「帯祝い」で安産祈願!戌の日におこなう理由やお祝いの方法をご紹介

古くから伝わるしきたりである「帯祝い」、妊娠するまであまり耳にしたことがなかったという方もいらっしゃるでしょう。 初めての妊娠では、「帯祝いをいつ、どこでおこなうべきか」「お返しはどうすべきか」など、細かいマナーについて悩まれる方も少なくありません。 江戸時代から一般市民にも広まった古い風習である帯祝いは、少しずつ形を変えて、現在はどのような方法でおこなわれているのでしょうか。 この記事では、帯祝いの由来や、安産祈願の日取り、服装などに関するマナーについてご紹介します。

戌の日のお祝い「帯祝い」ってどんな風習?

帯祝いとは、安定期と呼ばれる妊娠5ヶ月の戌の日に、神社仏閣におもむいて安産祈願をおこなうお祝いです。帯祝いの起源は古く、もともとは皇室の儀式のひとつでしたが、江戸時代以降は一般市民にも広まっています。帯祝いの安産祈願は、岩田帯(いわたおび)と呼ばれる腹帯を巻いておこなうのが一般的です。

腹帯は妊婦側の実家が用意することが多いですが、ご自身で用意されたり、かかりつけの産院でもらったり、安産祈願する神社から授与されたりする場合もあります。腹帯は白いさらしタイプのもの以外にも、腹巻タイプやスパッツタイプなど、妊婦さんが無理なく簡単に装着できるものも増えています。

帯祝いで安産祈願をするときに知っておきたいマナー

帯祝いは安産祈願をおこなう行事だということがわかりましたが、具体的には何をおこなうのでしょうか?

安産祈願はいつどこでする?

帯祝いに戌の日が選ばれるのは、子だくさんでありながらお産が軽い犬にあやかるという意味があるからです。地方によっては、同じく子だくさんであるネズミや鳥にあやかり、「子(ね)の日」「酉(とり)の日」におこなわれる場合もあります。

「土用の丑(うし)の日」のように、干支は年だけでなく月日にも割り当てられており、12日に1回、戌の日が巡ってきます。毎月の戌の日は、インターネットやカレンダーなどで簡単に確認できます。妊娠5ヶ月の戌の日で、さらに家族が集まりやすい土日・祝日となると、日取りも限られてきます。

しかし、あまり戌の日にこだわりすぎず、妊婦さんの体調を第一優先で日取りを選びましょう。安産祈願をおこなう神社仏閣に関しても、無理なく行ける範囲で選ぶのがおすすめです。安産祈願で有名な神社やお寺でおこなう場合は混雑することもあります。

可能であれば事前予約しておくと、負担が少なくなるでしょう。

妊婦さんや家族の服装は?

安産祈願では、着物やフォーマルドレスなどの正装を着る必要はありません。ただし、ある程度きっちりしたきれい目の格好をするのがおすすめ。男性は、スーツを着用される方も多いです。妊婦さんは、体を冷やしたり締めつけたりしない、マタニティウェアで問題ありません。

神社やお寺は階段なども多いので、靴はヒールではなく、歩きやすいフラットシューズの方が疲れにくいでしょう。

短パンやサンダル、ジャージ、ジーンズなどの格好は、カジュアルすぎてマナー違反になりやすいので、避けるのが無難です。

気になる初穂料の相場をチェック

 

安産祈願のご祈祷をするときは、初穂料を用意する必要があります。初穂料とは、ご祈祷を受けたことに対するお礼のことで、農作物の代わりにお金をお供えするという意味があります。

安産祈願の初穂料の相場は5,000円から1万円ですが、神社やお寺によってはホームページに金額が記載されていることもあります。料金がわからない場合は、電話で問い合わせてみても良いでしょう。

誰が初穂料を支払うのかについては特に決まりはないので、事前に家族で話し合っておきましょう。初穂料を渡すタイミングは、社務所などで安産祈願の受付をするときが多いです。

初穂料はのし袋にいれて、上段に「御初穂料」、下段に夫婦の名前を連名で記載するのが一般的ですが、神社やお寺によっては白封筒を指定されることもあります。お礼の気持ちですので、新札などのきれいなお札を用意しましょう。

帯祝いでおすすめのおもてなしとお返し例

 

帯祝いでは、安産祈願の後に家族でお食事会をされる方も多いです。それでは、帯祝いのおもてなしやお祝いのお返しには、どのようなマナーがあるのでしょうか。いくつか例をご紹介しますので、参考にしてみてください。

帯祝いのおもてなしは食事会がおすすめ!

帯祝いのおもてなしとしておすすめなのが、安産祈願後の食事会です。あまり堅苦しい席ではなく、集まってくれたお礼も兼ねて家族でお祝いをすることが目的となっています。食事会の場所には、自宅やレストラン、ホテルなどさまざまな選択肢があります。自宅で料理を用意する場合、お祝い膳のしきたりなどは特にありません。

ちらし寿司や鯛の塩焼きなど、縁起の良いものを選ぶことが多いようですが、妊婦さんの体調や家族の好みに合わせて自由にメニューを選んで大丈夫です。レストランやホテルの場合は、個室を選んだ方がゆっくりとお祝いができるかもしれません。

食事代を誰が負担するのかも特にルールはないため、家族で話し合っておくと良いでしょう。

お祝いをもらったときのお返しマナー

帯祝いは近しい間柄の家族のみでおこなわれるため、基本的にお返しは必要ありません。お返しを用意しないケースも多いようですが、どうしてもお礼の気持ちを伝えたいのであれば、家族の好みにあったお菓子やお礼状などを贈るのがおすすめです。

また、安産祈願に参加していない親族や友人などから帯祝いのお祝いをもらった場合は、お返しをするのがマナー。内祝いの相場の目安は、いただいたお祝いの1/3から1/5程度です。

お祝いをいただいたら、遅くても1ヶ月以内にはお返しを贈りましょう。

まとめ

安産を願うための帯祝いは「こうすべき」と明確に決まったルールはなく、地方や家庭によって、それぞれ風習が異なります。帯祝いをおこなうときは、前もって家族やご近所の先輩ママ・パパに経験談を聞いておくのもおすすめです。

ただし、安産祈願で体調を崩してしまっては本末転倒です。基本的なマナーは抑えつつも、妊婦さんの体調を優先して無理なくおこなうようにしましょう。

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