2022年04月15日 00:00
白身魚は赤ちゃんの筋肉や血液を作るたんぱく質です。淡白な味わいで、身がやわらかく低脂肪なので消化機能が未発達な赤ちゃんにも安心して与えられます。「どんな種類の白身魚を使えばいい?」「アレルギーが心配」など疑問に思うママも多いです。今回は離乳食にぜひ取り入れて欲しい白身魚の種類や下ごしらえ、おすすめレシピを紹介します。
白身魚は、生後5~6カ月の初期から使えるたんぱく質です。低脂肪で高たんぱく質なので、赤ちゃんの胃腸に負担をかけにくく、離乳食の時期にはおすすめの食材です。
また、赤身魚や青背魚に比べると、アレルギー症状が起こりにくいため離乳食初期から使えます。豆腐などの食物性たんぱく質に慣れてから与えるようにしましょう。
※魚類の中で、1食のうちに使う食材が白身魚だけである場合の目安量です。他の魚類の食材と組み合わせる場合は、記載されている目安量より減らしてもよいでしょう。
白身魚には、さまざまな種類があります。白身魚の中でも小骨が多かったり、脂肪が多かったりする種類は、離乳食初期には向いていない場合があるので気をつけましょう。スーパーで見かける定番の魚からたまに見かける魚まで、離乳食でいつから取り入れられるのか紹介します。
たいやヒラメ、カレイは低脂肪でアレルギーの心配も少ないため、赤ちゃんに最初に食べさせる魚として向いています。特にカレイは加熱をしてもかたくなりにくく、ペースト状にしやすいため初期におすすめの白身魚です。
キンメダイは、脂がのったやわらかい身が特徴です。脂肪が多いので、与える場合は後期以降にするとよいでしょう。
銀だらは、身がやわらかいため赤ちゃんでも食べやすい魚ですが、塩分や脂肪が多いので離乳食初期や中期では生たらを選ぶようにしましょう。後期以降であれば銀だらも使えますが、少量を与えるようにするとよいですね。
白身魚のすり身やほっけ開きは塩分が高いので、離乳食で与える場合はごく少量を与える程度にします。白身魚のすり身を購入する際には、原材料名の表示を確認し調味料や添加物が少ないものを選びましょう。
食中毒予防のため、購入したらできるだけ新鮮なうちに加熱調理を行いましょう。魚は加熱しすぎるとパサつきやすくなります。下ごしらえの際に、片栗粉をまぶしてから沸騰したお湯でゆでることで、パサつきが抑えられるのでおすすめです。すりつぶす作業が面倒な場合は、ゆでた後の白身魚とお湯をブレンダーにかけると簡単にペーストが出来上がります。
歯が生えそろっていない赤ちゃんにとって皮は噛みきれず、骨は喉に刺さると危険なので丁寧に取り除きましょう。
切り身魚を使用する場合は、沸騰したお湯で中までしっかり火を通し、皮や骨を取り除いて月齢ごとの形状にします。1尾魚は生のまま3枚におろし、骨抜きやピンセットなどで小骨を取ってからゆでます。
耐熱容器に白身魚20g(刺身なら2切れ)と水大さじ1を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで40秒加熱する。ゆでるよりも短時間で調理ができるので、少量を使いたい場合は電子レンジでの加熱がおすすめです。
白身魚はしっかりゆでて皮と骨を取り除き、月齢ごとの形状にして1食分ずつ冷凍保存容器に入れて冷凍します。もしくは、ラップに包んでから冷凍保存袋で冷凍も可能。冷凍した日から10日以内には使い切るようにしましょう。
白身魚を冷凍保存したい場合は、冷凍魚ではなく生の魚を選びましょう。解凍するたびに鮮度が落ちてしまうため、生の魚がおすすめです。冷凍魚を使用した時はすぐに調理して食べさせて冷凍保存しないようにしましょう。
冷凍した白身魚1回量を耐熱容器に入れ、水を少量足してふんわりとラップをし、電子レンジ500Wで40秒加熱。ラップで包んだものをそのまま電子レンジで加熱する場合は、ラップを少し開いて加熱すると上手に解凍できます。
