赤ちゃんが寝るのによい環境は?新生児から1歳までの心とからだの成長

赤ちゃんにとって寝ることは、健やかな成長のために大変重要です。それは理解していても、どんな環境が赤ちゃんにとって寝るのによい環境なのかわからないですよね?そこで今回は、赤ちゃんが寝るのによい環境やそれぞれの月齢による心とからだの成長について解説していきます。さらに、3人育てて保育士でもある筆者の体験談も紹介しているので、参考にしてください。

赤ちゃんが寝るのによい環境

赤ちゃんが寝るのによい環境について、具体的にどんな環境がよいとされるのでしょうか。温度管理や、寝具など、赤ちゃんが寝るのによい環境になるポイントを紹介していきます。

夏は室温26度から28度・冬は18度から20度

赤ちゃんは、体温調節の中枢が未発達です。そのため、気温で体温が変化しやすいとされています。服の着せすぎや寝具のかけすぎは、熱が体内にこもってしまう原因です。夏場は、エアコンを使って涼しい環境で寝るようにしましょう。

設定温度は、26度から28度にして、風が直接当たらないように注意します。冬場は、暖房の設定温度を18度から20度にして、空気の乾燥を防ぎましょう。温度計や湿度計で、こまめに確認するのがおすすめです。ただし、赤ちゃんの機嫌がよければ、そこまで心配する必要はありません。

赤ちゃんが寝るのに安心・清潔な寝具

赤ちゃんが過ごす寝具は安全で清潔なものを選びましょう。具体的にどのような寝具がいいのか紹介します。

赤ちゃんの成長に合わせた寝具

赤ちゃんの寝具は大人と同じものを使う必要はありません。ベビー布団には2種類あり、60cm×90cmのミニサイズと70cm×120cmのレギュラーサイズが一般的です。ミニサイズは1歳頃まで使えて、レギュラーサイズなら2歳頃まで使えます。

新生児の頃からレギュラーサイズを使っていると、長期間使えるのがおすすめです。ただし、必ずこのサイズを選ぶ必要があるといった決まりはありません。お世話する方が扱いやすいサイズの寝具を選びましょう。

通気性や抗ダニなどアレルギー対策ができ通気性が保てる寝具

赤ちゃんが寝る布団は徹底的にケアしてアレルギー対策していきましょう。赤ちゃんの寝具は、常に清潔に保てるように、防ダニ・アレルギー対策のある寝具がおすすめです。ダニ対策として、天気のいい日は天日干しをする方もいるでしょう。しかし残念ながら、ダニは布団を干すだけでは完全に死滅しません。

ダニは布団の中で動けるので、安全な場所に自らいってしまうからです。また、アレルギーの原因物質はダニの死骸や糞とされています。ダニ対策を徹底するなら、定期的に赤ちゃん布団に掃除機をかけてダニやハウスダストを吸引しておくようにしましょう。

また、ダニは湿気が大好きです。ダニの発生を抑制するためにも湿気がこもらない通気性のいい寝具を選ぶことも大切です。赤ちゃんが寝る布団は徹底的にケアしてアレルギー対策していきましょう。

筆者の経験談からで恐縮ですが、赤ちゃんは汗をかいたり、はき戻しをしたり、オムツからもれてしまったりと寝具は汚れてしまいがちです。汚れたら、さっと洗濯できる寝具を選んでおくといいでしょう。

おすすめは、バスタオルを用意して赤ちゃんの下に敷いてあげるという方法。汚れたらすぐに換えてあげられるので清潔を保てます。バスタオルが赤ちゃんの動きでめくれてしまうことがあるため、しっかりと布団でおさえておきましょう。

窒息事故防止に考慮した寝具

赤ちゃんが使う寝具によっては、窒息事故を起こす可能性があります。赤ちゃんが寝るのに、安全な寝具とはどのようなものなのか具体的に紹介していきます。

  • 敷き布団・マットレス・枕は固め
    赤ちゃんの寝具がやわらかいと、顔が寝具に埋まって息ができなくなる可能性があります。沈みこまない固めの寝具を選びましょう。
  • 掛け布団は軽いもの
    赤ちゃんの掛け布団は、軽いものを選びましょう。赤ちゃんの手足が自然と動かしやすくなります。
  • 口や鼻を覆ってしまうものや首に巻きつくものは置かない
    赤ちゃんの寝ている周りには何も置かないようにしましょう。特にひもやタオルなど口や鼻を覆ってしまったり、首に巻きついたりする恐れがあるので絶対に置かないようにしましょう。
  • ベビーベッドの柵は常に上げておく
    赤ちゃんが寝かせるときは、転落の危険があるので必ずベビーベッドの柵を上げるようにしましょう。

