【保育士監修】離乳食を食べないときはどうしたらいい?月齢別の対処法とは

今までミルクや母乳だけを飲んでいた赤ちゃんが、初めてそれ以外のものを口にする離乳食。いざ与えてみたけれど、なかなか食べてくれない…と悩むママやパパは多いものです。「順調に進んでいたと思ったら、急に食べなくなった」「嫌がってすぐに口から出してしまう」など、月齢によって悩みはさまざまですよね。 今回はそんな悩みを抱えるママやパパのために、赤ちゃんが離乳食を食べてくれないときの対処法を月齢別にご紹介します。元保育士で3人兄妹を子育て中の筆者が、離乳食を進めるうえで気になるポイントを解説していきますよ。

赤ちゃんが離乳食を食べない理由は?

 

赤ちゃんが離乳食を食べないとき、自分のせいだと悩んでしまうママやパパもいるでしょう。けれど赤ちゃんが離乳食を食べない理由には、「お腹が空いていない」「食べ慣れていない」などさまざまな要因が考えられます。主な理由をいくつかご紹介しましょう。

お腹が空いていない

離乳食を与えるときは、母乳やミルクとのタイミングを調整することが大切です。ミルクや母乳を飲んでから離乳食を食べ始めると、お腹が空いていないためになかなか食が進まないケースも考えられます。

基本的なスケジュールとして、離乳食を食べてからミルクや母乳を与えるよう時間をずらしてみましょう。

食べる行為に慣れていない

離乳食初期の場合は、まだ食べるという行為に慣れていないため進まないケースもあります。長時間座っていることや、ミルクや母乳以外のものを口の中に入れることに慣れていないと、食事を嫌がることも。

食べることに慣れるために、スプーンを口の中に入れる練習や食事用の椅子に座る練習から始めるのもおすすめです。

食べる気分になっていない

 

赤ちゃんにもそのときの気分があるので、離乳食を食べる気分になっていないこともあるでしょう。そんなときに無理に食べさせようとすると、余計に嫌な気分になってしまい、悪循環に陥ります。

離乳食を食べるときは、ママやパパも一緒に楽しみながら与えることを意識してみてください。どうしても食べてくれないときは、無理して食べさせる必要はありません。また次の日に、時間や環境を変えてトライしてみましょう。

体調が悪い可能性も

離乳食を食べないだけでなく、機嫌の悪さが続いたり母乳やミルクも飲みたがらなかったりする場合は、体調が悪い可能性も考えられます。

初めての食材でアレルギー反応が出ている可能性もあるので、「便がゆるい」「湿疹が出ている」などの症状はないか、赤ちゃんの様子や身体をしっかりと確認しましょう。何か気になることがあれば、病院を受診するか電話で相談してみてください。

月齢別で理由や対処法が異なる

赤ちゃんが離乳食を食べない理由は、月齢によっても大きく異なります。また、同じ理由でも対処法が月齢によって違う場合も多いです。

そこで、月齢ごとに考えられる離乳食を食べない理由や、月齢に合わせた対策方法をまとめました。初期から順番にご紹介していきます。

5~6ヶ月の離乳食を食べない理由と対策方法

5~6ヶ月はゴックン期と呼ばれる離乳食初期。粒が残らないほどとろとろにすりつぶしたおかゆや野菜などの食材から離乳食を始めます。この時期は1日1回ひとさじの食材から始めるので、まだまだ食べる練習がメインです。まずは食べることに慣れる時期と考え、赤ちゃん自身はもちろん、ママやパパも無理をしない範囲で進めていきましょう。

発達面で離乳食を始める準備ができていない

離乳食を始めようと思ってもなかなか食べてくれない場合は、発達面で離乳食を食べる準備が整っていない可能性も。離乳食を始める目安としては、以下のようなものがあります。

  • 家族が食事をする様子を目で追う
  • よだれが出る
  • 口をもぐもぐさせる
  • 一人でおすわりがしっかりできる

このような様子が見られると、離乳食を始める発達段階にきていると考えられます。逆にいえば、このような様子が見られなければ、無理に始める必要はありません。5~6ヶ月という月齢だけでなく、赤ちゃん自身の発達段階に合わせて離乳食を始めるようにしましょう。

