知らない人は損をする!出産したらもらえる給付金と還付金

妊娠や出産を経験すると、普段病院には行かない人ほど結構お金がかかることに驚くようです。その一方で、出産で医療費がかかった時に給付または還付されるお金があることを知らない人も意外と多いようです。今回は知っておいて損はない、給付制度と還付制度を紹介します。

「帝王切開」や「切迫早産」は、保険から給付金が出るケースも

医療保険に加入している場合、または生命保険や共済に「医療特約」を付けている場合には、妊娠・出産の際に保険から給付金が出る可能性があります。

通常分娩で何事も問題なく出産を終えれば給付金は出ませんが、保険会社の認定する「異常分娩」に該当した場合には、「入院給付金」や「手術給付金」、「女性疾病給付金」が給付される可能性があります。

異常分娩には代表的なものとして、帝王切開、切迫早産、妊娠悪阻(つわり)などがあります。

入院給付金であれば入院1日あたり5,000円~1万円程度、手術給付金であれば保障内容によって異なりますが、5万円~10万円程度の給付金が出ることがあります。

正常分娩でなかった場合には、加入している保険の内容を必ず確認してみましょう。

医療費が一定金額を超えると、医療費が還付される

医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、1か月あたりの上限金額を超えた場合には、所属している健康保険組合から上限を超えた分が還付されます。

これを高額療養費制度と言います。高額療養費制度の上限額は所得や年齢によって異なりますので、詳細は別表をご覧ください。

例えば30歳で年収が500万円、1か月間にかかった医療費が30万円だったとします。

上限額は、80,100円+(医療費30万円-267,000円)×1% の計算式で算出され、上限金額は80,430円となります。支払った医療費30万円との差額約22万円が還付金となります。

<ワンポイント>

もし自分が夫の扶養に入っている場合には、世帯の医療費を合計して高額療養費を適用できる可能性があります。自分の医療費だけでは高額療養費の支給対象とはならなくても、夫が医療費として自己負担した額を1か月単位で合算することができます。

その合算額が一定額を超えたときには、超えた分が高額療養費として支払われます。
(夫が70歳未満で、一つの医療機関で21,000円以上を支払っていることが条件となります)

医療費の還付については、病院へ一旦自分で支払い、あとから超過分を還付してもらうのが一般的ですが、妊娠が分かった時点で所属の健康保険組合へ問い合わせて「限度額認定証」を入手しておくと、医療機関の窓口で支払う医療費があらかじめ上限金額までになるので、事前に申請しておくことがおすすめです。

出典:厚生労働省「高額療養費制度について」

年間の医療費が10万円以上かかると、収める税金が減る

年間の医療費が10万円以上かかった場合には、「医療費控除」といって所得控除を受けることができます。定期検診や検査などの費用、通院費用やその交通費などが対象になります。

医療費控除の対象となるのは、下記計算式で算出され、上限金額は200万円までとなります。
実際に支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円
※医療保険などの入院・手術給付金、出産一時金など

医療費控除の申請を行う場合は、申請者が確定申告をする必要があります。確定申告する際には、医療費の領収書が必要となりますので、忘れずに保管しておきましょう。

<ワンポイント>

医療費控除は自分だけではなく、配偶者や家族の分もまとめて控除を受けることができます。この場合、生計を一にしていることが条件となります。

例えば家族の中でもっとも所得が多い人が夫であった場合には、夫が妻も含めた家族の医療費をすべて支払うことで、税負担の大きい夫の医療費控除額をより多くし、結果として支払う税金を減らすことができます。

セルフメディケーション税制ってなに?

年間にかかった医療費が医療費控除を受けられる金額に満たなかった場合に、医薬品代などで一定金額以上の費用がかかったときに、「セルフメディケーション税制」を利用することができます。

これは、特定一般用医薬品(スイッチOTC医薬品)と呼ばれる厚生労働省が認めた医薬品を購入したときに、年間12,000円を超えた金額をその年の所得から控除してくれる制度となります。(88,000円が限度となります)

なお「セルフメディケーション税制」は「医療費控除」と合わせて使用することはできないため、どちらも利用できる場合は、どちらが控除の金額が大きいかを確認したうえで選択しましょう。

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イラスト:ユキミさん

関東出身、関西在住。2歳の息子と夫と3人暮らし。
毎日成長ノンストップな息子に産後から振り回されっぱなしの新米母さん。
普段はインスタグラムにて息子の成長や日常などを絵日記にして配信中。

Instagram(yukita_1110)公式ブログ「これが現実!密着育児24時☆」