赤ちゃんの寝返りはいつから?効果的なサポート方法と気をつけたいこと

赤ちゃんの成長は毎日すごいスピードで進んでいきますね。体の機能や表情、声の出し方など、気づいたらあっという間に毎日が過ぎて行くのではないでしょうか。その成長のひとつ、寝返りは一体いつ頃からするのでしょうか?また寝返りを促すサポート方法も考えてみましょう。

何故寝返りが必要なのか?寝返りの効果とは?

寝返りができるようになるのは成長の証。新たな動きを覚え、視野が広がることで更なる刺激を受けて赤ちゃんは心も体もますます成長していきます。

そもそもなぜ寝返りが必要なのでしょうか。

寝返りは、赤ちゃんが初めて獲得する移動手段。寝返ると横に移動ができたり、視界が変わったりと、大変刺激的です。寝返りをし、視野が変わり、体の向きが変わることで、次に腕や足を使って移動しようとするハイハイへつながります。寝返りができることによって、次の成長発達へつながる第一歩となるのです。

寝返りの効果とは?

仰向けに寝ていることでおなかの圧迫感などを感じるものですね。寝返りをすることで横向きに寝たり、うつぶせになったりし、体の感じる圧迫感から逃れる効果があると言われており、大人も横になると寝返りをします。赤ちゃんも同じでしょう。

寝返りをしながら体の圧迫感を逃がす効果と、寝返りをすることでより有効な移動手段を考えようと体と脳が発達するのです。さらには、良質な睡眠を長く続けることができ、ぐっすりと眠れるようになり、夜泣きが減っていくことにつながります。寝返りをしないと同じ姿勢を長く続けることになるので、大人はもちろん赤ちゃんであっても体の痛みが生じてきます。寝返りをすることで長く眠れるようになるのは、体が快適になるからでしょう。

さまざまな体勢になることで、内臓に重力を感じ、鍛えられ、さらに成長発達が促されるのです。寝返りをはじめ、赤ちゃんの動きの発達には、さまざまな効果があるのです。

寝返りをするのはおおむね5か月から6か月

平均的な赤ちゃんの発達を見ると、寝返りをするのは生後5か月~6か月くらいの頃が多いようです。

赤ちゃんを仰向けに寝かせていたはずなのに、気づいたら横向きに寝ていた、頭と足が逆方向になって寝ていた、なんていうことがあるかもしれません。

足で床をけるときや、欲しいおもちゃに手を伸ばすとき、たまたま動いてしまうこともあります。

寝返りの兆候が見え始めたら、ママ・パパにできるサポートとは?

寝返りを促し、サポートする方法としてどのようなことをしたら良いのでしょうか。

うつぶせ運動&遊びをして寝返りを促そう

4か月くらいになるとママやパパとのかかわりを楽しみ喜びます。たくさん抱っこをしたり一緒に横になったりしてスキンシップを取りながら遊びましょう。中には仰向けになっているだけだと、動きたくてぐずる赤ちゃんもいますね。

そんな時は寝返りの練習も兼ねて、うつぶせ遊びをしてみましょう。

首が据わっていれば大丈夫。両手を赤ちゃんの胸の前でそろえて、頭を支えながら、寝返りができるようにし、うつぶせにします。

赤ちゃんをうつぶせにして寝かせたら、首を持ち上げようとするはずですよ。そうするだけでも赤ちゃんにとってはすごい運動量になりますね。首の筋肉や背筋の発達にもつながります。

うつぶせ遊びをするときは、赤ちゃんから目を離さずに遊ばせましょう。柔らかなお布団の上ではなく、ちょっと固めのマットの上の方が窒息などの防止にもなり安全ですね。

また、うつぶせ遊びを少ししたら、また仰向けに戻してあげることも忘れずにしましょう。

寝返りの兆候が見え始めたら気を付けたいことは?

