利用するのもおすすめです。
冷凍保存の場合は、まず冷蔵庫に移して解凍しましょう。急いでいる場合は40度以下のお湯で湯煎するか、37℃程度の流水で解凍しましょう。赤ちゃんが飲める適温まで温める場合も40度以下のお湯で調節しましょう。
赤ちゃんが空腹で泣いていると、「早く解凍しないと」と焦ってしまうかもしれませんが、冷蔵保存・冷凍保存ともに煮沸や電子レンジでの解凍は禁止です。早く溶かしたいからといって母乳を高温にさらすと、母乳の栄養素や免疫物質などの成分が壊れてしまいます。また、一部のみが熱くなったりして、赤ちゃんに火傷を負わせることになりかねませんので絶対にやめましょう。多機能ボトルウォーマーなどの活用を検討することをおすすめします。
赤ちゃんに新鮮な搾母乳を届けるためには、適切な方法で解凍する必要があります。搾母乳にはたくさんの栄養成分が入っていますので、その成分が壊れないように注意しましょう。以下に搾母乳を解凍する際の注意点を述べますので、ぜひ参考にしてください。
一見しなさそうで、初産婦さんがしてしまう可能性があるものはミルクと解凍した搾母乳を混ぜて与えてしまうというもの。急いでいる時、かさ増ししたい時にしてしまうママがいるようです。搾母乳とミルクは、成分は似ていますが、まったく違うものですので、混ぜると成分が変化します。絶対に混ぜて赤ちゃんに与えないようにしましょう。
たくさん解凍したにも関わらず、赤ちゃんが少ししか飲んでくれない場合もあります。「もったいない…」と思ってしまう気持ちもわかりますが、一度解凍して飲み残したものは破棄し、再冷凍しないようにしましょう。保存する時も1回量を保存し、飲み切れる分だけ解凍してから与えるようにしてください。
毎回赤ちゃんがたっぷり母乳を飲んでくれるのが理想ですが、理想どおりいかないことも多々あります。搾乳をするとなるとかなりの時間を要しますし、特に夜間は睡眠不足になってしまいます。母乳を与えている期間は、搾乳をいかに楽に行うかが、疲労度合いを決めるといっても過言ではないでしょう。
ここで、搾乳するためにとても便利なグッズを以下に紹介していきます。うまく活用することで、毎日の搾乳がぐっと楽しく、楽になりますよ。
手動搾乳器は安価で持ち運びが便利であることが特徴です。
「メデラハーモニー手動搾乳器」は右利きでも左利きでもどちらの手でも握りやすく使えるデザインになっています。手動搾乳器は手が疲れてしまうのが難点ですが、このハーモニー手動搾乳器はグリップが持ちやすく、手が疲れにくい設計になっています。
出典:Amazon.c.jp
もっとコンパクトなものが好みであれば「さく乳ポンプetoca」もおすすめです。本体だけなのでとてもお手入れが簡単で、持ち運びがしやすいタイプとなっています。組み立ても不要ですので、シンプルに本当に使いやすいタイプになります。
出典:Amazon.c.jp
電動搾乳機は短時間で手間がかからず、たくさん搾乳してくれるのが嬉しいですね。電動搾乳機は組み立てが複雑と思いがちですが、この「メデラソロ電動搾乳機」は、パーツが少なく、部品も大きいので洗浄や組み立てが楽に出来るのが特徴です。充電式なので、しっかり充電するとコンセントの必要もなく、持ち運びができてどこでも搾乳できるというのが嬉しいところです。ただ、手動搾乳器に比べてやはり高価になってしまいまので、用途や搾乳の回数などを考えながら購入を検討するとよいでしょう。
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搾母乳を持ち運んだり保存したりする時に必須なのが母乳パックです。「ピジョン母乳フリーザーパック」は搾乳するなら必ず持っておいてほしいものの1つです。サイズも40ml、80ml、160mlと選べますので、母乳の分泌具合で検討するとよいでしょう。
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冷蔵・冷蔵保存でそのまますぐに飲ませたいママのために、母乳ボトルもおすすめします。
「メデラ母乳ボトル」は、搾乳したあとそのまま母乳パックに入れずに冷蔵・冷凍保存をすることが出来ます。溶かすときもそのまま湯煎をするだけ。乳首をつけて適温まで温めれば赤ちゃんにあげることができるので、非常に便利です。
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保存した搾母乳を適温まで温める機械として、多機能ボトルウォーマーが人気です。
わざわざお湯を沸かす手間も省けるので特に夜中などは非常に便利です。哺乳瓶だけではなく、離乳食のあたためなども可能なので、新生児から離乳食卒業まで長く使えます。
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搾乳した母乳は、常温・冷蔵・冷凍保存が出来るようになります。それぞれ、保存出来る期間や方法も変わってきますので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。また、搾乳に関する便利グッズを活用することで、より楽に、楽しく搾乳を継続することが出来ます。ぜひ、活用してみてくださいね。
ライター:秋元祥世
プロフィール
福岡県出身。麻生看護専門学校を卒業後、福岡県立大学看護学部に編入。助産師、保健師国家資格取得。助産師として総合周産期センター等で病棟や外来に約10年勤務する。その後、赤ちゃん専門のフォトグラファーの資格を取得。3人の男の子の子育てをしながら地域でベビーサロン&フォトスタジオHugComeを開業。
行政による子育てサロン運営も行っており、地域でママ達が楽しく育児ができるように育児相談やサポート、イベント企画をおこなっている。
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