【保育士監修】メンタルリープはいつ?おすすめおもちゃでぐずり期を乗り越えよう

子育てをしていると赤ちゃんが泣いている理由がわからず困ってしまう経験がありますよね。お昼寝して、おむつも替えて、ミルクも飲んだのに、「どうして泣いているの?」と悩んでしまうこともあるでしょう。赤ちゃんが泣き止まないとママやパパは不安になってしまいますよね。もしかすると原因不明のぐずりが続いているのは、メンタルリープによるものかもしれません。 赤ちゃんのぐずり期である「メンタルリープ」を理解すると、赤ちゃんが泣いている理由が月齢によって異なることがわかります。この記事ではメンタルリープとは何か、月齢による特徴、知っておくメリットなどをご紹介します。あわせて、メンタルリープを乗り越えるためのおすすめのおもちゃもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

メンタルリープとは?赤ちゃんの脳が発達しているサイン

メンタルリープとは赤ちゃんの「ぐずり期」であり、赤ちゃんの成長に必要な過程のことです。オランダのプロ―イユ博士が発見し、長年にわたる研究を著書である「The Wonder Weeks」にまとめています。

赤ちゃんは、出産予定日から20ヶ月の間に10回のメンタルリープを迎えます。メンタルリープの間には脳が急成長しているため、この時期を乗り越えると赤ちゃんの能力が上がるといわれています。

メンタルリープの時期にぐずる原因は、赤ちゃんが脳の急成長に戸惑ってしまうからです。成長することは喜ばしいことですが、赤ちゃんにとっては世界が変わるほどの大きな変化といえるでしょう。しかし、赤ちゃんの戸惑いや不安は、ママやパパの目には見えないため、「どうして泣いているの?」と困ってしまうのです。

メンタルリープっていつくるの?正しい計算方法を紹介

メンタルリープは出産予定日から数えて、5、8、12、19、26、37、46、55、64、75週目に迎えます。数え始めが出産日ではないことは覚えておきましょう。

メンタルリープを出産予定日から数える理由は、赤ちゃんの発達はママのお腹の中にいるときからすでに始まっているからです。もしも出産日を基準にしてしまうと、生まれた日によってメンタルリープの時期が変わってしまいます。ママやパパが、「最近ぐずりが多いな……」と悩んだときは、赤ちゃんの出産予定日から数えてみましょう。

とはいえ、赤ちゃんによって成長はそれぞれですので、子どもによって1週間ほどズレが生じることもあるようです。

メンタルリープの時期とそれぞれの特徴

ここでは、メンタルリープの時期に合わせた特徴をご紹介します。子どもの成長過程を把握しておくことで、ぐずり期を乗り越えた後の成長を楽しみに待つことができるでしょう。しかし、子どもの成長や発達には個人差があるので、すべて同じように進んでいなくても心配ありません。月齢を目安にして、発達の参考にしてみてくださいね。

1回目:五感のリープ (5週目頃)

出産予定日から1ヶ月を過ぎた頃に迎えるメンタルリープは、「五感のリープ」です。赤ちゃんはママから生まれた後、徐々に五感が発達し外からの刺激を感じられるようになります。五感の発達とともに感じ方が変化することで、目の前の人や物を見つめたり触れられて反応したりするなど少しずつ外の世界に興味を示すようになります。

2回目:パターンのリープ(8週目頃)

メリー見る赤ちゃん

 

出産予定日から2ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「パターンのリープ」です。この時期の赤ちゃんは、手足が体の一部であることに気づいたり、声を出すと周りの大人から反応が返ってきたりするなど物事に規則性があることを理解します。

また、この時期には原始反射が少なくなってきて、自分の意思で手足を動かす様子も見られます。さらに、視力も発達して音がする方に顔を向けたり、動くものを目で追ったりする仕草も増えるでしょう。赤・青・黄の3原色も識別できるようになります。

機嫌がよいときには、「あー」「うー」といったクーイングする姿が見られるでしょう。

3回目:推移のリープ(12週目頃)

出産予定日から3ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「推移のリープ」です。この時期は、物事が移り変わることを認識します。赤ちゃんの五感はぐんぐんと発達し、動きや変化のあるものに興味を示すでしょう。

たとえば、興味があるものを目で追ったり、体を動かして見たりしようとします。手足を意図的に動かすことも増えて、近くにあるものに触れる姿も見られます。首が座るようになる時期でもあり、心身ともに成長を感じるでしょう。

4回目:出来事のリープ(19週目頃)

おもちゃ食べる

 

出産予定日から5ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「出来事のリープ」です。赤ちゃんは、五感を複数使い、より複雑な変化を複合的に感じとるようになります。

また、物を口に入れるまでの動作や、手で物を掴む動作などの流れがわかるようになります。さらに、「おもちゃを落としたら音がする」「落としたおもちゃをママが拾ってくれる」など、身の回りで起こったことから多くのことを学んでいきます。

5回目:関係のリープ(26週目頃)

