【管理栄養士監修】離乳食でいちごはいつから?おいしい甘さを感じるレシピ

甘酸っぱくておいしいいちごは、赤ちゃんから食べられる果物です。実がやわらかくて、歯茎でつぶしやすいので、離乳食にもおすすめの食材。「離乳食でいちごはいつから食べられる?」「いちごは冷凍できる?」「いちごジャムはいつから食べていいの?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は赤ちゃんがいちごやいちごジャムを食べられる時期や、月齢ごとの形状や1回の目安量について、離乳食でいちごを使う際に押さえておきたいポイント、いちごの冷凍保存方法やいちごの離乳食レシピをご紹介します。

いちごは初期から食べられる食材

いちごは生後5〜6カ月頃の初期から食べられる食材です。

日本食品成分表2020年版(八訂)より、中粒いちご7個(約100g)は31kcalで、ビタミンCが62mg、カリウムが170mgも含まれています。

カロリーが低く、ビタミンCやカリウムなどの栄養が豊富なので、赤ちゃんにもおすすめの果物です。

また食物繊維のうちのひとつである「ペクチン」も豊富に含まれているため、便秘気味な赤ちゃんや、おなかの調子を整えたい場合にも向いています。

いちごジャムはいつから食べられる?

 

いちごジャムは、生後9〜11カ月頃の後期から食べられます。ただしいちごジャムには砂糖がたっぷり使われているので食べ過ぎには注意が必要です。赤ちゃんに与える際は、少量にしておくといいですね。

そのままでは甘みが強すぎるので、少量を無糖のプレーンヨーグルトに混ぜて使ったり、薄くパンに塗ってあげたりするとよいでしょう。

赤ちゃんが食べるいちごジャムは、添加物や砂糖が少ないものを選ぶのがおすすめです。また大粒のいちごが入っているジャムは、喉に詰まらせてしまう可能性もあるため、与える際は月齢ごとの大きさに切って与えるように気をつけましょう。

<赤ちゃんの月齢別>いちごの大きさと食べられる量

 

咀嚼機能が未発達な赤ちゃんにいちごを食べさせる際は、月齢ごとに合わせた形状にしてから与える必要があります。

初期:なめらかなポタージュ状
中期:舌でつぶせる程度
後期:歯茎でつぶせる程度
完了期:歯茎で噛める程度

いちごはサイズによって1粒あたりの重さが違っていますが、小粒のもので10g程度、中粒で15g程度のものが多いようです。

食べ過ぎるとおなかが緩くなってしまう可能性もあるので、1回目安量を参考に与えてみてください。

※表は野菜・果物類の中で、1食のうちに使う食材がいちごだけである場合の目安量です。他の野菜・果物類と組み合わせる場合は、記載されている量よりも減らしてください。

離乳食でいちごを使う際のポイント

おいしくて栄養もたっぷりのいちご。「いちごの種は取り除いた方がいい?」「生でそのまま食べられるのはいつから?」「いちごにアレルギーはある?」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

離乳食でいちごを使う際に、押さえておきたいポイントを4つご紹介します。赤ちゃんにいちごを与える際は、ぜひ参考にしてみてください。

種は取り除いた方がいい?

初期のうちは裏ごしすることで種が取り除けます。しかし中期以降で、つぶしたり細かく刻んだりする場合には種が入ってしまいます。

種はそのままでも構いませんが、種の粒々を嫌がる赤ちゃんもいます。中期以降は種付きのいちごを与えてみて、赤ちゃんが口から出すようであれば取り除いて与えるとよいでしょう。

生でそのまま食べられるのはいつから?

いちごは生でそのまま食べられる食材です。

ただし加熱することでアレルギー症状が抑えられたり、食中毒を予防できたりするメリットもあります。衛生面を考慮したい離乳食期には、できるだけ加熱してから与えるのがおすすめです。

また加熱することで、酸味が和らぎ食べやすくなります。いちごの酸味を嫌がる赤ちゃんには、加熱して与えるとよいでしょう。

1粒そのまま食べられる?

赤ちゃんは歯が生え揃っていないため、咀嚼が上手にできません。いちごを食べさせる際は、必ず月齢ごとに合わせた大きさに切ったものを与えましょう。

無理にいちご1粒をそのまま食べさせると、誤嚥による窒息事故につながる恐れもあるので注意が必要です。食事中に声をかけたり驚かせたりすることは避けて、食べる様子をそっと見守ってあげましょう。

どうしても1粒をそのまま食べさせたい場合は、赤ちゃんがかじり取れているかしっかり観察してあげましょう。詰め込み過ぎていないかどうかも確認してみてください。

いちごアレルギーに気をつける

いちごは、比較的アレルギー症状が現れにくい食材です。

しかし体質や体調によっては、皮膚のかゆみや口周りの湿疹、じんましんなどのアレルギー症状を引き起こす可能性もあるので気をつけましょう。赤ちゃんにいちごを初めて与える際は小さじ1程度の量から与え、アレルギー症状が現れていないか確認してから食べさせる量を増やすとよいでしょう。

初めての食材を与える時間帯は、平日の午前中がおすすめです。もしアレルギー症状が現れても、すぐに病院へ行けるようにしておくといいですね。

いちごの冷凍保存方法

離乳食の赤ちゃんから食べられるいちごは、冷凍保存が可能な食材です。冷凍保存する際は、購入してからできるだけ早めに下ごしらえするようにしましょう。いちごを冷凍保存しておけば、解凍してすぐ使えるので離乳食準備の負担を減らせます。