母乳やミルク以外の味に慣れていない

母乳やミルクのみを飲んでいた赤ちゃんにとって、離乳食は慣れない味のもの。慣れない味が口の中に入ってくることで、最初はなかなか食べてくれないケースも多いです。

どうしても嫌がるようであれば、裏ごしした野菜にミルクを混ぜるなどして食べやすくするのもおすすめ。少しずつミルクの量を減らして、食材の味に慣れさせていきましょう。

舌触りやスプーンに違和感がある

野菜などの食材をつぶしたときの「ざらざらとした舌触り」が苦手に感じる赤ちゃんは多いです。また、スプーンが口の中に入ってくることに違和感があることも。本能的に口の中に入ってきた固形物を押し戻す「押し出し反射」で、スプーンを嫌がる赤ちゃんもいます。

口に入ってきたものをすぐに出す様子が見られる場合は、スプーンで水を飲むなど、口の中にものを入れる練習から始めてみましょう。

離乳食初期は無理して進めなくてもOK

ゴックン期と呼ばれる初期は、無理して離乳食を進めなくてもOKです。赤ちゃんの気分や体調に合わせて、母乳やミルク以外のものを口に入れることに慣れる練習から始めましょう。

この時期は、まだ母乳やミルクがほとんどの栄養源になっているので、食べないからといって心配しすぎる必要はありません。

7~8ヶ月の離乳食を食べない理由と対策方法

7~8ヶ月はモグモグ期と呼ばれ、食べられるものも少しずつ増えてくる時期です。1日2回食になり、舌と上あごで食材をつぶしながら食べるようになります。すりつぶしたものだけでなく、柔らかい食材なら形があっても食べられるように。スプーンを口の中に入れることにも慣れ、押し出し反射などはほとんど見られなくなります。

固さや大きさが段階に合っていない

 

食べることに慣れてきたこの時期に口から食材を出してしまう場合は、食材が固すぎる、または柔らかすぎる可能性が考えられます。「固くて口の中でつぶせない」「口に入れるには大きすぎる」などの理由で食材を口から出してしまうことも。

月齢に合っていない固いものは喉に詰まってしまう恐れもあるので、この時期は豆腐ほどの柔らかさを目安にしましょう。ちょうどいい固さや大きさがわからない場合は、市販のベビーフードの形状を参考にするのがおすすめです。

同じ味ばかりだと飽きてしまう

モグモグ期に入ると味覚が発達し、味の違いも少しずつわかるようになってきます。いつも同じ食材ばかりだと食事が単調になってしまうので、野菜と魚、野菜とお肉などの掛け合わせでバリエーションを増やしましょう。

また、出汁の味だけでは物足りなさを感じてなかなか食が進まない子もいます。その場合は、みそや醤油などで風味をつけたり、市販のベビーフードを少し混ぜたりして、さまざまな味に挑戦してみましょう。

食べムラや好き嫌いが現れ始める

味覚が発達することにより、少しずつ食の好みが芽生える時期でもあります。好き嫌いによる食べムラなども起きることがあるので、好みの食材と苦手な食材を混ぜるなどしてバランスよく食べられるように調理しましょう。野菜が苦手な子には、ミルクを混ぜて作るのもおすすめです。

味だけでなく食感にも好みが現れるので、とろみをつける、みじん切りとペーストを混ぜるなど、食べやすいように工夫してみましょう。

離乳食中期は食事の習慣化が大切

離乳食中期は食事も1回から2回になり、ご飯を食べるという習慣を生活の中に取り入れることが大切な時期です。無理に食べさせることに奮闘するよりも、楽しい雰囲気で食事が進められるように環境や内容を整えるのがおすすめ。赤ちゃん自身が食事を楽しい時間と思えるようになれば、自然と食べる量や時間も増えてくるはずです。

9~11ヶ月の離乳食を食べない理由と対策方法

 

9~11ヶ月はカミカミ期と呼ばれ、前歯や歯茎で食べ物をつぶしたり、かじりとったりといった行為ができるようになります。食べられるものもグッと増え、1日の食事の回数も3回に。この時期から、家族でそろってご飯を食べる家庭も増え始めます。動きが活発になることで、食欲が急に増したというケースも多いです。

固さや大きさが段階に合っていない

モグモグ期と同様に、発達の段階に食材の固さや大きさが合っていないと食べてくれないケースもあります。離乳食後期は、バナナくらいの固さだと歯茎でつぶして食べられる時期。トロトロすぎたり柔らかすぎたりすると嫌がることもあります。程よく固さのある食材を、喉に詰まらない大きさで与えるようにしましょう。

自分で食べたい気持ちが出てくる

この時期になると「自分で食べたい」という欲求が出てくるため、スプーンなどで食べさせられるのを嫌がる子も。カミカミ期は手づかみ食べを進める時期でもあるので、自分で手づかみして食べられる食材を準備してみてください。

