2021年05月01日 00:00
2歳前後から始まる子どものイヤイヤ期。成長や自立につながる大切な一歩だということはわかっていても、毎日のこと…すっかり育児に疲れてしまっているママもいるのではないでしょうか。イヤイヤ期っていつから?いつになったら終わるの?イヤイヤ期って一体なんなのか、どんな対処法があるのか、心がちょっと楽になる方法をご紹介しましょう。
1歳半から2歳の頃から少しずつ始まる「イヤイヤ期」。自己主張が強くなり、気に入らないことがあると怒ったり泣いたり立ち止まったり寝転んだりと、子どもによってさまざまなイヤイヤ期があります。
これまでと違って支度やお出かけなどはもちろん、生活面全般に時間がかかり、思うようにスケジュールが立たなかったり、いつも機嫌が悪かったり、べったりと甘えて離れなかったりと、様々な姿に困り、ママもイライラが募って毎日疲れも溜まっていることでしょう。
そもそも「イヤイヤ期」とはどういう状態のことをさすのでしょうか。
「イヤイヤ期」とは、子どもが人間として生きる自立の第一歩。これまでの赤ちゃん時代はママの思うままに過ごしてきたかもしれませんが、自分の気持ちの存在に気づき「自我の芽生え」に気づきます。
自分の気持ち、やりたい順序、したいこと、食べたいものなど、まだまだ自立には程遠く援助が必要ですが、自分でやりたい!という気持ちの表れが「イヤイヤ期」なのです。
短ければ半年から1年、長ければ4歳過ぎまで「イヤイヤ期」が続くお子さんもいます。
イヤイヤ期の表現には様々なタイプがありますが、保護者が大切にしたい対処法としては、どのようなことを大切にしたら良いのでしょうか。
子どもはママを困らせようとして反抗したり自己主張をしたりしているわけではありません。自分の気持ちに戸惑い、気持ちを言葉にして表現できないもどかしさを抱えていると言うことを忘れないようにしましょう。
イヤイヤ期の子どもに対しては「嫌だね」「そうだね」「わかったよ」と、まずは子どもの態度や言葉、気持ちを全面的に受け入れてあげることが大切です。
受け止めてあげることで子どもの気持ちが落ち着きます。早い段階で受け止めてあげなければ、エスカレートしてからではもう遅いこともあります。
なるべく早い段階で、「うんうん、わかったよ」と声を掛けてあげましょう。けれど、どうしてもその気持ちを叶えてあげるわけにはいかない時もあるでしょう。そんなときで会っても一旦は気持ちを受け止める言葉をかけ、それから理由を説明します。
一旦受け止めることをせず理由を先に伝えることで、イヤイヤはエスカレートしてしまいます。「うんうん」「そうしたいんだね」と受け止めてもらえるだけで子どもはかなり落ち着き、ママに対しても信頼し、その後の立ち直りも早くなることでしょう。
ここまでは許しても、これ以上は譲れないというルールをママの心の中で決めておきましょう。愚図って泣けばママは言うことを聞いてくれる、待ってくれる、あそばせてくれると思われてしまうと、同じような愚図りを繰り返すことにつながります。
「タイマーが鳴ったらおしまいね」「AとBのどちらにする?」と見通しを持たせたり、子どもに選択をさせたりするなど、気持ちを切り替えさせながら長引かせないように対応しましょう。
「そんなに泣くなら置いていくよ」「もう知らない」「鬼が来るよ」「また明日ね」など、できない約束や子どもを脅すような言葉を使うことはやめましょう。
また、言うことを聞いたらお菓子を買うからなど、条件を出して抑え込むのも良くありませんね。お菓子やおもちゃ、お化けや鬼を登場させないことで、気持ちを尊重し、しっかりと受け止めてもらっていることを子どもは感じとるはずです。
毎日のイヤイヤ期に脅し文句をついつい言ってしまうかもしれませんが、何も解決にならず、成長の助けにもなりません。
それではイヤイヤ期のタイプによって、どのような対処法が最適なのか、詳しく見ていきましょう。
衣類の着替え、靴の脱ぎ履き、食事など、まだまだ手助けが必要であっても自分でやりたがるタイプのイヤイヤ期です。
待つのも大変な時間がかかるので、ちょっとだけ…と、手を出したり手伝ったり、ママが切り上げたりすると泣いたり怒ったりし、機嫌を損ねることもあるでしょう。
これから外へ遊びに行くというのに、支度だけで1時間もかかってしまうという日があるかもしれません。
それならこうしたら?というアドバイスも「指示された」と受け止めたり、ちょっとズボンを引き上げたりするだけでもう一度初めから自分でやり直す子どももいるかもしれません。
「イヤ」「ダメ」「行かない!」など、様々なことに全て嫌がる子どもや、ある一定の行動に対してだけにこだわり、イヤがる子どももいます。
嫌がるときは黙って見守りましょう。ズボンを引き上げる時も見えないようにすっと手を出し、子どもにわからないように援助します。「できたね、上手だね」と認めてあげる言葉も添えてあげると、子どもの心は満たされ自信がつきますね。
また、先の見通しを持てるように、わかりやすく予定を伝える、衣類や食事など可能であれば子どもに選ばせるのもスムーズになりますよ。
「今日は公園に行くけれど、お昼ご飯食べた後に行く?それとも食べる前に行く?」「靴下は赤と青、どっちがいいかな?」など、子どもが選べると安心することでしょう。
