2017年10月22日 14:00
寒くなってくると心配なのが、インフルエンザ。実は、妊婦さんは免疫力が低下しやすく、インフルエンザになってしまうと重症化してしまいやすいと言われています。そんなインフルエンザを防ぐのに有効なのが予防接種です。今回は、妊娠中にインフルエンザの予防接種が必要な理由やいつからいつまで、どこで予防接種ができるのか、注意するポイントについてお話したいと思います!
妊娠中は思ったように食事ができないこともありますし、食事をしてもお腹の赤ちゃんに優先的に栄養が回るため、かなり気を付けていなければ免疫力は低くなってしまいます。
妊娠中には普段の風邪の症状が出るだけでも辛いですが、寒くなってくるとインフルエンザにも気をつけなければいけません。
「妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けても大丈夫?」と思う妊婦さんもいらっしゃるかもしれませんが、日本では妊婦さんは優先的に予防接種を受けられるようになっています。元気な赤ちゃんを産むためにも、ママが健康に妊娠生活を過ごすためにも、インフルエンザの予防接種はなるべく受けたほうがよいと言えます。
でも、インフルエンザワクチンを受けることでお腹の中の子供に悪い影響が現れたりしないのでしょうか?
実は、インフルエンザワクチンは死んだウイルスを利用した『不活化ワクチン』だそうです。
そのため、妊娠中に予防接種を受けても母体および胎児への危険性は妊娠全期間を通じて極めて低いため、妊婦さんはワクチンを接種することができます。
参照:堀産婦人科 ホームページ
妊娠中の予防接種で、受けてはいけない時期などは特にないそうです。秋から冬にかけてインフルエンザは流行ります。予防接種の効果が出るまでには2〜3週間ほどかかりますので、それを見越した上で早めに予防接種を受けておいたほうが良いようです。
また、「妊娠週数が進むにつれ重症になりやすいので、予防と早期の治療が大切です。」と厚生労働省が公表している資料にも掲載されています。妊婦さんは、早めのインフルエンザ予防が大切と言えそうです。
妊娠中では、基本的にインフルエンザの予防接種は1回になります。
インフルエンザの予防接種は、国に認められた『受託医療機関』で受けることができます。受託医療機関には、内科や小児科、産科、産婦人科などの病院が挙げられます。かかりつけの産婦人科が受託医療機関の場合は、そのまま産婦人科で受けてしまったほうが楽チンですね。
受託医療機関の病院がどこかわからないという場合は、「インフルエンザ 予防接種 〇〇(お住いの地域)」で検索をすると、様々な病院が検索結果で表示されますよ。
インフルエンザの予防接種をする前には、必ずかかりつけの医師に「受けても大丈夫なのか」を確認するようにしましょう。
インフルエンザの予防接種で今まで妊婦さんの体調やお腹の中の赤ちゃんに影響が現れたことがないとはいえ、特に次のような人はもしかしたら具合が悪くなってしまう可能性があります。
・自分や家族がアレルギー体質の場合
・37.5℃以上の発熱があるなど、ほかの感染症にかかってしまっている場合
・重篤な急性疾患にかかってしまっている場合
・過去にインフルエンザの予防接種でアナフィラキシーショックを起こしたことがある場合
(アナフィラキシーショックの症状:吐き気、呼吸困難、じんましん、発汗、顔の腫れなど)
上記のうちどれか1つでも当てはまってしまう場合やお医者さんから予防接種を控えるように言われた場合には、人ごみに行かなかったり手洗いうがいをしたり食事や睡眠に気を付けるなど、インフルエンザにかからないように予防を徹底するようにしましょう。また、家族やまわりの人みんなに予防接種を受けてもらうことも、妊婦さんをインフルエンザから守ることに繋がります。
インフルエンザウイルスは、毎年ちょっとずつ変わりながら流行します。そのため、インフルエンザの予防接種は毎年のシーズン毎に受ける必要があります。
インフルエンザの予防接種は、かかってしまった時のタミフルなどの治療薬と比べても極めて安全性が高いので、妊婦さん自身のためにもお腹の中の赤ちゃんのためにも受けておくとよいですよ。