ゆでたニンジンやじゃがいも、トーストしたパン、一口サイズのミニハンバーグなど、かじりとって食べる練習も始めましょう。ただし、最初のうちは手づかみでどんどん詰め込んでしまう恐れがあるので、ママやパパがしっかりと見守ってあげてください。

気分で食べる量が変わることも

「昨日はたくさん食べたのに、今日は全然食べない」「にんじん好きだったはずなのに、急に食べなくなった」など、離乳食に関するママやパパの悩みはつきません。

体調不良なわけでもなく、お腹がいっぱいでもないのに食べないときは、食べたくない気分なだけかもしれません。月齢が進むとその日そのときの気分による食べムラも出てきます。食べない日が長く続く場合は体調なども気にする必要がありますが、そうでなければあまり気にしなくても大丈夫です。

離乳食後期は3食のリズムを整える時期

離乳食後期は3回食になり、3食のリズムを整えることが大切な時期です。生活リズムを整えるうえでも食事のタイミングは重要なので、3食しっかりと食べられる時間を作りましょう。できれば、毎日決まった時間に食事をするのが理想です。

この時期は気分や他のことに気を取られて食べないということも多いので、赤ちゃんの性格や気分に寄り添って、一緒に食事の時間を楽しみましょう。

離乳食が進まないのはよくあること

どの月齢においても言えることですが、離乳食が進まないのはどの子どもにもよくあることです。「離乳食が進まないのが不安」と気にしすぎるママやパパも多いですが、そういうものだと割り切って気にしすぎないことが一番大切。悩んだときに思い出してほしい考え方や、対処法を簡単に解説します。

赤ちゃんが離乳食を食べなくても焦らない

赤ちゃんが離乳食を食べないと、ママやパパはついつい焦ってしまうもの。でも極端に体重が減るなどの心配事がなければ、あまり気にしなくて大丈夫です。離乳食は赤ちゃんにとっても初めてのことだらけなので、赤ちゃん自身のペースに合わせてゆっくりと進めていきましょう。

ただし、成長曲線と照らし合わせて体重が減っている、または増えていない場合は、病院や保健センターで相談してみましょう。

嫌がるなら時間や食材を変えてみて

どうしても嫌がって離乳食を食べない場合は、食べる時間や食材を変えるなどの変化を与えてみてください。それでもダメな場合は、離乳食スタートを少し遅らせるのもひとつの方法。一般的に離乳食は5~6ヶ月から始めるといわれていますが、絶対にこの時期に始めなければいけないわけではありません。子どもの発達や成長の速度に合わせて、ゆっくり進めても大丈夫ですよ。

環境を整えることも大切

赤ちゃんが離乳食を嫌がると、ついつい食材にばかり目が行きがちです。でも実は環境による要因で、なかなか食が進まない可能性も考えられます。

例えば、スプーンを嫌がる赤ちゃんの場合、違うスプーンに変えるとすんなり食べてくれたというケースも。また、テレビを消したりおもちゃを片付けたり、周りに気になるものを置かないようにすることで、赤ちゃんの気が逸れるのを防ぐこともできます。

イスやテーブルの高さが合っていないために赤ちゃんが食事に集中できないことも。食材に問題がなければ、赤ちゃんが食べやすい環境になっているか見直してみてください。

授乳やミルクの量・回数を見直してみる

ミルクや授乳の回数が減らないことで、離乳食が進まないケースも考えられます。どうしても食べないときは、ミルクや授乳の量・回数を見直してみましょう。

反対に、離乳食をあまり食べなくても、少しずつミルクや授乳の回数が減っているなら順調に離乳食が進んでいると考えてOKです。3回食の時期には、栄養の6割程度を離乳食から摂取できるようになります。ミルクや授乳の量・回数を減らして、バランスよく食事ができるように調節してみましょう。

まとめ

離乳食を食べないことでママやパパが気にしすぎると、赤ちゃんの「食べたい気持ち」をうまく後押しできなくなってしまうこともあります。離乳食の進み方は個人差が大きいもの。大らかな気持ちで受け止めて「食事は楽しいもの」という印象を赤ちゃんに与えられるように意識してみましょう。


ライター名:yuzuko

元保育士で3人の子どもを育てるママライターです。

現在7年ぶりの赤ちゃん育児を楽しんでいます。

毎日笑って過ごせればOK!をモットーに、家族5人で仲良く暮らしてます♪


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