一時保育ってどうやって利用する?一時保育の活用法について分かりやすく解説します!

一時保育を利用したことはありますか?子どもと一緒に出掛けられない場所へ行くとき、お仕事が立て込んでいるとき、発熱しているので通っている保育園へ預けられない時などに利用する保育サービスです。利用の仕方や注意点などをご紹介しましょう。

一時保育とは?

“一時預かり事業は、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳児又は幼児(以下「乳幼児」という )について、主として昼間において、保育所その他の場所において、一時的に預かり、必要な保護を行う事業(特定の乳幼児のみを対象とするものを除く )をいう。”

出典:一時預かりとは/厚生労働省

保護者が仕事の都合などで、育児をできない場合で保育園に入園していない子どもが、一時保育の事業をしている施設で入園手続きをしなくても預かってもらうことができる事業を言います。

自治体やその施設、利用するサービスによって違いますが、事前に登録をしたり子どものアレルギーなどの情報を知らせる、持ち物を聞いておくなど詳しい情報交換の必要がある場合もあります。一度登録や情報伝達を行えば、次回から連絡のみで利用できます。

時間単位、一日単位から利用できますが、自治体の中には連続して預けられる限度日数(例:週に3日まで等)を決めている場合もあります。ただし、病気など緊急の場合はその利用に応じています。

保育料金はその都度支払います。食事やおやつの有無、利用する施設やサービスによって料金は異なります。また、一時保育を利用する理由や課税状況によって支払う料金が異なります。

一時保育を利用できる施設ってどんなところがあるの?

一時保育を行っている施設や事業、サービスはさまざまで、暮らしている地域によっても違います。詳しくご紹介しましょう。

認可保育園

認可保育園や認定こども園の中には、通常保育のほかにも一時保育を行っている園もあります。利用したい場合は希望の園へ直接申し込むことになります。

幼稚園

幼稚園でも一時保育を行っている園があります。その園に在籍している園児はもちろん、在籍していない(その幼稚園へ通っていない)子どもも預かる園もあります。

例えば、保育園に入所を待つ間にも仕事がある保護者が幼稚園の一時保育を利用しながら、入園の順番を待つこともあります。

認定こども園

認定こども園でも認可保育園や幼稚園のように一時預かり事業を行っている園もあります。利用方法は同じです。また、同様に一日預かることのできる定員人数があるので、申し込みが満員の場合は受け入れてもらえません。

託児所

認可保育園や幼稚園以外の個人経営をしている託児所でも一時預かりをしています。その際の決まりや料金は、認可保育園や幼稚園、認定こども園とは違い、その託児所によって設定しているものとなります。

事業所内保育園・企業主導型保育園・小規模保育園・家庭保育園事業

事業所内保育園や企業主導型保育園では、利用できる定員以外の専用の一時預かりの保育室スペースを保持し、空きがある場合と保育士が確保できる場合において、一時預かりをすることができます。

どんなときに利用できるの?

一時預かりを利用したいとき、ほとんどのケースで受け入れてもらうことができます。理由はそれぞれですが、ご紹介しましょう。

仕事の都合がつかないとき

保育園に通っていない子どもの保護者が、急な仕事や勤務時間帯の延長(残業)などで子どもを見られない場合、一時保育を利用できます。または、勤務日数や時間が短く保育園への入園がかなわない場合に、一時保育を利用しながら勤務する保護者もいます。

保護者の通院のとき

保護者が急な通院や定期健診などで病院へかかる場合、一時預かりを利用できます。急な場合は一日だけではなく、例えば最長で2週間など連続して預かってもらうことも可能です。

病児保育

保育園に在籍していても発熱をはじめとする病気で登園ができない場合、病児保育として一時預かりを利用することができます。受け入れ先の施設によっては病児保育を受け入れてもらえない場合もあります。緊急の場合でもすぐに利用できる施設を抑えておけるよう、仕事を持つ保護者は、事前に地域の病児保育が可能な一時保育サービスをリサーチしておくといいですね。

冠婚葬祭

結婚式やお葬式などで子どもを連れて参加できない行事がある場合も一時保育を利用できます。緊急ではないので事前の予約をしておくことができますね。そうすることによって満員で受け入れてもらえないなど不測の事態を防ぐことができます。