体内リズムを整える環境

人間には、体内時計が備わっています。生まれたての赤ちゃんは、昼夜の区別がついていません。そのため、体内リズムを整えるような環境で寝かせて体内時計が正常に働かせる必要があります。

厚生労働省の未就学児の睡眠指針によると、人間の睡眠と覚醒のサイクルは以下のとおりです。

”睡眠と覚醒のリズムは,脳のメカニズムである体内時計によって維持されていますが,外界からの光の刺激はそのリズムに影響を与えます.人間の睡眠・覚醒サイクルは 24 時間より少し長いことがわかっており,朝に光を浴びることは,体内時計をリセットし,日中 活動できる体制を整えてくれます. ”

出典:厚生労働省の未就学児の睡眠指針(https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf)

ここで紹介する体内リズムを整える環境は、赤ちゃんはもちろん家族みんなにとって有効です。また、新生児期に限った環境もあるので、具体的にどんな環境がいいのか確認していきましょう。

夜のスマートフォンの使用は避ける

赤ちゃんはもちろん、人間は光を感じることで体内リズムを整えています。厚生労働省の未就学児の睡眠指針によると、夜に光を浴びてしまうと睡眠や覚醒のリズムの遅れにつながるとされています。そのため、夜遅くまで電子機器を使用したり、スマートフォンの光を浴びたりするのは避けるようにしましょう。

赤ちゃん(新生児)が寝るときは遮光カーテンを

新生児期は昼夜の区別がついていません。そのため、赤ちゃん(新生児)が寝るときは、できるだけ暗い環境にすることが望まれます。生後1ヵ月までの赤ちゃんは昼でも暗い場所で寝るような環境になるように、遮光カーテンを使って、明るさを調節してあげましょう。新生児期を過ぎたら、昼夜の区別もつくようになるので朝と夜の明るさを感じられる環境で寝かせてあげましょう。

赤ちゃんと寝る時間の心とからだの成長【新生児から1歳まで】

赤ちゃんと寝る時間の心とからだの成長について新生児から1歳までにわけて解説していきます。ただ、この月齢で必ずこういう発達をしなければいけないというわけではありません。これくらいの発達を遂げる赤ちゃんが多いという目安程度に読んでください。

赤ち ゃんの寝る時間と心とからだの成長【新生児】

新生児期の睡眠時間は16時間から20時間とされています。短時間に寝ると起きるを繰り返しています。この時期は、昼と夜との区別がついていません。だいたい3時間から4時間おきに起きて、授乳、うんち、おしっこを繰り返します。内臓が未発達のため、おしっこの回数が1日20回、うんちが5回前後あります。

この頃の赤ちゃんは、不快な感情を「泣く」ということで表現しています。首がぐらぐらしていて、母親の声は聞き分けられますが、顔ははっきりと見えていません。この時期は、お世話する方も大変な時期です。家族で協力して乗り切るようにしましょう。

赤ちゃ んの寝る時間と心とからだの成長【3ヵ月】

3ヵ月頃までの赤ちゃんの睡眠時間は、14時間から15時間です。だいたい3時間から4時間まとまって寝る赤ちゃんが増えてきます。昼夜の区別ができてくるようになるので、朝は明るさを感じられる環境や夜は静かな環境にして区別がつきやすいようにしてあげましょう。ただ、赤ちゃんが寝るのは個人差が大きいので、焦らず赤ちゃんの生活リズムに合わせることが大切です。

この時期の赤ちゃんは、「笑う」「泣く」といった感情表現が豊かになります。音の鳴る方向に顔を向けたり、自分のからだに気が付いて触ったり見つめたりするようになります。からだの発達は、視力はだいたい0.02から0.03程度で、手足がよく動きようになり、指しゃぶりを始める赤ちゃんもいます。

赤ちゃんの寝る時間と心とからだの成長【6ヵ月】

睡眠時間は13時間から14時間です。昼間は起きて、夜間に寝るといったリズムが整ってくる時期です。2時間から4時間程度のお昼寝を午前と午後にわけてとる赤ちゃんが増えてきます。感情表現が豊かになってきて、周囲への興味や関心が高まる時期です。首もしっかりしてきて、1人遊びができるようになる赤ちゃんもいます。