思わぬ事故にもつながることがある赤ちゃんの成長。寝返りは赤ちゃんが自分で大きく動き出す運動のひとつです。どのようなことに気を付けておくべきなのでしょうか。

柔らかな布団から少し固めの布団や敷物にしよう

寝返りの兆候がなかなか見えない、寝返りをしようとしてもなかなかできない、そんな様子があるときは、もしかしたら寝ている敷布団が柔らかいからなのかもしれません。

ふんわりしていると、体が沈むので寝返りをしにくいもの。また、もし知らずに赤ちゃんが一人で寝返りをしてしまっていたら、窒息の危険性がないとは言えません。

日中の起きている時間帯は、少し硬めのものを敷くようにしましょう。

赤ちゃんの寝ている周囲に柔らかなもの&小さなものを置かない

赤ちゃんの下に敷くものに注意が必要ですが、周囲に柔らかな布製のものや、口や鼻などに間違って入ってしまいそうなものが赤ちゃんの周りにないか、よく確認しましょう。例えば、タオル、ガーゼのハンカチ、クッション、綿棒やティッシュ、上のお子さんのおもちゃや電池、クレヨンなどです。

母子手帳の最後の方のページに、誤飲してしまうサイズの目安があるはずです。もう一度確認しておきましょう。

動きやすい衣類を着せる

伸縮性があり手足を自由に動かせる衣類が良いでしょう。ロンパースやカバーオールなどがいいですね。上下セパレートのものは、思い切りハイハイできるようになった頃や、つかまり立ちができるようになる時期が最適です。

それまではおむつ替えなどがしやすいつながった衣類で伸縮性のある素材の衣類が良いでしょう。できれば胸元やおなかにボタンや飾りのないものだと、いいですね。

また、寝返りが上手にできるようになってくると、おむつ替えをしようとすると身をよじって寝返りをしようとすることが増えてきます。

そのため、寝返りを防止できるクッションを赤ちゃんの側面においてあげるといいですね。

おむつ替えが終わったら、窒息の危険がないよう手のとどかない場所へ片付けましょう。

ウチの子、遅い? 練習やサポートをしても寝返りをしないのはなぜ?

さまざまなことに気を付けたり、寝返りの練習やうつぶせ遊びなどをしても、なかなか寝返りをしないこともあります。

それはなぜなのでしょうか。

赤ちゃんの中には、寝返りをせずにはいはいからつかまり立ち、一人歩きへと進んでいくことがあるかもしれません。成長発達には一人ひとり個人差があります。発達に心配がある場合は小児科で相談してみましょう。

正常に発達していても、なかなか寝返りをしないこともあります。

下記のような原因が考えられます。

あれこれと赤ちゃんに手をかけすぎている?

原因のひとつとしては、周囲の大人が手をかけすぎているということが考えられます。自分で寝返りをしなくてもさまざまな遊びや動き、おもちゃなどが与えられる環境の中で育っているかもしれません。

赤ちゃんが運動しにくい衣類を着せている?

室内であっても厚目の衣類を着せていたり、衣類をたくさん着せすぎていると、動きにくくて寝返りをしたくてもできないでいる可能性もあります。

家の中では動きやすく伸縮性のある衣類を着せて、のびやかに動けるようにしてあげたいですね。

遊びや促しがちょっと足りない可能性も?

寝返りをするきっかけは、赤ちゃんの寝返りしたい気持ちや周囲の大人の促しがタイミングよく一致して、偶然に寝返りをするところから始まります。

その偶然の一致が何度も何度も訪れるうちに、寝返りの動作を習得し、寝返りをできるようになるのです。

寝返りを促すように、赤ちゃんの視点を変えたり、届きそうで届かない場所に大好きなおもちゃを置く、うつぶせ遊びの時間を増やすなど、きっかけ作りをたくさんしてあげましょう。

また、ちょっとぷっくりとしていて体格が良いなど、動きにくいことが原因で寝返りをしないこともあります。体を支えて寝返りを体感で知らせてあげたり、手を添えて手伝ってあげるなどし、積極的に促したり手伝ってあげたりをくり返しましょう。

寝返りを促す楽しい遊びはコレ!

赤ちゃんの興味を引き、寝返りを促し、赤ちゃんの体幹を育てる楽しい遊びをご紹介します。

ゆらゆらあそび

赤ちゃんを抱っこしてママが仰向けに寝たら、おなかの上に赤ちゃんをうつぶせの状態で乗せます。ママの体と赤ちゃんの体を密着させた状態で、ゆっくりと左右に揺らしてあげましょう。ママが一緒に揺れてもいいですね。赤ちゃんが落ちないようにしっかり脇を支えておきましょう。

揺れるたびに落ちないように自然と体に力が入り、赤ちゃんの筋力を刺激します。

バスごっこ

ママが足を投げ出して座り、閉じた足の上に赤ちゃんを乗せます。脇をしっかり抱いて支えてあげてくださいね。その状態で、左右にゆっくり揺らしたり、前後にゆっくり倒してあげたりします。全身の筋力や赤ちゃんの体幹を育てる遊びです。動かすときに歌を歌ってあげると更に楽しくなりますね。

おもちゃ、取れるかな?

