2023年05月01日 19:00
マイナンバーカードは、政府が行うマイナポイント事業をはじめとしたさまざまな施策により、近年普及が全国的に進められています。この機会を利用して、家族全員分の作成を検討している家庭も多いですよね。しかし実際のところ「マイナンバーは新生児でも発行されるのか?」「子どものカードを作成したいが、手順が難しそう」と不安に感じているママやパパもいるのではないでしょうか。そこで本記事では、マイナンバーの対象やカードを作成するメリットとデメリットなどをまとめました。カードを受け取るまでの詳しい申請手順についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
マイナンバーカードは、マイナンバーを持つすべての人が対象となるため、生まれたばかりの新生児でも作成が可能です。マイナンバーは出生届を提出後、住民票が登録された時点で発行されます。住民票の登録から2〜3週間ほど経過すると、氏名、生年月日、マイナンバーなどが記載された「個人番号通知書」と「マイナンバーカード交付申請書」が自宅に簡易書留にて郵送されるという流れです。
ただしマイナンバーカードを作るためには、自身で交付申請手続きをする必要があります。マイナンバーカードの作成したい子どもの年齢が15歳未満の場合は、法定代理人(親)により代理での申請が可能ですが、申請者の本人確認は必須です。新生児に限らず、受け取る際は必ず親子一緒に行くようにしてください。
近年マイナンバーカードの普及が進められていますが、「新生児にはまだ必要ないのでは」と考えているママやパパは多いのではないでしょうか。新生児でマイナンバーカードを作成するメリットには、以下の3つが挙げられます。1つずつ詳しくみてきましょう。
マイナンバーカードの1番のメリットとして挙げられるのが、公的な身分証明書として使えることです。大人であれば運転免許証やパスポートを利用できますが、生まれたばかりの赤ちゃんには手元にすぐ用意できる身分証明書がありません。マイナンバーカードを作成しておけば、顔写真付きの本人確認書類として使用が可能です。
またマイナンバーカードを使って、コンビニで住民票の写しや戸籍証明書などの発行もできるようになります。赤ちゃんはまだ本人確認書類の提示を求められるシーンは少ないかもしれませんが、一度作成しておけばその後は更新手続きをするだけで持ち続けられるので検討してみるとよいでしょう。
マイナンバーカードは、健康保険証として利用が可能です。病院受診時に同意手続きをすれば、過去の診療情報が医師や薬剤師に自動で共有されるため、はじめて受診する病院でもデータに基づいた診療・薬の処方が受けられます。またこれまでは入院や手術などで高額の治療費が発生した場合、負担額を一定に抑える高額療養費制度を利用するための事前申請が必要でした。しかしマイナンバーカードを使えば、書類の申請不要で負担を限度額までに抑えられるようになりますよ。
マイナンバーカードを使って登録するマイナポータルでは、子育てに役立つ便利なサービスを受けられます。乳幼児健診などのお知らせがマイナポータル上に通知されるほか、過去に受けた予防接種の履歴も記録されます。予防接種の受診状況は保育園入園時の提出書類でよく記入が求められるので、母子手帳を見なくともすぐに確認できるのは利点です。
また保育園への入園申請や児童扶養手当などの現況届も「子育てワンストップサービス」を活用すれば、マイナポータル上で申請できます。わざわざ役所に出向かなくてもよいのはうれしいですね。
マイナンバーカードには子育てに役立つ多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットもいくつか存在します。ここでは、マイナンバーカードを新生児で作る際に理解しておいてほしいデメリットを4つご紹介するので、ぜひ申請前にチェックしておいてください。
マイナンバーカードの申請には、必ず顔写真が必要です。しかし使用できる顔写真には、以下のような基準が設けられており、1つでも満たしていない場合は申請がスムーズに進みません。
◯マイナンバーカードに使用できる顔写真の基準
特に赤ちゃんは長時間じっとしていられないため、写真の撮影は難しくなります。1人で座れない場合は寝かせた状態や抱っこしての撮影が認められているため、短時間で済ませられるよう、あらかじめアイテムを準備しておきましょう。
作成されたマイナンバーカードは原則本人に渡すよう決められており、申請者が赤ちゃんの場合でも親だけでは受け取れません。そのため、受け取る際は役所の窓口まで親子で出向く必要があります。マイナンバーカードは申請からおよそ1ヶ月で発行されますが、発行から最低3ヶ月間は役所にて保管されており、相談すれば有効期限を過ぎても受取が可能です。特に月齢が低い赤ちゃんの場合は、受け取りを焦らず、体調や機嫌がよいタイミングで出かけることをおすすめします。
マイナンバーカードには、個人番号・住所・氏名など重要な個人情報が記録されています。もし紛失した場合は、個人情報が漏えいする可能性があります。マイナンバーカード内蔵のICチップには、病院の診療情報などプライバシー性の高い情報は記録されていませんが、紛失したらすぐに以下のコールセンターへ連絡し、マイナンバーカードの利用停止手続きを行ってください。