9ヵ月頃になると、7から8割程度の赤ちゃんが夜に寝るように。ただ、何度も申し上げますが、赤ちゃんが寝るのは個人差が大きいです。これくらいの月齢になれば一律にこのくらい寝るというわけではありません。赤ちゃんの寝るタイミングに合わせて生活を整えていきましょう。

赤ちゃんの寝る時間と心とからだの成長【1歳頃】

多くの赤ちゃんが歩き始めて、意味のある言葉をしゃべりはじめます。自我が芽生えてくる頃で、自己主張をする赤ちゃんも増えてきます。この頃になると睡眠時間は11時間から12時間です。お昼寝は、1時間半から3時間半くらいを1回するくらいに減少します。お昼寝タイムを意識的につくってあげるのもおすすめです。暗くしたお部屋で寝転がる習慣をつけてあげましょう。

ただし、榊?原洋一(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)氏によるとお昼寝をしない赤ちゃんもいます。絶対にお昼寝させなくてはダメというわけではありません。

保育士そして3人育てた母の体験談

筆者は、保育士であり我が子を3人育ててきました。その経験を元に赤ちゃんの寝ることについてご紹介していきます。

赤ちゃんが寝る時間はそれぞれで違う

寝ることに関して赤ちゃん個人個人によって、全く違います。

  • 布団に入れば自分で勝手に寝る赤ちゃん
  • 抱っこで寝る赤ちゃん
  • おんぶで寝る赤ちゃん
  • 授乳して寝る赤ちゃん
  • 布団に降ろすと泣いてしまう赤ちゃん

同じ兄弟でもそれぞれで違います。育児書を読んでみると、自分の赤ちゃんの月齢とはまったく違った寝方をしていたのでショックを受けた経験があります。ただ、どんなに工夫したところで寝ない赤ちゃんは寝ません。目の前にいる赤ちゃんに合わせて、育児書は参考程度に見ておくのがおすすめです。

先ほどご紹介した榊?原洋一(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)氏によると赤ちゃんが寝不足になることはないそうです。決まった時間に眠らないからといって、心配する必要もありません。

赤ちゃんが寝る環境はできるだけ涼しくした方がいい

赤ちゃんは、部屋が涼しい方がよく寝るといった印象があります。熱帯夜にエアコンを28度設定していたのですが、赤ちゃんが暑くて起きてしまうことも少なくありませんでした。また、タイマーをかけて寝ると、少しでも暑くなると起きて泣いてしまうことが多かったです。結局朝までエアコンをつけっぱなしで寝る方が、赤ちゃんは熟睡できるようです。

多少うるさくても寝るときは寝る

我が家には3人子供がいますが、下の子が生まれるとうるさい環境で赤ちゃんを寝かせる必要があります。ただ、私の経験上赤ちゃんは兄弟が増えるにつれ寝るのが上手になってくる印象です。きっと、上の子に合わせて朝はうるさい、昼もうるさい、夜は静かになるというように生活リズムなので、自然と体内リズムが整っていたのかなとも思います。赤ちゃん自身が、「今、寝ておかないと次いつ寝られるかわからないぞ」と思っていたのかもしれません

赤ちゃんが寝るのにおすすめの音楽・方法

それでは、赤ちゃんが寝るのにおすすめの音楽や方法をツイッターから集めてみました。

 

まとめ

赤ちゃんが寝る環境は、

  • エアコンや暖房で快適な温度と湿度にする
  • 清潔な寝具
  • 安全確保
  • 体内リズムの獲得

を意識して整えるようにしましょう。

また、赤ちゃんは月齢によって寝る時間や心とからだは成長していきます。ただ、この月齢で必ずそうなるといったものではありません。月齢で考えるのではなく、目の前の赤ちゃんの様子を見ながら快適な眠りを提供してあげるようにしましょう。

 


ライター名:大河内麻衣

子供を3人育てています。私の子育ては夜泣きや人見知り、トイレトレーニング、母乳育児、指吸い、産後クライシスといった子育てお悩み系は全て制覇しています(笑)今は、全員小学生になり少しゆとりがもてるようになりました。振り返ってみると本当にささいなことばかり。でも、そのときは必死でした。私の経験が少しでも役に立ってくれればという想いでつづります。


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