離乳食で白身魚を取り入れようと思っても、皮や骨を取り除いたりパサつかないようにとろみをつけたりする工程が面倒くさいと感じる人も多いのではないでしょうか。面倒な皮や骨取り、とろみ付けなどの下ごしらえが必要なく、離乳食で白身魚を簡単に使える方法があるので参考にしてみてください。
皮や骨を取り除く必要がなく、鮮度がいい刺身は離乳食で大活躍します。刺身は1切れ10g程度なので、初期や中期など少量しか使わない時にも便利。初期では1食に1/2切れ程度、中期では1切れを目安に使うとよいですね。
白身魚は脂肪が少ないため、加熱するとパサつきやすくなります。片栗粉を少量まぶしてからゆでたり、電子レンジで加熱したりすることで水溶き片栗粉を使わずにとろみが出て簡単になめらかな食感になります。
既に下ごしらえ済みのベビーフードを使うのも便利です。和光堂の「はじめての離乳食」シリーズでは「裏ごしおさかな」が販売されています。使用している白身魚はたらなので、たらを初めて与える時は1キューブ(小さじ1量)で試してみるといいですね。
和光堂 裏ごしおさかな
出典:Amazon
消費者庁が発表しているアレルギーを含む28品目の食材に白身魚は含まれていません。ですが、初期から食べられるたらは、アレルギー症状を引き起こす赤ちゃんもいるため注意して与えましょう。
初めての白身魚の種類を与える場合は、平日の午前中に与え蕁麻疹や口の周りが赤くなるなどのアレルギー症状が出た時に、すぐ病院を受診できるようにしておきましょう。
脂肪が少なく、良質なたんぱく質を多く含む白身魚は離乳食で積極的に使いたい食材ですね。初期や中期ではパサつかないような調理法が向いています。また、魚の生臭さを抑えるようなレシピは赤ちゃんも喜んで食べてくれます。白身魚の刺身や切り身を使ったおすすめのレシピを紹介します。
材料(1回分)
・たい(刺身用) 1/2切れ(約5g)
・焼き芋 10g
・10倍がゆ 30g
作り方
ポイント:少量しか使わない初期では刺身がおすすめ。焼き芋はゆでる手間もなく、甘みも強いので魚の生臭さが軽減されて赤ちゃん好みの味になります。さつまいもを使う場合は皮をむき、しっかりゆでて使いましょう。
材料(1回分)
・たら(切り身) 10g
・トマト 1/8個(約20g)
・ブロッコリー 10g
・水 小さじ1
作り方
ポイント:たらは白身魚の中でも生臭さが強い魚なので、酸味のあるトマトと組み合わせることで生臭さを抑えられます。トマトの水分をたらが吸って滑らかになり、赤ちゃんでも食べやすくなります。
材料(3個分)
・白身魚の刺身 2切れ(約20g)
・木綿豆腐 30g
・にんじん 10g
・片栗粉 大さじ1
・しょうゆ 数滴
作り方
ポイント:パサパサしやすい魚も片栗粉と豆腐を使ったハンバーグでやわらかく、赤ちゃん好みの食感に変わります。冷凍保存する場合は、出来上がったものを1つずつラップに包んで冷凍保存袋に入れて冷凍してください。
材料(1回分)
・カレイ(切り身) 20g
・キャベツ 20g
・にんじん 10g
・しょうゆ 数滴
・昆布かつおだし 大さじ1
作り方
ポイント:離乳食用だけでなく一緒に大人用のホイル蒸しを一緒に作ってもいいですね。
離乳食で使う際には皮や骨を取り除かなくてもいい刺身やベビーフードを使うことで簡単に取り入れられます。私も娘が生後6カ月の時に初めて白身魚を与えましたが、たらは和光堂の裏ごしたらを使いました。白身魚は淡白な味でアレンジもしやすいため、ぜひいろいろな料理に活かしてみてください。
ライター名:谷岡友梨
保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。
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