出産予定日から6ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「関係のリープ」です。この時期の赤ちゃんは、物事の関係性を理解できるようになります。

たとえば、目で見るものの位置関係や距離感がわかるようになるため、ママとの距離が離れることに気づくようになります。そのため、ママの姿を探したりパパを追ったりと「後追い」をする時期でもあるでしょう。同じように、欲しいおもちゃが遠くにあることで泣くのも、距離感がわかってきた証拠です。ずりばいができる子は、おもちゃに触れようとして近づくでしょう。

赤ちゃんによっても個人差がありますが、大人の動作を真似て口を動かしたり、バンザイやバイバイなどの真似したりする姿も見られます。

6回目:分類のリープ(37週目頃)

出産予定日から9ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「分類のリープ」です。物事をグループやカテゴリーで分類する力がつきます。感触や匂いなどを感じとり、似ているところや違いを見つけられるようになるでしょう。色や動物を区別したり、物の名前がわかるようになったりする子もいます。ママやパパが見たものや指差ししたものを見て、一緒に楽しむことができるでしょう。言葉を理解する赤ちゃんもいますので、たくさん会話を楽しみたいですね。

赤ちゃんはいろいろなものに興味津々な時期ですので、身の回りの物をじっくり観察するようになります。「あれはなんだろう」とテッシュケースからテッシュを引っ張りだしたり、スイッチを押そうとしたりと探索行動が活発になります。外での探索も喜んで楽しむでしょう。

7回目:順序のリープ(46周目頃)

 

出産予定日から11ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「順序のリープ」です。この時期には、物事の順序を組み立てて行動しようとします。

たとえば、「コップを握る、持ち上げる、口に運ぶ」ということを理解して、自分でコップを口に運ぼうとします。また、スコップで砂をすくってバケツに入れようとしたり、積み木を積もうとしたりして楽しむでしょう。簡単な型はめパズルをする子もいます。子どもは、流れのある遊びを好み、気に入った同じ遊びを繰り返すようになります。

8回目:工程のリープ(55週目頃)

自分で食べる

 

出産予定日から14ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「工程のリープ」です。子どもは、物事の順番や工程を理解するようになります。たとえば、家族が行っている着替え、食事、歯磨きなどに興味を持ち観察するようになるでしょう。また、家族の真似をしようとする子どももいます。お手伝いに興味を持つ子はママと同じような動作をしたり、必要なものを用意したりするようになります。子どもは、「やってみたい」という気持ちが強いものの、思うように上手くできない場面もあるでしょう。

9回目:原則のリープ(64週目頃)

出産予定日から17ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「原則のリープ」です。この時期には、ルールや原則があることを理解します。子どもは、自分の物と他人の物の区別がつくようになるでしょう。語彙がますます増えてくる時期ですので、自分や身近な人の名前がわかるようになります。ママやパパは物の名前だけではなく、「ハンカチは手を拭くときに使うんだよ」と、物の使い方も一緒に教えてあげることで言葉の意味を知るきっかけになります。

また、ルールがあることを理解しているため、いけないことをして注意されると、泣いたりしょんぼりしたりする姿も見られるでしょう。

10回目:体系のリープ(75週目頃)

出産予定日から19ヶ月頃に迎えるメンタルリープは、「体系のリープ」です。子どもは、環境に合わせて自ら適応して、その場に合わせた態度や行動を選ぶようになります。子どもには、いいこと悪いことを理解する力が芽生えるため、いけないこととわかっていながら行動に移すこともあるでしょう。

また、自我が発達しているため、「一人でやりたい」や「イヤイヤ」と主張することも増えます。子どもは好奇心旺盛で、何でもやってみたいと思う時期です。

メンタルリープにはおもちゃがおすすめ!おもちゃ選びのポイント3点

メンタルリープを理解していると、赤ちゃんが泣いていても少し落ち着いて行動できるようになるでしょう。

とはいえ、赤ちゃんが長い間泣いていることでママやパパも不安になりますよね。赤ちゃんがぐずったり泣きやまなかったときのためにも、おもちゃを用意しておくと安心です。ぐずり期の赤ちゃんには、下記のポイントを意識しておもちゃを選んでみてくださいね。

 

【ぐずり期のおもちゃ選びのポイント3点】

・赤ちゃんの発達に合うものを選ぶ

・口に入れても安全な素材とサイズを選ぶ

・五感を刺激するものを選ぶ

 

政府広報オンラインによると、小さな子どもの口の大きさは直径4cmほどです。赤ちゃんは、何でも口に入れようとするため、口に入る大きさは窒息事故につながる危険性があります。おもちゃ選びの際には、安全性にも気をつけてみてくださいね。

ぐずり期におすすめのおもちゃ5選

赤ちゃんがぐずっているときや泣いているときにおすすめのおもちゃを5つご紹介します。遊びには発育や発達を促す効果がありますので、赤ちゃんのメンタルリープに合わせたおもちゃ選びができれば、赤ちゃんの成長をスムーズに促す効果も期待できるでしょう。ぜひおもちゃ選びの参考にしてみてくださいね。