保護者のリフレッシュ

美容室へ行きたい、一息つきたいなどの保護者のリフレッシュにも一時保育を利用できます。認可保育園などへの入園と違い、一時保育は仕事をしている人だけが利用できるサービズではありません。

時間預かりはもちろん、一日預かってもらうことも可能です。保護者は上手に利用しながら育児ストレスを解消でき、子どもは同年代の友達や保育士との人間関係や遊びを楽しめるという相互のメリットがあります。

料金や時間は自治体や園・利用サービスにより違う

利用料金は平均すると1日2,000~5,000円くらいが相場のようです。宿泊の場合、夜間の場合、土日祝日の利用の場合、食事やおやつ、お弁当の持参の有無によっても料金が変わります。園や自治体、サービスへ直接問い合わせてきましょう。

保育料の目安としては、以下の通りです。

例:東京都北区の場合

・私立保育園
月曜日から土曜日の午前8時から午後6時の間の保育が必要な時間
(祝日(振替休日含む)、年末年始、園の行事日は除く)
基本(4時間まで)2,000円
追加(1時間)500円
食費(昼食・おやつ)500円

・夜間私立保育園
毎日 午前8時から午後9時45分の間の保育が必要な時間
(年末年始、園の行事日は除く)
基本(4時間まで)2,000円
追加(30分)250円
食事代1食につき 500円

預けられる年齢は?

その保育園によって違いますが、0歳から、2歳から、3歳からと様々です。0歳児を保育しているからと言って、0歳児の一時預かりをしているとは限りません。希望する一時預かりの園に問合せをしてみましょう。

保育園の一時預かりで預かってもらえない場合は?

一時預かりは、予約や事前の登録が必要であり、混みあっている場合や私的な理由で緊急性が低い場合は、預かってもらえない時もあります。

また、予約がすでに一杯だったり、なかなか電話がつながらないこともあるでしょう。

そんな時利用できる一時預かり以外のサービスとしては以下のようなものがあります。

ファミリーサポートセンター

地域に根差した保育や介護などのサポートをしているファミリーサポートセンターがあれば一時預かりも可能な自治体もあります。サポートを行いたいと申し出てくれるサポーターと預けたい家庭とのマッチングができれば預かってもらうことができます。

保育ママ

共働きや1人親家庭などの事情によって日中保育できない保護者に代わって、主に3歳未満の子どもを家庭で預かる保育者や保育施設のことをいいます。

保育士資格を持つひとのほか、一定の研修を受け市区町村から認定された育児経験のある人も従事しています。

ベビーシッター

自宅で子どもと一対一で保育をしてくれるサービスです。個人企業としてシッターを派遣しているところがほとんどです。保育士資格のある人もない人もいますが、小学校教諭や発達支援員、放課後支援員など、様々な資格や育児経験を持つ人が登録しています。家事代行サービスを一緒に行ってくれるところもあります。

子どもへどんなメリット・デメリットがあるの?

一時預かりを利用することで、何となく後ろめたさを感じる保護者がいるかもしれません。けれど一時預かりは子どもにとって良いこともたくさんあります。

メリットとデメリットを考えてみましょう。

一時保育を利用する子どものメリットとは?

保育園へ入園していない子どもの場合、いつも保護者と一緒に過ごしていることがほとんどでしょう。保護者も毎日子どもの育児や遊びの内容について、なかなか楽しませたり、喜ばせたりするのも大変なことですよね。

子どもが一時保育を利用することで、集団生活を経験することになります。同年代の子どもと関わり一緒に遊び、刺激を多く受け成長することでしょう。また、保育士との関りの中で保護者以外の大人へ信頼感を寄せることもできます。

遊びだけではなく、挨拶やルールなど社会性も徐々に育つことでしょう。

様々な遊びを通し、知的にも体力的にも発達が促されるなど、子どもにとって多くのメリットがあります。

一時保育を利用する子どものデメリットとは?