◯マイナンバー総合フリーダイヤル
TEL:0120-95-0178(24時間365日受付)
マイナンバーカードには、有効期限があります。18歳以上の場合の有効期限は発行から10回目の誕生日ですが、カード発行時に18歳未満だった場合は5回目の誕生日と有効期限が短めです。新生児でマイナンバーカードを発行すると、18歳を超えるまで5年ごとに更新手続きが必要になります。有効期限が近づくとお知らせは届きますが、申請漏れをしないようカードに印字された更新日をしっかり確認しておきましょう。
総務省が公開しているマイナンバーカードの申請状況をみると、申請受付数は令和5年3月12日時点で約9499万人と人口の約75.4%(※1)に到達しています。交付作業も進められており、マイナンバーカードをすでに持っている人の割合は人口の約63.5%(※2)でした。マイナポイント事業の導入によりマイナンバーカードは急速に普及していますが、2023年3月末時点で作成は任意ということもあり、必要と感じていない人が一定数いるのも事実です。マイナンバーカードのメリットとデメリットの両方をしっかりと把握し、作成の有無を自身で判断することが重要になります。
※1:令和4年1月1日時点での住基人口に対する割合
※2:令和5年2月末時点での数値
マイナンバーカードを作成するには、具体的にどのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは、マイナンバーカードの作り方や必要な持ち物について詳しく解説します。新生児期の赤ちゃんと大人で作成手順は大きく変わらないので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、マイナンバーが記載された個人番号通知書(通知カード)を手元に準備しましょう。個人番号通知書は、赤ちゃんの住民票が登録されてから2〜3週間で自宅に届きます。マイナンバーのお知らせ方法には、これまで「通知カード」という紙製のカードが使われていましたが、令和2年5月25日からは「個人番号通知書」に変更されました。なお、どちらの書類でも申請方法は同じです。個人番号通知書を紛失した場合、再発行は行っていません。マイナンバーが記載された住民票を取り寄せ、番号を確認してください。
次は、マイナンバーカードに載せる赤ちゃんの顔写真を撮影します。赤ちゃんの顔写真を撮影する際は、以下のポイントに注意しましょう。
◯赤ちゃんの顔写真撮影で注意すること
1人座りができる場合は、白い壁の前に座らせて撮影します。撮影をする際はおもちゃで赤ちゃんの気を引くと、正面を向いてくれやすくなりますよ。
個人番号通知書と顔写真の準備ができたら、マイナンバーカードの申請手続きをします。マイナンバーの申請方法は、以下の3種類です。
◯マイナンバーの申請方法
オンライン申請は、顔写真や申請者情報の登録などすべての手続きをパソコンやスマートフォンで行えます。自宅で手軽に申請できるため、新生児期を含む月齢の低い赤ちゃんがいる家庭にはおすすめです。また個人番号通知書に同封されているマイナンバーカード交付申請書を使えば、郵送でも申請できます。ただし郵送での申請では、顔写真の印刷が必要です。自宅で顔写真を撮影するのが難しい場合は、近所にある対象の証明写真機を利用するのもよいでしょう。
マイナンバーカードの申請をした後、およそ1ヶ月で市区町村から自宅に交付通知書(はがき)が郵送されます。交付通知書に記載の有効期限内に、以下の必要書類を持ってマイナンバーカードを受け取りに行きましょう。
◯マイナンバーカード受取時に必要な持ち物
マイナンバーカードは原則申請者が赤ちゃんであっても、本人に交付するよう定められています。受取時は、必ず親子で交付場所まで行くようにしてください。
受け取る際には、以下11種類の本人確認書類の中から1点提示が求められます。
◯使える本人確認書類
上記を持っていない場合は、「氏名+生年月日」もしくは「氏名+住所」が記載されているかつ、市区町村長が認めた書類を2点用意する必要があります。例えば、健康保険証・年金手帳・学生証・医療受給者証などです。赤ちゃんのマイナンバーカードを受け取る際は、健康保険証と医療受給者証を持って行くとよいですよ。
マイナンバーカードは、大人だけでなく新生児でも作成が可能です。マイナンバーカードを作成すれば、赤ちゃんの身分証明書や健康保険証として使えるのはもちろん、マイナポータルを活用することで乳幼児検診や予防接種の管理がしやすくなります。マイナンバーカードにはメリットが多い一方で、個人情報の漏えいリスクなどのデメリットにも注意しなければなりません。マイナンバーカードは全国的に普及が進められていますが、作成は任意です(2023年3月末時点)。メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、作成するかを慎重に検討しましょう。
あわせて読みたい