2018年09月26日 11:00
出産後のママは、産褥期(さんじょくき)と呼ばれる期間に入ります。産褥期とは、子宮などが産前と同じような状態に戻るまでの時期のことです。通常どおり速やかに行われる場合は「産後の肥立ちが良い」と表現されます。 そんな産後の肥立ちですが、ママの今後の健康のためには、日常生活での過ごし方で気をつけた方が良いポイントがあります。 今回は、産褥期の概要について解説し、気をつけるべきポイントを5つまとめて解説します。
産褥期(さんじょくき)とは、出産後のママの身体が回復し、子宮の大きさが元のサイズに戻るまでの6~8週間くらいの期間のことです。
産褥期は「産後の肥立ち」と表現されることもあり、順調に回復することを「産後の肥立ちが良い」、回復に時間がかかっていたり産後うつや尿漏れ、腰痛などの症状まで現れたりすることを「産後の肥立ちが悪い」などと表現することもあります。
産褥期は、「後陣痛」と呼ばれる子宮が収縮するために起こる下腹部の痛みや「悪露」という子宮や産道の傷からの出血や分泌物が混ざったもの(月経のような血)がある上に、精神的にも敏感になっている時期でもあります。
本人の過ごし方はもちろんですが、周りのサポートが重要です。
産後の肥立ちを良くするためには、産褥期には次の5つに気をつける必要があります。
悪露が続いている間は、お風呂はシャワーだけにするのが基本です。
産褥期は、子宮や産道が傷ついている状態のため、細菌の感染を防ぐためにも入浴は避けなければなりません。
病院によっては、3~4週間くらいで悪露が落ち着いてきたら家庭での入浴を許可するところもありますが、公共浴場や温泉などでの入浴はもう少し長い期間の我慢が必要です。
産褥期は、「この時の過ごし方で更年期の健康状態が変わる」という話があるほど、ママの今後の健康のために気をつけなければならない時期です。
無理をして骨盤が歪んでしまうと、血流やホルモンの流れが悪くなり、体調不良を起こしやすくなります。
そのため、産褥期にはまず十分に休むのが大事です。
1ヶ月検診くらいまでは外出を控え、家で安静に過ごすようにしましょう。
家事や、上の子がいる場合は、育児をなるべく他の人に任せるようにしたいですね。
また、家電や便利グッズなどに頼るのも1つの手段ですよ。
産後は、「隣の部屋の針が落ちる音まで聞こえる」といわれるほど、精神的にピリピリしている時期です。
そんなピリピリは、慣れない育児による「心の疲れ」や、2~3時間おきの頻回授乳による「寝不足」でさらに加速してしまうことになりかねません。
ひどい場合は、産後うつにまで発展してしまうこともあります。
こまめでも良いので、睡眠をしっかりとって、心も身体も十分に休むようにしてください。
産後の肥立ちには、バランスの良い食事も大事です。
タンパク質やカルシウム、鉄分などは、特に母乳で不足しがちなので、産褥期は気をつけて摂取するようにしましょう。
周りの人が家事や買い物をしてくれるという場合は良いですが、そうでない場合はしんどい思いをしながら食事の準備をするのは辛すぎます。
近ごろは、インターネットスーパーや食事の宅配サービスも充実しているので、利用してみるのもおすすめですよ。
また、家事代行サービスを頼るのもおすすめです。
最初は抵抗があるかもしれませんが、産褥期はとにかく無理をしないのが一番です。
先輩ママが来てくれることも多いので、人によっては育児の相談もできますよ。
東洋医学では、「目を使う=血を多く使う」と考えられています。
眩暈(めまい)を起こしたり、産後の肥立ちに時間がかかってしまったりするため、血を多く失っている産褥期は、なるべく目を酷使しない方が良いと言われています。
実際、産後は目が疲れやすく視力も低下しやすいとされています。
特に、スマホやパソコン、テレビなどは見すぎると睡眠の質も下がるため、あまり見すぎないようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
産褥期と産褥期に気を付けるべきポイントを5つまとめてご紹介しました。
産褥期を過ぎると、ママは今までどおりの生活に戻っても良いとされているため、産褥期の終わりのことは一般的に「床上げ」と表現されています。
ただ、床上げしても3~4ヶ月くらいは、骨盤が開いていたりグラグラしたりしているため、転倒しやすいですし腰痛も起こりやすくなっています。