2025年02月18日 12:00
寒い季節になると手に入りやすくなるみかん。「離乳食でみかんはいつから食べられる?」「離乳食でみかんの薄皮はむいた方がいい?」「みかんの缶詰は離乳食で使える?」など気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、離乳食でみかんを与える時期や量、下ごしらえの方法や冷凍保存方法などについてご紹介します。 保育園勤務の管理栄養士ママが生後5カ月以降の赤ちゃんにおすすめのみかんレシピも紹介するので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね!
離乳食でみかんは、生後5〜6カ月ごろの初期以降に食べられる食材です。おかゆやにんじん、さつまいもなどの野菜類に慣れたころに与えるとよいでしょう。
みかんの房についている白い筋や薄皮はかたく、赤ちゃんにとって食べにくい部分です。離乳食でみかんを与える際は、食べやすいように工夫しながら取り入れましょう。
離乳食で使うみかんは、酸味が弱く甘みが強い品種から選ぶのもおすすめです。甘みの強いみかんを選ぶためには、ヘタの部分が茶色で全体的に色が濃く、楕円形のものから選ぶのもよいでしょう。
酸味が特徴的なみかんには、ビタミンCやクエン酸などの栄養素が豊富に含まれています。
特にビタミンCは風邪などの感染症への抵抗力を高める効果が期待されていたり、鉄分の吸収をサポートしたりする働きがあります。離乳食の赤ちゃんでは鉄分が不足しやすい時期でもあるので、普段の食事と一緒にみかんを取り入れてみるのもよいでしょう。
またみかんは水分量が多いので、便秘がちな赤ちゃんにもおすすめです。
離乳食でみかんを与える際は、赤ちゃんの月齢や成長に合わせた形状にしてから与えましょう。果肉の形状を残したまま食べられるようになるのは、生後7〜8カ月ごろの中期以降です。
離乳食初期にみかんを与える場合は、果汁にしてから与えますが、みかんは果汁にすると酸味を強く感じやすくなるので、水やお湯などで薄めてから与えるのがおすすめです。
※上記の表は野菜・果物類のうち、1食のうちに使う食材がみかんだけである場合の目安量です。他の野菜・果物類と組み合わせる場合は、目安量より減らしてもよいでしょう。
みかんは離乳食初期から食べられる果物ですが、歯が生え揃っていない赤ちゃんにとっては噛み切りにくい特徴もあります。みかんを赤ちゃんに与える際は、食べやすいように下ごしらえをしてから与えましょう。
離乳食で使うみかんは、皮をむいて薄皮を取り除いてから与えます。みかんを1房ずつ手で分けたら、中心の部分にハサミなどで切り込みを入れて手でむくと薄皮を取り除けます。
大量のみかんの薄皮を一度に取り除きたい場合は、食品用の重曹を使った方法もおすすめです。水(500ml)に食品用の重曹(小さじ1/2)を加えて加熱し、沸騰したら1房ずつに分けたみかんを加えて1分程度ゆでると簡単に薄皮を取り除けます。
みかんは加熱せずにそのままでも食べられる食品です。しかし離乳食で取り入れる場合は、食中毒対策のためにも加熱してから与えるのがよいでしょう。
またみかんは加熱すると、酸味が和らぐ特徴があります。酸味が強いと赤ちゃんが嫌がってしまう可能性もあるので、下ごしらえとして加熱を取り入れてみてください。
簡単にみかんを加熱したい場合は、赤ちゃんの月齢ごとの形状にカットしたみかんを耐熱容器に入れて、電子レンジで加熱する方法がおすすめです。
みかんは冷凍保存が可能な食品です。離乳食では少量しか使わないため、残ったみかんは赤ちゃんの月齢ごとの形状にカットしてから冷凍保存をしておくのもよいでしょう。
切ったみかんは水分が出やすいため、製氷皿や冷凍保存容器に1回量ずつ小分けにして冷凍しておくのがおすすめです。冷凍したみかんは、1週間以内に使い切るように心がけましょう。
手軽にみかんを取り入れたい方は、スーパーやコンビニなどで販売されている冷凍みかんを使うのもおすすめです。
冷凍みかんは皮をむいて1房ずつ分ける必要がないので、解凍するだけで簡単にみかんを取り入れられます。しかし市販の冷凍みかんは、薄皮が付いているものがほとんどです。薄皮がある場合は解凍したあとに取り除いてから与えましょう。
程よい酸味と甘みが特徴的で、離乳食の赤ちゃんから食べられるみかん。「みかんにアレルギーはある?」「みかんの缶詰は赤ちゃんに食べさせてもいい?」など気になる方も多いのではないでしょうか。みかんを赤ちゃんに与える際は、いくつかの注意点についても知っておきましょう。
温州みかんや夏みかんなどのみかんは、アレルギー症状を引き起こしやすい食品ではありません。しかしみかんにはオレンジのアレルゲンと似た成分が含まれているため、赤ちゃんの体質や体調によってはアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