赤ちゃんをうつ伏せにし、手のとどきそうなところへおもちゃをいくつか置きます。取れるかな?届くかな?とおもちゃを動かして、赤ちゃんを刺激しましょう。手を伸ばしてとろうとしたり、目で追ったりし、楽しみます。「見えたね!」「できたね!」「届きそうだね」と赤ちゃんの目を見て声を掛けてあげると喜びますよ。

寝返りの時期にぴったりなおもちゃはコレ!

寝返りの時期に赤ちゃんが楽しめるおもちゃをご紹介します。

プレイジムマット

さまざまなおもちゃがぶら下がっているプレイマットの中でも、四方のサイドがすこし持ち上がり、小さなサークルになっているものが安全かもしれません。その立ち上がった部分にも鏡や音の鳴る仕掛けやぬいぐるみなどが付いていれば、寝返りを促すことになりそう!

また、どこまでもゴロゴロと転がって行ってしまう危険もなく、ママも安心です。

短時間であれば安全に飽きることなく遊んでくれるはず。寝返りをしたい気持ちも促してくれるでしょう。

ボールやラトル

穴が開いた網状の柔らかなボール(商品名:オーボール等)は、赤ちゃんでも握りやすく、舐めたりかんだりして口の刺激も満たします。また、かんだときに鼻や口をふさぎ窒息するような危険もありません。ボールにガラガラと音が鳴るラトルが付いたものもあります。音と色の刺激で、うつぶせの状態で遊ぶおもちゃにぴったりですね。水洗いもできお風呂で遊んだり、ストラップを付けてベビーカーや車の中に下げたりしておけば、外出時のおもちゃにもなる使い道の広いおもちゃです。

多少は弾むので、年齢がすすんでもボール遊びとして使えますよ。

また、ラトルもいいですね。色のはっきりとしたもので音が鳴るタイプのものが赤ちゃんの興味・関心を引くでしょう。

手作りおもちゃ

ペットボトルやおしりふきの空き容器で、赤ちゃんの興味を引くおもちゃを手作りしてみませんか。

ペットボトルの中にキラキラ光るビーズや鈴、どんぐりやあずきなど固くて音が鳴るものを入れたら、フタをきっちりと閉めビニールテープで開かないように留めます。

振れば音が鳴り、転がるとキラキラ!手で持ったり転がしたり、さまざまな様遊びが広がります。視覚にも聴覚にも訴え、何よりママの愛情がいっぱいですね。

おしりふきケースの空き容器に、同じくらいの大きさの布を次々出てくるように重ね合わせながらたたんでしまいます。ティッシュが次々出てくる遊びは、赤ちゃんが集中して楽しめる遊びの一つ。本当のおしりふきやティッシュでされると困りますが、これなら何度でも繰返し遊ばせてあげられますね。

絵本

まだまだお話のストーリーはわからない赤ちゃんですが、絵本は大好きな遊びの一つ。何より大好きなママやパパの声を聞きながら、楽しいイラストを見られるので、赤ちゃんにとってたくさんの楽しみや刺激があるのです。

赤ちゃん向けの絵本は、イラストの輪郭や色あいがはっきりとしてまだ視覚が育ち切っていないあかちゃんでも認識しやすくなっています。

物や動物の名前などがかかれた絵本は、少し大きくなってからでも楽しめますね。赤ちゃんを膝に抱っこして読んであげたり、はらばいになった赤ちゃんに見せたり、一緒にゴロゴロしながら読んだりしてみましょう。

まとめ

赤ちゃんの寝返りについてさまざまな視点から考えてみました。

赤ちゃんの成長や発達は一人ひとり違い、個人差があるものです。その月齢に到達する前、その月齢を過ぎても、育児書の通りに育っていないこともあります。けれどママやパパのちょっとした働きかけや遊び、刺激で急にできるようになったり、または、時間をかけて赤ちゃんのペースでゆっくりできるようになったりするものです。

焦らずのんびり、成長を楽しみながら赤ちゃんとの生活を楽しみましょう。

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ライター:まみ@writer

保育士と幼稚園教諭免許を持ち、10年勤務の経験から育児や保育、幼児教育、保育士の悩み、保育技術、保育士の転職に関する記事の執筆をしながら、悩める保育士や保護者に寄り添うことを大切にしています。