少しずつできることが増えてきて、できるはずのことも「やって」「できない」とママやパパに甘えるような態度も「イヤイヤ期」のひとつです。
自分でやってごらん、できるでしょう?と声をかけると泣きだしたり怒ったり、機嫌が悪くなることもあります。
「できない」「やって」と言ってきたときは、「いいよ」と言って子持ちを受け止めてあげましょう。それだけで子どもは満足感を得て心が安定します。
色々やってあげながら、「じゃあ右足の靴下は〇ちゃんがやってみてくれる?」と言ってみましょう。安心していれば「うん」とやってみるはず。「いや、やって」と言うならまだ甘えたい気持ちが満たされていないのかもしれませんので、やってあげます。
こんなことを繰り返すうちに、少しずつ自分でやったほうがラクで、もどかしくないということがわかってきます。
子どもはいつか必ず自分から自立する力を持ち合わせているものです。
自立する時期は、子ども一人ひとりの成長や心の状態によって違います。周囲の同じ年代の子どもが自立した行動をしているからといって、自分の子どももそうでなければならないことはありません。しっかりと受け止めてもらい安心すれば、いつしか自分でしたい!と成長していきます。安心して甘えを受け止めてあげてくださいね。
一日のスケジュールが変わることに不安を示す、同じキャラクターの洋服でなければ着替えをしない、ママの持ち物をパパが持つと不安になるなど、様々なことの秩序や順番にこだわりがあるイヤイヤ期です。
ママでなければだめ、車は左側からでなければ乗らない、いつもと同じスプーンでなければ食事をしないなど、かなり頑固にこだわる姿が見られます。
このようなイヤイヤ期も安心感を得たい気持ちから発生するものですね。「いつもと同じがいいよね」「赤いスプーンが好きだよね」などと、まずは子どもの気持ちの寄り添い言葉にして共感しましょう。
不安な気持ちをわかってくれたという安心感につながり、子どもの心は安定します。
受け止めてあげられることであれば、できるだけ受け止めて叶えてあげましょう。
叶えてあげられないことであれば、代替案を話してみましょう。
「青いスプーンさんが、〇ちゃんと一緒にご飯食べたいみたいだよ」「恐竜の服は、〇〇くんに着てほしいみたいだよ」「車の右側から乗ったら見える景色が違って楽しいの、知っていた?」など、視点を替えさせるような提案やお話しをしてみることもおすすめです。
「イヤイヤ期」の子どもに対応するのは心も体もクタクタに疲れてしまうことでしょう。思わず怒鳴ったり、泣きたくなったり、ときには叩きたくなることもあるのではないでしょうか。
対処方法をお知らせ、提案しましたが、毎日そうはいかない!というのは正直なお気持ちかと思います。
けれど、イヤイヤ期は出口がないようで必ず終わる日がきます。親子で一生懸命に乗り越えた先には、親子で成長できる日が待っているはずです。
こんな時は、同じ境遇のママ友や、実家で愚痴を話す、SNSなどで同じような人と関わることも大切です。
また、ときにはパパに子どもを預け、一人の時間をもらいショッピングやカフェへお出かけすることでも気分転換になりますね。
我慢して疲れ切ってしまう前に、どんどん愚痴を言いましょう。自分だけではないのだと思うだけでも、心がホッとするはずです。
クールダウンし冷静な対処ができれば、子どものイヤイヤを拗らせることなく、受け止めてもらいながらの成長のスピードも上がるのではないでしょうか。
あぁまたか…今日も機嫌が悪いな…と育児にうんざりするかもしれませんが、一緒になってイライラすることなく、成長に期待しながらかかわっていきましょう。
「イヤイヤ期」について、様々な子どものタイプとその対処法についてご紹介しました。イヤイヤ期っていつになったら終わるの?どうしてこんなにめんどうなことをするの?なぜこんなにいつも機嫌が悪いの?と子育てがイヤになってしまう日も多いのではないでしょうか。
上手にはけ口をみつけ育児について愚痴を話す、一緒に笑い飛ばせる仲間を見つける、家族に聞いてもらい共感してもらう、パパに預けて一人の時間をもらう、保育園の時間預かりに預けるなど、ママの気持ちに少しでも余裕ができれば、ご紹介したような対処法ができるかもしれません。
ママだって人間。ときには怒ることもあるでしょう。子どもと一緒に泣いてもいいのです。けれどイヤイヤ期はママを困らせようとしているわけではなく、自立へ向けた成長のスタートと考え、うまく付き合ってみませんか。
あの頃は辛かったナ…と懐かしく思い返す頃、きっとお子さんはすっかり大人びて成長しているはずです。誰しもが通る道であり、イヤイヤ期は必ず終わりを迎えるものです。うまく気晴らししながら、その日を待ちましょう。
ライター:まみ@writer
保育士と幼稚園教諭免許を持ち、10年勤務の経験から育児や保育、幼児教育、保育士の悩み、保育技術、保育士の転職に関する記事の執筆をしながら、悩める保育士や保護者に寄り添うことを大切にしています。
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