みかんを食べたあとに口の中や周りに赤みやかゆみなどが出たり、喉がイガイガしたりしているようであれば病院を受診しましょう。
みかんを離乳食で初めて与える場合は平日の午前中に少量から食べさせると、アレルギー症状が出た時に病院に行きやすいのでおすすめです。
みかんは手軽に食べられる果物ですが、離乳食で使う場合は薄皮を取り除く必要があります。下ごしらえが面倒な時は、みかんの缶詰を利用するのもよいでしょう。
ただしみかんの缶詰には甘いシロップが含まれているため、そのまま赤ちゃんに与えるのは向いていません。離乳食でみかんの缶詰を取り入れる場合は、水やお湯で表面のシロップを洗い流してから与えましょう。
生のみかんは酸味が強いため、離乳食の赤ちゃんにとっては食べにくい可能性もあります。赤ちゃんが食べにくそうであれば、りんごやさつまいも、かぼちゃなどの甘みのある食材と組み合わせてあげるのもよいでしょう。
また育児用ミルクや豆乳などの淡白な味わいが特徴的な食材も、みかんと一緒に摂取することで酸味がまろやかになるのでおすすめです。
大人はそのまま食べることがほとんどのみかんですが、実は幅広い料理に向いています。離乳食でみかんを与える際は、赤ちゃんが食べやすいように工夫しながら取り入れましょう。
今回は生後5カ月以降の赤ちゃんにおすすめの離乳食のみかんレシピを4つ紹介します。
材料(1回分)
・みかん 4房
・育児用ミルク(調乳済み) 小さじ2
作り方
1)みかんは薄皮を取り除き、裏ごしする
2)耐熱容器に1と育児用ミルクを加えて混ぜ合わせる
3)ふんわりとラップをして、電子レンジ500Wで40秒加熱する
ポイント:みかんの果汁と育児用ミルクを電子レンジで加熱するだけの簡単レシピです。甘みのある育児用ミルクと組み合わせることで、酸味のあるみかんも美味しく食べられます。
材料(1回分)
・みかん 2房
・バナナ 10g
・冷凍ブロッコリー 20g
・ヨーグルト(無糖) 小さじ1
作り方
1)みかんは薄皮を取り除いて細かく切る。バナナは粗つぶしにする。ブロッコリーは解凍して蕾の部分をみじん切りにする
2)耐熱容器に1を加えてふんわりラップをし、電子レンジ500Wで40秒加熱する
3)粗熱がとれたらヨーグルトを加えて和える
ポイント:つぶしたバナナとヨーグルトの滑らかさで、刻んだブロッコリーやみかんが食べやすくまとまります。ブロッコリーは冷凍を使用すると、調理の時間を軽減できるので忙しい時におすすめです。
材料(2〜3回分)
・ホットケーキミックス 50g
・ヨーグルト(無糖) 25g
・卵 1個
・みかん 1個(g)
・サラダ油 適量
作り方
1)みかんは薄皮を取り除いて8mm角にほぐす
2)ボウルにホットケーキミックス、ヨーグルト、卵を入れてよく混ぜ合わせる
3)1を入れてさっくり混ぜる
4)フライパンに油を熱してスプーン2本を使って3の生地を落とし、弱火〜中火で中に火が通るまで両面焼く
ポイント:米粉で作るみかんのパンケーキレシピです。スティック状にカットしてあげると、手づかみ食べがしやすくなるので試してみてください。
材料(プリン型2個分)
・水 20g
・粉ゼラチン 4g
・牛乳 170g
・砂糖 大さじ1
・みかん缶詰 60g
作り方
1)ゼラチンは水と合わせてふやかす。みかん缶詰は水で洗って、1cm角程度にほぐす
2)鍋に牛乳と砂糖を入れて中火で温める
3)火を止めてふやかしたゼラチンとみかんを加えてよく混ぜ合わせる
4)プリンカップに流し入れて、冷蔵庫で1時間程度冷やす
ポイント:ゼラチンを使用することで、クリーミーでなめらかな食感に仕上がります。生のみかんが大量に余っている時に作るのもおすすめです。容器に液体を移した際にみかんが沈んでしまうので、上にトッピングしたい場合は、プリンが少しかたまりかけている時に上からトッピング用のみかんを乗せるのもおすすめです。
生後5〜6カ月以降の離乳食初期から食べられるみかん。離乳食の赤ちゃんにみかんを与える際は、月齢に合わせた形状にして取り入れましょう。
赤ちゃんによってはみかんの酸味が食べにくいと感じることがあるので、甘みのある食材と組み合わせるなど、酸味を和らげる調理方法を意識しておくのもポイントです。離乳食でどうやってみかんを取り入れればいいか迷っている方は、ぜひこの記事で紹介したみかんの離乳食レシピを参考にして作ってみてくださいね。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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