オーボールラトル(ラングスジャパン)

出典:オーボールラトル|Amazon

対象年齢:0歳~

オーボールラトルは、ラングスジャパンが販売する知育玩具です。オーボールラトルは、網目状になっているため、赤ちゃんの小さな指でもしっかり握りやすいような形状に設計されています。

透明なケースの中にはカラフルなビーズが入っているため、ボールを振ると目で見て楽しむことができます。カチカチと音も聞こえるため、視覚や聴覚を刺激するおもちゃです。柔らかい素材でできているため、小さな赤ちゃんも安心して遊べます。握る、手に持って振る、転がす、投げる、追いかけるなどさまざまな遊び方ができますよ。

おきあがりペンギン(Hape社)

出典:おきあがりペンギン|Amazon

対象年齢:6ヶ月以上

ドイツの知育玩具メーカーHape社のおきあがりこぼしです。かわいらしいペンギンの体を押すと、優しい音を立てながらゆらゆら揺れます。押すと揺れるという単純な動きをするおもちゃですので、繰り返し遊びを好む時期の赤ちゃんにぴったりのおもちゃです。

クーゲルン(BELI DESIGN)

出典:クーゲルン|Amazon

対象年齢:6ヶ月以上

ドイツのBELI DESIGN社が出している色鮮やかな木のボールがつなげられたおもちゃです。

赤ちゃんが握ると、丸まったり広がったりしていろいろな形に変化します。自分の手が動くことに夢中な赤ちゃんにぴったりです。カラフルな色や形の変化が楽しめるため、赤ちゃんの五感への刺激を期待できます。

欧州連合の法律に基づいた「製造物製造基準」に適合していることを示す「CEマーク」合格認定を受けているため、安心して使えるでしょう。

ディンプル(ファットブレイン社)

出典:ディンプル|Amazon

対象年齢:10ヶ月以上

ディンプルは、アメリカに本社がある知育玩具メーカーの商品です。ユニークな形のプラスチックフレームには、カラフルで大きさの違うシリコンが5ヶ所にはめ込まれています。丸いシリコンのボタンを手で押すと、「ポコン」と音がしますよ。いろいろなものに触れたい好奇心旺盛な子どもにぴったり!持ち運びやすいサイズなので、車の中、外出先でも活躍するでしょう。0歳児の歯固めにも使えます。

ブロック(let’s make)

出典:let’s make|Amazon

対象年齢:12ヶ月から

ぬくもりを感じる優しい手触りのブロックは、カラフルで識別しやすい色です。持つ、振る、積む、転がすなど、さまざまな遊びを展開できます。それぞれのブロックは、動物や数字など異なる形になっていますので、動物の名前に興味を持っている子やブロックの形に興味のある子どもは喜ぶでしょう。

また、安全なBPAフリーなので安心して使えます。1辺4.8㎝以上で、口に入らないサイズに設計されているため誤飲を防げるでしょう。ブロックは柔らかいためぶつかっても安全。丈夫で噛み切れにくく、長く遊ぶことができるでしょう。お風呂でも遊べる素材です。

メンタルリープを知っておくメリット3選

メンタルリープを知っておくと、ママやパパにどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、メンタルリープを理解するメリットを下記に3つまとめました。

 

【メンタルリープを理解しておく3つのメリット】

・赤ちゃんの泣いている理由がわかりやすくなる

・赤ちゃんの成長に見通しが持てる

・発達に合わせた関わり方ができる

 

何をしても赤ちゃんが泣きやまないときは、ママやパパは不安や戸惑いを感じますよね。しかし、メンタルリープを知っておくことで、ぐずり期が赤ちゃんの成長に必要な過程であることが理解できるでしょう。ママやパパが、赤ちゃんのぐずり期を前向きにとらえられれば、落ち着いて対応できるようになったり不安を軽減させたりすることができるかもしれません。また、これからの赤ちゃんの成長がますます楽しみになるでしょう。

まとめ

メンタルリープは、赤ちゃんの急激な脳の成長にともなう「ぐずり期」のことです。赤ちゃんによって個人差はありますが、時期による発達を理解してぐずりの理由を知ることでママやパパの安心につながるでしょう。ぐずり期には、おもちゃを活用することをおすすめします。おもちゃ選びのポイントは①発達に合うか②口に入れても安全な素材とサイズか③五感を刺激するものかです。

赤ちゃん向けのおもちゃの種類は多く、どれを選んだらよいか迷ってしまうでしょう。そんなときは、紹介したおすすめのおもちゃを参考にしてみてくださいね。赤ちゃんに合うおもちゃを用意して、メンタルリープを乗り越えましょう。


ライター名:神戸 のどか
保育士として保育園で5年半勤務し、0歳~6歳の子どもたちと関わってきました。現在は、ライターとして主にママ・パパや保育士向けの記事を執筆しています。


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