では、デメリットはどのようなことでしょうか。

一時保育を初めて利用するときは知らない人ばかりの中へ入ることで不安を示し、泣いてしまうことがほとんどでしょう。ですが子どもは好奇心が旺盛!預かり先のおもちゃや絵本、友達の様子にすぐ心を奪われ気持ちを切り替えて楽しめることでしょう。

そのほかには、初めての場所で長時間の保育を受けることで疲れてしまう、集団生活の経験があまりなければ風邪などの感染症などをもらいやすいなどのデメリットがあるかもしれません。

どんなデメリットも、少しずつ慣れてくれば克服できることなので、過度に心配しすぎないのがポイントです。

一時保育を利用するときの注意点

一時保育を利用する際に、注意しておきたいこととはどのようなことでしょうか。

子どもの体調

一時保育を利用する日は、子どもの体調をしっかり確認しておきましょう。熱がある、食欲がないなどの場合は一時保育を利用することで子どもの体に負担が生じます。そんなときは無理をせず、預けることを中止しましょう。

仕事などの都合でどうしても病児保育をしてもらわなければならない時は仕方がないでしょう。一時預かりは病児預かりにも対応している施設もあるので、仕事や外せない予定がある場合は、利用しなければならないこともあるかもしれません。

ですが、保護者のリフレッシュなどが目的で予定の変更がきくときは、体調が悪い時に無理に預けないようにしたいものですね。

集団生活の場はどうしても子どもの体と心に負担がかかるものです。健康な状態であっても疲れを感じるものなので、体調が悪ければ尚のことでしょう。

事前に一時預かりを利用する日が決まっている場合は、子どもがその日まで体調を崩さないように十分気を付けて生活をしましょう。

園選び

一時預かりを実施している施設の中で、希望の園があれば必ず見学をしておきたいですね。園の雰囲気や保育士の様子、子どもたちの様子なども見ておきましょう。また、園内の正装状況や、食事をとる場合は給食のメニュー、一時預かりをしてもらう保育室、トイレなどもチェックしておきたいですね。

また、一時保育をする職員に保育士資格を持った保育士がいるかもよく聞いておきましょう。

長すぎない時間で預ける

緊急の場合は仕方がないこともありますが、リフレッシュや通院などの場合は初めから一日中預けてしまうことで、子どもに大きな負担やストレスがかかることになります。

情緒不安や体調不良などを引き起こすことにもつながります。

2時間~3時間、半日からスタートし、食事やおやつ、お昼寝など徐々に時間を伸ばして子どもに大きな負担がかからないように気を付けましょう。

親の気持ちの切り替え

一時保育を利用する際、特に年齢の小さなお子さんを預けることで泣いて離れるのを嫌がることがほとんどです。けれど、保護者から離れてお迎えをするまでずっと泣きっぱなしでいることはほぼありません。保育士さんはその道のプロ!気分転換をしながら上手に楽しませてくれますよ。

預けると決めたら、保護者も気持ちを切り替え園や保育士を信頼しお任せしましょう。

帰宅後のコミュニケーション

一時保育を利用した日は、子どもは元気そうに見えても少なからず疲れているはずです。いつもと違う環境で過ごすことで、ハイテンションになりお迎えをした後も元気に見えるかもしれませんが、慣れない環境になんとか慣れようとする子どもは心も体も疲労しています。

ゆっくりと食事やお風呂をすませ、スキンシップ会話をする、絵本を読む、眠るまでそばにつくなど、安心させてあげましょう。

まとめ

一時保育の制度や利用方法、利用施設と合わせ、メリットやデメリット、子どもに対する注意点などをお話ししました。

様々な理由で子どもと一緒にいられないときは、こういったシステムを上手く利用し、親子で負担なく過ごしてみてはいかがでしょうか。

また、今後入園してみたい保育園へ慣れるために一時保育を時々利用したり、入園を希望している保育園の空き待ちの間に一時保育を利用している人もいます。

サービス内容や料金などは自治体によって違い、準備も必要になるので、本当に必要になる前に事前のリサーチをしておきたいですね。

また、育児ストレスを抱えて悩みが深くなってしまう前にリフレッシュを目的にした一時保育の利用にもどんどん活用しましょう。少しお子さんと離れて自分の時間を作るだけでもリフレッシュでき、更にお子さんとの関りが深まるはずです。

多くの人がリフレッシュにも利用しているサービスなので、後ろめたく感じることなく、ぜひとも利用してみましょう。


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