1.いちごをよく洗い、ヘタを取り除く
2.キッチンペーパーで水気を拭き取って、月齢ごとの形状にする
3.冷凍保存容器に入れて冷凍する

初期や中期などつぶしたいちごを冷凍する際は、密閉できる冷凍保存容器がおすすめです。後期や完了期などの刻んだいちごは、ラップに包んでから冷凍保存袋に入れて冷凍するのもよいでしょう。

冷凍いちごやベビーフードを使うのもおすすめ

いちごは冬から春にかけてスーパーに並ぶ果物。一年中手に入る食材ではないので、いちごを与える場合は、冷凍いちごやベビーフードを使うのもおすすめです。

冷凍いちごには、砂糖漬けのいちごが使われている商品もあるので注意が必要です。離乳食の赤ちゃんに与える場合は、砂糖が添加されていない冷凍いちごを選ぶとよいでしょう。

ベビーフードは下ごしらえが面倒と感じる方におすすめです。手軽にいちごを離乳食で取り入れられるので、ぜひ試してみてください。

出典:Amazon.co.jp

赤ちゃんの月齢別!いちごのおすすめ離乳食レシピ

甘酸っぱくて美味しいいちごは栄養価も高く、離乳食にもおすすめの食材です。いちご本来のおいしい甘さが感じられる離乳食レシピを、赤ちゃんの月齢別に4つご紹介します。いちごを離乳食でどうやって使うか迷った方は、ぜひ参考にしてみてください。

【初期】いちごみるくスープ

 

材料(1回分)

・いちご           中粒1個(約15g)

・育児用ミルク(調乳済み)  80ml

 

作り方

1)いちごはヘタを取り除き、つぶしてから裏ごしする

2)耐熱容器に1)と育児用ミルクを加えて、電子レンジ500Wで40秒加熱する

 

ポイント:いちごの甘酸っぱさとミルクの甘味が合わさって、赤ちゃん好みの味になります。電子レンジ対応のマグカップに入れて作るのもおすすめです。

【中期】いちごとバナナのペタペタ

 

材料(1回分)

・いちご   中粒1個(約15g)

・バナナ   1/5本(約15g)

 

作り方

1)いちごはヘタを取り除き、粗つぶしにする

2)バナナは皮をむき、粗つぶしにする

3)耐熱容器に1)、2)を加えて、電子レンジ500Wで40秒加熱する

 

ポイント:いちごとバナナを和えて加熱するだけの簡単調理。粗つぶしにすることで形が残るので、赤ちゃんがもぐもぐして食べやすくなります。果物本来のやさしい甘さを感じられるレシピを探している方におすすめです。

 

【後期】フライパンで蒸す!いちご蒸しパン

 

材料(8個分)

・ホットケーキミックス  80g

・牛乳       70g

・砂糖       小さじ1/2

・いちご      40g

 

<使用したもの>

・リッチェル冷凍保存容器25ml

 

作り方

1)いちごはヘタを取り除き、しっかりつぶしておく

2)ボウルに1)、牛乳、砂糖を加えてよく混ぜ合わせる

3)ホットケーキミックスを加えてさっくり混ぜ、リッチェル冷凍保存容器に流し込む

4)フライパンにリッチェルの容器が半分浸かる程度のお湯を沸かす

5)3)をフライパンの真ん中にセットし、ふたをして中火で8分程度蒸す

 

ポイント:フライパンで蒸して作るいちご蒸しパン。ホットケーキミックスで作るので、ベーキングパウダーを使わなくてもしっかり膨らみます。手づかみ食べが始まった頃にもおすすめのレシピです。

【完了期】いちごのフルーツサンド

 

材料(1回分)

・サンドイッチ用食パン  2枚

・ヨーグルト(無糖)   大さじ2

・いちご         中粒2個(約30g)

 

作り方

1)ザルにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを乗せる。キッチンペーパーでヨーグルトを覆って、上からおもりを乗せる(水切りヨーグルト)

2)いちごはヘタを取り除き、1cm角に切る

3)サンドイッチ用食パンに1)と2)をのせて、もう1枚のパンでしっかり挟む

4)スティック状になるように8等分に切る

 

ポイント:サンドイッチ用食パンは薄くてやわらかいので、完了期の赤ちゃんにピッタリです。スティック状に切ることで、赤ちゃんが自分で持って食べられます。ひと口で食べ切れる方がいい場合はロール状に巻いたり、ひと口サイズに切ってあげたりするのもよいでしょう。

まとめ

やさしい甘みを感じられるいちごは、生後5〜6カ月の初期から食べられる食材。中期以降で赤ちゃんがいちごを嫌がるようであれば、種を取り除いてから与えてもいいですね。

いちごを使う際は1粒そのまま与えるのではなく、赤ちゃんの月齢に合った大きさになるように切ってあげましょう。いちごは生でそのまま食べられる食材ですが、加熱することで酸味が和らいだり、食中毒やアレルギーの予防をしたりとメリットもあります。離乳食で使う際は、加熱してから使うとよいでしょう。

いちごがスーパーで手に入らない時期は、冷凍いちごやベビーフードを利用するのもおすすめです。ぜひ毎日の離乳食でいちごを取り入れてみてください。


 

ライター名:谷岡友梨

保育園で管理栄養士として5年間勤務し、離乳食・アレルギー食・幼児食の献立作成、調理に携わる。現在では離乳食のレシピ考案、コラム執筆などを行いながらママたちへの離乳食相談を行っている一児の母。

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